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シナリオ詳細

<Genius Game Next>星の獣

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<Genius Game Next>
 R.O.Oのネクストの一つ『伝承』(レジェンダリア)。
 現実世界に瓜二つの世界と、そこに棲まう人達からも発行される様々なクエストを受けて、こなす。
 もしくは自分達の棲まう世界からログインし……何故かログアウトできなくなってしまった人達を救出するという事を繰り返し、レベルを上げてきたイレギュラーズ。
 ……そんなギミックの点在する『R.O.O』から、その世界に参加する全プレイヤーに向けてアナウンスされたのは……初のイベント。
 そのイベント名称は<Genius Game Next>。
 内容は、来る6/2に、砂漠の悪漢『砂嵐』の者達が、伝承西部のバルツァーレク領及び、南部のフィッツバルディ漁を襲撃する……というもの。
 本当に、そんなイベントが開催されるのか?
 R.O.Oの世界に対する疑問、不信……様々な思惑が交錯する中での初イベント。
 更に運営からのアナウンスに付記された、この一文。

--このイベントは、ネクストの歴史を変えうる重要イベント!
--特別なクリア報酬を手に入れ、君達の手で世界を変えるのだ!!

 良くある宣伝文句が連呼される。
 だが……初のイベントに、君達は……興味が無い事も、無かった。

●星の獣
「ふぅ……お兄ちゃん。今日も一杯とれたよ!」
「ん……ああ、ビアンカ。今日もごめんね……本当は、ボクが動かなきゃいけないのに……」
「ううん! だって私、お兄ちゃんの力になりたいから戻って来たんだもん! ……だから、気にしないで!」
「……ありがとう……」
 満面の笑みを浮かべる少女、ビアンカと、松葉杖をつく、お兄ちゃんと呼ばれる少年……クロン。
 二人が棲んでいるのは、『R.O.O』の伝承地域、南方『フィッツバルディ派』に属する小さな村、『ニーシェル』。
 小麦や大豆など、穀物類を育てる広大な畑が広がるが……主たる産業はそれしかないという、貧しい村。
 ……そんな貧しい村に住んでいたクロンは不慮の事故に巻き込まれ、片足を失ってしまう……その話を聞いたビアンカは、少しでもお兄ちゃんの力になりたい……と、この街につい数日前に戻って来た。
 そんなクロンを慕うビアンカに、村の人達も優しく手を差し伸べ……貧しいながらも、幸せな生活を続けている。
 ……だが、そんな村に忍び寄る、悪夢。
 すっかり夜の帳が落ちた深夜の刻……その村の近くに、姿を現す者共。
『親方! あの村……かなりの穀物畑を持ってるようだ! きっと……かなり溜め込んでるに違いねえ! 襲撃、いいか!?』
 片目に深い傷を負った片眼の男に、半人半狼の者が声を上げる。
 いや、彼だけでない……その周りには、二十、三十もの数の、獣人種の者達の姿。
 そして、その真ん中にいた片眼の男は、空をそっと見上げる。
 ……星々の瞬きの中に、彼らが崇める一際輝く星。
 その瞬きを見つめ、暫し。
『……ああ。今こそ襲撃の時。夜の帳に紛れ、全てを皆殺しにするのだ』
『オウゥゥゥン……!!』
 親方の言葉に、狼の遠吠えを奏でる彼らは……砂漠の国より侵略してきた『凶』に繋がりし盗賊団『シリウス』。
 リーダーである『独眼の牙:グリウム』含め、全てが『狼』の獣種で構成されており……彼らが襲撃した町や村は、全てが狩り尽くされてしまうという。
 ……そんな凶悪な盗賊団に目を付けられた『ニーシェル』の村は、この深夜の刻は寝静まっており……襲撃するには都合の良い状態。
 そして彼らは、鋭い爪と、鋭い牙を伴い村を襲撃。
『お、お兄ちゃん……や、止めてえええ!!』
 満足に動けない『クロン』を『ビアンカ』の前であえて八つ裂きにし……彼女を絶望に陥れた上で、彼女も殺す。
 ……そんな悪夢の時は、刻一刻と迫りつつあった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 R.O.Oの全体シナリオですが……果たして、どのような事態が待ち受けているのでしょうか。

