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シナリオ詳細

<Rw Nw Prt M Hrw>私はこんな風にして生きて来たのです

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●少女

 ――全てを感じないままでいたいのか、そうでないのか選ぶ時がきたのではないですか?

 ええ。ええ。そうでしょう。人間とはどうしてこうも残酷なのか。
 父を、母を、この何でも無い幼いわたしから奪ったのは正義と大義を振り翳した愚か者だったのですから。
 ボスは言った。「感じなければ恨まなくて済む」と。心が動かなければ人を殺す罪も背負わなくても済む。
 全ては、彼が背負うもので、わたしは利用されているだけの人形であるべきだと。

 ――俺はラサの傭兵だからお前に取っちゃあ俺は仇だ。憎いならいつでも殺しに来い。受けて立つぜ。

 ご免なさい。ボス、あなたは優しいからわたしを『利用していて』くれたのでしょう。
 けれど、もう無理かも知れない。わたし、本当はずぅっとずぅっと憎かったの。
 盗賊だったから、それだけで父と母が殺された。金のために人を殺すのは盗賊も傭兵も同じ癖に。
 だから、わたしは彼等を殺す事にしたわ。ボスの助けになるのなら、それが一番だもの。
 わたしは偶然魔法が使えただけ。偶然ボスに拾われただけ。本当は野垂れ死んでいた哀れなこども。
 けれど――そうならなかったのなら、あいつらを殺して、わたしが生き延びる未来があるなら。

「ボスは奥へ向かったのでしょう」
「そうだね、ハートロスト。僕らはボスの傍で狂ったように鳴いてた雌兎を連れてきたけれど、どうするんだい?」
「あいつらを殺しましょう」
「『あいつ』ら?」
「そう、ラサの依頼を受けて『傭兵として此処にやってくる正義の味方』
 わたしは正義の味方が大嫌いなの。仕事だから、悪人だから、人を殺して、人の役に立った振りをする。
 やっていることは立場が違うだけなのに、あいつらは正義で、わたしのお父さんとお母さんは悪だった」
「愚かだね、ハートロスト。実に人間だ。――じゃあ、もうこの呼び名は似合わないね」
 少女の柔らかな勿忘草色を青年は撫でた。彼女の世話係として衣食を世話していた青年は身を屈め笑う。

「"ジゼル"、君の覚悟に僕はご一緒しても良いかな?」
「アマラ、わたし……ここで死んでも構わない。
 そう思えるほどに、人間的なこころに溢れてしまったもの!」

●introduction
「ごめん、聞いてって」
 ファルベライズ遺跡群、その最奥で『ファルベリヒト』と呼ばれた大精霊が博士(せんせい)と同化した形で見つかったという報告が入った。『サブカルチャー』山田・雪風 (p3n000024)は無数の資料を掻き集め焦りを滲ませる。
「コルボはもう最奥付近に到達していて……最奥付近ではファルベリヒトが孕んだ狂気が周囲に伝播してるらしいんだ。
 感化されたモンスターや盗賊達、ホルスの子供達が居て、奥は混沌としてるんだけれど」
 その最奥に居たる道程に、狂化したモンスターを使役した盗賊が行く手を遮っているらしい。
 コルボの部下である『大鴉盗賊団』のアマラと呼ばれた青年はアルミラージと名の付いた巨兎を連れている。
 彼らの目的はコルボへの到達を遅らせて、盗賊団を勝利させることなのだろう。
「此処で見られたのは、アマラという盗賊と、『ハートロスト』――……今までも幾度か逢う機会があったと思うけど、今回は鳥渡違う」
 ハートロストは『盗賊であった両親を傭兵に殺され』た少女だ。故に、心が錆び付き感情を鎖したことで『自身に心はない』と宣言していた。
 だが、彼女は以前『アアルの野』で交戦した際に『母のホルスの子供たちが壊れる所』を目の当たりにして、自身の進む道を定めたらしい。
 イレギュラーズの優しさは、彼女を保護しその心を慈しむ事を願ったはずだ。だが、ハートロストは其れを拒んだ。

 ――お前達に、庇われるくらいなら野垂れ死んだ方がましでしょう。

 それが彼女の進むべき道と意志を示したと言うことなのだろう。
 彼女は兄と慕うアマラと共にイレギュラーズを待っている。彼女の目的は『ボスの手助け』と『此方を殺す事』だ。対話でその心を溶かすにしても一朝一夕ではいかない筈だ。
「……ハートロストはイレギュラーズを殺す気だよ。
 それが『大鴉盗賊団』のハートロストとしての在り方なんだと、おもう」
 雪風は苦く言葉を吐き出した。盗賊団である彼女はこれからも略奪、略取、そして時には殺人にだって手を染める。
 そうして罪を背負いながらも生きていく。
 ……彼女に言わせればイレギュラーズも同じだ。生きる為に、世界を救うために罪を背負っている。
 それでも、『ここで十字架を背負わなければ誰かが死ぬ未来』があるのだから。
「その……ハートロストや盗賊の処遇については任せるよ。
 けど、側に居るモンスターは野放しには出来ないから、討伐してきて欲しいんだ」

