シナリオ詳細
K街の夢魔 ~今夜は美少女達と大乱闘ッ!?~
オープニング
●勿体ぶるサンドリヨン
「今からお話しするのはとても奇妙で難解な依頼になります。それでも皆さんはこの問題を解決したいと思いますか?」
夕暮れ時、ローレットでそう切り出したのは『ロマンチストな情報屋』サンドリヨン・ブルー (p3n000034)だった。サンドリヨンの額には汗がじわりと滲み、身体はぶるぶると震えている。
(いったい、どれ程の依頼なのだろうか。魔種だろうか。それとも、住民を襲う獰猛な獣……あるいは、人攫いだろうか?)
目の前に座るローレット・イレギュラーズはサンドリヨンの言葉に落ち着かない様子を見せる。何故なら、彼らは何も聞かされていないからである。
「この依頼は皆さんの精神力が試されますからね」
身を震わせ、ごくりと生唾を飲むサンドリヨン。その様子にローレット・イレギュラーズが頷き、小首を傾げる。これ程までにサンドリヨンが勿体ぶることはあっただろうか。
(殺人鬼の始末だろうか……?)
喉を鳴らすローレット・イレギュラーズ。
「具体的にはどういった依頼なのか教えていただけないでしょうか?」
フィリーネ=ヴァレンティーヌ (p3p009867)が困惑気味に口を開いた。その横ではウィズィ ニャ ラァム (p3p007371)がつまらなそうに目を擦っている。
「え、ええと、そうですよね」
サンドリヨンはフィリーネを見つめ、大きな時計を見上げた。
「わっ!? 一時間も経っていましたね! 僕としたことが……分かりました。僕も意を決します。あのですね!! 皆さんには夢魔の討伐をお願いしたいのです」
その瞬間、ぴくりとウィズィの身体が反応し女豹の如くサンドリヨンを見つめ、夢魔の意味を理解している者は動揺し、夢魔の意味を知らない者はぽかんとしている。
「え、ええと……!! 僕にはよく分かりませんが……噂によると”すごくいい”らしく、近隣の住民が働かずに寝てしまうみたいなんです。なかにはご飯も食べずに睡眠薬を服用し無理やり眠ってしまう方もいるようで……なんと、夢魔は美少女型ら──」
「はい! やります! やります! やります! やります! サンドリヨンさん、此処にいる全員で夢魔を討伐しちゃいま~す!」
ウィズィがめちゃんこしつこく挙手しながら、最後は椅子の上に飛び乗った。とても興奮している。
「ウィズィさん……」
ウィズィの強い意思表示にフィリーネを含め、困り顔のローレット・イレギュラーズ。そして、サンドリヨンが椅子から立ち上がった。
「!?」
首を捻り、サンドリヨンの奇行を見つめるウィズィ以外の七人。
「良かった、ありがとうございます。流石、ローレット・イレギュラーズですね! と言うことで、皆さんに夢魔の討伐依頼をお願いします」
サンドリヨンは微笑みながら、柔らかなパジャマをせっせと配り出した。もはや、七人の意思を華麗にスルーする。
「おっ、綿100%ですか! サンドリヨンさん、分かってますね。さぁて、美少女型の夢魔に会いに行きましょう!」
ノリノリのウィズィ。既に肌は艶々、目は太陽のように輝いている。
「……もう、いいですわ。わたくしは幸運を祈りましょう」
フィリーネは諦めの表情を浮かべる。
●へっちな予感。いえ、ロマンスのお時間です。
真夜中、幻想のK街に到着したローレット・イレギュラーズ。
「ようこそ、来てくださいました!! さぁさぁ、こちらに!!」
出迎えたのは民宿の女だった。
「わぁ……やっぱりダイレクトにベッドですわね」
綺麗に整えられたベッドをしっかりと瞳に映しながら、赤面するフィリーネ。そんなにスケベじゃないフィリーネすら、モジモジしてしまう。
「ええ、宜しくお願い致します」
女は深々と頭を下げ、ばたんとドアを閉めた。
「よっしゃあ!! 待っててください、美少女達!」
いつ着替えたのだろう。いや、待って。パジャマ姿のウィズィじゃない。フィリーネだけが知る。ウィズィが全裸で疾走し、ベッドに潜り込んだことを。他の者は律儀にパジャマに着替えているところだった。
「……」
驚き、じっと見つめていれば──ウィズィの寝息がすぐさま聞こえる。
「え、早すぎません? くっ……!! わたくしは、百合花の騎士フィリーネですわ! 夢魔などに屈しません!」
