シナリオ詳細
ハマゾンの奥地
オープニング
●伝説の奥地『ハマゾン』
「御用改めである!
イレギュラーズと言えど貴族の下着を盗んでよい法は無し――
貴様らには事情を聴きたいが故、三日以内に出頭を要請する!」
寝耳に水、とはこの事だろうか?
あるイレギュラーズ達の前に突き出されたのは下着泥棒容疑の嫌疑であった。
逮捕ではなくあくまでも出頭の要請との事だが……しかしこれは何か陰謀の香りを感じたイレギュラーズ達は身の危険を感じずにいられなかった。このまま幻想の憲兵に協力してもはたしてどうなる事か……
「なんでも幻想貴族の一人、クローバー家のシンシア・クローバー令嬢の下着が大量に盗まれたらしいんだ。そして何故かその容疑が君達――と何故か僕にもかかっている。なんでなんだよぉぉおおお!!」
思わず机に握りこぶしを叩き付けるのはギルオス・ホリス(p3n000016)である。どうして……どうしてそんな嫌疑をかけられるの、おかしいでしょ……!!
だが理不尽に憤ってても仕方ないので調べた結果――まず令嬢のぱんつが喪失していたのは確かな事らしい。なんでそれがイレギュラーズ達に容疑として降りかかってきたのかは謎だが……
「という訳ではい! なんか心当たりのある人はいますぐ出頭してくれ」
「そんなぱんつ知らないぞ! 俺が盗んだのは黒いフリル(令嬢)のぱんつだ! 今も持ってるぞ――だけどそんな令嬢のパンツなんて知らない!」
「ていうかパンツなんて盗む訳ねーだろ!? 闇市じゃあるめーし!」
ギルオスの質問に真っ先に否定に入ったのはアルヴァ=ラドスラフ (p3p007360)とプラック・クラケーン (p3p006804)だった。なんかアルヴァは別の容疑がかかりそうな気がするのだが、まぁそうだよね。普通は盗まないよね。
「俺が下着泥棒だと? ……経緯はどうであれ、濡れ衣を被せられるなら真実を突き止めねばなるまい。このまま逮捕でもされたら不穏な二つ名でも付きそうだしな」
「ていうか発信源はどこの噂だ……? 締めてくるか……」
「ははは! 僕レベルになるとパンツから被さってくるんですよ。
僕がわざわざ盗むなんて有り得ません! あ、今日も貰ったんですけどいります?」
同じくベネディクト=レベンディス=マナガルム (p3p008160)とマカライト・ヴェンデッタ・カロメロス (p3p002007)もこの事態には流石にいい顔をしていない様である。黎 冰星 (p3p008546)に関しては何言ってんだこいつ状態だが、ギルオスもあんまり人の事は笑えないので黙っておく事にした。
「盗む? 盗むくらいなら正々堂々とくださいといいます。盗むだなんて卑劣な行いをしただなんて……訴訟も辞さない。そんなコソコソとした取引なんてしません!!」
「(この紐パン(水着)は自前なので盗品じゃないけどどういえばいいのか悩んでいる)」
「というか、犯人はアルヴァ殿で完全論破では御座らん? つき出せば終わるのでは?」
他にも三國・誠司 (p3p008563)は――――うん。
後アーマデル・アル・アマル (p3p008599)は別の一件で思い悩んでいるし咲々宮 幻介 (p3p001387)はこの事態を解決する一挙手段としてアルヴァを捕まればいいのではと思考している。割と本当にそれが一番早い解決手段な気がしなくもない。
――だが待て。結局この中の誰も下着を盗んでいないというのなら。
「……無実を証明する為にはあそこに行くしかないかもしれない」
「――あそこ?」
「ハマゾンだ」
ハマゾン? ギルオスがまた訳の分からないことを言い出したぞ?
