PandoraPartyProject

シナリオ詳細

東を目指して

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●東の森

「やはり、俺じゃ此処を抜けるのは無理だよな」

 その森の手前で、1人の男が小さく呟いた。

 鬱蒼と木々の茂る森。誰もその名前を知らない。
 ただ、故郷では東の森とだけ呼ばれるその森。
 森を抜けた先にあるこの街では、「森」とだけ呼ばれている、そんな場所。
 森の中の様子なんて、誰も知りはしない。
 それすらも分からない。
 分からないけど、村の人間にはそれで充分であったのだ。
 通るわけでもないから道もないし、村には木こりがいるわけでもない。
 街は街で、この森に生えているのは金にならない木だからと興味を持たない。
 だからこそ、誰も知らない。
 木々の間を駆ける、猿のようなモンスターを。

「キキキッ! キー!」
「キキー!」

 叫びながら猿たちは縦横無尽に森の中を駆け、おやつだとばかりに虫を掴んで頬張る。
 その虫を攫う動きは素早く、そうした事に慣れていることをうかがわせた。

 そう、事実猿たちは慣れていた。
 森の中に迷いこんだモノを攫い喰らうことに。
 もし虫より大きな「食いでのある」モノが出てきたならば……その時は、きっと。
 猿たちの祭りが始まるであろうことは、疑いようもないだろう。

 男はそれを知らず、ただ森を見て……やがて、身を翻す。

「だが、少しでも早くアイツを呼んでならなきゃ……今度こそ、幸せにするんだから」

●父の願いと依頼

「まず一言で言えば、これは護衛依頼だ」

 情報屋の男はそう言うと、簡単な地図を机の上に広げる。
 
「此処にあるのが依頼主の娘が居るニニギ村。そしてこの森を挟んだ先にある……此処だな、これが依頼主の待つヒザシの街になる」

 依頼主は、ロクな仕事のない村では娘を幸せに出来ないと娘を親戚に預け、ヒザシの街に出稼ぎに行っていたのだが……ちょっとした幸運に見舞われ、娘を充分に幸せに出来るくらいの稼ぎを定期的に得られるようになったのだという。
 今こそ迎えに行こうとしたその矢先、ニニギ村とヒザシの街を繋ぐ街道で崩落事故が起こり通行止めになってしまったのだという。

「どうやら街道の地下にちょっとした空間があったみたいでな。それ以外の危険はないという結論が出ているが、二次崩落の可能性は当然ある。しばらくは通行止めというわけだ」

 そして現在、ニニギ村とヒザシの街を繋ぐルートは「森の中を進む」のが一番の近道ということになってしまっている。
 その他のルートは数か月かかる計算になってしまい、現実的ではないのだ。
 しかしながら、森の中はロクに人が出入りしたこともない未知の領域。
 そんな場所を荒事になれていない依頼人は、とてもではないが進めない。

「……というわけで、依頼に繋がったわけだ。事実、森の中から猿のモンスターのようなものが見ていた……という報告もあってな。危険度はそれなりだと推測されている」

 酔っ払いの戯言だと相手にされなかったらしいが……それでも複数の情報があることを、情報屋は危惧していた。

「ニニギ村は此処からは比較的近い。依頼人……あー、ダッドの娘の名はルルナ。今年で12になる……似姿もつけておくから、参考にしてほしい」

 父親からの手紙もつけておくから、上手くやってくれ……と。
 情報屋の男はそう言って、一礼した。

GMコメント

父を訪ねて森の先。天野です、こんにちは。

・達成条件
ルルナを父親であるダッドにヒザシの街にて無事に再会させること。

・フィールド
道が全く整備されていない森です。
背の高い草と葉の生い茂る常緑樹で構成されています。
何処も同じような風景に見える為、万が一が起こった場合には怖そうです。