覚悟を決めたフィリーネ。着替えを済ませ、ゆっくりと夢の彼方へ。
「ええええっ!?」
瞬く間に驚くフィリーネ。ムーディーなスタンディングバーが現れ、水着姿の美少女達が妖しい雰囲気を醸し出しながら絡み合っている。濃厚なシチュエーションに身体がじわじわと熱を帯びる。
「ちょっ、えっ!? あの、ウィズィさんッ!?」
目を見開くフィリーネ。その瞳にはへっちな水着姿のウィズィが美少女を口説いていたし自らもまた、へっちな水着を身に付けている。
「う、えっ……う、嘘ですわ……こ、この格好のまま、戦えってことでしょうか~~!?」
両腕で身体を隠すフィリーネ。
「あらあら、元気ね。素敵な獲物が来たのかしら?」
フィリーネの悲痛な叫び声に美少女達はにたにたと笑い、歩き出した。
- K街の夢魔 ~今夜は美少女達と大乱闘ッ!?~ 完了
- GM名青砥文佳
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年10月25日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
美少女とは何か。夢魔とは何だ。夢に落ちたローレット・イレギュラーズ。彼らは魑魅魍魎を相手取る。それも、驚きの布面積で。
「これが良いと言われている夢の内部か。凄い空間だ」
『竜食い』シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)が呟く。
「あ、あの人たちは何をやってるのですよ……!?」
『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)が目を丸くする。美少女達が仲良くしている。
「えっ。あれが”すごくいい”ことでして……!? 何というか、その、体を、……絡ませて?みたいなのをやってるのです……! え?」
瞳に、沢山のバナナが映り込んだ。それは白いヒモ無しマイクロTバック姿のシューヴェルト。とっても良い身体だ。
「え、あれ? ル、ルシアも……スクール水着を着せられているのでして……」
ルシアはもぞもぞする。尻にスクール水着がくい込む。
「夢とは思えないほどのリアルさですね」
『私の航海誌』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)がふんどし姿で呟く。ウィズィの胸元には黒い線。ちなみに筋トレが趣味のウィズィ。その身体はめちゃんこ良い身体だ。だが、夢魔達は困惑の視線を向ける。だからだろうか。スタンディングバーで褌。私は何をやってるんだろうと一瞬、真顔になりつつ気にしないことにする。いや、やっぱり恥ずかしい。
「酔いでこの羞恥を消しますか」
ウィズィは小首を傾げた。人だかり。そこには、『平和の象徴』ポポポーポ・ポーポポ(p3p009187)がいた。
「ワタクシ、この様な刺激的な水着は初めてでございますぞ! ワタクシ自慢の唐揚げ二十人前分の大胸筋と腹筋、そしてこの羽毛で夢魔を虜にしてみせましょう!」
ポーポポの水着は黒のブーメランパンツにマイクロビキニ。
「この素敵な出会い、ワタクシにご馳走させてくださいますかな?」
ポーポポはムーディー&ダンディ。女達はポーポポの体毛の濃さとバリトンボイスにオスみを感じ、遺伝子レヴェルでドックン。
「ええ、勿論ですわ」
「可愛らしい声ですな。この鳩胸、撃ち抜かれましたぞ! マスター、甘口のデザートカクテルを」
ウインクをするポーポポ。
「あー……帰って来ないって聞いて夢に捕らえるのは合っててもそっち系か」
『黒鎖の傭兵』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)が目を細める。別にドギマギするマカライトではない。むしろ、過度の触れ合いは夢魔を吹っ飛ばす切っ掛けになるくらいだ。マカライトはビールと燻りがっこのクリームチーズを食べ、時間を潰す。
「実際、見ててキツい色だがこのツマミ、めちゃくちゃ美味い」
「ここ、全てが美味しいのよ?」
マカライトのグラスにビールを夢魔は注ぎ、ポテトサラダをあーんさせる。
「美味しいな」
笑うマカライト。
(いい雰囲気ですわ!)