 ――人間は誰だって善人だ。其れがどうして悪人になるのかは誰にだって分からない。
 少なくとも、少女はそうやって生きてきた。
 その生きる道を示すように彼女はその刃を此方へ向けた。

GMコメント

日下部あやめです。

●成功条件
 ・アルミラージの討伐
 ・『ハートロスト』及び『アマラ』の殺害または捕縛

●大鴉盗賊団 『ハートロスト』
 又の名前は『こゝろ』。大鴉盗賊団に所属する少女。盗賊であった両親は傭兵に殺され、感情が錆び付いた故にこのニックネームをコルボから授かりました。
 激情の乗せられた眸と殺意を湛えた害意の塊。イレギュラーズを恨みがましく見詰める魔術士です。

 後衛魔術士タイプ。回復及び遠距離攻撃を得意とします。魔力の媒介となっているナイフは母の形見です。
 アマラのことは兄として慕っています。彼の回復を優先するようです。

「<Common Raven>待宵のこゝろ」「<Raven Battlecry>私を私たらしめる唯一の」「<アアルの野>君は人間らしいから」に登場しました。

●大鴉盗賊団『アマラ』
 ハートロストの世話役をしていた青年。近接剣士タイプ。まるで彼女を護る騎士のようです。
 アマラはハートロストを『ジゼル』と呼びます。どうやらそれが彼女の本来の名のようです。
 非常に物腰は柔らかでハートロストを気遣うように戦いますが、彼も家族の盗賊を傭兵に殺害された経歴があり、そのまま盗賊として活動しているようです。
 ハートロストもアマラも境遇が違えば幸せ仁生きていけたかも知れない人間です。

●『アルミラージ』
 巨大な兎。アマラが飼い慣らしていたモンスターです。ファルベリヒトの影響で狂っています。
 角の生えたウサギに似た動物。非常に獰猛です。「キーー」とけたたましい声で鳴いているように感じられます。(鳴き声ではなく音波の攻撃のようです)
 狂化していますが、ハートロストやアマラには攻撃する素振りはありません。良く飼い慣らされています。

●盗賊*10
 アマラの部下。ハートロストの事を煙たがっていますが彼の手前何も言いません。
 非常に統率が取れていますがアルミラージのことは怖れているように思えます。狂化の影響を受けてる者も半数ほど。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

それでは、こころを失ったという彼女にとっての最後の大鴉盗賊団での晴れ舞台。
どうぞ、宜しくお願い致します。

  • <Rw Nw Prt M Hrw>私はこんな風にして生きて来たのです完了
  • GM名日下部あやめ
  • 種別EX
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年02月21日 22時40分
  • 参加人数10/10人
  • 相談6日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き
雪村 沙月(p3p007273)
月下美人
ゼファー(p3p007625)
祝福の風
リディア・T・レオンハート(p3p008325)
勇往邁進
源 頼々(p3p008328)
虚刃流開祖
眞田(p3p008414)
輝く赤き星
ハンス・キングスレー(p3p008418)
運命射手
グリジオ・V・ヴェール(p3p009240)
灰色の残火
ルビー・アールオース(p3p009378)
正義の味方

リプレイ


 そうやって、何時までも繰り返す。
 人間なんて所詮は何かに目が眩んだら終いなのだ。高尚なる自分に羞じるだけ。
 子供だから、知らないからと許しを請うても意味は無く。才に溺れた子供など、只の馬鹿に他ならない。

 ねえ、そうでしょう――?


 燦然と輝くクリスタル。その道程は、誰かの夢の涯へ導いて。夢寐にも忘れない怒りに身を揺する娘は其処に立っていた。
 勿忘草色は、光を帯びた瑞々しいアクアマリンの様に。手入れのなされぬ髪を櫛で梳かしたのが随分前に思えると少女の背後に立っていた男はぼんやりと考えた。
 生きて戻れたならば彼女の髪に櫛を通して結わえてやろう。そうした男の遊び心にも何ら反応を返さなかった彼女は今ならば違った表情を見せてくれるだろうか。それも、彼等のお陰か影響か。
 幾つもの跫音を聞きながら男は――アマラは「ジゼル」と少女を呼んだ。
「……何?」
「本当に、いいのかい」
「……どういう意味?」
「ここで死んだって構わないって、もう一度君の唇から聞きたいんだ」
 "ハートロスト"
 錆び付いた心が動き出したのは偶然に他ならず。アマラの言葉の意味を確認するように花瞼を一度深く落とした少女は大きく頷いた。

