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シナリオ詳細

<グラオ・クローネ2021>汝、チョコレイトを欲さんと願うならば~敗北者たちの宴~

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●敗北者に送るチョコレイト

「ぐあああああー!」
「くそっ、今年もダメなのか……!」

 グラオ・クローネ。大切な人に贈り物をする日。
 灰色の王冠の御伽噺にちなんだ、素敵なチョコレイト。
 家族に贈る人もいるだろう。
 友人に贈る人もいるだろう。
 ……恋人に贈る人だっているだろう。

 そして、贈ってもらえない人だっているだろう。
 貰えない人だっているだろう。
 証人の陰謀だと疑ってみせる人だっているだろう。
 そんなもの面倒だね、と嘯く人だっているだろう。
 ちなみに全部同じ意味、すなわち敗北者である。

 ならばどうするか。
 グラオ・クローネの間、ただ息をひそめているしかないのか。
 死もまた死するしかないのか。
 世界に光あらば、闇あることもまた宿命というのか。
 チョコレイトこそが、この日を過ごす者に人権を与えるチケットであるというのか。
 段々意味が分からなくなってきたが、そのような心情になる場である。

 ならば、どうするのか。
 その答えが此処にある。

「くそっ、撤退だ! これはもう……依頼を出すしかない!」

 敗北者たちが逃げていく。
 そんな彼等にピョンピョンと跳ねながら挑発してくるのは……チョコレイト?
 パッケージングされたチョコレイトに見える。
 リボンにも似た足が生えているようにも見える。
 何故そんなものが、山の中に。

 分からない。しかし、これだけは言える。
 愛が勝ち取るものであるならば、あるいは。
 チョコレイトもまた……勝ち取るものなのでは?

●敗北者たちのチョコレイト

「グラオ・クローネだな」

 そんな人によっては凶器となり得る言葉を、情報屋は吐く。
 酷い奴である。誰もがチョコレイトを貰えるわけではないというのに。
 何の恨みがあってそんな単語を出すのか。

「古来より、愛は勝ち取るものという。ならばチョコレイトも勝ち取るものだと考えた連中がいる」

 当然だが灰色の王冠の御伽噺はそういうのじゃないし、チョコレイトに踊らされ過ぎである。
 しかしながら、そういう高尚な話が出てくる幕ではない。
 貰える者と貰えない者。ただそれだけの話であり、貰えない者が欲しがるのは自然な話でもある。

「とある山の中に、この時期にだけ発生するモンスターが居る」

 その名もチョコレイトエックス。パッケージングされたチョコレイトに似た本体と、飾られたリボンにも似た手足。
 そのパッケージのような皮を剥けば、チョコレイトにそっくりな中身とそっくりな味の可食部分が出てくる。
 つまりチョコレイトであると言う事も出来るだろう。
 
「つまりコレはチョコレイトを貰えない連中がチョコを買わない方法で手に入れる唯一の手段といえる……というわけだな」

 そう、自分で買ったんじゃない。勝ち取ったチョコレイトだ。
 そこに貰ったチョコレイトと何の違いがあろうか?

「欲しければ勝ち取れ。それが掟だ」

 そのついでに、悲しき依頼人の為のチョコも狩ってきてほしい。
 つまりは、そういうことだ。

GMコメント

●勝利条件
依頼人の分のチョコレイト5個を倒し、手に入れる。

●敵
チョコレイトエックス(総数不明)
1体1体はすんごいザコですが、100を超えるチョコレイトエックスが発生しているものと思われます。
山からは出ませんしグラオ・クローネの日が過ぎ去ると死に絶え消滅するようなので、放置しても何も問題ありません。なんだこのモンスター。
攻撃方法は体当たり、パンチにキックとハート型のビーム。
全ての攻撃に「魅了」の可能性があります。
ただし、1体1体はすんごいザコです。ザコです。

●フィールド
とある秘密の山の中。その名もヒモテ山。なんてことだ。
今の時期、木々の葉っぱは全て落ち葉になっています。
こんもり積もった落ち葉は歩けばガサガサと音を立てます。