と思っていたが案外そうでもないらしい。なんでもハマゾンは世界各国に存在する『ぱんつ』の情報や物が集まって来る場所らしく、その規模は闇市にも劣らないとか……この世も末だなと思わせる場所だぜ……
「幸いにして三日ほど猶予はあるんだ――現地に出向いて情報を手に入れよう! 下着窃盗犯の情報を手に入れて捕まえに行くとか。あるいは御令嬢の下着を手に入れて返しに行くとかまぁなんでもいいんじゃないかなもう!!」
落ち着けよギルオス、まるで変態みたいだぞ。
ともあれハマゾンはとある険しい山の中にあるという……
そこまで辿り着ければ光明が見えるだろう――との事だ。
「……このままでは全員逮捕されるぐらいなら、行ってみるか――ハマゾンへ」
誰かが言った。往こう、ハマゾンへと。
パンツの情報を求め、パンツの聖地が一つへとッ!
下着窃盗に身に覚えのない男共(一部は別)は真実を究明するべくハマゾンへ向かった――
- ハマゾンの奥地完了
- GM名茶零四
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年04月17日 22時48分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費---RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
「うぉぉぉぉ逃げろぉぉぉぉ、諸々無効パッシブスキル持ちのえっちっちモンスターだぁぁぁぁ! 理不尽にも程があるだろ、耐性の穴ぐらい用意しておけよぉぉぉぉ!」
パンツの楽園――ハマゾン――
その道を進むは決して易くない。『救海の灯火』プラック・クラケーン(p3p006804)の眼前に現れた超巨大パンツ型えっちっちモンスターが襲来すれば、めっちゃ強かった。
――ふっ。俺達は仮にもイレギュラーズだぜ? そんじょそこらの魔物にゃ負けねーよ。
そんな事をプラックがサムズアップしながら呟いていたのが数時間前の話なのだが、なんという事でしょう。匠の手によりプラックは勝敗とか以前に貞操の危機に瀕しておりました。たすけて――!!
「ぉぉぉッ! ハマゾンに辿り着く前に負けてなんかいられないで御座る! 拙者の刃にてその命を穿た……うわっ刃が絡み取られ、ああああッ――!!」
「幻介――! 離れろっ、俺みたいにパンツが盗まれるぞ――ッ!!」
パンツに飲み込まれる『裏咲々宮一刀流 皆伝』咲々宮 幻介(p3p001387)。一瞬で距離を詰めてきたパンツの怪物に攻撃は通用しないというのか――!? プラックのパンツなどいつの間にか盗まれており、奴の身体の一部と化していて……
「いやそればかりか賊まで襲い掛かってこようとは……しかしぱんつの楽園・ハマゾンまであと一歩。このような所で足止めされている暇はないッ――押し通る!!」
「せめてもの慈悲だ。靴下だけは残してやろう……」
だがその尊い犠牲を無駄にはすまい! 『パンドラの色は虹色』黎 冰星(p3p008546)は伝説のハマゾンに到達するための障害はなにであろうと乗り越えるつもりであった。目前に現れた山賊を『霊魂使い』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)が瞬殺し、木に逆さづりにしてモンスターへの供物代わりに。
「初日からつまらないものを吊るしてしまった……さぁ行こう、今の内だ」
助けを求める山賊達の声――なので社会の窓だけは閉めてあげる冰星。やさしいね。
そうしてダッシュだ。パンツえっちっちに襲来された彼らがどうなるかまでは知った事ではない――こっちには罪を着せられて家庭崩壊の危機に陥っている『一般人』三國・誠司(p3p008563)もいるのだから……!
「出頭要請……ああ、あれはまだいい。でもね、家にね、いま妹いるの」
……お兄ちゃん……? ってすげー笑顔で聞いてくる妹がいるの!
もー兄としての株価がいきなりストップ安なの! あれは完全に犯人として決めてかかられてる顔だったよ! だからこの危機を脱するために嫌でも犯人を見つけなければいけない――その為に一刻も早くハマゾンへ!
それぞれ望んで、或いは止む無くの心を抱いて、そして――ッ!
「はぁ、はぁ。着いたぞ! ここが……ハマゾンか!!」
『徳工学者』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)は見た。
山の中にある伝説の地、ハマゾンの入り口をッ――!
「あらゆるパンツの詳細や実物が流れゆく場所……なるほど、きっとここから更に闇市にも流れていくんだろう。通りで幾ら闇市に行って色んなものを購入してもパンツがなくならないわけだ……納得納得。出来るかァ!!」
少なくともこんな場所、流通の概念すらあり得ない様な場所なのにどうしてパンツが流れてくるのだ! 思わず風に乗って己が顔にぶつかってきたおっさんのパンツを掴んで地面に投げつけてマカライトは叫ぶ。
しかしとにもかくにも己らの無実を晴らす為に来たのだから、行動を開始せねば!
