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シナリオ詳細

<マジ卍体育祭2020>怪人、亜組体操's参上!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 今日は希望ヶ浜学園の体育祭。
 幼稚舎から大学まで存在する学園で、一同に会して行うビッグイベントである。
 徒競走や障害物競走、玉入れ、綱引き、パン食い競争に応援合戦など、生徒達は大盛り上がり。なぜか会場には多数の出店も存在しており、学園関係者だけではなく、保護者や観覧客を飽きさせることがない。
「紅組、がんばれー!!」
「負けるな、白組、根性みせろぉ!!」
 競技に参加する学生達だけでなく、応援する生徒達にも熱が入る。
 これだけ大規模なイベントなのだ。それだけに皆色々と抱える者があるのだろう。
 例えば、個々人での徒競走の勝負などは、もしかしたら罰ゲームを賭けている生徒もいるかもしれない。
 華やかな応援合戦は非常に花がある。その衣装を作るのにどれだけ手間をかけたのだろうか。
 男女で踊るフォークダンス。一曲だけでもあの人と踊れたなら。
 クラス対抗リレーでの直接勝負。激しい熱気がこちらまで伝わってくる。

 大盛り上がりする体育祭だが、それを邪魔する存在がふらりと運動場のトラック内へと現れて。
「おっ、体育祭か」
「なんだ、楽しそうだな」
 それらは人の姿をしていたが、影人間といった見た目をした夜妖達。
「ならば、我等亜組体操'sの見せ場だな」
「俺達の技、しかと目に焼き付けるがいい!!」
 彼らのうち半数がすぐに組み上げていったのは、最下段が3段ある6人で作るピラミッドである。
 すると、トラック内に薄紫色のフィールドが展開して。
「おおっと、一体何事でしょうか!?」
 本部の実況がその異変に気付いてアナウンスする。
 丁度、競技の準備中だったこともあり、実行委員が手にしていたモノを手放してそのフィールドから逃れる。
 逆に、イレギュラーズ達がそれを察して内部へと突入していく。
「…………!?」
 ところが、フィールド内で武器や攻撃、回復スキルなどを使用できないことに気付くメンバー達。
「残念だったな、俺達を倒すことはできねーぜ!」
 ピラミッドを組み上げた夜妖達が勝ち誇った表情をしており、周囲の亜組体操'sが攻撃を仕掛けてくる。
 ここで、イレギュラーズ達が気づいたのは、先程実行委員が落としたバトンだ。
 フィールド内にある3色のバトンは、イレギュラーズが拾うと光を放つ。
 試しに、メンバーの1人が武器を使うと攻撃することができたが、バトンの光が失われて再び攻撃、回復が封じられてしまう。
 そこで、そのメンバーが別の仲間にバトンを渡すと、再びそのバトンに光が宿る。
「なるほど、リレー形式で俺達を攻めるってか」
「ハン、だが、ピラミッドは崩させねーぜ」
 行動制限したイレギュラーズ達を見下す亜組体操'sは、2人、3人ペアになって技を披露し始める。
 それらもまた何かの力を持っているのは確実と見たイレギュラーズ達は、すぐさまメンバー同士で連携をとり、夜妖達の討伐へと当たり始めるのである。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様こんにちは。GMのなちゅいです。
 希望ヶ浜学園で行われる体育祭! しかしながら、このタイミングを見計らって活動する夜妖がいるようですので、討伐を願います。

●目的
 亜組体操'sの討伐

●概要
 運動場のトラック内に、亜組体操'sと名乗る怪人が現れ、ピラミッドを作って特殊なフィールドを展開します。
 
●夜妖……亜組体操's(あくみたいそうズ)×12体
 全身が影に覆われた人間大の怪人達です。
 6体がピラミッドを作り、特殊なフィールドを展開、残りの6体が通常攻撃として格闘術を使う他、組体操を行うことで大きな力を発揮します。
 それぞれの技には耐久力があり、溜めの間に(ピラミッドは組みあがってからも)崩すことが可能です。

〇1人技・V字バランス・神近単・怒り
 勝利を確信したVの字で相手を引き付けます。

〇2人技・サボテン・溜1・神中貫
 膝の上に乗った者が全身から強力なビームを放ってきます。

〇3人技・飛行機・溜2・物遠単・移
 2人の土台の上に乗った1人が特攻してきます。

〇6人技・ピラミッド・溜3
 出現時から下記のフィールドを半径50mに展開し、こちらの動きを大きく制限してきます。これを行う間は行動、移動の一切ができません。

●特殊フィールド
 トラック内にピラミッドがある状態のみ発動します。
(戦闘開始時は必ず存在します。また、一度崩れても敵の残り数によっては再び作成される恐れがあります)

 フィールド内では、イレギュラーズはバトンを持った者しか攻撃スキル使用選択をすることができません(移動、非戦スキルの使用は可能です)。
 バトンは赤、青、黄色の3つが戦場内にあり、最初に持つ人を選択可能です。
 バトンは受けとる度に光り、攻撃やスキル使用選択をすると光は消えてしまう為、次の人に渡さねばなりません。この為、バトンリレーを行いつつ敵を攻めねばなりません。

 例えば、1つのバトンを持つグループで以下の様に行動します。
 A:副行動でバトンを渡す。主行動で移動。
 B:副行動でバトンを受け取る。主行動で攻撃、スキル使用。
 C:Bから次の手順でバトンを受け取るべく移動してBに接近。
 といった手段をとりつつ戦うことになります。

