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シナリオ詳細

ダンジョン前宿屋へようこそ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ダンジョン前宿屋の危機
 砂漠に生きるラサの商人は、とても強靭だ。
 売れるものは何でも売るし、その土地柄「水」も高値で売れたりする。
 代替品となるワインやジュース、果物だって相応の値段で売れる。
 善と悪だって金次第、いつだって簡単にひっくり返る。
 昨日の奴隷が明日の奴隷商、何が起こるかわかりゃしない。
 時たま不思議なダンジョンの類だって出てくる。
 ならば、それだって商売の種になる。いやむしろ、商売にしない方が変なのだ。
 たとえば、そう。ダンジョン前に宿屋なんか建てちまったら、そいつはきっと良い商売になる。
 実際、お客さんは多数来る。
 問題があるとしたら、そう……時期によっては忙しすぎるってくらいかな。
「あー! 忙しい、人が足りない! 全然足りてなあああい!」
 ダンジョン前宿屋「フククル亭」の主人のヒコマは、思わず叫んでしまっていた。
 フククルダンジョンと名付けられたこの不思議なダンジョンは未だ踏破者がなく、それ故にいつでも客が来る素敵な稼ぎ場となっていた。
 しかし、砂漠の熱がちょっと収まってくるこの秋になると砂漠を進みダンジョンに挑戦しようという輩が非常に多くなってくるのだ。
 当然フククル亭も満員御礼。とんでもなく忙しい時期に差し掛かってしまっている。
 そして……更に問題も発生。どうしようもない状況に陥ってしまっていたのである。

●問題を解決しよう
「まあ、具体的に言うと人が足りねーのです」
 チーサ・ナコックはそう言うとフククル亭までの地図を机の上に置く。
 フククル亭が宿屋である以上、当然提供されるべき幾つかのサービスはある。
 宿泊、食事、風呂、物販。
 大きく分ければこの4つだが、部屋が埋まれば終わりの宿泊と違って他のサービスは宿泊客以外も利用する。
 そうなると、風呂はともかく食事と物販は完全にパンクする。
 臨時で従業員を募集するにもすぐというわけにはいかない。
 その新人が来るまでの3日間をしのぐ急場の人材が必要なのだ。
 しかも、人が多くなる時期特有のトラブルにも対応できる人材が……だ。
 たとえば盗賊とか盗賊とか盗賊とか。人が多くなると当然出てくるそういうのを難なくポイ出来る人材が、今すぐにでも求められているのだ。
 つまり、イレギュラーズである。3日間をイレギュラーズにしのいでもらいさえすれば、人材の補充はできる。
 だからこそ、その3日間だけ手伝ってほしい。そういう依頼なのだ。
「まあ、皆さんなら難なくこなせるとは思うです。頑張ってくるですよ」

GMコメント

砂漠のど真ん中にあるフククル亭のお手伝いです。
不思議なダンジョンの前にある為、いつでもお客さんはいるのですが、この時期特に忙しくなるそうです。

・フククル亭
三階建ての石造り。客室は12室。現在満室御礼。
1階が受付、食堂、お風呂に従業員スペース。
2階から3階は全部客室です。各階6部屋ずつ。

今回のお仕事
・お掃除担当
お風呂を含むフククル亭全体のお掃除です。忙しいので、そういう技能を持っていると有利でしょう。
・食堂担当
朝から夜まで大忙し。メニューはカレーとスープのセット一択。それでも相当忙しいです。
・物販担当
水薬やお水、干し肉などを売ります。接客系の技能があると役に立つでしょう。
・いざという時担当
先生、先生! 盗賊共がきやしたぜ! あっちからは悪質クレーマーも!

今回のお邪魔要素
・クレーマー
なんだかんだとクレームつけてくるチンピラ達。ラサ流に拳でお話ししましょう。
・盗賊
人の集まるところ、お金と盗賊が集まります。
・サンドワーム
全長5mくらいのでっかいミミズみたいなモンスター。人がいっぱいいるから来ました。帰れ。
得意技は噛みつき。

うまく分担して3日間を乗り切りましょう!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • ダンジョン前宿屋へようこそ!完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年09月22日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ラダ・ジグリ(p3p000271)
灼けつく太陽
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
ルクト・ナード(p3p007354)
蒼空の眼
アッシュ・ウィンター・チャイルド(p3p007834)
Le Chasseur.
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
クロエ・ブランシェット(p3p008486)
奉唱のウィスプ
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星

