PandoraPartyProject

シナリオ詳細

『M』ゲーム

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●『M』の呼び声

『――皆さんこんにちは。このゲームの主催者の『M』と申します』

 突如脳内に鳴り響いた声。ここは――どこだ――?
 目の前は真っ暗だ。目隠しか何かされているのか……それに身体も動かない。
 どうやら厳重に拘束されているようだ。
『もしかしたら貴方は一回目を経験した方かもしれないですね。
 まぁどちらでも構いません……とにかく貴方達にはゲームをしてもらいます』
 ゲーム? ゲームだと?
 どこかに運ばれているのか。揺れている感覚から察するに、ここは船か?
 何を勝手な事を……! お前は一体誰なんだ!!
『ふふっ。前にも困惑する人たちがいましたよ、相変わらず可愛いですね。
 と、それはさておき……皆さんには今首輪が付いています。
 ああ――勿論爆弾入りですよ?』
 恐ろしい事を平然と呟いている。爆弾だと!!?
 身体を動かせなくて今一つ確認できないが、確かに言われてみれば首元に何かが付いている感触がある……金属製の何かだ。くっ、一体何が目的でこんな事を――ッ!
『ですがご安心ください。皆さんにはまだ生き残る道が残っています。
 ルールを説明しますね。だからどうかどうか――私を楽しませてくださいね。ふふふっ』

●打ち合わせ!
「Mゲーム第二弾ですよ第二弾!! 今度の舞台は島なんです!!」
 数日前。練達のとある施設に呼び出されていたイレギュラーズ達は何の事かと面食らっていた。
 Mゲーム。それはVR空間で行われる『デスゲーム』企画の事である。
 限定された空間で行われる他者を脱落させ生き残りを目指す催しの事をデスゲームと言う。いわゆる命の取り合いが主となる訳だが、あくまでVR空間での話であるので実際に命が奪われる訳ではないのでご安心を。なんでも前にも一度行われた事があるそうだが……
「ええあの時もイレギュラーズさんにはお世話になりまして……
 視聴者からも中々『カオス』だってウケが取れまして。それで今度は島を舞台に」
「ふぅん。爆発する首輪が付いてるから、それの解除を目指すんだね」
「ええ。制限時間内に目的を達成しないとボーンです」
 今度の企画では三時間が目途なんだとか。時間を短くして脱落させ合いを加速させるのか。
 配られた書類に目を通すと色々と『役目』があるようである。
 例えば終了まで逃げ切るだけだったり、或いは誰かを脱落させる必要があったり……
「そして今回もイレギュラーズの皆さんに参加して頂きたいなーと思っておりまして。ご希望があればその役目になる様に手配いたしますよ! 一度ゲームが始まったら後は我々も感知しませんので、公平ですけれど」
「ところでこのMって一体」
「駄目ですよ。Mの事を探っちゃいけません。駄目ですよ、絶対です」
 相変わらず一体何者なんだ『M』とは……
 まぁゲーム中に関わって来る事は無いようだし、気にする必要はないだろう。
 さてさてデスゲームを舞台にした依頼か。
 純粋に楽しむも良し、勝ちを目指してみても良し。思う存分やってみようか。

GMコメント

 Mゲーム一回目はこちら(https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/4424)ですが、特に読んでおく必要はありません。ルールが似た一回目があったんだなあぐらいです!

●依頼達成条件
 楽しみましょう!!

●フィールド
 VR、いわゆる電子空間です。
 舞台は一つの島です。時刻は昼で、そこまで大きい島ではないように見受けられます。恐らく端から端まで歩いても一時間と掛からないでしょう。
 島は中央が森に覆われていて、更にその中に一つの建物があります。
 まるで学校の様な建物です。古ぼけていて、廃棄されているかのような……

 ここが戦いのフィールドとなります。
 また島の各地に『武器』が点々と落ちています。
 武器を何に使うかって――お分かりですね?