・敵データ
フォレストモンキー×20
枝を伝って木々の間を高速で駆けまわる猿型モンスター。
腕が長く、鞭のように振り回すことでの攻撃が得意。
変幻自在のその攻撃は、下手に受けると【混乱】をもたらすかもしれません。

・グレイトモンキー×1
強化版フォレストモンキー。真っ白な毛皮の為、他のモンキーとの区別は容易です。
他のモンキー同様の攻撃に加え、何らかのエネルギーの塊を投擲する攻撃を駆使します。

・その他
ルルナに戦闘能力の類は一切ありません。
年相応に怖がりでもある為、それなり以上の配慮が必要かもしれません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 東を目指して完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年02月06日 22時00分
  • 参加人数8/8人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ドラマ・ゲツク(p3p000172)
蒼剣の弟子
華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)
蒼剣の秘書
新道 風牙(p3p005012)
よをつむぐもの
アイリス・ラピスラズリ(p3p006943)
斬り込むお姉ちゃん
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
不動 狂歌(p3p008820)
斬竜刀
レべリオ(p3p009385)
特異運命座標
糸色 月夜(p3p009451)

リプレイ

●ニニギ村からの出発

「此処がニニギ村とかって場所かァ」

 僅かに面倒そうな口調を滲ませながら呟いたのは『テスト対策中』糸色 月夜(p3p009451)だ。
 小娘のお守りなンざどうでもいい、とでも言い放つ月夜ではあるが……此処に居る以上は、完全にどうでもいいと思っているわけではない、のかもしれない。
 ともかく、ニニギ村に到達した月夜たちではあるが……そこは、中々の寂れっぷりであった。
 存在する畑にはたいして珍しくもない食物。
 行き交う人々は、幸せとも不幸せとも言い難い顔をしていて、このニニギ村の現状を現わしているかのようだった。
 こんな場所に未来がないと判断した依頼人の判断は、まさに正解だと言わざるをえない。

「とっても素晴らしいお話なのだわよ! これからの素敵な日々が、こんな所で躓くなんてあってはならないのだわ!」
「気合いの入れようのある仕事ではあるね」

 随分と気合の入った様子の『嫉妬の後遺症』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)に、大分テンションは違うが『特異運命座標』レべリオ(p3p009385)は頷いてみせる。

「ま、だとしても……人類未踏の地へ娘さんを送り込むなんて、中々にチャレンジャーだなその親父さん」
「ご依頼者様は道の整備が終わるまで待てないご様子ですしね」

 『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)に『蒼剣の弟子』ドラマ・ゲツク(p3p000172)がそう答え、世界は今回の依頼に至った事情を思い返す。
 崩れてしまった街道の修復にはかなりの時間がかかるとのことで、それはつまりそれだけ父と娘の再開が遠のくということでもある。

「父娘離れ離れだなんて、可哀想だわ。依頼を出した気持ちも分かるわ」
「それに親子は一緒がいいに決まっているからな」
「うん、やっぱ家族は一緒のほうがいいよな」

 『頑張るお姉ちゃん』アイリス・ラピスラズリ(p3p006943)と『よをつむぐもの』新道 風牙(p3p005012)、そして不動 狂歌(p3p008820)(よみ:ふどう きょうか)の言葉が、結局のところは結論であったとも言えるだろう。

「俺達がしっかり送り届けてやらなきゃな!」
「ああ。絶対に無傷で、元気な姿をお届けしなくちゃな!」
「お姉ちゃん、頑張っちゃうわ!」

 狂歌が、風牙が、アイリスがそう心を新たにしている間にも、一行は今回の護衛対象、ルルナの預けられている家へと辿り着く。
 適度に寂れて古びたその家のドアを風牙が叩くと、丁度情報屋から聞いていた通りの容姿の少女……ルルナが顔を出す。