「ここで死んだって構わない。私は――」

 ハートロスト、と呼ぶ声に少女は――"ジゼル"は振り向いた。見慣れた顔だ。知った顔だ。焦がれた相手だ。
「……イレギュラーズ」
「随分と活き活きとした目をする様になったのねえ、貴女。
 出来れば、もう少し穏やかであってくれたなら良かったのだけれどね?」
 少し古びたひとふり。愚か者と向き合う愚か者。只の人間である女と只の人間である少女の視線が交わった。
 月光を宿したように冴えた銀髪を揺らして『never miss you』ゼファー(p3p007625)はそう言った。
「穏やかよ。心はね」
「さあ、どうかしら……随分と燥いでいるようだけど。良い事でもあったのかしら?」
 ゼファーの問い掛けにジゼルは「分かっている癖に」と返す。彼女の背後で肩を竦めゆっくりとジゼルを護る様に前線へと立ったアマラは「こんにちは」と静かに笑みを零す。
「……こんにちは、か。何だか戦場らしくない挨拶だよね」
 頬を掻いた『Adam』眞田(p3p008414)は『庇われるくらいなら死んだ方がマシ』とイレギュラーズを拒絶したという少女を見詰めた。
 興味本位だった。会ったことがなくとも少女のその発言は数ある選択肢の中でも最も残酷な道を選んだと感じていたからだ。
「今日は随分と雰囲気が違いますね、ハートロスト……いいえ、"ジゼル"とお呼びしても?」
 落ち着き払って『月下美人』雪村 沙月(p3p007273)はそう問い掛けた。その髪に揺らいだ花飾り、礼儀を尽くす男に対して小さな会釈を返した沙月は妙な心地だと感じていた。
「……アマラ」
「そう怒らないで。今の君に"ハートロスト"なんて洒落た呼び名は似合わないじゃないか。
 泥臭くって人間くさくって、それでいてどうしようもない程に欲求と心に素直なんだ。君は"ジゼル"だ」
 非難がましい少女の視線を遮ってアマラは「ジゼルで結構」とイレギュラーズへと言い放つ。
 彼が前線に出てきたのは彼女を護る為なのだろうと沙月は双方をまじまじと見遣ってからゆっくりと攻めの型を取った。
「進むべき道を定めたのであれば全力で迎え撃たねばなりませんね。……大人しく殺されてあげる訳にはいかないですから」
「ああ。って言ってもよ……感情を取り戻したのが良いことなのかは正直わからねえ。
 だけどな、傷つかず傷つけず、伽藍堂のまま生きるよりは『マシ』なんじゃねえかって思っちまう」
 そうだろうとアマラに問い掛けるように『竜撃』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)は見遣った。
 自身が傭兵である、と。仇の一人であると、そう告げた。彼女がその言葉に感化され、こうして復讐の焔で心を突き動かしたのならば自身が取るべき行動は決まっているとそう告げて。
「約束だ。受けて立つぜ。今度は俺も本気だ」
 約束した。約束だから、剣を向ける。
 それが彼女の生きる道ならば。
 それが、彼女の選んだ道だというならば。『勇往邁進』リディア・T・レオンハート(p3p008325)は苦々しく唇を噛んだ。
「我が名はリディア! さぁ、この私と決闘を!」
 願いは往々にして儚く。雪の如く溶け行く。花の如く散り行く。それでも、強き願いを宿すように。
 リディアはアマラと――呼びたかった、その名を。唇でなぞるように――ジゼルへとそう言った。


 報告書を辿り、相対した少女は何とも違って見えた。その目に乗った情動は心の錆び付きなんてまるで無く。
「報告書は読みました。けど……いえ、よしておきます」
 首を振る。投げかける言葉も、選択への干渉も。『これまで』を紡いだ人々に委ねられるべきであろうと『虚刃流直弟』ハンス・キングスレー(p3p008418)は感じていたからだ。
「――今日という日の、花を摘め」
 それでも、これだけはと囁く様に。
 そうだ、"ハートロスト"と”ジゼル”はまるで違う。情動に駆られ、焦燥に襲われ、感情の赴く儘に刃を振るわんとする。
 その様子が以前と違っているのはイレギュラーズ達との相対による選択だというならば。『灰色の残火』グリジオ・V・ヴェール(p3p009240)は其れを否定することはない。
 幾ら言葉を絶やそうともその選択を否定するべきではない。何せ、ここは戦場で立場が敵同士。
 ならば、生きるも死ぬも戦場ならば当たり前。その命の結末がどうなろうが仕事を熟すのが傭兵なのだ。
『さあ、はじめるのだわ』
『さあ、あそぼうよなのだわ』
 救済の蒼、破滅の紅。双子の姫君の愛は愛おしげに言葉を紡ぐ。
『薔薇の少女』ルビー・アールオース(p3p009378)は騎士を思わすアマラを見詰めて小さく瞬いた。