「……このような山奥に街があるなどよく知っていたなギルオス。
流石は情報屋と言った所か……多くの事を知っているのだな」
「知りたくもなかった情報って言うのがこの世にはわんさかあるけどね……」
その一角で『曇銀月を継ぐ者』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)は『御主人! ここはなんですか!? いつものお散歩とは違う場所ですね!』と目を輝かせるポメ太郎の頭を撫でながらギルオスへと言葉を紡いでいた。
まぁお互いにどうしてこのような事になったかはさておいて。
「俺は少なくともギルオスは疑っていないぞ。互いの無実の為、力を尽くそう」
調査の時間だとハマゾンへ足を踏み入れる。
……そうギルオス『は』疑っていない。
むしろもし仮に犯人がイレギュラーズの中にいるとしたら――それは――
「うひょぉぉぉっぉぉ!! ぱぁぁぁぁんつ! まさに楽☆園!」
それは――圧倒的高機動で既に一足先に乗り込んでいた――
「おっ、なんだようやく来たのかよ! 俺はもう一足先に楽しんでるぜえええ! ひゃっはー! 楽園の地ってのはマジでこの世にあったんだなぁ~!」
『怪盗ぱんちゅ』アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)だろう。
ハマゾンのぱんつ置き場三丁目に存在する大量のぱんつの在庫の中に飛び込んでいる彼。深呼吸すれば楽園の呼吸がアルヴァの肺を満たし、彼をこの街の色に染め上げる。内部の細胞たちが沸き立つような感覚! あぁ~ルパンツダイブが止められねぇぜ~!
この幸福感を瞬間的に記憶し永遠に己が魂に焼き付けよう。
激しい高揚感と悲鳴に近い悦の声と共に彼は舞う。
「……やはりアルヴァは憲兵に突き出した方がいいのかもしれんな」
「ていうかこんな街焼き尽くした方がいいで御座るよね、間違いなく」
きっとそれが皆の平和につながる筈だと。
はしゃぐポメ太郎の顎を撫でながらベネディクトはどこか遠い目をして。幻介はハマゾン壊滅のための策を頭の中で練っていた――
●
「で、シンシア・クローバーのぱんつなぁ?
んだよソレ、違う令嬢の方ならよーく知ってんだけどなぁ……」
そんなアルヴァではあったが(一応)目的の事は忘れていなかった。聞き耳を駆使して女性のぱんつの山を捜索するついでに、ぱんつの行方も気に掛けている。
「最近新しいぱんつが持ち込まれたとか情報はないかい? これとは違うタイプで」
「おお――そいつはぁ、某令嬢のぱんつじゃねぇか! 若いの、いいモンもってるじゃねぇか」
「へへ、だろ?」
誇らしげな表情と共にリズのぱんつを頭に被りながら街の者へと声をかける。アーベントロート領でやれば速攻打ち首になりかねない行為だが、ここは山の中。何の問題もない!
ともあれ彼は確信している。ぱんつを集める奴に悪い奴は居ねぇ――と。
正面からぶつかり合えば分かり合える筈だ! ポリスメン、はやくこの人どうにかして。
「まさか生きているうちに、ここに来る事になろうとはな……ふっ、しかし或いは。これはぱんつの神が齎した運命と必然であったのかもしれない。奇跡が齎しこのコーデこそが正にその証……!」
同時。冰星の身はなんと――全身ぱんつに染め上げられたコーデであった。
今日は気合を入れて家を出るとき全裸で出てきたのだが、道中でぱんつが冰星めがけてすっ飛んできてどんどん身を覆っていったのでこのような形になったらしい。もしもしポリスメン? はい、牢の座席予約を一件追加で。
「これこそが今年の春のトレンドです。生徒の皆さんは覚えて帰ってくださいね。
ここ、テストに出ますよ」
おおお、と周りの街の人から羨望の眼差しで見られる冰星。フッ、ちょろいもんだぜ。
「ところで――最近この辺りで一際トレンディでフレッシュなブツを仕入れたそうじゃあねぇかい。そいつの事についてちょっと知りたいんだがね」
「無論、タダとは言わんで御座るよ。そう……拙者の持ってきたこれらと引き換えにどうで御座るか?」
そのまま冰星はぱんつ食べながら幻介らと共に情報収集を進める。
秋奈の――令嬢の――乙女の――可愛い――くまさんぱんつ――セキガハラ――
幻介がちらつかせるいずれも一級品の下着達。
物を見せて令嬢のパンツを盗んだ犯人の情報を集めん。
無論ガセネタを掴ませようものなら許さないが。
「これはこれは、素人の僕が見ても上質なパンツじゃないですか。こんなお宝をどこで?