リプレイ

●フククル亭のお手伝い
「嬉しい悲鳴ってやつだが悲鳴には違いない。ま、同じラサ商人のよしみだ。宿屋の仕事は未経験だが、3日だけなら何とかなるだろうさ!」
『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)は言いながら、『蒼空』ルクト・ナード(p3p007354)や『狐です』長月・イナリ(p3p008096)と共に物販担当として動き回る。
 ダンジョン探索に必要な各種の物品を売る仕事だが、店は此処にしかないので全員がフククル亭の物販コーナーを利用するのだ。
 当然、一日中大忙しである。
「商品の在庫などに間違いはなし。表情は……まあ、問題はない……か?」
「接客業ってのはあまり経験が無いけど、これは良い経験値が獲得できそうね。よし、頑張るわよ!」
 ルクトが在庫をしっかりを確認し、ラダはセットで買われやすい物……例えば水と食料などを日数分ずつまとめておいて、サッと出せるようにセットを作っていた。
 他の商品なども似たような感じにそろえることで、可能な限り手間を省けるようにしていた。
 開店と同時に押し寄せてくる客波はまさにあ「どわあっ」という感じで、あっという間に商品が飛ぶように売れていく。
 特にラダのまとめたセットは客としても買いやすいらしく、セットをまとめ買いする客すらいた。
 そしてラダも、ラサ商人としてやるべき事は心得ている。
 客商売の基本は笑顔と挨拶。あと正確な勘定。
 販売の基本は不安と不満の掘り出しと、その解決策。
 故にコネと情報網でダンジョンの詳細な情報を探り、それを元に売り込みなども試していた。
「そのエリアに向かうなら、この水薬が必須じゃないか? 幸いな事に今、そのセットが」
「買った!」
 だってせっかくなら商売繁盛、売上アップを目指したいじゃないか。商売人の性だよ……とはラダの言葉だが。
 そんなラダと共にイナリは【情報網】でお客に需要がある商品を調べて、【鑑定眼】で商品の特徴やセールスポイントを確認し、【瞬間記憶】で頭に叩き込む、といった事を事前にやっていた。
 更にはお客に商品を説明する際は、上記の調べ上げた商品の良さを伝えつつ、【人心掌握術】を駆使して客の心を掴める様な説明、【説得】と【言いくるめ】で商品を進めるわ。また、【扇動】を駆使して場を盛り上げ、異性客には苦情が入らない程度の【誘惑】する様な仕草、同性の客には庇護欲(【儚き花】)を掻き立てる様な仕草を併用。本心は【腹芸】で隠し、表情などは【平常心】により隠す様に、と万全の態勢だ。
 しかしそこまでやってラダに勝るとも劣らないスペックでの客捌きとなるあたり、ラダのラサ商人としての底力をイナリは感じてもいた。
「そろそろ水薬の在庫が不味いわね……」
 だからこそ、イナリは在庫の管理にも気を配る。各人が出来る事をしていくことで、チームの力は何倍にもなるからだ。
 そして当然、客がたくさんくれば店頭の商品は減るし変な客も来る。
(さて、物を売る……接客の機会が多い以上、厄介な客は一定数居るだろうが。ただ、私が気を付けるべきはそこではない……その騒ぎに乗じて襲ってくる者。所謂盗人や、怪物の部類に対する警戒が必要だな)
 ラダやイナリのサポートとして動きながらも、ルクトは周囲の警戒を怠らない。
 具体的にルクトがするのは「音」に対する警戒だ。
 普通に客として立てる足音・物音と、怪しい動きをする者のそれは明らかに異なる。
 そういった動きを一つでも多く気付けるよう、常に警戒を怠ってはならないとルクトは常に気を張っていく。
(……警戒が空振りに終わるならそれに越したことはないが、実際に相手が襲ってきた場合はしっかりと対応をさせてもらおう)
 途中、怪しい動きをした客もいたが……ルクトが即座に反応しミサイルポッドを構えると、ビクッとしたように視線を逸らし口笛などを吹き始める。