 ――私は物語の英雄、正義の味方に憧れてそうなりたいと思ってる。
 悪をなすモノを討ち倒し、弱い人たちを護る。
 世界に悪意が満ちていて苦しむ人がたくさんいるのなら、世界を良くするために私たちがいる――そう信じてる。

 信じているから、戦うしか出来なくて。身体強化を行って、眼前の複数の影を見据える。
 盗賊に、大型の兎。アマラに飼い慣らされた一角獣はイレギュラーズを獲物と認識したように地をリズミカルに蹴り続ける。
「兎……」
 呟きにハンスは『虚刃流開祖』源 頼々(p3p008328)を見遣った。嗚呼、角だ。角と言えば『鬼』だ。
「世の中にはやっていいことと悪いことがあるのである。正義の味方への復讐、大いに結構である。
 自分らしく生きることは他の何を差し置いても優先されるべきことである。だが……そ の 鬼 だ け は 違 う で あ ろ う ?」
「鬼?」
「ああ。貴殿らは兎だのなんだのと誤魔化しておるようであるが兎には角なんて生えておらん。
 角が生えている時点でそれはもう鬼である故こいつだけは何があっても生かして返さん。鬼 だ か ら だ」
 力説する頼々にアマラは「嗚呼、可哀想なアルミラージ」と囁いた。
「ああ、そうだね。盗賊達は些か喰い飽きているけど……巨大兎とは、いいね。
 小うるさい盗賊達は仲間達に任せて、ゆるりと食事させてもらおうかな」
 ディナーは会話を楽しみ、優雅に楽しみに尽きるのだと『饗宴の悪魔』マルベート・トゥールーズ(p3p000736)は鬼認定された一角兎へと微笑んだ。豊穣なる次元『アガーサ』で誂えられた魔槍は食事に適した形をしている。
「さあ、食事を始めよう。兎はジビエ料理としては定番の食材だけど、角が生えているのは珍しいね。さて、どんなお味かな?」
 宙を踊る様にマルベートが地を蹴った。
「行け」
 アマラが静かに囁けば、頷き盗賊達とアルミラージが前線へと躍り出る。
「――プレリュード代わりにでも、黙って聴いて下さいな。ふふっ! さあ、踊りましょう?」
 盗賊達はアルミラージを怖れて距離を取る。揺籃の童歌、或いは救済の聖歌。それは絶望の海を謳う。
 ハンスの歌声が冷たく呪いを帯びて盗賊達へと襲えば幾人かの標的が狂ったようにナイフが翻る。
 ダンスは『姫君』達のお得意で。グリジオは己に聖なる哉を下ろし、姫の我儘に応えるように盗賊達を誘った。
 堂々たる名乗りと共にアマラへと輝剣の切っ先向けたリディアの眸に決意が宿る。
 また、ジゼルにとっての大切な人に刃を向ける。そんな自分に怯えてら居られないから。
「……決心は鈍らないかい?」
「私の決心が鈍ればジゼルに悪いでしょう。彼女は決意したのですから」
 ――どうして。
 その言葉を拭うように、リディアは地を蹴った。
 体捌きは柳の如く。靱やかに、緩急付けて盗賊達へと流れるような所作で連撃放つ。
 沙月の髪は乱れることなく、攻撃に必要な予備動作は感じさせない。淑女は美しくあれと、そう伝えるように優美に、優雅に雪村の極意を放つ。
「ジゼル。一つ……いえ、貴女に勝手な言葉を言いましょう。
 この先ずっと何かを憎んで生きていくつもりでしょうか? そして貴女の両親を殺した人のように誰かの両親を殺すつもりでしょうか?」
 そうやって繰り返す。不幸が連鎖して、誰かの悲しみを作り出す。
 ルカは傭兵も、盗賊も、その他全ても『そうした不幸の中にある』事を知っている。それが、生きると言うことだ。
「……其れしかないと、言えば?」
「馬鹿な子ね」
 ふ、と笑みを零してゼファーはジゼルの前へと飛び込んだ。「可愛い名前じゃない、ジゼル。早く教えてくれても良かったのに」と揶揄って。
「何よ、遊んでいる暇はないわ」
「ええ、ええ、勿論。けど、久し振りだってのに釣れないこと。折角ですもの、お喋りに花を咲かせようじゃない?
 ――最期の時まで人間は人間らしく。此処で決着、お終いにする覚悟を以ってね」
 ゼファーの言葉にジゼルは眉を僅かに吊り上げた。
 人間なんて、そんな物だ。飽くなき渇望、求める強欲。喩い最後の一滴を飲み干したとて、人間は更にもう少しと求めるのだから。