ラサのブラックマーケットですら中々見られない代物かと思いますが……」
そして誠司もまた(ぱんつの)情報収集に励んでいた。字面だけ見るとまた妹さんに『お兄ちゃん?』って言われそうな感じである。
ともあれ件の令嬢のパンツが盗まれたのは最近。
未だ卸されている途中の確率が高く、故にこの街に幾らでもいるぱんつ業者へと当たって会話を引き摺りだすのだ――怪しい言動が零れれば儲けもの。いざとなれば心を読む技能すら用いれば、心を引き摺りだせると考えて。
「一人のご令嬢の下着が大量に盗まれた……解せぬな。なぜそもそも大量に下着があったおいうのか……考えてもみろ、大量に、となるとその殆どは洗濯済みだろう? 普通、こういう時に盗まれるのは着用済み未洗濯じゃないのか……? どう思う? 所見を聞きたい」
「ドン引きっすわぁ……」
何故だ。とアーマデルは己の近くにいる霊魂『酒蔵の聖女』にドン引かれる事に疑問を呈しながらも、令嬢のパンツの謎に思考をどうしても割いてしまうものだ。しかしパンツにまつわる謎はパンツの者に聞くのが筋。
「工場長、頑張ってついてきてくれ。頼りにしている。
聖女も後で報酬をやるから手伝ってくれ」
姫騎士パンツ元工場長の嗅覚は頼りになるだろうと判断しながら。
彼も往く。ハマゾンの奥へと。ぱんつの深淵へと。
とにもかくにもかの令嬢のぱんつを見極めねばならない――貴族の者であれば名前でも書いて、え、書かないのか? ならやっぱり工場長に匂いで判断させるしかないだろう。
「ふむ。シンシア・クローバー嬢、だったか? 彼女の下着を取り返しに行くのは良いんだが、その判断はどうやってつけるべきだろうか」
女性の名前を出して下着を探すのも中々憚れる事であるとベネディクトは一言。
個人名を出しながら練り歩くのもまるで求めている様でアレである……このような場に来た以上はこのような事を言っても仕方がないのかもしれないが。
「ギルオスはどうする? 共に行動するか?
俺はポメ太郎と共に、下着を取り扱う者達の所へ踏み込んでみようかと思う。
聞き込みによる反応から手がかりを割り出していくしかない気がしてな」
「うん、そうだね。良い手段だと思う、だから僕も――」
と、ギルオスにも声をかけた――その時。
「控えおろー! ここにいるのは誰と思わす!
かのパンツそのもを司る権能を宿し神、ギルオス・ホリスだぞ!
頭が高い、控えおろー!」
「ま、まさかアレが!! はは――ッ!!」
なんか変な声が表通りの方から聞こえてきた。
それはマカライトの一声。
何事かと思えば彼はギルオスを指差してとんでもない事を……
「この者こそ神の国(パンツまみれの家)から訪れた現人神。
――神はあるパンツが失われた事を憂い、この地に現れた。
決して動かしてはならぬパンツというものがこの世にある事は皆知っているだろう。
そのパンツ――シンシア・クローバー氏のパンツを奪った下手人を探して欲しい。
それらの暁には罪は許され、この聖なる地は更なる発展を許される事だろう……!」
「マカライト――! 何言ってるんだやめろ――!!」
宗教信者達にギルオスがパンツを司る神の化身、或いはそのものであると吹聴すれば、目論見通り集まる集まる。ギルオスがなんか抗議の声を挙げている気がするが、もうとにかく囃し立てまくって街の者らを総動員してくれる。
人の心を掴む弁舌を持って扇動し、聞き耳を立てて端の言葉すら拾おう。
さぁ往けパンツの子らよ。
神は望んでいる――パンツを取り戻すべし! これは聖戦であると!