●ルール
 このゲームは3時間続きます。最初の5分は攻撃禁止で、移動が自在に可能です。
 皆さんには一律首輪が付けられており『役目』を満たせないか、島を出る(大海原を泳いで外に行く)と爆発します。

 皆さんにはそれぞれいずれかの『役目』が付与されています。
 皆さんのポケットに一枚のカードが入っており、それが貴方の『役目』です。
 役目のアルファベットと、その内容に関してカードに全て記されています。

 プレイング一行目にどれでゲームに参加するかお選びください。

【A】:Aの貴方は3時間後まで生き残ってください。自動的に首輪が外れます。
【B】:Bの貴方は3人脱落させてください。脱落方法は何でも構いませんが、貴方が関わってください。条件を満たすと首輪が外れます。
【C】:Cの貴方は2時間、自分を含めて【どのアルファベットでもいいので3名】と常に行動を共にしてください。3人以下の時間が発生すると、時間はリセットされます。条件を満たすと首輪が外れます。

【D】:Dの貴方は3時間以内にDを含め自分以外を全員脱落させてください。条件を満たすと首輪が外れます。
【E】:Eの貴方は『学校』に赴き、解除用の鍵を探してください。首輪に差し込む箇所がありますので解除が可能です。ただし鍵は一度使うと折れます。
【F】:Fの貴方は自身を除き、人から離れている首輪を3つ集めてください。解除された首輪でも可能です。

【?】:貴方は特殊な成功条件が記されています。それを達成してください。(要は自由枠です、達成条件を自由に御記載ください!)
【運営】:運営の貴方は特に制限はありません。首輪は付けられているだけで爆発しません。が、このゲームが上手く回る様に場をかき乱してください……!

■参加者×??名
 この場には皆さん以外に一般参加者がいます。
 彼らもそれぞれの役目によってクリアを目指します。

■主催者『M』
 デスゲームの進行役。特にゲーム中に関与することはないです。
 詳細を探ろうとしちゃ駄目だぞ☆

■備考
 非戦スキルの類は自由に使って頂いて構いません。
 ゲーム開始時点は皆素手です。でも探せば皆さんの武器がどこかにあったりするかも?

  • 『M』ゲーム完了
  • GM名茶零四
  • 種別ラリー
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2020年11月30日 23時58分
  • 章数2章
  • 総採用数26人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

月原・亮(p3n000006)
壱閃
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
ラヴィエル(p3p004411)
Most クソプレ Player

「さーてやってきたぜ、第二回Mゲームだな!
 よっしゃ――!! 今回こそは勝つぞ! プレイヤー側だしな!」
 意気揚々と島に上陸したのはカイトであった。
 彼は『一度目』に参加した人物であり、その時は運営の立場だったのだが――今回はプレイヤーの『F』の立場として参戦している。首輪集めか……さてどこから集めたものかと、とりあえず目指すは学校。
「ハハ、島だからか紅葉が満ちてら! いーい季節だよなぁ……
 こういう折じゃなけりゃMOMIJI狩りとかした――なんか寒気が」
 飛翔しながら森を突き抜け、人の目にかからぬ様にしている――のだが、なんだか嫌な視線を天から感じたカイトは鳥肌が全身に。鳥だけに。ぷぷっ!
 と、着地。物質を透過する術を用いて侵入すれば、探すのは武器だ。
 とにもかくにも素手では不利だ。槍とは言わないがせめてモップでもあれば……と。
 ロッカーの中を探していた――その時。

「やああああい! リリファ・ローレンツ――! 乳がねえなー!
 お前の乳はいつになったらおっきくなぁるんだよ――ッ!!」

 屋上。鳴り響くかのような大声で自殺行為をしているのは月原・亮である。
 いや違うんです。違うの、聞いて? だってね指令カードが『貧乳の女に対して「乳がない」って叫べ』なんだものおおおおお! なぁんじゃあこりゃあああ――!
 そんな事をして生き残れるはずがないッ!!
 しかもどこかにリリファがいるなんて情報もあるのに!
 だがやらねば首輪が爆発するだけである。成せば絶対死ぬ、死んでしまう。
 でもゲームには勝利したい……故に賭けに出たのだ! 屋上から叫び『聞こえる』だろう判定をして――そして!!
「よっしゃ逃げろ逃げろ! 早く以下ねぇとこれ死ぬ! マジ死んでしま」
 う、という言葉は後ろから自分の肩を掴んだ何者かの『圧』によって続かなかった。
 感じるは殺意――化物の吐息――ムキャムキャ――
「きゃああああ助けてぇえええ!! このままだと妖怪乳ないないに殺される――!」
「亮……無茶しやがって、死んだな……」
 上から聞こえる悲痛なる声にカイトは十字を切りつつ冥福を祈った。
 だって助からないでしょ。どう頑張っても死ぬでしょ。はやく首輪落として。