 ●成功条件
   6/2に開催されるR.O.Oイベント『<Genius Game Next>』。
   襲撃される村に乗り込み、村人達を救出する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   今回、襲撃される村は砂漠に程近い村です。
   広大な穀物畑が広がるので、周りからの見晴らしは良好……勿論、襲撃するもされるも都合の良い立地となります。
   時刻は深夜の刻……村人達は全て寝静まっており、皆さんが到着するのも襲撃直前となりますので、時間的余裕は殆どありません。
   村人達は大半が年老いた方々なので、逃げ足は遅いです。
   その中でも特に、片足を失った『クロン』と、それをかいがいしく世話する『ビアンカ』の二人は、突然の襲撃の前にはほぼ無力となり、逃げる事も出来ないでしょう。

 ●討伐目標
  ・砂漠より襲来する『凶』の一族『シリウス』 35人
    リーダーである『独眼の牙:グリウム』含め、全てが狼の獣種となります。
    砂漠から襲撃する、凶悪な一族で、襲撃時には獰猛な性格を剥き出しにして襲撃してきます。
    ほぼ理性はなく、殆ど狂気に包まれた状態で攻め込んでくるので、攻撃力、体力共にかなり高い者達なので、ご注意下さい。
    尚武器となるのはその獣の爪、獣の牙……範囲攻撃はないものの強烈な出血のバッドステータスがついてしまいますし、噛みついてHP吸収する事もできる様なので、ご注意下さい。

 ※重要な備考『デスカウント』
  R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
 『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が 追加される形となります。
  現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。

 ※重要な備考『情勢変化』
 <Genius Game Next>の結果に応じて『ネクスト』の情勢が激変する可能性があります。
 又、詳細は知れませんが結果次第によりR.O.Oより特別報奨が与えられると告知されています。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <Genius Game Next>星の獣完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年06月18日 23時40分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヴァリフィルド(p3x000072)
悪食竜
梨尾(p3x000561)
不転の境界
アルヴ(p3x001964)
分岐点の別の道
Teth=Steiner(p3x002831)
Lightning-Magus
空梅雨(p3x007470)
himechan
ゴルド(p3x007874)
しょしんしゃ
デイジー・ベル(p3x008384)
Error Lady
ルージュ(p3x009532)
絶対妹黙示録

