PandoraPartyProject

シナリオ詳細

酒と肴だけで全部進むクエスト

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●酒場に入ったら爆発した件
 ドムラ・ミンミン(p3y000097)は、というか『中の人』は酒がそこまで好きなわけではない。強いわけでもない。
 平均的な酒量、嗜好、許容量を保っている混沌の側の本人は、ふらりと酒場に寄ってふらりと出てくる程度の人間であった。なお、ドムラに関してはやや酒に強くなった程度で晩酌を欠かさないとか飲まないとダメだとか、そういう変化も無かった。外見上、多少剛毅なところが欲しかったが体験したことのないものを再現するのは難しかったのだ。
 この日もただふらりと伝承の酒場に入り、飲んでからふらりと出ていく気でいたのだ。
 だから、伝承では、というか混沌でも『ネクスト』でもあまり見ない「飲み放題」の看板に違和感を覚えるより早く、酒場の入り口から吹き出した、否、店全体を覆う爆風に呆然とする間もなく巻き込まれ、デスカウントが軽率にひとつ増えた。
「なっ……な……?!」
 早々にサクラメントから復帰して店に戻ると、爆発した痕跡や建物の残骸は綺麗さっぱり消えており、更地に変わり果てていた。だが、更地には徐々に酒場のレイヤが上書きされ始めているような雰囲気があり、周囲も驚いた様子もない。まして爆発時点で客だった人々は周囲にリポップし、何事も無かったかのように右往左往している始末。
「おや、アンタ『わかる』のかい? こっち側じゃないねェ……」
 おかしい、と目を白黒させる彼の傍に、どこからともなく現れた老婆がニタニタと笑う。その頭上にクエストアイコンさえなければ、ドムラはきっとその出来事を笑ってスルーもできたものを……!

●ええっ、『一晩で居酒屋の中にある酒やら飲み物全部干さないと営業終了時間に爆破されてNPCとか建物は復元されるけどプレイヤーは一律デスカウントがつくクエスト』だって!?
「ああ、まあそういうわけだ。俺だけではとてもじゃないが手も胃も回らない」
 集められたイレギュラーズを前に、ドムラはその巨漢に似合わぬ感じでそれはそれはきれいな土下座を見せていた。あまりにきれいな土下座だったので、一同は思わず頷いてしまった。なおこの時点でドムラは何度か拝領してしまっている。
「ヒヒヒ、お前さんがこんな連中を集めてくるなんてねえ! 人手を集めればなんとかなると思ったかい?」
「ああ、思っている。俺の仲間はそうヤワではないのでな。この程度の酒場なら平気な顔して干した上で『この程度なのか?』と俺に絡んでくるわ酒樽に入って転がされるわ飲み干せといっているのに店舗より大きい酒樽を用意するわのやりたい放題の連中が、たかだか『ネクスト』の中で弱体化擦るとでも思っ」
 どうやらバグNPCらしい酒場を爆破するその老婆に、自信満々に応じたドムラはしかし、ちらっと横を見た。
 未成年になっている成人酒豪とか。
 正体を隠している酒豪とか。
 ガラが悪いはずなのに清楚清楚してるアバターとか。
 けっっっっっこういるんじゃないかなって思えてきた。
 果たして今宵の酒場は爆破されずに済むのだろうか。
 ドムラのデスカウントは増えずに済むのだろうか……?

GMコメント

 私事が立て込んでいてシナリオどころではないのですがラリーなら手を出せるのでは? と思ったので気づいたら書いてました。
 多分公開時間のあたりで副反応に苦しんでいる状況でしょう。

●成功条件
 のむこと。

●爆破される酒場
 伝承にもともとある酒場だが、なんかバグNPCによる介入で章タイトルみたいなことになってしまった。
 酒保かってレベルで大量に酒やら飲み物がある。
 なお、飲み物は
・普通に呑んで普通に酔うお酒
・ザルやワクの人でも酔える(酔うという結果が先にくるため無効化どころではない)酒
・酒に酔いやすい人でも酔わないで酒が美味しい! ってできてガッパガッパ飲める酒
・未成年でも上記の効果どれかを選べる酒
 で、おつまみは
・本人の好き嫌いはともかくアバターが嫌いなものを好きな味で食えるおつまみ
・酒で酔わなくなるおつまみ
・好きな酔い方(笑い上戸とか泣き上戸とか)ができるおつまみ
・っていうか言えばあるよおつまみ
 などがあります。遠慮なくしよう。