その様子を『百合花の騎士』フィリーネ=ヴァレンティーヌ(p3p009867)が見ていた。マカライトは七色のブーメラン型の水着、黒猫のヘッドホンにスケスケのパーカーを纏っている。良き格好をしていた。一方、嘆息するフィリーネ。
「この格好はなんですの!?」
着ているのは胸元が大きく開いた真っ赤なチャイナ服風の水着。
「こんなコスプレみたいな水着、誰の趣味ですの……! こんな恥ずかしい依頼すぐに終わらせて帰りますわ!」
クソデカボイスに夢魔達がくすり。フィリーネは涙目で夢魔をねめつける。多少の恥は我慢しよう。フィリーネはパーテーションで個室風を演出し、夢魔に近づく。
「貴女が噂の夢魔さんかしら?」
バイオレットフィズとノンアルコールカクテルのヘレネを持つフィリーネ。夢魔は頷く。
「良かったですの。わたくしはフィリーネと申しますわ、少しお話に付き合ってくださらない? そう、あちらで」
フィリーネは微笑む。互いににこやかだが実際は食うか食われるかの口説き合いバトルなのだ。
「美少女と大乱闘ですよ、アリス君! そんなの……そんなの! もう本気出すしかないじゃないですかァ!」
円陣を組むのは、『Anonym Animus』観音打 至東(p3p008495)と『泡沫の胸』アリス・アド・アイトエム(p3p009742)。至東はメイド服を脱がされ、ナース服風のスケスケ水着を披露する。
「へっちな女の子達といくらでも楽しんでいいなんて……アリスの夢……叶った♡」
アリスはマスクビキニを着ている。
「実際ィ! 夢なんですけどね」
「夢でも……リアル。ほら、柔らかい♡」
アリスは至東の腕をちょんちょんする。
「本当ですネ!! では、しとーちゃんも!」
奥義ツンツン返し。
「あたしも混ぜてくれない?」
夢魔の声がする。
「……ウエルカム♡」
「オッケーですヨ! 夢の中の私はディフェンダー(隠喩)ですから」
至東は捕食者の顔で頷く。
●
ねっとりとした雰囲気と湿度がそこにあった。
「此処はとても良いところだ。好きになってきたよ」
シューヴェルトの口説き文句に夢魔達がコロリ。
「ありがとう。あなた、奇麗よ」
「そうかな、君の前では僕の全てが霞むようだ」
シューヴェルトが髪を揺らし笑う。そう、この夢をシューヴェルトの呪いで悪夢にすることは叶わない。夢魔達の強力な力が働いている。
「貴方に夢中なの、あたし」
シューヴェルトにしなだれかかる夢魔。
「うん。君だけが、僕の……特別だよ。愛している……この肉体美を前に倒れたまえ」
シューヴェルトが耳をはむように囁けば夢魔はふらりと倒れシューヴェルトの腕の中で消えていった。ふと、シューヴェルトは目を細める。遠くで豚のような声が聞こえる。
「ふぃぃ~! 女の子からのお酒は一滴のこらす……ん? 残らずいただきますよぉ! うぃ……ぶひぃ!」
べろんべろんのウィズィ。
「飲みっぷり最高♡」
「もっとどう?」
夢魔達はウィズィが酒を飲み干す度に拍手し、ウィズィに絡みつく。夢魔の一人がウィズィの首をぐいぐいと絞め始めたがその身体にぱっしゃーんと冷たい何か、いや、明らかにカクテルが夢魔の身体にかかった。
「ん? お酒を溢しちゃった! いけませんお嬢さん、すぐに脱がなければ……風邪をひきます!」
突然のイケボにびっくりする夢魔。
「……」
「!?」
「……」
「!?」
「……」
「!?」
「……ヨシ!」
ウィズィの爽やかな笑顔。いや、普通に何しちゃってるの、この人。無言の間にウィズィは夢魔の水着を無言で脱がす、無言で褌を取り出す、無言で締めてあげるの三工程をこなす。
「どうして私も褌なのでしょうか?」
テンパる夢魔に近づくマカライト。
「やめてやれ、ドン引きしてるぞ。いや、もう遅いのか」
マカライトはウィズィと夢魔を薄目で見つめる。胸元には黒い線。
「え? ああ! あー褌こわいこわい、褌一丁の美少女が怖いなー! でも、褌姿の美少女に口説かれたいなー!」
踊り出すウィズィ。酔っ払いの戯言に美少女達が反応する。マカライトはこめかみに触れる。酔ったのだろう、頭が痛い。
「んひっ!? こ、こんな攻撃痛くも痒くもありませんヨー!! ぐあぁッ!?」
よつん這いの至東を褌を持った夢魔達が次々と踏みつけ、ウィズィを囲みだす。至東はここだけの話、一方的に色んな攻撃をされ、その身はぼろっぼろだ。
「もう、終わり? ほら、ほらぁ?」
美少女の濡れた手が至東の弱いところに触れる。
「ま、まだまだです……!!」
(このまま、守りきった上で……勝つ!)