「――待て! 争うなんて……Mゲームの運営に踊らされてる・ぞッ!」

 だがその時現れる影が一つ。
 救いの手か――ッ! そう思った亮が見た先にいたのはラヴィエルとかいう悪夢でした。
「やらねば死ぬ……? んだぁ……俺に手を汚せと言うのか!!
 それに飽き足らずこんな乳の争いまで呼び込むなんてMゲーム運営ィ!
 そこの乳繰り合い共はまだしも、俺はお前らの思い通りにはならないッ」
 天に向かって投げキッス。言葉の後ろ側がやけにピンク色の口調に塗れていて、これは酷い。
「M、オラ! 出てこい! MMJ! 俺と戦え!! MMJっ好きだっ♪」

 ――LOVE FOR YOU――

 作詞作曲:俺
 あの日の俺とお前 何かを探してたね。
 明日が来なければいいぜ 俺とお前と夜空の星。
 ラブフォーユーフロム俺 お前が好きだけど。
 俺は愛の妖精 この気持ち言えないロンリーナイト。
 ラブフォーユー ラブフォーユー ラブフォーユー……

「MOMIJI……」

 歌い終わってインターバル。天に・向かって♪
 ――チュッ★

 直後、ラヴィエルの首輪が何故か爆発した。

成否

成功

状態異常
月原・亮(p3n000006)[重傷]
壱閃
ラヴィエル(p3p004411)[重傷]
Most クソプレ Player

第1章 第2節

楊枝 茄子子(p3p008356)
虚飾

 学校の方で動きがあったのか爆発が響いている――いや早くない?
「ま、まさかもう死人が!? ていうかなんで会長がBなんだ!!
 絶対他の奴でしょ!! どうしろと!!」
 思わず地面にカードを投げつけるのは茄子子である――ちくしょう!
 絶対に誰かを脱落させるBかぁ~Bかぁ~~!!
「うーん会長死にたくない……死にたくないけど誰かに関わりにはいかないと……
 ……いや、待てよ? これなら会長でもいける……?」
 ピーンと来た茄子子には閃きが。まずは探すはCの者達である。
 彼らに合流し『自身もC』であると偽って接触するのだ――そのまま接触すれば怪しまれるかもしれないが、しかしそこは演技の見せ所である。カードを見せず、口八丁手八丁でCと思わせ込めば……
「んっふふ! 運よくこれも手に入ったからね、用事が済んだら後ろからぱぁんだよ!」
 その手に握られているのは黒光りするベレッタ92である――Cの連中は途中で離れれば時間リセット! 一時間半経った後に裏切られれば茫然の極みだろう!
 くくく。会長はね、そんな連中を後ろから撃つ絶望の時間が――楽しみなのさ!

成否

成功


第1章 第3節

マッチョ ☆ プリン(p3p008503)
彼女(ほし)を掴めば
黎 冰星(p3p008546)
誰が何と言おうと赤ちゃん
ラクロス・サン・アントワーヌ(p3p009067)
ワルツと共に

「――M、オラ――出てこい……――好きだ……――」

 遠くで爆発音――もののついでになんか奇妙な声も聞こえたような気がするのは冰星だ。
 島の中央付近だろうか? もう苛烈な脱落のさせあいでも始まって……
「いや、まぁいいや……とにかくなんとか生き残らないといけないんです。
 見つからないように……でも武器も探さなければ……」
 されど構ってはいられない。まずは獣道を歩きながら武器だ武器。
 いくら制限時間まで生き残ればよい【A】と言ってもいざ敵に遭遇した時に対処する術がないのでは脱落必至である。と、探していれば釘バット……大分なんか凶悪だが、とにかく見つける事は出来たので後は大木の洞にでも隠れて――