●その他
もうお分かりの通り、ネタシナリオです。
チョコレイトエックスを殲滅してモテを気取るもよし。
参加者の皆で悲しい交換会を開くもよし。
そういうのに文字数を割いてもご安心です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • <グラオ・クローネ2021>汝、チョコレイトを欲さんと願うならば~敗北者たちの宴~完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年02月21日 21時55分
  • 参加人数10/10人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
炎の守護者
スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)
天義の聖女
咲花・百合子(p3p001385)
白百合清楚殺戮拳
カイン・レジスト(p3p008357)
数多異世界の冒険者
花榮・しきみ(p3p008719)
お姉様の鮫
トスト・クェント(p3p009132)
星灯る水面へ
アルヤン 不連続面(p3p009220)
未来を結ぶ
アオゾラ・フルーフ・エーヴィヒカイト(p3p009438)
不死呪
ダイア・コルドー(p3p009611)
期待の新人
アナト・アスタルト(p3p009626)
殺戮の愛(物理)天使

リプレイ

●ヒモテ山へ

「今年のグラオクローネもハカセからのやっすい義理しかもらえなかったなあ……」

 そんな、何とも物悲しい『炎の守護者』チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)の呟きが響く。
 彼等が居るのは、1つの山……ヒモテ山だ。
 どうしようもないくらいにモテない者達の怨念集う山ともいわれるこの山には今、チョコレイトエックスなるモンスターが大量発生中であるわけだが……そんな場所にチャロロたちがいるのは、勿論偶然ではない。

「せめてここでたくさんチョコ食べてやるっ!」

 グッと拳を握りながら宣言するチャロロ。そう、これはモテない者達の為の救い……なのだろうか?
 チャロロは、少し疑問符を浮かべながら周囲を見回す。

「……って、見た感じそういうノリで来たのオイラだけ?」
 
 どうだろうか。チャロロの目に最初に映るのは『リインカーネーション』スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)だ。

「依頼を出してまでチョコレイトを欲しいんだね……なんだかちょっと可哀想!」
「うっ!」
「ぐっ!」

 一切の悪気なく放たれた……しかも自分たちには向けられていないはずのスティアの一撃にチャロロと『扇風機』アルヤン 不連続面(p3p009220)が同時にダメージを受け、同時に視線を合わせる。
 まあ、アルヤンのどのあたりが目なのかはイマイチ不明なのだが……確かに目と目があったのをチャロロとアルヤンは感じた。
 スティアの言う事は紛れもない正論であり、これ以上ないくらいに正しい理論だ。
 恐らく100人に聞いても98人が同意するだろう。そしてグラオ・クローネの渇きを癒すチョコを依頼人が手に入れることなど出来ないだろう。
 だが、そうではない。そうではないのだ。
 理論とか理屈とか常識とかそういうのを越えた場所にソレはある。

「オイラだけのノリかと思ってた」
「今回はチョコを勝ち取れるって聞いて来たっすよー。いっぱい食べるっすー」
「オイラもだ。たくさん食べような」
「ちなみに自分はお母さんからしかチョコレイト貰ったことないっすねー。いや、いいんすけどねー」

 何やら分かり合うチャロロとアルヤンだが……スティアから向けられる視線は微妙なものだ。

「……しきみちゃんには分かる?」
「まあ、確かにグラオ・クローネのチョコレイトというものはプライドを保つためには大切だと……」

 突如話を振られた『荊棘』花榮・しきみ(p3p008719)はそう言いながらスティアをチラチラと横目で見る。
 何かを言いたげだが……その視線は、当然スティアも気づいている。

「せっかくだし、依頼人の人たちに作ったのをあげようかな?」

 そんなスティアなりに空気を読んだ呟きに、しきみからの圧が強くなってくるが……その意味をスティアが理解しているかは不明だ。

「うん、分かってる。一緒に渡しに行こうね!」
「そうではなく……! お姉様の手作りを差し上げるというのは、その、私で」
「吾は間違っていた!」

 言いかけたしきみの言葉は、響く『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)の叫びにかき消されてしまう。