 アルミラージの抑え込み。盗賊なんて食い飽きた『味』を確かめるのも心地悪くて。マルベートはディナーナイフの切っ先をそうっとl向ける。
 捨て身の殺し合いに誘うように、赤々と燃える悪魔の瞳は跳ね上がる一角の兎を捕えて放さない。本能と記憶の底、眠る悪意の遺伝子が戦場へと彼女を突き動かす。
 飛び込むアルミラージを受け止めたフォーク。古より灯を持つ者の片鱗――迸る黒きマナがマルベートの魔力を奔らせた。超高音の声を奏でた兎は良く飼い慣らされている。だが、盗賊達とは幾分か距離が離れているのだろうか。
 盗賊をチラリと見遣ったルビーはにゃんぱんちに包まれた掌でてしりと叩くように速攻攻撃を放った。敏捷性を補強し、ルビーはその速力を意力へと変換する。
 畏れがこの世界には満ちている。盗賊達がアルミラージと距離を取ることも、"ハートロスト"が自己防衛のために心を護ったことも。
(私は貴女じゃない。伝え聞く話だけで貴女の気持ちを全て理解できるはずなんてない)
 報告書を読もうとも、今、こうして相対しても。錆びた心の"ハートロスト"の事を全て理解できるわけでなければ、"ジゼル"と腹を割って話しても。その全てを理解して、その全てを慮ってやる事などできないのだから。
 立場と、境遇。その全て。ルビーとジゼルは違うから。ルビーと"ハートロスト"は違うから。
(家族を殺され盗賊として生きてきた貴女――
 もし私がその立場に居たら、家族と家族そのものの大事な幼馴染を……殺されたなら。
 私は、どうしただろう。どうなっただろう。今のように振舞えるのかそれはわからない、けれど)
 唇を噛んだ。心を護る様にして、生きる為にその魔力を用いて盗賊になった。そんな彼女の生き方と動き方を否定できる事も無いとルビーは盗賊達へと一人ずつ刃を振るった。
『『わたしたちとあそびましょう!』』
 姫君の声はグリジオ以外の誰にも聞こえることはない。華奢な手甲に包まれた腕に力を込める。
 盗賊達を惹きつけて受け止める。結末がどうなろうとも、自身は盾であるという矜持を胸に抱いて。
『奪われ失った人間たちはみんな憎むか目を反らすかなのだわ』
『前者は常識、後者は諦観』
『『そしてわたしたちが愛した子は喪失すら忘却する狂気を宿しているのだわ!』』
『楽しいわ』
『愛しいわ』
 双子の姫君の言葉を拭うようにグリジオは唇を引き結んだ。前者は常識、後者は諦観。
 ならば、実に常識的な動きを見せるジゼルが愉快で堪らない。それでも双子の姫君の情愛が向く果ては違うから。
 グリジオは応えなかった。"ハートロスト"の事も、ころころ微笑む双子の姫君にも今は構っては居られないから。
「人生もゲームと同じで、数ある選択肢から答えを選んで進んで行くじゃん。
 君たちはこれから幸せになることも出来る。そんな選択肢がまだある訳だから。
 もっとわがままに、縛られずに生きて欲しい」
 ……俺はただの殺人鬼だけど、子供を殺すのは苦手だ。だからいざその姿を目の前にしたら、どうにもそう思ってしまう。
 眞田はそう呟いた。小さな子供、其れを護った保護者、騎士のような振る舞いの男。
 二人の関係性はまだ此れからの未来を支えていけるはずだった。響くアルミラージの声から逃れるように、奏でる者として、遊ぶ人として、祈る人として夜が明けるまで奏でるが如く赤い旋律が響き渡る。