リプレイ

●一大イベント?
 現実世界と似て非なる、R.O.O。
 そんな仮想世界において、突如としてアナウンスされた一大イベント<Genius Game Next>。
 ネクストの歴史を変えうる重要イベントとの触れ込みで、大々的にログインしているイレギュラーズ達に告知された訳、なのだが……。
「……平穏な生活をしている人達がいる。それが脅かされるのは……昔を思い出して嫌なんですよね……」
 と、『陽光のような焔』梨尾(p3x000561)がぽつり呟く通り、今回のイベントなんて関係なしに、ネクストの世界に住まう一般人が、その被害に逢ってしまうという……理不尽なイベント。
「いや、ゲーム内イベント……ってピンとこなかったけど、盗賊団の襲来だって!?」
「ええ……村人たちの寝込みの時間を襲うとは厄介ですね。可能な限り助けられるよう、尽力しなければいけませんね……」
「ああ。正にイカレた獣の群れだ。もはや、盗賊ですらねぇ」
「全くだ。流石にこれはねえ! ゲーム内とはいえ……無力で無害な人々を一方的に襲うなんて、許せないよ!」
 『しょしんしゃ』ゴルド(p3x007874)と『機械の唄』デイジー・ベル(p3x008384)、『Lightning-Magus』Teth=Steiner(p3x002831)が次々と交わす会話に、梨尾はこくこく、と頷いて。
「そうだよ。仮想世界でも、現実のように死んだ人は帰ってこない。いずれ来る別れに涙は付きものだけれど、惨劇や悲劇はお別れに無くていいものだし……本当の梨尾だって、自分と同じ事をするだろうから……死ぬ気で守って見せる!!」
 真摯な表情で、ぐっと拳を握りしめる梨尾。
 そして『himechan』空梅雨(p3x007470)も、梨尾の言葉に。
「ええ……例えゲームの事だったとしても……弱い人を一方的に襲う狼を貫いて見せます!」
 と気合いを入れる。
 ただ、『分岐点の別の道』アルヴ(p3x001964)は、今回の敵の状況について。
「でも……同じ狼として……酷いことをしているのは見過ごせないけど……流石に相手の数が多すぎる……避難している方もいる中の戦闘は……分が悪すぎるね……」
 イレギュラーズ8人に対し、敵となるのは『凶』の一族35人、更に寝静まった村人達が沢山おり、彼ら彼女らも救出しないといけないという話。
 無論、何の罪も無い一般人達が被害に逢うという事は許せないし、今回の事件を許せない……というのに繋がったのはあっただろう。
 でも……それ以上に今回の村を襲う事は許せない理由がある……片足を不慮の事故によって失ってしまった兄と、それを献身的に支える妹。
「いやー、ビアンカねーは偉いよな。怪我したにーちゃんを助けて頑張ってただなんて、妹のかがみだぜ!」
 『絶対妹黙示録』ルージュ(p3x009532)が眼をキラキラさせながら言うと、それにアルヴが。
「そうだね……片足を失った人もいるのか……こういう時こそ……僕のアクセスファンタズムの出番だね……かなり不利な状況には違いないけれど……こういう時こそ頑張らないとね……」
「そうだな! 頑張る妹は幸せになれるぜ。だっておれがそう決めたかんな! だから安心してくれよ、って言いたいよな!!」
 元気いっぱいなルージュの言葉に、『悪食竜』ヴァリフィルド(p3x000072)は。
「うむ……確かにかの娘の行いは褒めるべき事であろう……その恩を仇で返すような真似はあってはならん。確実に仕留めねばなな!」
 威風堂々とした口調で告げる彼に、Tethもニヤリと笑みを浮かべ。
「ああ。いいぜ、纏めて吹っ飛ばしてやらぁ!!」
 と叫び、そしてイレギュラーズ達は深夜の寝静まった村へと急ぐのであった。

