シナリオ詳細
赤い野良猫と復讐者
オープニング
■物語は再びこの地へ2
『超天才』ナーラが異世界干渉装置を造り、それをイレギュラーズによって破壊されてから数年後、ナーラの旧研究所を襲撃した軍事国家は世界各国から数々の制裁を受け、結果アスター将軍はその地位を手放すことになってしまう。
「くそ! 我々は国のために、ひいては世界のためにあの装置を軍事利用に使うつもりだったんだ! だが、あのよくわからない奴らに邪魔をされて……ああ、思い出しただけでも腹立たしい!」
アスターはその場の壁を思いっきり蹴り飛ばす。元々軍職で将軍をしていただけあって壁には靴の跡とヒビがついてしまう。だが、彼はそんなことを気に留めず、自身の計画を水の泡にしたイレギュラーズに怒りを向けてばかりだった。
そんな日々が続いたある日、アスターの前にある人物が訪れた。
「いやー、人間ってこう地位が下がるとここまで落ちぶれちゃうんっすねー。物や本もいっぱい散乱してるし」
「それにホコリもひどいわね。けど、それでもイレギュラーズに対する敵意はかなり強いみたいだし……って、いたのねアンタ」
猫耳のような黒い金属製のカチューシャをつけた二人の少女は、アスターの部屋に入るや否や文句をつけてきた。アスターはそんな見た目も中身もふざけたような少女たちにも怒りを覚える。そしてそばに置いている剣をとって叫んだ。
「お前らは誰だ! ここは偉大なるアスター将軍の……」
「元、将軍っすよね?」
「くっ、では、何の用でここに……」
「決まってるでしょ、アンタを誘いに来たの。どう? ヒトならざる力に興味はない?」
ヒトならざる力、その言葉を聞いてアスターは目を変えた。おおよそ人間とも思えなかったイレギュラーズの活躍を思い出したのだろう。しばらく悩んでから、彼は答えた。
「……おもしろい、ならそのヒトならざる力とやらを私に見せてみろ。この国の軍と戦ってな」
アスターの返答に二人の少女は微笑んで答える。
「そのぐらいのこと」
「朝飯前よ」
こうして、二人の少女、ストレイキャッツは闇に消えていくのであった。
■
先輩から聞いたこの世界にも奴らが……これは行動範囲が広がってきているね。それに、これ以外にも異変が起きているみたいだし……とりあえず、君たちには二人組のヒトならざる者、ストレイキャッツの撃破を依頼するよ。地上と空中に分かれてのコンビネーションが厄介な相手だが、役割をうまく分担すれば勝てない相手じゃないさ。頑張ってくれ。
- 赤い野良猫と復讐者完了
- NM名桃山シュヴァリエ
- 種別ライブノベル
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年07月06日 21時50分
- 参加人数4/4人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 4 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(4人)
リプレイ
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境界図書館から軍の本部の前に転移したイレギュラーズたちは、早速ストレイキャッツと対峙したようである。
「悪だくみをしようとしているのかな? そんなことをさせる訳にはいかないから、絶対に捕まえてみせる!」
「私たちの目的は彼女たちを軍と接触させないように撃破すること。つまり、飛行されたりして逃げられたら敗北だからそれを妨害することがやるべきことだね」
『リインカーネーション』スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)と『テント設営師』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)はストレイキャッツの空中にいるほうに向かって言った。
「ケンカをするならシンプルでいいでありますね。そういう意味ではこれは理想的な展開かと。では一丁揉んでやるかであります」
「ふむふむ、この二人組を倒せばいいんだね?ロロン・ラプスの流体戦闘をとくと御覧あれ、だよ」
『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)と『無垢なるプリエール』ロロン・ラプス(p3p007992)はもう一人のストレイキャッツに向かって言った。
「いやー、こいつらが噂に聞くイレギュラーズってやつっすね。どうするっすか?」