 圧倒的な眼力を生かし暗殺闘技を放った眞田は幾度も幾度も攻撃を重ね続けた。盗賊達の命を奪いすぎるのは出来る限り控えたい。
 小休止の間も音楽は鳴り止まない。眞田は音楽ゲームを楽しむようにリズミカルに。部活動を楽しむように奏で続けた。
 黒と白、善と悪の境界で揺れる。人を殺す黒い影。自身を包み込んだすべて。
 もういいかいと問いはせず。まぁだだよとも応えはしない。
「……随分と困った状況ですね。まあ、それでもやることは決まっていますけれど」
 沙月が盗賊を流すように叩き付けた。眞田の影と共に踊った月色の髪。沙月の双眸が捉えたアルミラージが地を叩き声を張り上げる。
「……遅いよ!」
 地を蹴った。虚刃流の継承。それが唯彼なりの到達点。
 その空想が為し得るは時間の跳躍。其れであるように『空を踏んで』ハンスが擲ったのは虚光の槍。
 光の速度を変え、アルミラージの下へと飛び込んだ其れは『兎』を縫い付けるように。
 耳をびくりと揺れ動かして地をたしんと蹴り飛ばしたアルミラージをまじまじと見詰めた頼々は狂気迸った瞳を真っ直ぐに向けた。
 手にしたのは紫の右の角。彼女の姿を重ねる事となろうとも、今は眼前の兎の角ばかりを眺めてならない。
「それと、貴様らが鬼を手駒としている時点で擁護すべきところがワレには見当たらんがそこはそれ、ワレの仲間が貴様らのこれからに選択肢をやろうと慈悲を見せているうちに身の振り方を考えるが良い」
「倒したいのかい?」
「無論」
「……どうぞ」
 拍子抜けしたようにハンスは師の、頼々の横顔を見遣った。アマラはアルミラージを倒されようとも構うことはないのだろう。
 影すら踏ませず勝つが為、「兎型の鬼だけは殺す! 死ね!」と叫んだ。
 叫んだと共に。少年の瞳に宿された闘志は紫闢の型、その壱。空想の刃を幾度も放ち続けた。
「……ツノ付きだからね、ああ怖い怖い。後で落ち着かせなきゃ」
 呟きに肩を竦めた。頬を掠めた頼々の『流れ弾』。激昂した様子を見せたのは角を持つ存在――鬼への酷い嫌悪だろうか。
 徐々に弱っていく。その様子を眺めていたジゼルは唇を噛んだ。それが敗北へと近づいていく螺旋階段を下っていくのと同義であるような。
 少女の抑え役をするように、気を引いていたゼファーの前でアマラは全て攻撃を受け流し続けていた。
(……護ってばっかり、ね)
 流して、流して。攻撃を重ねるよりも尚、護る事にばかり特化した青年がどうして盗賊であるのかは分からない。
 それでも、騎士のように強き決意を抱いた青年の背に隠された少女の心が揺らぎ続けていることにゼファーは気付いていた。
「殺して、奪って其れを続けた先――貴女は何を求めるのかしら。奪う側に回れば、其の傷は癒される?
 貴女と同じ様な傷を持つ子を、今度は貴女が産み出して、其の末に辿り着くものって、何?」
「……分からないわ」
 そんなの、分かるわけないとでも。
 少女が俯き、声音が弱っていく。飛び跳ねたアルミラージと討たれた盗賊達の向こう側で、ステップ踏んで踊る様に師弟がアマラとジゼルへ向き直る。
『気をつけて』
『躍っていて』
 双子の姫君の言葉に頷いて、貧血を起こしそうな体を支えたグリジオは己を包んだ血潮を拭った。