●夜灯の下
 っして、イレギュラーズ達は小さな村『ニーシェル』へと辿り着く。
 時刻は深夜……周りには穀物畑が広がっており、外からは充分に見晴らしの良い場所。
 でも……それは逆に言えば、襲撃しやすい場所、という事。
 そして……もう間もなくすれば、『凶』の一族『シリウス』達が襲撃を仕掛けてくる事だろう……時間敵余裕は、殆ど無い。
「急ぎましょう……少しでも避難させる時間が欲しいですし」
 とアルヴが仲間達に呼びかけ、すぐに村へと足を踏み入れる。
 ……灯が灯る家は無く、遠くからホォ、ホォ……と夜鳥の鳴く声だけが、丑三つ時を彩るメロディ。
 その静寂の中で、住まう人々がそのまま目を覚まさない……という事が無い様に、イレギュラーズ達は早速動く。
「みんなー、おっきろーー!!」
 村中を駆け巡りながら、叫び始めるルージュ。
 勿論彼女だけで無く、アルヴ、空梅雨らも騒ぎ立て、村に住む人達をたたき起す。
 ……ただ、起き抜けに冷静な判断を出来るような人は殆どおらず。
『な、何じゃぁ!?』
『う、煩いのぉ……まだ深夜なのにのぉ……』
 と村人達は眠い目を擦りながら、灯をつけたり、ドアを開けたり。
 ……そんな村人達に、空梅雨が。
「みなさん。たたき起してすいません……でも、この村に襲撃を仕掛ける人達がいる様なのです。この村で、一番大きな村長の家と集会場に集まって下さい!」
 上目遣いで、手を合わせてお願いする空梅雨……『姫プレイヤー』を無意識に発動し、孫を可愛がりたい村人達に刺さる交渉手段を取る。
 そうして村人達を起し、避難を促す。
 ただ、そうしている間にも……。
『んー? 何だか村で走り回っている奴がいるみてーだなぁ?』
『まぁいい! とっとと皆殺しにすりゃぁいいんだからな!!』
 穀物畑越しに、村に向けて駆けてきた『シリウス』の一族が躊躇する事無く、近づいてくる。
 ……そんな敵の襲撃してくる方向も、穀物畑に周囲を囲まれているからこそイレギュラーズ達は事前に察知する事が出来る訳で……村人を避難させる三人を除き、他のイレギュラーズ達は急ぎその方向へと対峙。
 そして、声が届く位の距離まで近づいてきたら、早速梨尾が。
「闇夜に紛れて力無き者からしか奪えない狂犬達よ! ここに宣言する! 自分が生きている内は、二=-シェルの村へ手出しはさせん! 惨劇を起こしたければ、先ず自分を殺してみせろ……やれるものならな!!」
 と地下だ強く宣言し、更にヴァリフィルドもグガルゥゥゥ、と地に轟く咆哮を響かせ、威圧。
 ……流石にそんなイレギュラーズ達の動きに、『シリウス』達は一瞬立ち止り。
『何!? ……ほう、俺達に敵対するという気か。面白ぇ……全て喰らい尽くしてやらぁ!! グルゥゥゥアアア!!』
 こちらも獣の本性を露わにし、瞬く間に魔を爪、攻撃を行う。
 そんな敵の方向に更に進み出ながらTethとゴルドが。
「行くぜ、Party Timeだ!」
「うん。という訳で助けに来たよぉ! 覚悟しろ盗賊団め!」
 と『S1:PlasmaPile』を早速発動し、襲い来る奴らを範囲感電攻撃で攻撃。
 更にゴルド、デイジーも、トーチとランプで視界確保を行いつつ。
「絶対にクロン君とビアンカ君、それに村の人達には指一本も触れさせないよ!」
「そうですね。血を流すのがお好きでしたら、自分の身でどうぞ味わって下さい!」
 アクティブスキルを各々発動し、敵の鼻っ柱を挫く。
 そして仲間達が襲撃者の退治をしている最中も、アルヴ、ルージュ、空梅雨の三人は村人達に呼びかける。
 そしてただ起こすだけで無く。
「起き抜けでごめんだけど、周りの人にも呼びかけて貰えるか? 村の危機なんだ、頼むよじーちゃん!!」
 と、ルージュは元気いっぱいに頭を下げて、お爺ちゃん、お婆ちゃん達に周りの人達を非難させる様に呼びかけていく。
 ただ、そんな三人の行動に対し、村の入口での戦闘は……まだ村人達に認知されておらず。
「むぅ……何なんじゃ何なんじゃ? ……よく解らんわぃ……」
 と、愚痴る村人も暫し。
 そんな村人達を説得しつつ、一方で『シリウス』の一族を決して村へと入れさせないよう、対峙し続けるイレギュラーズ。
『グゥゥ……グルゥゥアア!!』
 そんなイレギュラーズ達が邪魔だ、とばかりに獰猛な獣の爪により一閃を仕掛けてくる。
 1匹、2匹程度ならさほどではないが……それが数十発と襲いかかると、流石に避けきれず。
「っ……!
 その腕で防ぐも、かなりのダメージを喰らう梨尾。
「大丈夫か?」
「大丈夫……!」
 ヴァリフィルドに頷く梨尾。
 かなりのダメージではあるが、唇を噛みしめて仲間達に告げる……更に、攻撃してきた敵をきりっと睨み付けながら。
「……大切な人と笑顔で過ごせる平穏な明日を……ただの獣ごときに奪わせてたまるか! 誰も、死なせるものか!!」