「ヌゥォォォオオオ――!! プリンップリ――ンッ!!」

 直後、そんな思考をしていた冰星の眼前に降り注いで来たのはマッチョ ☆ プリンであった。いやお前どこから降って来た!!?
 ぎゃあああ――! と驚く冰星を余所にプリンは着地の衝撃からゆっくりと再起動。
 1、人がいっぱいいる。
 2、札が配られている。
 3、ゲームをするらしい。
「ナルホド……ツマリ、ココハ新タナ闘技場会場二違イナイッ!
 ソウ!! 新タナ、プリンノ覇者ヲ決メル、プリン世界闘技第三十二回目ノ大会ッッッッッ!」
 目が輝く。つまり全員捻じ伏せ倒せばいいのだと【A】のプリン、絶好調である!
 とどのつまり――彼は話を聞いていなかったのだ!
 くそ、こいついつも通りすぎる! そして直後、振り向いた先にいたのは釘バットを持つ――
「プ リ ン」
「アアアアア――!! 化物、化物だ――!! 嫌だ嫌だ嫌だ! やられたくない!! アレは殺る眼をしてる!! 絶対喰われる!! うううわああああやだああああこっち来たああああああころされたくないいいい!!」
 全力疾走。向かうは学校の方面なのだが――はたして意図して向かっているか否か……いや否ですねこれ間違いない。
「ははっ――なんだいいきなり凄い様子だね、今回のVR空間も」
 ともあれ二人して全力の追いかけっこをしていれば、眼前に現れたのはアントワーヌだ。
 相変わらず凄い技術力だなと感心している所に現れた――何、なに?
「まぁいいさ。彼を御す事が出来たら……文句なしに私の首輪は外れるだろうしね」
 ハットを被り直し、見据えるは冰星を追うプリン!
 自らの指令カード――それは些か特殊であった。
 単純に敵を倒すだとか生き残ると言った類ではないモノ――

 『性的魅力がすごい』……事の証明を行えという一品。

 どうすればいいんだと思ったが全てを悟った。暴走(読み:平常運転)するプリンの足を払う。さすれば即座に流れるように彼へと腕を伸ばし、引きよせて――その様はまるで舞踏の様に。黄金の円舞曲の様に。
 腰を掴んで腕を伸ばしきる。耳元で問いかけられるは、たった一言。
「ね、今宵だけは私だけを見てくれないか。私は、君だけの王子様だ」
「オゥ……プリン……!」
 胸のときめき――アクセント鳴り響く、これはカラメル?
「いや何言ってるんですかねホントに??? ハッ! 今のうちに逃げないと!!」
 アントワーヌの首輪の外れる音を皮切りに正気に戻った冰星は走り抜ける。この事態はともかくとして、己はまだまだ生きなければならないのだから……ああなんか三時間後がやけに遠い気がする!

成否

成功


第1章 第4節

フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)
音呂木の蛇巫女

 各地で轟く戦況を察しながら秋奈はぐへぐへと不敵な笑みを張り付けていた。
「前回はついうっかりデスっちゃったけど、これはアレよ。前回を生き残りながら、なんか雇われて次回のコースになんとかかんとかってやつ! うへへへへッ!」
 あっポチッとな。
 愉悦の表情のまま押し込むボタン――と同時に秋奈の少し後方で生じるのは爆発だ。炸裂する衝撃音と身を震わせる振動が彼女の心を掴む――ああやっぱり爆発よ爆発! 『前回』もめっちゃ楽しかったし、こういうのは運営特権でやりたい放題やるのが醍醐味!
 グレネードを放って木々の間に隠れる奴にロケットランチャー。
 ギルパン仕込んでリモコン操作の爆弾トラップ雨あられ! って今一つ変なのが。
「ん? 何か混じったけ? でも細かいことは気にしない! 秋奈ちゃんなんだぞっ!」
 轟く悲鳴と逃げ惑う声が聞こえてくる。思わず涎が垂れそうな感情――と、その時。
 自らの足元に見えたのはカードだ。むー? 誰かカード落としてら、と覗けば。
「乳がない?」
 (音量|||)
「あーっはっはっはー!! 乳が無い事をって、あーっはっは――!!」
 (音量|||||||||||)
「乳がない!!!! もしかしてこれリリファちゃんのこ」
 と。と続けようとした秋奈の後頭部に衝撃一つ。
 笑いながら倒れる秋奈――その背後にいたのは――
「はぁ、はぁ、これで二人目……リリファ先輩やったね。
 あんなところで大声出したらそりゃあ『あたし達』に狩られるよね」
「ええそうですね――フランさん」
 フランとリリファであった。ご存知この二人はお胸が……ヒッ、なんでもないです。
 ともあれ月原に次いで次々と不遜なる者共を彼女ら――通称『持たぬ者』は狩っていた。その手に抱きしは丁度二人分の『巨乳立入禁止』看板である。なんでこんなのがここにも。まぁ以前の別のVR空間でも使用したもの故に馴染むからいいけど!
「さぁもっと行きましょうフランさん! まっだまだ生き残りがいますよ!」
「うん――そうだね先輩」
 先導するリリファ。その胸、違った背を見ながらフランは思考する。似てたから間違えた。

(ごめんねリリファ先輩、あたしさっき【B】って言ったけど実は【D】なんだ……リリファ先輩とはいつか戦う運命なんだよ)