「小娘がしかけてくるようなイタズラなんて、と、とうに実技で対策ばっちりなんですヨー!」
未亡人の至東が余裕の表情を見せた途端、夢魔が至東に噛みつこうとし、ハッとする至東。
「アリス……キミに合わせた戦い……する。キミ達の……少しも……渡したくない♡ へっちな攻撃……全部……アリスにちょーだいっ♡」
アリスは夢魔の前にくるっと飛び出しガブガブと首に噛みついてくる夢魔にニヤニヤした。
「独占欲……強い……彼女みたい♡」
●
「はー……引っ張ったら少しはマシになりましたけど、違和感が半端ないのですよ……!」
トイレでスクール水着のくい込みをゆるめたルシアがうろちょろ。夢だとしても早く帰りたい。だって、へっちなんだもん。
「でも! これは夢、夢でして! だから今起きてることはきっと綺麗さっぱり無くなって、それにどれだけ吹っ飛ばしても大丈夫なはずですよ! 全て、ルシアの魔砲でずどーんしちゃえば解決なのです!」
ズドーンポーズをするルシア。その方向に暇そうな美少女がいたので魔砲で美少女をぶっ飛ばした。
「やったのです!」
喜ぶルシアだったが、反動で水着が取れたというか裂けた。
「あ、わっ!? え、え、早く着けなおさなきゃですよ……!」
いや、無理だろう。ビリビリのスクール水着を何度も着ようとし地面にストン。その度に黒い線が出たり消えたり。
「アナタ、早くこれを付けるのですぞ!」
バリトンボイスとともに差し出されたのはポーポポの羽毛を毟り取って作られた大きな上着だった。
「え?」
「え?」
ルシアとポーポポが見つめ合う。
「あ……ありがとうなのですよ?」
ルシアは上着を受け取り、きょとん。ポーポポは酔いどれ夢魔の肩を抱いている。
「も、もしかして……く、口説いて倒すのでして!? えっ、でも、ルシアは魔砲撃っちゃって……」
直撃した美少女は全裸で倒れていた。
「それでしたらワタクシが……」
ポーポポは毛のない胸をポンと叩き、ルシアにこそこそ話。すぐに顔を明るくするルシア。
「あの……き、気になってはいたけど誘い方がわからなくて……ついつい意地悪しちゃったのですよ……えっと、その、魔砲を撃っちゃって申し訳ないのですよ」
ポーポポのアドバイス通り、不器用を演じる。
「うむ! そういうことは誰にでもありますぞ」
ポーポポは指を振り、「乙女をサポートするのがワタクシの役目でございますから」と言い放つ。
(むふふ、気の利いた言葉と気遣いで夢魔はもうメロメロでございますぞ!! なんて、キツ……)
時折、冷静さを取り戻すのが辛いところではあるが、夢魔はポーポポにホの字であった。
●
夢魔達は喘いでいる。目の前にはぼろぼろのアリスと至東。
「化け物!?」
夢魔の一人がアリスを指差す。そう、アリスは夢魔のへっちな攻撃を全部受け止めてしまう。
「違う……可愛い子が傷つくの……だめ♡ だからね、アリス……受け止める。痛い……愛しい♡」
ふと、粘着いた蜘蛛糸がアリスから噴き出し夢魔の顔はぬるぬる&べとべと。動けない夢魔に裸で密着するアリス。
「大丈夫。アリス……夜の”マッサージ”……沢山の女の子とシてるから……慣れてる……」
「ふっふっふ……うゥん♪」
アリスが夢魔にスリスリしている間、至東が立ち上がり、武者震いをひとつ。
「メイド服を着ていない今の私は、メイドでも、ダークジェミニでも、ストームブリンガーでもない……きゃん♪」
至東は鼻血を拭い──二度目の武者震い。至東の身体には黒い線が二本。
「今の私は──何がとは言いませんケド実技のスペシャリスト! 油断しましたね、夢魔! トウッ! これまでの攻防であなたがたの癖と弱点はとっくに把握ずm――んあっ!」
雄々しく叫び、得意の寝技で一本。