 と、しっかり聞こえるように咆哮で挑発を重ねつつ、更に錨火の怒りを付け加えつつ、自分をW発光で光を灯らせる。
 その光は村にまで届き、何じゃ何じゃ……と言っている老人達。
「あれは俺達の仲間だから安心してくれよ! みんなが村を守ってくれてるんだ! ほら、だから急いで急いで!!」
 とルージュ、更にアルヴ、空梅雨が村人達の避難を促しつつ……空梅雨自身は、集合場所を指し示した後に、ふら、ふらと……敵の襲撃方向へと向かう。
 ……そして、残るアルヴと空梅雨の前に。
『お、おにーちゃん……大丈夫?』
『だ、大丈夫……ビアンカだけでも、早く逃げて……』
 と……家からよろめきながら、姿を現わす若者二人。
「あ、クロンにーとビアンカねー?」
 とルージュが声を掛けるとえっ、と振り返る二人。
『え、ええ……えっと……貴方達は……?』
 ……当然見知らぬ人に声を掛けられては、驚くのもしょうがない。
 でも、説明している暇は無い。
「説明は後後! 急いでにげねーと、危ねー目にあっちまうから、こっちこっち! アルヴ、クロンを頼むな!」
 ルージュに頷くアルヴ。
 いつの間にか、アクセスファンタズムを発動し完全獣化していたアルヴは、クロンの前に跪き。
「……片足の君は、僕に乗って……もう一人の君は……他のみんなに呼びかけながら……ルージュと一緒に、逃げて……」
 獣化しているが、その声音はとても優しい。
 そんなアルヴの言葉にちょっと驚きながらも……こくり、と頷く二人。
 そして二人も連れて、村で一番大きな所に村人全員を避難させると。
「さて、と。んじゃ二人で手を握って待っててくれよな。怖い事なんてすぐに終わるぜ?」
 ニッ、と笑い掛けて、扉を閉じるルージュ……そして、時間稼ぎ用にバリケードを積み重ねておき、窓の前にも色々と置いていく。
 そして……避難誘導が完了した二人が合流する間。
「ったく、老人達の寝込みを襲うたぁ、随分とみみっちぃ狼も居たもんだなぁ!?」
 と挑発するように、勝ち気に笑うTethが、『S1:PlasmaPile』にて、再度敵を纏めて感電させると、続いてヴァリフィルドが『息吹』を放ち、纏まった狼共に大量の毒を付与する。
 そして、更に梨尾は深淵:焔を発動し、傷を負った狼からHP吸収の効果で体力を吸い取る。
 そんな前衛陣の一方、後衛に配するデイジーとゴルドは。
「血を流すのがお好きでしたら、自分の身でどうぞ味わって下さい」
「そうだね。悪い獣どもめ、これでも喰らえー!」
 デイジーのアクティブスキル1による呪縛攻撃と、ゴルドのアクティブスキル2の炎獄攻撃。
 二人の連続攻撃で、狼を確実に一匹、二匹……と倒して行くが……敵の数はまだまだ多い。
 そんな敵の集中砲火に、更に梨尾はダメージが大きくなる。
 しかし、決して退く事はない……むしろ。
「僕は大丈夫だから……だから、巻き込んで攻撃してもいいよ!」
 仲間達に告げると共に、敵陣の先頭に立って立ちはだかり続ける。
 ……そして、敵が襲撃を仕掛けてきてから、数刻。
 立ちはだかり続ける梨尾……体力は何とか『深淵:焔』で回復しようと試みるものの、流石に回復量を大幅に上回る敵の猛襲。
 彼を火力で補助するよう、ヴァリフィルドの息吹、空梅雨のアクティブスキル1、そしてTethが。
「そんなに殺しが好きってのなら、仲間同士で殴り合いやがれ!」
 苛立ち気味の『S4:E.S.Hammer』で、次々と敵を攻撃。
 そして……村人達を避難せていたアルヴとルージュの二人も、遅れて合流。
「さってと。ビアンカねーの笑顔を取り戻してやんねーとな!」
「そうだね。まだまだ数は多いけど、火力で行くしかないね……!」
 大勢で仕掛けてきている『シリウス』の一族。
 獰猛な獣の如く、狂気の儘に攻撃してくる彼らは、村人を殺すが為に、イレギュラーズを殺害する事へと集中。
「っ……!!」
 ……そんな敵の猛襲により……流石に耐えきれず、倒れる梨尾。
「む……!」
 直ぐにその間へヴァリフィルドが入り込み、敵の攻撃を代わりカバー。
 隙を無くすようにする事で……村に対する壁の役目は、しっかりと果たす。
 勿論、彼も一人で集中攻撃を受ければ、速いペースで体力は減っていく訳だが。
「それ位では、俺達は倒せぬぞ!!」
 更なる咆哮で狩りをばらまき続け、敵のターゲットを常に陽動。
 そのお陰で他の仲間達に対するダメージを極小にする事が出来る。
 そして、敵が奇襲を仕掛けてきてから十数分。
 イレギュラーズ達の被害もかなり甚大ではあるが……シリウスの数も、残りは片手で数える程に。
『グゥゥウ……』
 歯を剥き出しにして、威嚇している様だが、そんなシリウスに向けて。
「逃げられるって思うなよ? 全員、ここで逝きさらせ!!」
 と、Tethが吐き捨てると共に放つS1:PlasmaPile。
 その一撃に皆、感電し尽くし……全てのシリウス共は、雷鳴の中に崩れ墜ちて行った。