沸き立つ街全体。マカライトの言は力となり、ハマゾン全体へと波及していく――!
「……なんかよ、こう……パッション的に此処に来たけどよ。コレ、もうなんかパンツ泥棒の疑惑が悪化とか以前にとんでもない事態になってねーか? そもそもこの街に何の用事で来たんだって話になるし……ギルオスさんじゃあるめーし……」
数多のぱんつなんか持ってどうなるんだよ、とプラックは熱に籠る街の様子を眺めながら逆に冷静になりつつあった。
「あ、嫌、ごめん……好きで持ってる訳でも崇められてる訳でもないよな、ギルオスさんも」
「プラック! その憐みの目をやめろ! 哀しくなるから!」
しかし下には下がいるものだとギルオスを眺めながら、プラックはこっそりと物陰へと足を進める。
目的は孤立している街の者を見つける事。
何をするかって? そんな事は簡単だ――
「おい」
背中から声をかけて、一気にアームロック。
「――盗まれた女性のパンツと刈られた俺のパンツを返せ。断るなら、分かるな?」
「ぐああああ何の話だ!!?」
「とぼけんな! あのぱんつのえっちっちがお前の手先だってことは分かってんだ!」
半ばヤケになりながらもプラックはこの街自体が許せない。
つーかこんな碌でもない所燃やすのが正解だ! 存在自体が許されない!
闇市のパンツ量産所の一つがきっと此処なのだ――
人々の悲しい涙をこれ以上流させぬ為プラックは決意する。
事が済んだらこの街はもう用はないとッ――!!
「待て、待て! そのパンツならたしか裏路地五丁目に入荷したと噂が……!」
「ホントだろうな! ガセだったらこの腕は無事じゃすまねぇぞ!」
「皆! 今正にクローバー嬢の下着取引がされてるらしい――踏み込めば犯人を逮捕できる!」
プラックのアームロックに屈した街人が情報を吐き、時同じくして誠司もまた情報を掴んでいた――であればもうこんな所は沢山だ。マカライトは街人を扇動し目的の所へと侵略を開始して。
「はっはっは、私の名前は怪盗ぱんちゅ!
シンシア・クローバーのぱんつを貰い受けに参上した!
その他のぱんつも含めて頂いていくぞ、はっはっはー!」
――だが彼らが現場に踏み来むよりも早く来たのはアルヴァだった!
ぱんつを被り、ぱんつを求む。それが世を騒がす(気がする)怪盗ぱんちゅ――
だから。
「うぉぉっぉ見つけましたよ真犯人! くらえ怪盗ぱんちゅ、これぞぱんつの鉄槌!」
「ぬぁあああ――!?」
逃げようとした怪盗ぱんちゅを冰星が襲撃した!
一気に間合いを詰めて繰り出される拳が彼の頬を穿つ! くたばれこの怪盗め! この冰星の目が黒い内は好きな様には……って。
「ええっ、アルヴァさん!? まさか――やっぱりアルヴァさんが犯人なんですか!?なんか怪しいと思ったんですよね! ホントホント!」
「こう言っては何だが、冰星も相当犯人の様に見えるぞ」
「……全員纏めて突き出すか?」
えぇ、まさか~! 全身ぱんつ達磨状態の冰星を見ればアーマデルとベネディクトの怪しげな目も納得するというものである。それはそれとしてこの構図……どう見てもやっぱりアルヴァが犯人の様に見える……ついでに誠司から発射されたネット弾がアルヴァを捕まえて――
その時。外に挙がるのは火の手。
ハマゾンが――燃えている!? 馬鹿な、これはまさか……!