「ハァッ!! これで何人かは返り討ちにしてやりますからねオラーーーーーッ!」
振り返り、至東は夢魔に指を向ける。
「天国とやらに連れていってあげますヨー!」
至東は夢魔達の水着をするりとずらし、慣れた手つきで凄いことをしていく【完】
全く何も知らないフィリーネさんは夢魔と談笑中である。
「どこかの夢魔さんが活躍しすぎたせいで困ったことなったようですの」
「で?」
夢魔はカクテルで酔っている。
「そのせいで討伐の依頼が出されてしまったようですわ」
「皆喜んでくれてると思ったけど」
目を伏せる夢魔にフィリーネはキュンとしてしまう。このまま、夢魔をお持ち帰りして──え? フィリーネは左右に頭を振る。
「それで様子を見に来たのですけれど……貴女とても魅力的ですわね。討伐するには惜しいので一つ提案をしますわ」
「提案?」
マリトッツォをガブリと食べる夢魔。
「他の方を開放してくださないかしら? その代わり、わたくしに好きなことをして良いですわ」
夢魔の唇についたクリームを指先で拭いフィリーネがペロリ。
「そう」
「ただ、わたくしとても強いので貴女の魅了は効かないと思いますの。ここで提案を飲んで頂けなければわかりますわよね? その他大勢と……誰にも触れられたことがないわたくし……どちらが良いかは明白ですわね?」
煽りのフィリーネ。羞恥に震えながら夢魔を誘う最高のシーン。ここ、テストに出ます。
「顔、真っ赤だけど?」
「知ってますわ、そんなこと」
プイと顔を背けながら、緊張で手を震わせながら夢魔の手を掴み、「心臓だってほら、凄い音なんですの」と強調させた胸を触らせる。
「いいね、あんた……かなりいいわ。じゃあ、あんたを堪能したら解放してやるよ?」
「ずるい人ですわね」
フィリーネは言い、絡み合う。ちなみに全員ではないが少しずつ夢魔は気づき始めた。口説き落とされ、仲間が減っていることに。だから──口説く者を殲滅せねばならない。
「出来れば戦いたくなかった」
全裸のシューヴェルトが悲しそうな顔で、中距離から享楽のポルジアを放ち、今度は貴族騎士流奥義『碧撃』で夢魔達を瞬く間にしゅぱーんする。台詞に似合わず、ほんとあっという間。ただ、夢魔達はシューヴェルトを捕まえ、強制的にへっちな展開に持ち込む。
「んっ♡」
響く音。なんだろうなー。シューヴェルトの声であるのは確かなんだけど。一方、真横から飛んできたテーブルを無言で蹴り飛ばすマカライト。その瞬間、マカライトの水着がパンッと弾け飛んだ。
「気にして戦闘が出来るか」
マカライトは動じず、黒い線とともに移動する。
「……てっきり思い出を反映すると思っていたが、少し残念だ」
ポテトサラダの女目掛けて黒龍顎編成をお見舞いし、死角から躍り出た夢魔に全裸でスーサイド・ブラックを叩き込む。
「かかってこいよ?」
マカライトは落ちていた褌を夢魔に投げつけ、暴れ馬のように夢魔をぶっ飛ばしていく。
「うん、完璧ですね!」
その横でウィズィが夢魔達に褌の着け方をレクチャーし、「わたくしが……相手ですわ……! 夢魔なんて、嘘つきですの!」
へろんへろんのフィリーネがよたよたと夢魔の前へ。だが、すぐに夢魔にぶっ飛ばされ、はあはあと息を乱している。タンク役の彼女に一体、何が起きたのだろう。体力を大きく削られる何かがあったのだろうか。うん、分からないなー(棒読み)とりあえず、戦闘から離脱するフィリーネ。
「ワタクシは無害でありますぞ!」
ピジョンミルクを出し終えたポーポポ。股間を光らせ、バーカウンターに飛び乗った。
「悪夢ですかな!?」
褌の夢魔相手に、紳士的にノーギルティ。だが、夢魔は元気だった。瞬時にブロッキングバッシュに切り替えたが夢魔はピンピンしている。