●重要か? まあ重要っぽい備考
 このシナリオではデスカウントがちらつかせてありますがラリーです。
 個別のプレイングに対しデスペナることが果たしてあろうか? いやない(反語)。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 酒と肴だけで全部進むクエスト完了
  • GM名ふみの
  • 種別ラリー
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2021年10月30日 21時35分
  • 章数1章
  • 総採用数15人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

樹里(p3x000692)
ようじょ整備士
神谷マリア(p3x001254)
夢見リカ家
蕭条(p3x001262)
叩いて直せ!
アンジェラ・クレオマトラ(p3x007241)
女王候補


「なんか早速死んでるやつがいるにゃあ、沢山死んだやつは帰れなくなるって話だけど大丈夫なのかにゃあ?」
「……ナニコレ?」
 『怪盗見習い』神谷マリア(p3x001254)と『女王候補』アンジェラ・クレオマトラ(p3x007241)の2人は、店の前で見事に土下座カマしたドムラ・ミンミン (p3y000097)の姿に理解の閾値が振り切れてしまった。
 しまったのだが、要は飲めるだけ飲んで好きに騒げということなので、割と『ネクスト』を楽しんでいる系の2人にはもってこいのクエストだ。
「へい、ますたー。ぶどーしゅをひとついただけますか? ぶどーしゅはいと尊き方の血なのでもーまんたいですね」
(全然無問題じゃないんですけど多分マスターがなんとかするでしょう)
 『ようじょ整備士』樹里(p3x000692)が葡萄酒を所望すると、マスターはワイングラスに注がれた葡萄ジュースをさらっと供す。アルコール臭はビタイチしないが、呷った樹里が「ふへー!」って言っているのでセーフ。
 そんな状況を横目に『叩いて直せ!』蕭条(p3x001262)ははストローを用意していた。というか既に神光とかから航海経由で届いたであろう米の樽酒にブッ挿しているんだけど度数が普通のやつだ。
 そんなものをストローでのむなどしている。
「にゃーにゃーいってお宝泥棒に夢中になってたらレベル低くてnoobってやつになっちまったにゃ! 飲まずにやってられるかにゃあ!」
「わー、ベリー大変」
「ぶどうじゅーすがあぶない? じゃあみるくでおねがいします。ちょこのりきゅーる(風)のやつ。がっぱがっぱイケるのを」
 マリアの全力の嘆きを流し聞きする蕭条だが、なぜか話しながら飲んでいる。エラ呼吸だからそれくらい平気? ごめん何いってるのかワカんねえや。
 そんな様子をガン無視してわんこそばみたいなペースで飲んでる樹里はケヒケヒ笑っている。未成年がしちゃいけない顔してると思うんだけど大丈夫だろうか……?
「お酒っぽいものを幾らでも味わえる飲み物ならあるのね? じゃあそれで! おつまみは…よくわからないから何でもいいわ!」
「アッお酒といったらお塩が欠かせませんよね! お塩、お塩くださーい!
 アンジェラは並べられた多様な酒(ではないが酒みたいな味わいのちょっと酒と疑わしい飲料)とオイルサーディン、ナッツ類、カキのオイル漬け、塩など兎に角多数のツマミに囲まれていた。当然彼女一人分ではないのだが、全部食べてもいいんだよね? という期待甚だしい視線が店主に突き刺さる。
 というか塩て。蕭条の飲み方がどうあがいてもプロ飲兵衛のそれなのである。ヤバくない?
「このせかいはいいですね。いくら食べてもおなかいっぱいになりません。というわけで、めにゅー表のここからここまで、ぜんぶおねがいします」
「いや飲みながら頼むなにゃ。飲んでから頼めにゃ。『ここからここまで』は別に飲みながらじゃなくても良かったと思うにゃ」
 酒をガバガバ飲みながら、然しマリアは奉仕精神が旺盛だった。あきらかにサイズ感がアレしている胸を揺らしながらダァン! と樹里の前にツマミの山を置く姿は給仕としてサマになっていた。
 にゃははとか笑ってぐいぐい胸をアピールしていくが、あいにくと野郎は鉄魚一尾しかいないのが残念だ。
(気軽にアルハラセクハラしそう……制裁されない? 大丈夫?)
 多分このクエスト生成したバグNPCはそこまで鬼じゃないと思うよ。