「こんな場所、この世に存在してはならない……
ぱんつの保存場所はギルオス殿の家の押入れだけで十分で御座る」
全て灰になれと――願い、実行したのは幻介だ。
ぱんつという燃えやすい布だらけの街は一度火が放たれれば一溜りもない。
あっという間に広がる炎の渦。その渦中で叫ぶのはマカライトで。
「これは神意である!! 下手人にギルオスの名の下天罰を! 神の火を知れ――!」
この機に幻想の貴族共が何故か攻め落とさないこの地を徹底的に滅ぼしておこうと、熱意の言を繰り出すのであった。
●
やがて全てが燃え尽きた頃、イレギュラーズ達はローレットへと帰還していた。
犯人達は判明し、令嬢のパンツも戻ってきた――
それで全て解決した……筈だが。
「犯人はギルオスさんです。後『リリファに似合うブラでも探してみるよ、あ、着ける胸が無いか、あははは』なんて発言もありました」
むきゃあ? プラックの狂言にキレた某リリファルゴンがギルオスを襲撃。
情報屋の悲鳴が轟く中――
「ご協力感謝いたしますイレギュラーズ殿! それでは犯人はこちらで」
「ああ……アルヴァ殿、信じていたのに……」
憲兵隊がアルヴァを連行しようとしている。その様を見送るのはアーマデルだ。
数々の容疑から彼も犯人と思われたのか! うーん否定し辛いぞぉ。
完全拘束状態のアルヴァ。まぁイレギュラーズの彼なら色んな特権で一回ぐらい恩赦が出るだろう。だからすぐに解放されるのはきっと間違いないと思う、が。
「なぁギルオスよ――」
それはそれ、これはこれ。
一人でムショ行きなんて冗談じゃない。だから――
「一緒に――ムショに入ろうぜ――?」
にっこりとした笑顔から紡ぎ出されるは数々の狂言。
ギルオスも協力者だったと。
半信半疑ながらもそれならと事情を聴く為ギルオスも連行される。どうして――
――こうして一連の事件は幕を閉じた。
ハマゾンは壊滅し真犯人は捕まり……彼らには平穏が訪れる。
だが忘れてはならない。
ぱんつがあり続ける限りハマゾンもまた存在するのだと。
そう。この混沌世界のどこかに第二・第三のハマゾンが生まれるのは。
きっと、そう遠くない未来の事だろう……
成否
成功
MVP
なし
状態異常
あとがき
『ハマゾンは滅びぬ。何度でも蘇るさ!』
――生き延びたハマゾン街の長の発言。
ありがとうございました!!
GMコメント
ぐああああああどうしてこんな依頼がアアアア!!
リクエストありがとうございます! 以下詳細です!
●依頼達成条件
下着泥棒の真犯人の情報を集めろ!!
(最悪アルヴァさんを黒いフリル(令嬢)のぱんつを盗んだ犯人ですと、憲兵に司法取引がてら付き出せば解決します!)
●フィールド『ハマゾン』
ハマゾンとはとある険しい山の中にあるとされる秘密の街です。
そこは数多のぱんつと数多のぱんつの情報が集まるとされています……
ここへと辿り着ければ下着窃盗犯の情報を入手でき、それを憲兵に渡す事によって皆さんは無実になるかもしれません。本当かよ。
皆さんはぱんつの情報を求めて険しい山の中を、襲い来る動物とかを死闘の末に退けて、わざわざ頑張っていくことにプレイングを割いてもOKですし、山中進むことは一行で終わらせてハマゾンに辿り着いてそこで情報を入手するためにぱんつの山の中を掻き分ける事にプレイングを割いてもOKです。
もしかしたらハマゾンには貴方達の親しい人物のぱんつがあるかもしれませんし、そうではないかもしれません。ハマゾンには夢とか希望とかなんかもう色々あるんですから……!
なおハマゾンはぱんつを求める者に寛容な街とされています――住民もぱんつ狂いなんだとかそうでないんだとか……
●ギルオス・ホリス(p3n000016)
どうして巻き込んだ、言えッ!!!!!!!
彼も何故か容疑者として巻き込まれてるので皆さんに協力します泣きながら。
ハマゾンへの道案内をしたり、皆さんの支援をする事でしょう。泣きながら。
●シンシア・クローバー
幻想貴族のとある御令嬢です。
今回下着を盗まれた渦中の人物。
なんでも美人らしいですが、多分今回は出てきません。多分。
●情報精度
このシナリオの情報精度はEです。
無いよりはマシな情報です。グッドラック。
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