「な、なんですか⁉ 今大事な……!」
「聞きたいか!」
「聞きたくありません!」
「そうか、聞きたいのか!」
「さては言いたいだけですね!?」

 美少女力を漂わせる百合子は美しさすら漂わせる黒髪をかきあげると、小さく笑う。
 ちなみに美少女力は「びしょうじょぢから」と読むらしい。それはさておき。

「今年はカカオから手作りしようと思って深緑までいってカカオを確保し、調理に臨んだのであるがな……何故か大爆発を起こしてキッチンもろとも吹き飛ばしてしもうたのだ。苦労して集めた材料ももはや残ってはおらぬ」
「私もチョコレイトは作りましたが……どうすればそんなことに」

『殺戮の愛(物理)天使』アナト・アスタルト(p3p009626)が呟くが、その理由はきっと百合子にも分からないだろう。
 きっと美少女だからだ。たぶん。

「だが、吾は間違っていた! 種族美少女ならばチョコレートは自分の手でつかみ取るべきであったのだ!」
「自分の手で掴み取ったチョコレート……その発想、イエスだね!」
「そうであろう!」

 『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)の同意に百合子は我が意を得たりとばかりに頷いて。

「それに依頼人のことを考えても……依頼を受けた代行である僕達が狩ったチョコは依頼人が狩ったも同然とも言えるからね」

 そう、カインの理屈は依頼人がこの依頼を出すに至った理由でもある。
 実際にどうかはさておき、その理屈を通せばだ誰もが幸せになれる。
 敗北者なんていないのだ。

「何よりも……倒せば倒すだけチョコが食べられるなんて素晴らしい依頼デス」
「ははっ、それは確かにね!」

『不死呪』アオゾラ・フルーフ・エーヴィヒカイト(p3p009438)に『よく食べる』トスト・クェント(p3p009132)も同意し、軽快な笑みを浮かべてみせる。
 アオゾラとトストは愛だの恋だのよりは食欲のほうが強いようだが……食用になるチョコレイトエックスの特性を考えれば、決して間違ってはいない。

「それにしても……」

 先程から緊張した様子を見せていた『期待の新人』ダイア・コルドー(p3p009611)が、ふと気づいたかのようにポツリと呟く。

「世界には、まだまだ私の知らない不思議な生き物がたくさんがいるんですね。もしかしたら、町で売ってるチョコレートもこのモンスターだったりするんでしょうか?」
「いや、それはどうかな……」
「グラオ・クローネが終わると消えるモンスターをチョコとして流通させるのは無理が……いえ、しかしこの時期だと混ざっていてもおかしくないのでショウカ……」

 ダイアの言葉にアオゾラとトストの2人は思わず顔を見合わせてしまうが……そこにひょっこりとアナトが顔を突っ込む。

「態々このようなモンスターを狩らずとも、言ってくだされば私のアガペー満載の愛天使アナトチョコをお布施として購入を勧められたのに…ついでに我が『バール』教に入信してくださりましたらもっとよかったのですが……」

 そういうイベントじゃないから。
 そんなツッコミがアナトに入ったのは当然だが……それはともかく。

「自分達の分も狩りたい気もあるけど、先ずは全力で依頼を達成しに行こうか!」
「真理を見つけた吾にもはや敵は無し! ゆくぞ!」

 カインと百合子の号令が響き渡り、全員がヒモテ山へと突入していく。
 彼等を見送りにきた、非モテたちの声援を背に受けて。

●ヒモテ山の攻防

「あまーいチョコたち、オイラに食べられたいやつからかかってこい!」
「さあ、きなサイ!」

 チャロロとアオゾラの名乗り口上が響き渡り……周囲の落ち葉の中に隠れていたチョコレイトエックスが顔を出す。
 ガサ。ガサ。
 ガサリ、バサリ。
 ガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサササ。