成否

成功


第1章 第2節

ダリウス(p3x007978)
尾を喰らう蛇
モモカリバー(p3x007999)
桃剣舞皇
オルタニア(p3x008202)
砲撃上手


「正義のヒーローとして、困っている仲間を見捨てる訳にはいかないだろう」
「つまり良く分かんねぇが酒を飲めばいいんだろ! よっしゃ任せろや!」
「なんて義に溢れた漢(※性別に非ず)なんだ! 期待する!」
 『桃剣舞皇』モモカリバー(p3x007999)と『バンデッド』ダリウス(p3x007978)はノリが良く、土下座のままイレギュラーズを待ち構えていたドムラの脇を抜けて酒場に入っていく。
 酒が飲めるなら何でもアリ系のダリウスと義心の為なら大抵のことはやってのけるモモカリバーは状況的に相性が良かったのかも知れない。
「ROOじゃそんな機会もなかなか無かったし、よーし呑むわよー♪ ご主人。甘めのお酒と、それに合う塩っけのあるおつまみくださいな♪」
「酒寄越せ! おら飲ませろぉ! 飲むぞ! 酒の種類ぃ? そんなの知らねぇ。兎に角強い酒持って来いやぁ! そいつに直接口付けて一気飲みだ!」
「……蒸留酒と、適当にツマミを頼む」
 2人の後から入ってきた『砲兵隊長』オルタニア(p3x008202)はノリ軽く告げると、目の前に並ぶのは各種果実酒と割材がいろいろ。果実酒は濃縮されているのだろう、割って飲む事前提の糖蜜のような甘さが匂いで分かる。
 並べられたツマミは3人のものを纏めて、になるため塩気強めの勢力が強いか。ザワークラウト、漬物、ナッツに枝豆。まだまだ出てくる気配がするが、一皿系メインなのでそこまで重くはない。
 モモカリバーの前には2Lサイズの小樽、そしてチョコやナッツ、オランジェットなんかもある。ウィスキー類は案外合うのだ。それらをたしなみながらのむ姿は、顔が現実と変わらぬだけに割合サマになっている。
 ダリウスの前に並ぶ酒はアブサン、泡盛、高度数のリキュールなどが並ぶ。酒好きならわかろうものだが、そのどれもがアルコール臭より寧ろ香りが強い。瓶で一気に干した彼の頭部を槌で殴るような衝撃が走り、ついで鼻を抜ける香りに天を仰ぐ。匂いを相殺するかのごとくツマミを口に放り込むと、次の瓶に手を付けた。データ的に度数がコントロールされていないモノなので、無理をすると……なのだが。
「あっちじゃこんなん出来ねぇからな! まだまだフィーバータイムは続くんだ、もっともっと!」
「調整されてないアルコールなら酔う時は酔うし腹も膨れるだろう、無理はするなよ」
「あははははは、いけいけー! どんどんやれー!」
 無茶を継続するダリウスの姿に、オルタニアは囃し立て、モモカリバーはちくりと釘を差しておく。なおモモカリバー、他の2人がツッコまないからおとなしいものだが多分すでにいる仲間と合わせて「あいつじゃね?」って視線を受けているが都度「私は桃剣舞皇モモカリバーだ」と訂正し続けている。多分そのうちボロが出るんじゃないだろうか……?
「ぎ゛、ぎ゛も゛ぢ゛わ゛り゛ぃ゛……飲゛み゛過゛ぎ゛だ゛……」
「そう言うな、『もっともっと』だったな?」
 結果としてダリウスは潰れかけ、酔いが回ったモモカリバーは冷静な口調のままその口に瓶を突っ込もうとしていた。鬼かよ。

成否

成功


第1章 第3節

エイル・サカヅキ(p3x004400)
???のアバター


「ヤケ酒しまーーーす」
 『???のアバター』エイル・サカヅキ(p3x004400)の割り切った大声が酒場に響き渡る。
 乙女は正体など隠していないのである。秘密が他の人よりちょっっっっっとだけ多いだけで。だから隠してないし? ログアウト不可になってこっちギャルが総てみたいなノリでキツいだけだし?
 ガッパガッパと美味しいお酒を飲みながら『本体』にアルコールが行き渡ってない状況に不満たらたらだ。飲んでも酔えない感覚、酔ってると自覚できない悲哀。
 酒もツマミも美味しいのに、『エイルとして飲んでる』という事実だけでなんかミリほどお酒の味が落ちたように感じる。
 流し込んで押し流したい。
「いっそ生命維持装置にアルコール繋いでちょうだいな! …………ン゛ン゛ッ、どうでもいいから酔うやつ全部持ってこいやああああああ」
 心の底からの叫びに合わせ運ばれてくるアルコールの味は、美味しいけどちょっと塩気が強い気がした。