「ポーーーーッ!!」
ポーポポの悲鳴に元凶が反応した。
「そういえば、夢魔を倒さなくちゃいけないんでしたっけ? ま、こういうときにやることは一つでしょう」
ウィズィが夢魔を掴み、尻を叩き始める。
「逃げようと暴れたら……どんどん食い込むからな!!」
ウィズィが褌を握り締めたり踏んづけているせいか、夢魔達は逃げられない。
「ごめんなさいって反省できるまで! お尻ペンペンよ!」
「……」
鳩が豆鉄砲を食ったような顔でポーポポは、ウィズィと夢魔を見た。悪夢は続いているようだ。
聞こえる水音。アリスと夢魔だ。
「イイんでしょ? ほら……♡ 声……抑えられてない……♡ イタズラしたい……そんな気分になっちゃったら……アリスのとこ……おいで♡ ……全員まとめて可愛がって……あげる♡ えへへ、可愛い♡ あ……行っちゃった」
拘束の糸から夢魔達はどうにか逃げ出し──
「裸なのです?」
ルシアとばったり。隅っこの方でひっそりしていたせいかルシアは夢魔と遭遇することがなかった。
「どうしたのですよ? え? あっ!? ち、近いのです……!」
無言で近寄ってくる夢魔達。
「まっ……だ、ダメでして! 早く逃げ、きゃっ!?」
すっころんだ瞬間、ポーポポの羽毛(上着)が泡沫のように散った。
「待って、まだ着けられ……!」
羽毛をかき集めるルシア。
「無理かな」
夢魔の一人がぽんとルシアの肩に触れる。
「ひゃい!? え、えと……? あ、ルシアを! 夢魔さんたちの好きにしていいですよ?」
小首を傾げるルシア。正解が分からない。
「ルシア、間違えたのです? え、あ、あれ? 何処に行くのでして?」
夢魔の一人が裸のルシアを抱き抱え、テーブルに座らせる。
「ひゃん!? こ、これが”すごくいい”ことでして!? やっ、あっ!?」
ルシアは真っ赤な顔でぶるりと震える。夢魔達が頷き、絡みついてきたのだ。
「ぎゃああああ!?」
暫くして夢魔達の絶叫が聞こえる。腰を押え、はぁはぁ言いながらシューヴェルトが呪刻奪命剣を夢魔に決めたのち──何処かで魔砲(反撃)の音が聞こえた。
「……」
目覚めるローレット・イレギュラーズ。彼らは色んな経験を得て──K街の英雄となった。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
あとがき
素晴らしい! ローレット・イレギュラーズは美少女に屈しなかった!
GMコメント
青砥です。リクエストありがとうございます!! 夢魔は初です、わたくし!! ふふん。もう、欲望に忠実でいいんじゃないですかぁ? 目の前には美少女がいるわけですしねぇ。我慢出来ますぅ?
●目的
夢魔を倒す!! わぁ、シンプルですねーー!! ですが、夢魔と言えども美少女型。レディを攻撃出来ますか?
●情報精度
このシナリオの情報精度は????です。
不測の事態が起きる可能性があります(小声)
●場所
夢の中。ちなみに寝ている場所は幻想にあるK街の民宿のベッド。夢の中では、口説くのに丁度いいような薄暗いスタンディングバー。望めば、お酒もソフトドリンクもフードも楽しめます。鮮明な現実を夢の中で体験出来ます。途中で目を覚ますことはありません。
●美少女型の夢魔(魔物)
美少女なので性別に関わらず見惚れるし、たくさんいる。みんな同じ顔のすけべ属性。男女問わず襲ってくる。【狂気】を付加した攻撃を行うが、攻撃方法は不明。すけべなので、すぐボディタッチに持ち込む。美少女好きにはたまらないビジュアル。ちなみにへっちな水着を着ています。
●皆様の格好
全員、へっちな水着を着用しています。沢山動くと危ない。ただ、夢の中なので脱げても黒い線が入る。
【注意】
色々と覚悟せよ。
Tweet