「決まってるわよ。力を見せつけるためにも、すぐに倒して軍も倒しきるわよ」
ストレイキャッツの二人はそれぞれに武器を構えて、イレギュラーズたちもまた体勢を整えて、ついに戦いの火ぶたが切られた。
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まず最初に動いたのはスティアとエッダだ。
「私に釘付けにしてあげる!」
「自分を見るであります!」
スティアは空中にいるストレイキャッツに向けて福音を奏でて自身に集中させ、もう一方の銃を持っているほうにはエッダが魔神拳と夢想拳を放って注意を集中させた。
「……なんだかあいつらが目障りに感じてきたわね」
「そうっすね。とりあえず軍の本部で暴れるのは後にするっす」
二人の攻撃がヒットしたことでストレイキャッツは標的を軍の人々からイレギュラーズたちに変更する。
「さて、まずはこれでも喰らいなさい!」
最初に銃を持ったほうがマシンガンでエッダに対して攻撃してくる。しかし、マシンガンの銃弾が何発当たろうとエッダの腕は貫かれることはなく、また彼女は腕でうまく防御することで負う傷を少なくしていった。
「ヒトならざる力とは……これではまだ、ただの少し強い敵でしかないでありますな」
器用な防御をしながら敵に向かって走っていくエッダは挑発するように彼女たちのヒトならざる力を評価する。それを単純に挑発と捉えられたのか、銃持ちの彼女はマシンガンを放り投げてどこからかバズーカ砲を取り出した。
「悪いわね。私も少しなめてかかっていたみたい……けど、この攻撃は腕だけで受け止めれるかしら?」
エッダが近づいたところでバズーカ砲が放たれた。これにはエッダも攻撃を中断して防御に徹する。武器を一撃が大きいバズーカ砲に持ち換えたことでジリ貧になるかと思われたが、そこにオルフェウス・ギャンビットで強化されたロロンが波濤縮地で突撃する。
「助かるであります!」
「いやいや、どうってことはないよ。それより、傷は大丈夫?武器を持ち変えられたあたりからかなりきつかった様だけど」
「この程度の傷なら自分は大丈夫であります」
「そうなんだ……さて、ここからはボクらの番だ!」
そう言いながらロロンは波濤縮地を、エッダは夢想拳と榴弾拳をそれぞれ使い分けて攻撃を続けていった。敵もまたバズーカ砲と蹴りを使いながら応戦するが、それでも二人の攻撃にはついてこれず遂に膝をついてしまう。
「これでとどめであります」
「ボクもとっておき、行くよ」
それぞれとどめとして、榴弾拳とぷるるーんぶらすたーを放つ。エッダの浸透する打撃が連続して撃たれたのちに、ロロンが流体ボディでまとわりついてその状態で魔力を爆発させた。
「ふう、なんとか勝てたね」
ロロンは敵の遺体を吸収しながらエッダのほうを見て言ったが、当のエッダはロロンとは別の方向を向いていた。
「ふむ、やはり近くにいたでありますか……」
そういうとエッダは何かを感じ取ったようで、ロロンを置いてすぐにその現場に向かうのであった。
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エッダとロロンが銃を持ったほうと戦っていた一方で、空中で戦うほうと対峙していたのはスティアとヴェルーリアだ。
「厄介な攻撃ばかりするっすね。こっちは銃とか持っていないんすよー」
「悪いけどこれもお仕事だからね。倒させてもらうよ」
スティアが福音でストレイキャッツの足止めを行う中でヴェルーリアは悪意と悦楽の茨で遠距離から攻撃を行っていた。茨は敵を捕まえて拘束できたこともあったが、拘束されるたびにブレードのついた足による脚術で切り裂かれていく。同時に、彼女は戦いながら軍の本部へと少しずつ近づいていくのであった。
「はっ、このままだと本部に近づけちゃう……でも、これ以上は突破はさせない!」
ヴェルーリアはジェットパックを使用して空中にいる敵に近づいた。敵もまた近づく彼女に対して脚術で撃退しようとするが、神気閃光を撃たれて動きを封じられヴェルーリアは敵に組みかかることに成功した。だが、ここでジェットパックの少ない燃料も切れ、同時に組み付かれたことで空中の敵も移動ができなくなり、結果的に二人一緒に地面へ急降下することになる。このまま二人相打ちになるかと思われたその時、二人が墜落する地点に大きな水まんじゅうのようなものがあった。
「……ロロンさん、あとは頼みます!」
ヴェルーリアは敵を下にしてスライムの姿になったロロンの上に落ちて、ロロンは敵だけに流体の身体を纏わせる。その間にヴェルーリアはロロンから離れていった。