成否

成功


第1章 第4節


 ローレット・イレギュラーズ――正確にはそのアバター達が伝承の酒場で思う様酒を浴びている姿を『依頼』というのは無理があると思うだろう。
 というかこんなモンがクエストだというのはおかしい、と言う話はあるのかも知れない。
 だが、事実として伝承にクエストとして発生し、前例として幻想にあるローレットで「酒の重みで床が抜けそうだから」とかいうアホな理由でイレギュラーズがかき集められた過去を鑑みれば、酒の量の危険性とか爆発オチに追い込まれる恐ろしさは語るべくもない。
 量をのむ連中、吐く連中が増えてきた以上、のむやつのみならず給仕とか、或いはほかの役割も必要なのかも知れない。頑張れイレギュラーズ、夜はまだ始まったばかりだ!


第1章 第5節

ジリオライト・メーベルナッハ(p3x008256)
D.S.G.P.
エーミール(p3x009344)
夕焼けを穿つヒト


「飲めばいいと聞いたもので、ワインとヴルストを頂きます」
「オレはウィスキー……っぽい酒じゃない飲み物とモッツァレラチーズをくれ」
 『夕焼けを穿つヒト』エーミール(p3x009344)と『D.S.G.P.』ジリオライト・メーベルナッハ(p3x008256)のチョイスは周りのようなガッパガッパと飲む感じではなく、どちらかというと静かに飲むチョイスだった。ジリオライトの側は「っぽい飲料」だが、在庫が減るのでこれはこれで。
(この辺の空気だけバーみてぇだが、いいだろ別に。オレぁ居酒屋よりはバーのが好みなんだからよ)
 混沌でも此方側でも未成年である彼女がその辺の雰囲気を語れる是非はともかく、2人は静かにちびちび飲んでいたのだ。
 ……大体40分ともたなかったが。
「……ぐすっ……なんで……なんで……懐がこんなにも寂しいんだろう……」
「仕方ねぇじゃねえか、『ネクスト』で装備整えるのだって大へ」
「私だってねえ! 自分を整えるための装備ほしいんですよ! 武器商人ってクラスだけどね!! 自分の身は自分で守れるようにしたいんですよぅ!」
「飲んでるなぁ」
 エーミールは既に大量のワイン瓶を転がしながらクダを巻いていた。なお懐が寂しい話と闇市に入り浸っている話で10分稼いでいる。回収できるのがおかしいのだ、諦めろ。
 ジリオライトは一応合いの手を入れているのだが、ここまで酔っ払っていると流石にフォローしていいのかどうなのか。
 いつの間にか二人の間には気を利かせたのかチーズ入りヴルストが置いてあるのだがこれをヴルストと呼んでいいかどうか議論については意見を控えさせていただきたい。

成否

成功


第1章 第6節

夢見・ヴァレ家(p3x001837)
航空海賊忍者
ソール・ヴィングトール(p3x006270)
雷帝
夢見・マリ家(p3x006685)
虎帝
ミミサキ(p3x009818)
うわキツ