「チ、チョコが……山のヨウニ!?」
「ハイ・ウォールを……くっ、数が多すぎる!?」

 ヒモテ山の中にこれほどまでの数が潜んでいたのかと驚きが場を包むほどに大量のチョコレイトエックスたち。
 そして、四方八方からチョコレイトエックスがチャロロとアオゾラへと襲い掛かる。
 その総数、少なくとも30は超えているだろうか?
 1体1体の攻撃力は「たいしたことはない」どころか痒いレベルであり、こんなものをどれほど受けてもたいしたことはなさそいだ。
 しかし、そうであっても無数のラッピングチョコレイト……のようなものにアオゾラが集られている光景は、中々にゾッとするものではある。

「とにかくチャンスだ!」
「うん、そうだね!」

 カインとスティアが放つ神気閃光がチョコレイトエックスたちをあっというまに物言わぬチョコレイトへと変えていく。
 
「巻き込んじゃっても大丈夫って言ってましたよね!? さすが先輩です! 胸を借りるつもりで……おもいっきりいきます‼!」
「アハハハ! このモノをすり潰し、ひしゃげさせて、ぶち壊す感触……嗚呼、これこそが愛! まさにカ・イ・カ・ンです♡」

 続けて放たれるのはダイアの魔砲とアナトの戦鬼暴風陣。
 事前に巻き込んでもいいというアオゾラの許可があっただけに、中々に容赦も遠慮もない攻撃で……チョコレイトエックスたちが見事に消滅していく。

「よし、諸共吹っ飛ばすっすー」
「程々にしてくださいね!?」

 アルヤンの破式魔砲に、しきみの魔砲。
 
「アアーッ」
「うあーっ」

 何やら本当にアオゾラとチャロロが吹き飛んでいるが、何も問題はない。
 アオゾラは許可を出しているし……チャロロも「オイラけっこう頑丈だからどーんとやっちゃっていいよ!」と自ら巻き込むように提案している。
 その結果、ちょっとド派手に吹き飛んでも問題はないのだ。

「さあ、かかってこい! 貴様らのぬるいパンチには負けぬし、美少女たる吾には魅了は効かぬぞっ!」

 何やらフラグめいたことを叫ぶ百合子の声に応えるかのようにガサリとチョコレイトエックスたちが追加で姿を現すが……問題なく、大量のチョコレイトを手にいれる結果となったのである。

●チョコレイト(エックス)交換会

「おお、まさかこんなにチョコレイトエックスたちを倒してくるなんて」
「凄いな……」

 ヒモテ山から降りてきたダイアたちを迎えたのは、依頼人たちだった。
 どうやら心配でこの場に残っていたらしい依頼人たちだが……山のようなチョコレイトエックスに目を丸くしてしまっていた。

「なんかオシャレなやつを用意したよ。これでどうかな?」
「おお、ありがとう。これで俺たちは救われる……!」

 トストの選んだチョコを喜んで受け取っている依頼人の姿を見て、今日吹っ飛ばされまくったアオゾラは此処に来るまでに抱いていた疑問が解けているのを感じていた。
 あの状況で依頼人たちが自力でチョコレイトエックスを討伐するのは無理だっただろう。
 そして、本当にチョコレイトがあれば……それでいいのだと。
 それを受け渡す相手が男とか女とか、そういうのすらも関係ない。
 買ったわけではないチョコレイトを持っている。その事実だけが重要なのだと。
 なんか色々アレな気もするが、それこそが重要なのだと。

 ……まあ、去り際にサティアとしきみに貰ったチョコに感涙していた気もするが、それはさておき。
 ともかく、依頼人たちは大満足で去り。この場には、チャロロとアオゾラの用意したチョコフォンデュの香りが漂い始めていた。

「チョコフォンデュっすかー。やったことないっすー」
「そうなのか? 結構旨いよ」
「なるほどー、果物とかマシュマロとかをチョコに付けるんすねー」
「ムムム、お料理難しいデス。モグモグ美味しい」

 アルヤンに説明しているチャロロの横でアオゾラが食べ始めてしまっているが、確かにチョコレイトの甘い香りは疲れた体に食欲を呼び起こすものではある。

「皆様とのチョコレイト交換は実は楽しみだったのです」
「せっかくこんな依頼で集まったんだしね」

 言いながら、しきみとカインが笑いあう。
 そう、「依頼達成の打ち上げ」ということで予定されていたチョコレイト交換会。
 各自様々な方法で用意したチョコレイトが取り出され、甘い雰囲気を漂わせる。