 おいそこのどっちもサイズが違うとか思ったお前、後で覚悟しとけよ……すぞ。
 ともあれBの偽装をしつつ三人目を倒して油断した所を――後ろから刺す。
 悲しいけれどこれって戦いなんだよね。あれ、そういえばリリファ先輩の役目って……

 瞬間。ニッコリ笑顔のリリファがこちらを向いた。

 まるで皆殺しにするDの者の顔で――

成否

成功


第1章 第5節

イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)
キラキラを守って

「Mゲーム、何だかすごく怖いゲームだったんだね、オフィーリア……
 まさかこんな争いをするゲームだったなんて……」
 うええ、そんなに怒らないでよ……と、思わず耳を塞ぐのはイーハトーヴだ。
 彼が腕に抱いて会話――をしているのは、うさぎのぬいぐるみのオフィーリア。
 彼女は何かを語っている訳ではない。少なくとも余人には何も聞こえない。
 ただ彼の真実たる、交わされている意思の疎通は確かに彼と彼女の中にあって。
「とにかく誰かを脱落させる役じゃなくて良かったよね、うん!
 ……え、楽観的すぎる? ずっと協力できるとは限らない?
 俺みたいな騙されやすい人間は格好の的? えええ……」
 オフィーリアは結構辛辣な様であった。とにかく移動しながら思考を巡らせる――
 トリックスターを目指すべきだと、他人を騙し、自らのままに羽ばたくべきだと――
「いや思いのほかノリノリだねオフィーリア!?
 どうしたの、そんなに血気盛んだったっけ!?」
 ともあれ二人は往く。森を歩きいずこを目指し、このゲームを過ごす為に。

成否

成功


第1章 第6節

小金井・正純(p3p008000)
ただの女

 Dとは最悪だ。協力し合えない関係、全滅させなければならない達成難易度の高さ。
 しかし正純は己が指令カードを見て――事も無さげな思考に至っていた。
 全員倒さなければならない? いやいや違う。全員倒せばいいというのなら!

「――サーチアンドデストロイ!」

 見敵必殺・一切鏖殺をせよと――星が囁いている!
 いやぶいあーる空間とやらの中なので星も何も見えないけれどきっと星ならこういう筈だと正純は確信している。邪教の星かな? ともあれならば重要なのは武器。武器を見つける事である。
「ふふ、殺人鬼と化すは愚策。ここは潜み、寝首を掻く事こそが寛容でしょう」
 これも星のお告げだ。取るに足らぬどこにでもいるかのような弱者を演じつつ――人を探す。
「あの! 僕、こういうの初めてで! な、なんかなんか紙にはAって書いてあったんですけど、よ、良ければご一緒させていただけませんか? あ、その! 武器はさっき見つけましたので!」
 魅せるは木の棒。懐に忍ばせるは鋭き刃。
 隙を見せれば殺ろう。天に輝く星の運命なのだから――

成否

成功


第1章 第7節

リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)
黒狼の従者
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
戦輝刃

 さてこのゲームが始まって少し。まだまだ続きそうなゲームである、が。
 戸惑う者や戦いを否定する者も中にはいる――だからこそ。
「誰かしらのお助けキャラとして動くのも良いかと思っているんだが、どうだろうリュティス。あちこちに人の気配はまだ多いしどの道、自ら数を減らして回るというのも……あまり俺の好みでは無いからな」
「ふむ……お助けキャラですか。ご主人様がそう仰るのであれば、そのように致しましょう。直接の妨害などを行うばかりが私達――『運営』側の人間に求められる事でもないでしょうし」
 ゲームを円滑に回すべく運営側の人間が混じっている事もあるものだ――ベネディクトとリュティスはその役目としてこの空間に身を投じている。Mの思惑は数の減らし合いであるが、しかしベネディクトはあえて参加者の助けになるようとの行動を。
 ようは停滞さえさせなければ良いのだろう? と。
 従者たるリュティスもまた彼の意思に賛同し彼の供となる様に。優しそうな人物や窮地に陥っている者を救うとしよう――そのために必要な武器も探さねばならない。
「ご主人様、近くでいくつもの反応が……急がねばならないかもしれません。
 時間が経てばやがて強力な武器を宿す者もでてくるでしょう」
 彼女の探知内で幾つも響くは非戦技術の応酬。
 幾人もの者達が潜んでいるか探っているか……急ぎ体制を整えねば。
「ああ――さて、俺の槍でもあれば良かったんだが、とりあえずは『これ』で場を凌ぐか」
「かしこまりました。それでは私もこちらにて」
 そして見つけるは長き木棒とナイフだ。試しにベネディクトが棒を振るってみれば、いつも使っているモノと似た長さで、比較的手に収まりやすい。ナイフはリュティスが忍ばせいつでも振るえるようにして。
「まぁ序盤で見つける事が出来たものにしては上々だろう。頼りにしている、リュティス」
「恐れ入ります。どうかご主人様の意思と力を――ご存分に」
 二人は往く。
 島の闘争の中に――豁然と。