●平和に生きる為
 そして『シリウス』共が全て崩れ墜ちた後。
 再び村に静寂が訪れる。
「さて、と……んじゃビアンカねーとクロンにーの元に行こうぜー!」
 ルージュが仲間達に告げると共に、イレギュラーズ達は……隠れてくれた村人達の下へと急ぐ。
 積み重ねておいたバリケードを取り外し、コンコン、とドアを叩きながら。
「みんな、もう大丈夫だよ……安心して」
 と、優しく声を掛けるアルヴ。
 その言葉に、ほっ、と安堵する様に息を吐く村人達の声。
 扉を開けると、村人達は。
『ありがとうございますじゃ……本当、感謝しかありませんのぅ……』
 とても嬉しそうな村人達の表情を見ると、こっちも……何とか守り切れた、という嬉しさがこみ上げてくる。
 そして……村人達の中には、手を握り合っている、クロンとビアンカの姿。
「ビアンカねー、もうこれで大丈夫だぜ!」
 ニッ、と笑みを浮かべるルージュに、デイジーからも。
「本当……仲睦まじい二人ですね。二人、これからも手を取り合い、助け合って生きていって下さいね?」
 と、微笑む。
 ……そんなイレギュラーズの言葉に、クロンは。
「あ、あの……本当に、ありがとうございます……」
「あ、ありがとうございます……!」
 頭を下げるクロンに、慌ててこちらも頭を下げるビアンカ。
 そして村人達から感謝の言葉を貰ったイレギュラーズは。
「さて、初のイベントだったけど……この後どうなるんでしょうね?」
 デイジーの言う通り、この後どうなるかは解らない。
 でも、無事にイベントは達成出来た訳で……イレギュラーズ達は、一端其の場を後にするのであった。

成否

成功

MVP

ルージュ(p3x009532)
絶対妹黙示録

状態異常

ヴァリフィルド(p3x000072)[死亡]
悪食竜
梨尾(p3x000561)[死亡]
不転の境界

あとがき

ROO全体イベントにご参加の皆様、お疲れ様でした!!
足の不自由な兄弟を救う、という依頼ではありましたが……皆様のお力で、無事に村人含め、兄弟も助かったようです。
二人がこれからも、幸せに生きていける事でしょう……ありがとうございました!

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