「あの……こんなにチョコレートがあって、ご迷惑かもしれないんですけど、グラオ・クローネでお姉ちゃんと作ったチョコレート持ってきたんです。お近づきのしるしに、よかったらもらってください」
「勿論! なら、おれからはこれを。オススメだよ!いろんなトリュフが入ってるんだ」
「わあ、ありがとうございます!」

 早速とばかりにダイアとコストがチョコレイトを交換。

「では、私からは愛天使アナトチョコを。ええ、これは友愛ですもの。受け取ってくださいな」
「よくわからぬが、等価交換なら断る理由もなし!」

 アナトと百合子が続けてチョコレイトを交換し合う。
 微妙にズレている気もするが、ズレあっているので特に問題もなさそうだ。

「僕からは……小さく飴玉状に成形したチョコを砂糖や蜜でコーティングした物を。こうする事でより食べやすくて、しかも長持ちする様にできる良い加工法なんだってさ」
「おお、ありがとう! ならオイラからはこれを。きっと合うと思うんだ」

 ゼシュテルパンをチャロロから受け取ったカインがチョコフォンデュに合わせてみたり、アルヤンが生命の神秘を見せつけたり……そうしている間にも、スティアとしきみが向かい合っていた。

「日頃の感謝の気持ちだよ、いつもありがとう!」
「まあ、有難うございます! こちら、私からです!」

 お姉様からのチョコオオオと言いながらサンバのリズムで踊り出したいしリリックも刻みそうな気持ちを押さえつけながら笑顔でチョコをスティアと交換しているしきみを見て……何人かが、小さく溜息をつく。

「はぁ、なんでオイラはモテないんだろ……チビだから? 男らしくないから?」
「うーん、それは分からないけど……これはこれで、良いグラオ・クローネのチョコレイトだと思うよ」

 カインの言葉に、チャロロは再び大きな溜息をついてしまう。

「でもやっぱり本来のチョコをもらえないのはさびしいし……来年こそ、来年こそはもらえるといいな……」
「ま、それを差し引いても今日は楽しかったっすー。いいグラオクローネになったっすねー」
「そうだね。とりあえず今日はチョコレイト食べ放題だ!」

 アルヤンとトストのフォローに、全員が手の中にある元チョコレイトエックスをかじってみる。
 そのお味は、間違いなくチョコレイト。
 元がモンスターだった事実をさておいても、その味に間違いはない。

「フォンデュとか一口にチョコレートを食すといっても色々な形があるのであるなぁ。溶かすくらいなら吾も出来そうであるし、帰ったら試してみるか……?」
「キッチン吹き飛ばしたとか言ってませんでしたっけ……」

 百合子にダイアが不安そうにそう言うが……実際にどうなるかは、やってみるまで分からない。
 
「来年もこんな感じで楽しく過ごせたら万々歳っすねー」
「そうだね」
「うん」
「で、あるな!」

 それぞれの同意の声が聞こえてきて。

「これも愛ですね!」

 何やら納得したらしい、そんなアナトの言葉が響く。
 グラオ・クローネ。
 灰色の王冠の御伽噺や、恋人たちの甘い空気漂うイベントとはチョコレイトという共通点しかなくても。
 この微妙にゆるくて、微妙に甘くて……そして、ちょっとほろ苦い空気もまた、彼らなりのグラオ・クローネであることには間違いない。

「お姉様からのチョコオオオ‼」

 何やら抑えきれない気持ちが何処かでサンバでリリックした気がしないでもないが。
 一歩間違えれば敗北者たちの宴と化していたこの場は……どうやら、穏やかなグラオ・クローネの1つの風景となったようだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

チョコレイト、チョコレイト。
皆様の活躍により、思ったよりずっとほんわかしたリプレイをお届けする結果になりました。
甘いチョコレイトを召し上がりながら余韻をお楽しみくだされば幸いです。

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