「今日もダンジョンへ向かうのか? ……気を付けて行って来るといい。そして、この店に来い。約束だ」
 そんな事を言うルクトに顔を赤らめる客もいたりしたが……少なくとも、粘着射出弾頭「AGBB」の出番はないようだった。
 さて、食堂はどうか?
 そちらでは『饗宴の悪魔』マルベート・トゥールーズ(p3p000736)と『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)が動き回っていた。
 物販同様に朝から忙しい食堂では、カレーとスープのセットのみを提供する豪快スタイルながら、かなり客数が多い。
 ダンジョンに潜ればカレーすら食べられないのだから当然ではあるだろうか?
「伊達に美食家は気取っていないからね。しっかりと調理させてもらうよ」
 そう、マルベートがやる以上はカレーとはいえ一定以上のクオリティは維持しなければならない。
「大量に作るものだからこそ調味も完璧に。予め決められるスパイスの配合や味付け等は開業前に覚えておき、より良く出来るアイデアがあれば提案も積極的に行おう。営業中は時間経過で味が変わらないように定期的に味見もしてクオリティを保ち続けよう」
 そして更なるこだわりとしては、ワインに合うような調味にもしておきたいとマルベートは考えていた。
「こういった地であっても、いや、こういう地であるからこそ、ワインと料理のマリアージュは大事にしていきたいからね。「僅か2品の食事」ではなく「2品で大満足の饗膳」を目指そうじゃないか」
 言いながら、ルシアと共に満足する味を追求していく。
「手早く美味しくも大事なのでして!」
「確かにね。その中で求められる究極は……」
 余った木箱に乗って調理をするルシアと、木箱などいらないマルベートの作ったカレーは、いつもよりも美味しいものに仕上がって、朝から大盛況である。
 動線を意識してキビキビと動き、丁寧迅速に食材を下拵えして調理。忙しいとは言え手は抜かない。
 勿論、仲間との連携も重要だ。相手の動作に合わせて自身の行動をリファインしていき、日を追うごとにより強固に互いをサポートし合えるよう尽力することをマルベートは自分に課している。
「今日のルシアはお仕事特化でして! 魔砲も撃ちたいけどお客様は大切ですよ!」
 皿洗いを手早く綺麗に、呈茶で出す飲み物も美味しく、ママ適正で愛情を注ぎながら……と完璧である。
 しかしルシアにママみを感じて「ママァ……」と呟いた男はゴーレムに殴られて目を覚ませばよいのではないだろうか?
「いつものセットですよ!どうぞ! あっ、はい!いつものセットでして! はい、ありがとうですよー!」
 バタバタと動くルシアと、料理が切れないように動くマルベート。
 互いにポジションを定期的に交換しながらも、素晴らしいコンビネーションを見せつけていく。
「ホントに一息つく暇もないのですよー。お皿を洗って、スープを混ぜて……」
 そうやっている間にも、物販と比べると威圧感がないのか変な連中も訪れる。
「……どうしたのですよ?えっ、髪の毛が……いやこれどう考えてもあなたのでして! ルシアたちを見るのです! 今日は短い毛の人いないのですよ!」
 そう、悪質なクレーマーである。
 しかし、実に相手が悪い。此処にいるのは愛する事と食い物にする事がほぼ同義のマルベートと、隙あらば魔砲を撃ちたがるルシアである。ある意味で物販組より物騒な二人だ。
「これは警告でして。ルシアが魔砲を撃つ前に、今すぐ、回れ右ですよ」
 逃げていくクレーマーに「ふぅ……、聞き分けの悪い人もいて大変ですよー」などと言うルシアだが、あれ以上ごねていたら魔砲を本当に撃っていた可能性もある。
 そうして見事に業務をこなしていき……あっという間に一日は過ぎていくのだ。