「ディナーは会話も愉しまなければね。もしかすると、君達とは最後の食事になるのかもしれないのだから」
 アマラの剣の先を受け止めて、マルベートは微笑んだ。幾ら盾たる彼だとしても、耐えきる事は難しい。
 全てを受け止め続けたグリジオに「立て直そう」と囁いてからマルベートはアマラと向き合った。
「会話をするのはお嫌いかい? 私は食事の最中に会話をする事は余り嫌いではないのだけれど」
「僕も嫌いではないよ。会話をすることは非常に良い。会話をして、そうして、誰かを知る事が一番の幸せで在る事を僕は知っているのさ」
 マルベートはアマラを見てから成る程と小さく呟いた。彼は偽善者でもなく、心根が優しいわけでもない。
 只、性善説に寄りかかった儘なのだ。


「勘違いしてるから言っておくけどな。少なくとも俺は傭兵が正義のミカタだなんて思っちゃいねえ」
「……、」
 ゼファーの背中越しに、ジゼルは嫌悪の瞳でルカを見遣った。

 ――俺はラサの傭兵だからお前に取っちゃあ俺は仇だ。憎いならいつでも殺しに来い。受けて立つぜ。

 少女にとっての仇。それが彼そのものでないとしても、少女にとっては傭兵という存在の生き方全てが受入れられないことを知っている。
 ルカは自身を正しいとなんか何が得ていない。盗賊も、傭兵も、それは何方も同じ。正義の味方ですらないのだ。
「正義なんてモンに寄りかかって生きてると思われるのは迷惑だ。俺の人生は俺が決めて、俺の覚悟で生きてる」
「……――ああ、そうね。
 そう、だわ。そうだった。わたしだって、悪だと思ってない、正義なんて思ってない。わたしは、わたしだったもの」
 呟いた少女の言葉に、ルカはそうだろうと頷いた。黒犬のレプリカを握りしめ、殴った方が早いというように。アマラと向き直った。
「私には貴女の全ては分からない。貴女の気持ちは貴女だけのもの。でも、今ここで貴女たちの目的を果たさせるわけにはいかない。
 他者から奪い殺す事を続けるならそれに抵抗するのは当たり前の事。でも、それを行えない人たちはたくさんいる。その人たちを守るのが”正義の味方”」
 正義の味方と自身達。それを同一の存在として認識するジゼルに対してルビーは言葉を尽くしたいと向き直っていた。
「……貴女は私たちを自分と同じだと言うけれど、今ここで対峙してる私たちは決して同じものではないと思う。
 私には夢がある。”正義の味方という名の英雄になる”、その夢を一緒に叶えようと約束した人がいる。
 だから、貴方に殺されるわけにはいかない。ここで貴女たちを打ち倒し、止める。戦えない人たちの為に私が戦う!」
 正義の味方になりたい少女と、正義の味方を嫌った少女。
 互いが互いを是とすることが出来なくて。互いが互いを拒絶し合う。反発する、水と油。
 その関係性は変わるはずはないのだから。
「……頼々くん」
「ああ。兎型の鬼は斃すことが出来た。あとは奴等だ」
 頼々へとハンスは小さく頷いた。残るは二人だけ。抑えに回っていたゼファーの消耗を気にするマルベートに、攻撃を肩代わりするグリジオ。
 そして、全ての攻撃の的となったと剣を握ったアマラは「戦わずには済まないのが悲しいことだね」と小さく笑った。
「……出逢うのがもっと早かったなら。屹度、僕は貴女にギフトを使っただろう」
 ハンスはジゼルを見てそう囁いた。
 青の鳥籠。多幸感と安心感、安堵という名前の強い快楽を齎す其れ。
 それが彼女にとっても幸福であらば。
「……でもそうはならなかった。君は……どうするんだろうね」
 そうなる未来は存在しなかった。ハンスはジゼルの情動が荒れ狂う様を見て居た。彼女を閉じ込めることはしなかった。
 流れるように、攻撃を重ね続ける。10人を相手にしてアマラとて全てを受け止め、戦い続けることは出来ない。
 ルカは彼のその行いは性気味の味方のようだとさえ感じていた。眞田は消耗が多くとも、『最期』の結末を見届けるためにと奏で続ける。
 スローなリズムにゆるいビート。
 躍る影と躍りながらアマラの命を奪わぬように気をつける。
「……手加減をするのかい?」
 眞田と、そして頼々へとアマラは静かにそう問い掛けた。
「傭兵に親を殺されたのだったか、ならば傭兵に生かされることがあったとしても不思議ではなかろうさ」
 傷だらけの彼を倒すことは容易だった。命を奪い合うのが仕事だった。傭兵とはそう言う者だろう。
 彼等に角があったならば頼々もそうした行動を行えるかは定かではなく、ハンスとて彼を止める事はできない。
 それでも。”ハートロスト”の行く先が変わってくれることを願わずには居られなくて。
 百花を咲かせ、そして散らせ。美しい銀の髪。屍なんて、必要は無いというように乱撃を狂い咲かせてゼファーは膝を突いたアマラを見遣る。
「チェックメイトです、アマラ。そして、ジゼル」
 リディアは静かにそう言った。ジゼルを抱き締めるように、アマラは未だ彼女を護っている。
 彼という存在が居て、どうして彼女は心を錆付かせたのか。いや、そうではないか――彼女が彼に出会ったときには、もう心が錆付いていたのだろうか。
「貴方達は、私達を殺す事を望んだのでしょうね。
 ですがそれは叶えてあげられませんし、本来であればこうして返り討ち。ここで貴方達の命は終わりますが……もう一度だけ問います。ジゼル、貴女の生き方は、本当にこれで良かったのですか?」
「……どうして聞くの? お前達にとって、私は敵でしょう」
 酷く、苛立ちの色が乗っているのだとリディアは感じていた。憎しみを持って誰かに刃を向け、そうした結果、再び親しい者を失う――此の儘ではアマラを失ってしまうことを彼女は分かっているのだろうか。
「これで王手ですね。……皆、言って居るでしょう。貴女の望みは未だ変わらないのでしょうか?