「え、えーっと……お客様、ですか?」
「お前がルルナだな? オレは風牙! 今からお前をスパーーっとお父さんのところまで連れてってやるからな!」
「ひっ!?」

 風牙の高いテンションにルルナが一瞬身を引くが、ドラマがスッと差し出した手紙にその動きを止める。

「貴方のお父様……ダッド様からのご依頼で、貴女をお迎えに参りました! 手紙もお預かりしております」
「え? お父さん?」

 父であるダッドの名前が出たことで警戒が解けたのだろう、ルルナはおそるおそるといった様子で手紙を受け取り……中を開いて読み始める。
 それを読み終えた頃……ルルナは、じっとドラマたちの顔を見回す。

「お父さんのところに……連れて行って、くれるんですか?」
「ええ、お姉ちゃん達に任せてね。バッチリ護ってあげるから!」

 姉力を発揮させたアイリスの姿が、暴君に見えたか大天使に見えたか。
 その答えは……ゆっくりと頷いたルルナの姿が、十分すぎるほどに示していた。

●森の中へ

 深い、深い森の中。
 経済的価値が皆無であるが故に放置され続けた森の中は、とてもではないが人間に適した場所とは言い難い。
 野生の楽園の1つの姿であるこの場所は、それだけで依頼人ダッドが依頼を出した理由として充分であると誰もが思わざるを得ない。しかし、そうだとしても。

「まあ、ただの森だったとしたら仕事としてはかなり楽な部類だな」

 簡易式召喚陣で精霊を召喚した世界が精霊操作で周辺警戒を行っているが、なるほど確かにこの手を使えば視界をまともに確保できない森の中でもある程度の周辺状況を確認できることは間違いないだろうと思われた。
 それだけではない。レベリオの透視やドラマのエネミーサーチ、自然会話での木々への語りかけも周辺の安全確保に寄与しているといえるだろう。

「ごめんなさい……この辺りは貴方達のお家かしら? ちょっとだけ通らせて貰うだわね」

 動物疎通で近くに居たリスに話しかけていた華蓮の行動は……まあ、直接的な安全確保とは少しばかり違うが、周辺の一般動物の警戒を解く役割は充分に果たしていたようだった。
 そして勿論だが、彼等が気にすべき護衛対象……ルルナへのサポートも忘れてはいない。

「ルルナちゃんの好きなものってあるのかしら?」
「え、ええっと。この前食べたリンゴは美味しかった、です……」
「そうなの? リンゴじゃないけど、ほら。おやつ用意してあるのよ?」

 言いながらアイリスが取り出してみせたのは、苺とホワイトチョコのサブレ。中々に豪華な見た目のお菓子は、森の中を進み不安の積もっていくルルナに一時的にでも不安を忘れさせる効果があったようだ。

「うわあ、お姫様みたいなお菓子……!」
「ふふふ、後でね?」
「はい!」

 そう、アイリスたちはともかくルルナは普通の女の子でしかない。
 森の中を歩くというそれだけで、心も体も消耗していく。
 だからこそ、風牙もまたルルナへの配慮を欠かしはしない。

「体力は大丈夫か? ちょっとでもダメそうなら言えよ!」
「は、はい! えーっと……お兄ちゃん……お姉ちゃん……?」
「さあ、どっちだろうな?」

 そんな風に誤魔化してみせる風牙の態度も、ルルナの緊張を和らげる一因になったのだろう。
 必要ならおんぶも辞さない。
 そう考えていることも、なんとなく伝わっているのかもしれなかった。
 そんなこんなで、ルルナからのアイリスたちの好感度は現時点ではかなり高く……初対面での脅えはすでに消え去っている。
 しかしながら、そんなルルナは気付いてはいない。
 月夜が自分の指を軽く切り、ギフト「花血症」で自分の血を花や花弁に変えて目印代わりにしていることには。
 たとえ結果的に美しい花になったとして、ちょっとばかりその光景は子供には刺激的に過ぎるだろうから……まあ、気付かない方が正解ではあったかもしれない。