「夢見です! 酒代を決して踏み倒したりなどしない夢見ですよ!! なので安心してお酒とおつまみを持ってきて下さい! 飲み放題から除外されている、高いやつでも構いません!」
「ふふ! 同じく夢見です! 酒代? 無論ちゃんと払いますとも! ささ!安心してヴァレ家に良いお酒とおつまみを持ってくるのです! せこいこと言わずに! ほら! そこに良い奴があるではありませんか!」
(なんか夢見って人達、妙に知り合いっぽさがあるな……)
 『航空海賊忍者』夢見・ヴァレ家(p3x001837)と『虎帝』夢見・マリ家(p3x006685)は店に入るなり、酒を寄越せと恐喝じみたアクションを起こす。というかもうひとりの夢見さんは普通にお酒代を払うし何なら給仕もするんですよ。『ステルスタンク』ミミサキ(p3x009818)が訝しげな目で見てるじゃないか。やめろよ。
「リアルの方で誘われたけど、やっぱり彼女らが君らだったんだね。いや、君らが彼女ら……うん、困惑してきたな」
「エッ……ソール氏、お知り合いなんでスか?」
 ミミサキは【鉄腕】の幹事として一同を纏めた『雷帝』ソール・ヴィングトール(p3x006270)に耳打ちする格好で問いかける。なおソールも夢見sに引っ張り込まれた格好なので誰が主導権握ってるのか良くわからない。多分ヴァレ家だ。
「ほーら、何を遠慮しているのですか。ここで飲まねば女がすたりますよ!」
「ミミサキ殿もソール殿も折角ですし、ぐぐいと! 一気! 一気! 一気! 良い気!」
「何、飲めと言うなら呑むとも。飲む……飲……」
「ははは、そこの口に酒を入れても酔いは回りませんよ、回り、回……これ度数いくつっスか? 皮膚から酔いが回るんスけど!?」
 ヴァレ家とマリ家の強引にもほどがあるアルハラぶりは、ミミサキの箱にクソみたいな度数の酒を流し込み、ソールのアバターの口に強引に酒を押し込むに至る。
 2人が有無を言わさず飲んでいるかといえばそんなことはない。キレる時はキレる。
「いい加減にするであります!!!」
「おう、皇帝共! 薄い本される覚悟があって暴れてるんだろうなぁ!」
 ソールはアバターを混沌の姿……エッダのそれに変えると、「自分は皇帝でありますよ? こ う て い」とまあド派手にイキるイキる。
 そんな皇帝バトルに巻き込まれて追い酒カマされたミミサキも乱入だ!
「ははーん、無礼講のはずの場で怒り出すなど、さては迷惑客ですね? であれば仕方ありません。お店の秩序を守るため、ここで叩き出してあげましょう!」
 ヴァレ家も売り言葉に買い言葉、店の秩序を見出している自分を脇において大立ち回りの構えを見せた。……ところで。
「ところでこの支払いは誰が」
「攻略だから飲み放もなにも……おい、なんかこの酒、隣の店のラベルが貼られてるぞ」
「請求書は現実世界の夢見にお願いしますね……えっ、今、支払え? 現実世界はここだ?」
「これは下手に皇帝になってしまったが故の不祥事なのでは?」
 なんてこった、こいつら攻略に一切関係ない別の店の酒ばっか大量に飲みやがった! さらに食い逃げしようとヴァレ家が外に逃げ
「空蜘蛛のじゅt」
「させるかァ!」
 店の前で構えていたドムラが飛ぼうとしたヴァレ家にジャンピングヘッドバッド! そのままヘッドバッドの連打で宙に打ち上げ……なんかすごく既視感のあるフィニッシュホールドで彼女を地面に!
「大丈夫であります、アレガチ目のみねうちでありますよ」
「知ってまス知ってまス、アレ『地』っていうんでスよね」
「ヴァ、ヴァレ家ーっ!?」
 なおこのあと、責任持って隣の店のものと同量の酒を飲まされました。死にそうだけど死ななかった。

成否

成功


第1章 第7節

白花老(p3x010209)
フロル・フロールのアバター


「初めての仕事が酒飲みで良いのじゃろうか? 答えはいえすじゃ。なぜなら飲まねば爆発するからじゃな」
 『フロル・フロールのアバター』白花老(p3x010209)の外見は子供めいているが、実年齢が(少なくともネクストでは)不明だ。故に酒を供することに躊躇されたりはしない。
「……あ゛?゛、この一杯の為に生きとるのじゃ……給仕殿。種類は問わぬ、お酒をやたらめったらお願いするのじゃ」
 蜂蜜酒を勢いよく呷った彼女は、それはそれは老練な吐息を酒気とともに吐き出した。酔いが良い感じに回ってきた(激ウマギャグ)白花老の前に、次々と酒が並べられていく。そしてツマミを出そうとした手を、彼女は止めた。
「つまみは要らぬ、こういう呑み方を若いのは"すとろんぐすたいる"とか言うのじゃろ??」
 若いのはツマミも楽しみますよ御老体。
 とはいえ、希望とあれば止められない。あっちゃこっちゃで繰り広げられる酒宴とともに、彼女の威勢のいい掛け声は続いた。
 ……なお翌朝、カラになった酒場の前のベンチではドムラとバグNPCの老婆が仲良く息を引き取り、ドムラのデスカウントが増えた。

成否

成功

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