成否

成功


第1章 第8節

物部・ねねこ(p3p007217)
ネクロフィリア
アエク(p3p008220)
物語喰い人
マッダラー=マッド=マッダラー(p3p008376)
涙を知る泥人形

「ふふっ面白そうなゲームやってますね! ゲームならこの手の遊びは楽しい物です♪」
 にこにこ笑顔のねねこは場の空気に心躍らざるを得なかった。
 脱落のさせあい――騙し化かし、死を量産する舞台――
 現実でないのがちょっぴり残念である。
「さてさてどうしたものでしょうかね~♪ 色々手はあると思いますが……」
 役目は【F】……首輪を集めればいいだけだが、さて。
 三人纏めて行動しているCを狩りに行くか? 或いはついていき油断を……いやそれならBの者に協力し、脱落させた三人からでも良い……どちらでも首輪の数は揃うが、それならBか! だってそっちの方が死体を見れる!
「――と、んんん?」
 であればと相手の挙動を見据え、役目を看破せんとしたねねこ――の前に倒れた人影が。
 血がべっとりと付いている。明らかに致命傷である事が伺える……が。

「……ふむ。近寄ってこないとは見破られたか?」

 それは死体の振りをしていたアエクであった。
 『殺し合いの如きゲームを煽ってかき回せ』――Mより直接指令を受けたアエクは、しかし追いかけまわし泥臭く凄惨な争いなど面倒だったのだ。故に血糊袋を用意し、白きドレスを真っ赤に染めて死んだふり。
 その内、武器などが残っていないかと確認してきた愚かな者を狩っていたのだ。心配するようなら紛れ込んで適当に関係性を壊し、襲い掛かって来るようならそれを餌に誰かに助けを求めて。
 既に二人仕留め、次は三人目か――そう思考していたが、ねねこは動かない。
 看破する力、そして死体を見据える性が『違う』と警鐘を鳴らしていたのか?
(この距離から攻撃されれば流石に不利だな。それに、我は機動力もない……
 一度優勢を取られればうっかりすると我はすぐ死ぬぞ! すぐ死ッ! 死ぞッ!!)
 しかし口端は上がっていた。不利である――それでもまぁ面白ければ何でもよい。
 相手は真に見破っているのか? それともまだか? こちらから奇襲すべきか?
(ああ――楽しいな。素晴らしいぞ)
 スリルが脳裏を過り、思考を高速化させる――その時。
「規則ハ理解シタ」
 ねねことは別方向。現れる声は、マッダラーだ。
「セッカクの舞台、楽シマセテ貰オウ。
 誰ガ何ノ札ヲ持ッテイルカワカラナイノナラ、皆殺シニスレバイイ。
 ソレガ生キ残リニ繋ガリ、ソレコソガ、コノ体ノ真ノ意味ナノダカラ」
「わぉ。その殺る気、ちょっとばかり気が合いそうですね」
 ねねこがマッダラーの言に紡ぐ――マッダラーの目は、妖しき光を宿していたのだ。

 愚カナ歌ヲ歌ウダケノ泥トハ違ウ、コノ身体ハ本来コウ使ウモノナノダ。
 痛ミヲ感ジナイ身体、四肢ヲ使ッテ標的ヲ窒息サセル。
 私ノ名ハ、マッダラー・マッド・マーダラー。
 今コノ時ダケハ、私ガコノ身体ノ支配者ダ。
 愚者ヨ、恐レヨ、私ノ、私ノ全テヲ、知ルガイイ――

「――ふっ、なんてな」
 ……なんて、悪ふざけ。
 自嘲する様に笑みを零したと同時――三者が動いた。
 ねねこの一撃、アエクの襲撃、マッダラーの跳躍――
 生き残るのは誰か。殺意の応酬が、島の一角で弾けていた。

成否

成功


第1章 第9節

 

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