●フククル亭のお手伝い・フルバースト!
 さて、宿泊業務が始まるのは昼以降だが、その間に行われるのがお掃除である。部屋のお掃除にお風呂のお掃除、客の利用する箇所を徹底的に掃除する仕事だ。
 1日目は戸惑うことの多かったお掃除チームも、2日目3日目ともなればその動きは「勝手知ったる」凄まじいものとなっていく。
 こちらの専任は『plastic』アッシュ・ウィンター・チャイルド(p3p007834)に『夜空見上げて』クロエ・ブランシェット(p3p008486)、手が空いている時には荒事担当の『竜首狩り』エルス・ティーネ(p3p007325)も狩りだしての大仕事である。
「ローレットの仕事としてお宿のお手伝いをすることになる、とは。こんな機会もあるものなのですね……ともあれ。常日頃から洗濯、お掃除にベッドメイキングとはやっておりますゆえ」
「はい! 今日もよろしくお願いします、アッシュ先輩」
 実に頼りになることを言うアッシュに、クロエはそう言って。アッシュは少しくすぐったそうな表情をしながらも「こちらこそ」と答える。
「宿屋のお仕事って初めてだからちょっと楽しみだったんですよね。こんなに忙しいとは思いませんでしたけど」
「そうですね……日々の客室のメンテナンスは宿経営に於いては最も重要な要素のひとつ。チェックアウトの後、次の宿泊者が入るまでの間に全てを終えなければ十全の状態でお迎えもできません」
 言いながらもアッシュは客のいなくなった部屋のドアを開ける。
「手は抜けないながらも、ゆるりと手を加える時間も無く……その中で最大効率、最大効果を目指す。宿経営におけるお掃除とは時間との戦い。己との戦いなのです……さあ、モップとバケツとはたきの準備はよろしいですか?」
「お掃除の基本は上から下へ、奥から手前へやるんですよね! 任せてください!」
 そう、宿におけるチェックアウト後の掃除は戦いである。
 チェックインまでの短い時間でクレームが出ないような完璧な掃除とベッドメイクをこなす。
 部屋数が多ければ多いほど大変になるのは言うまでもなく、そこには明確な技が要求されるのだ。
 だからこそ、クロエもしっかりと、そして素早くこなしていく。
 使用済みのベッドシーツは清潔な物に取り替えて、シーツや毛布はピシッと引っ張って、シワがなく左右均等に敷くことを心がける。
 分担しながら徹底的に部屋を磨けば、次はお風呂だ。場所柄、砂や汚れはどうしても多くなる。
「この調子でピカピカに磨いてみせま、きゃっ!」
 床で滑りそうになりながらも、モップを使いながらクロエはお風呂を磨く。
「やることが多くて大変だけど達成感があるし、お客さんには気持ちよく過ごしてもらいたいですね」
 その真心が通じる客ばかりではない。
 しかし、通じる客もいる。
 クロエは隅々まで磨いていき……その間にもアッシュが使用済みシーツの洗濯を進めていく。
 石鹸で綺麗に洗い、ピシッと干せば出来上がり。
「干された真っ白なシーツが並ぶ光景と辺りに薫る、石鹸のにおい。何だかとっても落ち着きますね……」
 厨房からはカレーの香りが漂い、物販では売り切れの札がたっていく。
 大盛況の中、エルスはロビーで待つ客にお茶を出していく。
「お部屋が決まるまで私のお茶を楽しんで頂けたなら、きっと素敵なお部屋に巡り会えますよ」
 一般常識でいえば、エルスのような魅力的な女性にそう言われてデレデレしない客はそんなにいない。
 クレーマーに対するマニュアルも、今のところエルスには活かす機会も出てきていない。
 サンドワームは全員で対処しているので、今のところエルスは全員の手伝いが多い。
 このまま比較的平和に終わるかと思っていると……外から悲鳴が聞こえてくる。
「盗賊だああああ!」
「あら、盗賊の方々のお出ましかしら? そろそろ私も働くとしましょうか!」
 そう微笑み、エルスは氷砂の指輪を大鎌へと変える。
 お金の集まるところ、盗賊も集まるが……彼等の不幸はエルスが、そしてイレギュラーズが待ち構えていたことだろう。
「不殺はないから手加減出来ないと思うけれど……宿の皆にこんなに迷惑かけたんだもの、平気……よね?」
 平気ではない。そういう抵抗が最小限で済むと思っているから来たのに、盗賊にとっては災難だろう。
 しかし、エルスにとっては盗賊の自業自得でしかない。
 物販コーナーから手の空いたルクトも駆けつけてくるが、まさにエルスとルクトの2人で無双の如し。
 更にはラダや魔砲チャンスに目を輝かせるルシアまでもが駆けつけて来れば、もはや蹂躙だ。
 蹴散らされていく盗賊を肴に酒をやり始める者も出る辺り、実にラサらしいとは言えるだろう。
「なぁヒコマ、これ今日の売上に入れていいか?」
 捕らえた盗賊を官憲に引き渡す際の懸賞金についての扱いを宿の主のヒコマとラダが相談している辺りも、実にラサらしい。
 そうして、3日という日々はあっという間に過ぎていく。
「ラサのダンジョンはいつもワクワクするわ……っ! そこに宿屋もあるなんて素敵な事……また何かあったら言ってちょうだい…全力で力になるんだから!」
 そんなエルスの言葉に全員が頷く。
 3日間のヘルプは成功に終わり、なんと売り上げもしっかりと上がったのだという。
 これからもフククル亭は繁盛していくだろうが……その壁には、たまたま来ていた画家の描いた、イレギュラーズ達の絵が飾られることになったのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
お手伝い、見事に成功です!

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