「簡易ヘンゼルとグレーテルだな」
「ヘンゼ?」
「単なる童話だよ。まあ……森は舐められねェって話だ」
「童話……」

 ちょっと気になる様子のルルナではあったが、そんな場合ではないと思いなおしたのか風牙から受け取ったポプリ……虫除け草の詰め合わせをギュッと握りながら前を向く。
 襲撃は、未だなく。いずれの索敵にも、未だ反応はなく。しかし、それはこの後来る夜への不安を暗示しているかのようだった。

●襲撃

 森を進み、3日目の夜。
 ルルナはすっかりアイリスを「おねえちゃん」と呼ぶようになり、風牙も「おにねえちゃん」という何とも微妙な気分になる呼び方をされていた。
 
「地図を見るに……明日には到着できそうですね」
「それって、情報屋から貰った地図なのだわ?」
「ええ。縮尺からでも大体の日数は測れますから」

 事前準備として情報屋から地図を受け取っていたドラマだが、前人未到故に「此処に森がある」程度の地図でも読み取れる情報はある。事実、数日がかりであることも地図から読み取ることが出来た。
 食料に水、野営道具……用意したものはそれなりにあり、レベリオや風牙の用意した食糧、そして毛布も野営に慣れているはずもないルルナの不安を和らげる助けとなっていた。
 そんなルルナは風牙の語った童話を聞きながら寝ており……なんとも平和な光景であった。

「で? なンでオメェも寝ないンだ? ああ、俺は一度寝ると数日は起きねェし寝なくてもイイ生き物だからな」
「私は睡眠を余り必要としないギフトを授かっておりますので」

 本もありますしね、と言うドラマに月夜は「そうかよ」とだけ答える。
 ちなみに華蓮が起きているのは交代で見張りを務めているからであって、先程まではレベリオがその役目についていたりする。
 他にも……月夜が視線を向けた先には、同じように不寝番を務めている世界の姿もある。

「俺か? まあ……徹夜は得意分野だ」

 睡眠不要であるが故にそうした事も出来る世界だが、こうして人数が多い事で見逃しも防ぐことが出来る。
 可能な限り安全が確保された素晴らしい状況だが……そんな状況にじれたのか、それとも今さらになって見つけたとでもいうのか。世界が、ピクリと反応した。

「来るか」
「敵襲です!」

 叫んだドラマの言葉に全員が飛び起き、即座に戦闘態勢を整える。

「キー!」
「キキッ、キキー!」

 聞こえてくるのは、フォレストモンキーたちの興奮したような叫び声。

「ひっ、な、なんですか……!?」
「大丈夫よ、お姉ちゃんが守ってあげるわ!」

 アイリスにしがみつくルルナではあったが……フォレストモンキーたちは、そんなルルナの弱気も好物なのか、周囲の木々を高速で巡りながら包囲するように陣形を整えていく。

「私達はただ通りたいだけ…ここは退いて欲しいのだわ!」
「キキキッ、キハハッ!」

 戦いは避けられない。そう分かっていながらも叫ぶ華蓮の言葉を、フォレストモンキーたちは明らかに「そう」と分かる嘲りを返してくる。

「どうしようもないな、これは」

 世界はそう呟いて。

「俺は不動 狂歌! 前らに恨みはないが邪魔するなら押し通させて貰うぞ」

 名乗り口上をきめた狂歌が斬馬刀・砕門を構える。
 そう、戦いが始まる。これまでの平和は終わり、戦いが始まる。
 脅えるルルナに、声をかけたのは実に意外な人物で。

「ルルナつったか? 怖いなら耳を塞いで目を閉じろ。ンで、知ってる歌を歌え」
「う、歌……?
「ああ。歌い終わる頃には怖いモンは俺が食い尽くしてやる」

 啾鬼四郎片喰を構えた月夜が走る。
 森に迷い込むモノを喰らう猿たちへと向かう。

「蟲喰う猿共勘違いしてンじゃねェぞ。食物連鎖の上はどちらか、その身を持って識って後悔して死ね」

 それは伝説の血を吸う魔物としてのプライドか、あるいはもっと別の……とにかく、戦いの火蓋は切られた。
 ルルナの護衛と戦闘役に事前の打ち合わせ通りに別れ、戦闘が始まっていく。
 もしルルナの護衛を怠ればフォレストモンキーたちは一瞬の隙をついてルルナを攫っていたかもしれないが……円陣を組む風牙、アイリス、世界がそうはさせない。