「ちょ、これはやめ……」
「もう一発、行くよ」
ヴェルーリアが離れて敵を完全に纏った後でロロンは本日二度目のぷるるーんぶらすたーを放つ。そして、先ほどの敵同様に彼女もまたロロンに吸収されていくのであった。
「じゃあ、私はここら辺の調査にでも行こうかしらね」
戦闘後スティアはストレイキャッツが軍の本部を襲ったきっかけを探るために周辺の調査に向かった。この行動が、結果として軍にストレイキャッツを仕向けた張本人に繋がるのだが……
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「はあ、結局ああいうヒトならざる力を持っても奴らイレギュラーズには勝てないってわけか……」
遠くから双眼鏡でイレギュラーズとストレイキャッツとの戦いを見てたアスターは溜息をついた。異世界干渉装置を使って世界を征服するという自分の野望をイレギュラーズに妨害されたアスターだが、そんな彼にとってストレイキャッツは自分の邪魔をしてその後の道を狂わせた存在に復讐できる希望を示してくれると思っていた。しかし、現実はそうではなかった。たしかに、ストレイキャッツの二人は並の人間なら太刀打ちできない程に強いだろう。だが、相手はそれ以上に常識外の存在たちなのだ。おそらく下手すると彼女たちヒトならざる者の壊滅も時間の問題のようにも思われてきた。そう考え、絶望していた時だった。
「見つけたであります!」
「さあ、なぜ彼女たちを軍と接触させようとしたのか教えなさい!」
さらなる絶望、スティアとエッダがアスターを追いかけてきた。しかし、そこに思いもよらない存在がアスターを助ける。
「これ以上は進ませへんで」
ストレイキャッツのとは違う本物の獣耳をつけたメイド、トコットが二人の目の前に立ち塞がった。
「こやつは自分が止めるであります。そのうちにスティア嬢は……」
「あいつを追いかける、だね」
こうして、トコットとエッダとの戦いが予期せず始まった。錬鉄徹甲拳で戦うエッダに対し、トコットもまた独自の格闘術で戦う。トコットの素早い連撃を相手にしながらも、エッダはその動き出しを見極めて攻撃をよけ、攻撃の打ち終わりに雷神拳を仕掛ける。体は軋み腕部にスパークが走るが、それでも攻撃を行う中でエッダは呟いた。
「これがヒトならざる力の真骨頂……おもしろいであります」
その言葉を聞いて、トコットは返す。
「そうや。これがヒトならざる力や……まあ、アンタらは興味は無さそうやけどなあ」
両者ともに、会話をはさみながらもその腕前は互角の状態であった。二人の戦いは長時間にわたり、それこそスティアが聞きたいことを聞いたうえでアスターを倒して他の二人の元に戻った後も戦い続けていた。ストレイキャッツとの戦いの後だったのもあって疲労状態であったにもかかわらず、エッダは拳を振るい続けた。そして……
「ふふ、これはもう、うちの負けや」
イレギュラーズとの三度にわたる戦闘の末、ついにトコットは地に伏したのであった。
こうしてイレギュラーズは思わぬ乱入者が現れながらもなんとか倒すことに成功し、アスターとストレイキャッツの目的もまた阻止できたのであった。
成否
成功
状態異常
なし
NMコメント
思い返せばノベルマスターになってから一年以上が経ちました。桃山シュヴァリエです。今回は最初のライブノベルの世界の数年後の世界となります。よければこれより前の時系列である『滅びを巡る三つ巴の戦い』も読んでいただけると嬉しいです。
今回の目的
ストレイキャッツを撃破し、軍事国家の軍と接触させない
開始位置などについて
今回の開始位置は移動中のストレイキャッツの目の前であり、ある程度進むと軍の本部があります。イレギュラーズの皆さんはストレイキャッツを軍の本部に近づけないようにして撃破してください。なお、どちらか一方だけに集中するなどして片方を取り逃がしてしまった場合はバッドエンドとなります。ご注意ください。
エネミーデータ
ストレイキャッツ
ヒトならざる者の二人組。猫耳によく似た黒い金属製のカチューシャをつけている。一方は空中戦を得意をしており、空気を蹴るなどして自由に空を駆けていく。もう一方は銃撃が得意であり、様々な銃器を使い分けて戦う。
登場NPC
アスター
『滅びを巡る三つ巴の戦い』にも登場。ヒトならざる者の力を確かめるべく、どこからかストレイキャッツを見ている模様。なおそれが双眼鏡などによるものか、接着できる小型カメラなどによるものかは不明。
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