 敵である誰かを殺す、そしてまた貴女のような親が殺される子が生み出される。そのような負の連鎖を望むということで違いないですか?」
 沙月はジゼルを敢て"ハートロスト"と呼んだ。
「意思が変わらないのであれば仕方ありません。ですが、少しでも生きたいと思うのであればチャンスをあげたいと思います」
「チャンス――ですって」
 ジゼルは、アマラを庇う様に立ち上がった。その瞳に宿された気配は盗賊でも死期を悟った存在でもない。
 それでも彼女はイレギュラーズの手を取りたくないのだろうか。震え指先に力を込めてからリディアは叫んだ。
「盗賊とは、法という安寧を自ら破る事で、常に自らの命を賭して生きる者だと思っています。貴方達も、自らその生き様を選び取ったというのですか?」
「……アマラは選んだわ」
「アマラだって、貴女と一緒なら生き方を変えるでしょう? それだけ、貴女のこと気にしてくれてるんだから」
 ゼファーの言葉にジゼルは緊張を滲ませた掌で堕ちたナイフを拾い上げ、警戒する様にリディアへと牙を剥いた。
「近づかないで」
 それ以上近づくなら、切ると。そんな幼い子供のような脅し文句。彼女の心の柔らかいところ。それが露出しているようだとリディアは感じていた。
「……違うなら……違うというのなら――!」
 強い精神の揺れが、紅色の瞳へと変化した。碧眼に宿された双眸の深紅。
 深い紅色に乗せられた激情にジゼルは息を飲んだ。
「今からだって、新たな生き方はできる! できるはずでしょう!? 正義の味方が憎い、それは大いに結構!
 それでも私は今! 今救える命を、とにかく救いたいの! だからつべこべ言わず、この手を取りなさい! ジゼル!」
 それが子供の我儘に似ている事位知っていた。
 それが幼い言葉で有る事位分かっていた。
 リディアは、王女として不自由ない生活を送ってきた。世間知らずだった事だって分かっていた。
 自分には彼女の心を全て分かってやることは出来なかった。ルビーが言ったように『理解することが出来ない』のは分かっていた。
「救いたい、なんて! それで救われてどうするの!? わたしたちはこうして生きてきた!
 アマラとわたしはこうやってずっとずっと生きてきたのに! 今更、どう変われって言うの!
『願いを叶える奇跡』なんて、もうどこにもない――わたしは、こんな風にして生きてきたのに……」
 涙に濡れるように。
「何を選択するかで行動を変える。生きたいと言うなら、俺はそれ以上手をかけないし、本当に死んだ方がマシだと言うならそれまでだ。
 ……それが本心から1番の幸せだと言うならね。
 俺は1ミリでも心のどこかで諦めたくない物があるなら、その心の声に耳を傾けてみてもいいと思うけど」
「……分からない」
「何が、分からない?」
 教えて欲しいと眞田は幼い子供に問い掛けるように微笑んだ。沙月は彼女の惑いが手に取るように分かる。復讐者として生きることを決めた少女は『アマラという存在』を失うことを怖れているのだろう。
 生き方を変えるならば、今しかない。それでも、今全てを変えきる事ができない事は理解できる。
 偃月が天蓋に飾られる。それが少女にとっての心の揺らぎであるのだろうかと、色宝の煌めきを見ながら感じていた。
「……わたしは、これまでこんな風に生きてきたのに」
「けれど、そこで歩みを止める理由がありますか?」
 首を振る。首を振って、それでもリディアの手を取る『勇気』を彼女は持っていない。
「怒りに憎しみに、悲しみに。其れだけを抱えて逝くって、少し勿体ないと思わない?
 ……少なくとも。貴女のことを本気で憂いてくれるヤツが傍にいるのなら、尚更」
 ゼファーの槍の穂先が真っ直ぐにアマラを捉えていた。アマラとジゼル。大鴉盗賊団の盗賊への対処を行う。
 それがイレギュラーズとしての使命だと知っているから。
「2人で生きるも、死ぬも。もう少し、答えを先延ばししたっていいんじゃないかしら、ねえ?」
 アマラを見たゼファーに、彼は答えなかった。その視線が何かを告げる。ルカは其れを感じ取り、ゆっくりと拳に力を込めた。
「ジゼル――……いいから」
「アマラ、無理をしないで」
 そうやって気遣っていれば家族のようではないかとルカは感じ取っていた。勇気が無いならば、無理にでもそれを与えれば良い。
「負けたやつが俺に指図すんじゃねえよ。俺は俺のやりたいようにやるっつってんだろ」
 意識が刈り取られる。
 揺らいだジゼルは青年の赤い瞳を見詰めていた。

 ――ああ、きれいなあかいいろ。さっきのあのことおなじ。

 唇が揺れ動いた。

 もし、もしも――もしも、もういちどがあるなら。わたしは、幸せになれますか……?

成否

成功

MVP

ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き

状態異常

マルベート・トゥールーズ(p3p000736)[重傷]
饗宴の悪魔
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)[重傷]
運命砕き
ゼファー(p3p007625)[重傷]
祝福の風
リディア・T・レオンハート(p3p008325)[重傷]
勇往邁進
グリジオ・V・ヴェール(p3p009240)[重傷]
灰色の残火
ルビー・アールオース(p3p009378)[重傷]
正義の味方

あとがき

 ご参加有難う御座いました。
 ハートロスト、ジゼルにとって皆さんとの出会いはその生き方全てを変えてしまう、驚きばかりで。
 それが、彼女の人生を変えたことはどれ程素晴らしいことだったのでしょうか。

 MVPは貴方へ差し上げます。ハートロストという少女の物語に大きな機転を与えたのは復讐でした。

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