「オレたちを突破できると思うなよ!」
「ルルナちゃん、心配しないで。心配しないで。お姉ちゃんはちょっとやそっとじゃビクともしないし、今の私は『罠の城』。私を攻撃したおサルさんに反撃するのもお手の物なのよ?」
「そういうことだ。此処は通しはしない」

 この3人を簡単には突破できない。
 そして、残り5人は自分たちを確実に殺しに来る。
 ああ、それのなんと恐ろしい事か!
 ドラマの蒼影剣が、レベリオのレジストクラッシュが、狂歌の一刀両断がフォレストモンキーたちを撃破していく。
 それだけではない。月夜が要所で立ち回り、ルルナに視線がいかないようにもしていた。
 ヒーラーとして立ち回る華蓮もいることで、早々にフォレストモンキーたちはその数を減らしていく。

「……きましたわね?」

 その状況を看過できなかったのか、現れたのは真っ白な毛皮を持つグレイトモンキー。
 明らかに強さの違うグレイトモンキーに立ち塞がるはドラマ。
 この状況も想定はしていた。
 ドラマにとって長期戦は望むところ。フォレストモンキーの相手をしている仲間達が合流するまで、もたせる自信はあった。

「とはいえ……倒してしまってもよろしいのですよね?」

 なんだか敗北の香りを漂わせる台詞を吐きながら、ドラマはグレイトモンキーの視線を真正面から受け止める。
 無論、この状況で負けるはずもない。
 戦いはそれから、然程の時間もたたずに彼等の勝利で幕を閉じたのだった。

●そして、幸せな

「お父さん!」
「ルルナ!」

 森の出口でソワソワと待っていたダッドを見つけたルルナが駆け寄り、再開した親子は互いを強く抱擁する。

「何が父親だボンクラァ。小娘一人置いていきやがって」
「……それについては言い訳のしようもない」

 無論、色々と理由はある。不安定な生活に娘を巻き込めなかったし、未来も見えなかった。
 しかし、それはそれだ。
 月夜の言う事は、まぎれもない正論なのだから。

「大切なら肌身離すな。この小娘がさっきまで『無用な怖い思いをした』のはテメェのせいだ……迎えに行ける力もねェくせに」

 ダッドは言い訳をしない。その通りだからだ。そして、月夜がルルナの事を思って言っていると理解できるからだ。

「これからは二度と離すンじゃねェぞ」
「勿論だ」

 だからこそ、そうダッドは答えて。
 似合わない事を言ってしまったと言わんばかりに月夜は舌打ちをする。

「……あの、皆さん。ありがとうございました」
「私からも。ルルナを守ってくださり、本当にありがとうございます」

 きっと、父娘がもう離れることはないだろう。
 それが分かるからこそ、誰もが笑顔になる。

「お父さんと幸せにな!」
「はい、風牙おにねえちゃん!」
「またね、ルルナちゃん」
「アイリスお姉ちゃんも……そうですね。また、です!」

 笑顔で別れ、誰も悲しまないままに……この依頼は完遂される。

「きっとこれから、素敵な日々が続いていくのね」

 そんな華蓮の言葉に、誰かが笑みを浮かべる。
 そう、きっと。
 きっと、そうなるだろう。
 こうして守った幸せの先にあるのは、素敵で綺麗な……そんな未来に違いない。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
爆弾になりかねないルルナへの気遣いという要素を含め、素晴らしい対応でした。
皆様、おつかれさまでした!

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