 参加メンバーの連携が非常に重要な戦いになるかと思います。
 また、如何にして少ない手順でピラミッドを崩すかが攻略のカギとなるでしょう。

●事後
 競技を見たり、出店を回ったりすることが可能です。
 食事を作って今回の参加メンバーを振舞ったりすることも可能ですので、お楽しみくださいませ。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • <マジ卍体育祭2020>怪人、亜組体操's参上!完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年11月26日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)
氷雪の歌姫
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者
楊枝 茄子子(p3p008356)
虚飾
伽藍ノ 虚(p3p009208)
     

リプレイ


 練達、再現性東京にある希望ヶ浜学園の運動場。
「意味が!! わからん!!」
 メイドを思わせる姿をした鉄帝の騎士、『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)がそう叫ぶのも無理もない。
 目の前では、理解に苦しむ状況が展開されていたのだから。
「こ、これが都会の組体操ですか!? すごいプレッシャーなのですよ……」
 ケモ耳にもふもふ尻尾が目を引く『シティガール』メイ=ルゥ(p3p007582)の視界には突如現れた黒ずくめの怪人集団……亜組体操'sが組んでいた組体操のピラミッドがあった。
「組体操!ㅤ会長は身体硬いし運動苦手だし、あんまり好きじゃないよ!」
 普段はポジティブな『羽衣教会会長』楊枝 茄子子(p3p008356)だが、ピラミッドなどは一番キツく、上だと怖いと大声で叫ぶ。
「ハハハ、我等の組体操は特別な力を生み出すのだ!」
 怪人の1人が主張するように、ピラミッドによって不思議な結界が展開し、攻撃回復といった行動、スキル使用ができなくなってしまったのだ。
「あらあら、随分と厄介な結界ですことー。それに、随分と連携も得意なようでー」
 柔和な笑みを浮かべる海種女性、『氷雪の歌姫』ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)は敵方の連携技に驚嘆の意を示していた。
 現れた夜妖……怪人、亜組体操'sのメンバーは12名。半数はこちらの出方を窺い、ピラミッドの周囲で身構えている。
 一方、この状況を打破する鍵は……。
「組体操なら、こちらとて負けてないでありますよ?」
 その前に、エッダは近場にいた気品ある女騎士、『艶武神楽』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)に声をかけて。
「さあブレンダ嬢、自分が上になるのでサボテンを完成させるでありますよ!!」
「ん? サボテン??? この状況で? そういう事ではないだろう???」
「そういうことではない? うるせぇー、こういうのは勢いで負けた方の負けなんじゃ!!」
 エッダの勢いに負け、結局見事なサボテンを見せつける2人。しかし……。
「……これに何の意味が?」
 ブレンダはサボテンの土台となりながら、思わず首を傾げてしまうのである。
「で、夜妖は……なに?ㅤバトン?ㅤ光ってないとスキルが使えない?」
 茄子子は手にしたバトンが光ると、スキルが一時的に使えることを確認したが、その理屈は理解の範疇を越えていて、「会長難しいことわかんない!!」と首を大きく横に振る。
「むむむ、こちらはバトンリレーで対抗ですね!」
「面倒すぎるぞ御主等ぁ!!」
 組体操とバトンリレーの異種格闘技戦。
 メイがどちらのチームワークが上なのか、頂上決戦の時だと意気込む一方、白い毛並みの猫耳と尻尾を生やす旅人、『流麗花月』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)は思いっきり怪人どもへと叫んでみせた。
「再現性東京で戦うのは初めてだけど、この……特殊ルールで攻めてくる感じが新鮮だね」
 つぶらな瞳をした鷹の飛行種男性、『空歌う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)は目新しさを感じつつ、闖入してきた敵を見回して。
「ともあれ優先的にピラミッドを片付けてから倒しにいくよ!」
「うむ、あの小癪なピラミッドを優先して狙っていくぞ!」
 アクセルに続き、汰磨羈が敵陣へと移動していく。
「スポーツマンシップにのっとって負けないのですよ!」
「何故組体操にバトンリレーで挑まねばいかんのか理解はできんが、この状況を放っておくわけにはいかん!」
 サボテンを崩したメイとブレンダもまたその後を追うと、応戦の為にと、残る怪人達も組体操を始めていたようだ。
「乱入飛び入りは勝負事の華。飛び入り参加したい、というのならまだ少しは考えないでもなかったのですが……」
 体育祭の救護班を行っていた練達出身の青年『     』伽藍ノ 虚(p3p009208)だが、体育祭の運行を妨害するならば、残念ながらご退場願うしかないと動き出すのである。


 トラック内に現れた夜妖の集団、亜組体操's。
「見たか、俺達の技!」
「我等の組体操、その目にしかと焼き付けるがいい!」
 怪人達が展開した結界内では移動こそできるが、攻撃、スキル使用ができなくなってしまう。
「この結界、打ち破ってみせましょう~」
 ユゥリアリアはこれだけの敵の連携を打ち破ることに喜びを感じる。
 外にギャラリーがいることも大きく、カッコいい姿を見せようとユゥリアリアは張り切っていたようだ。
「とりあえず、みんなで心をひとつにすればいいんだよね! チームプレーは得意だよ!!」
 仲間達の状況を確認する茄子子の手前へと、近接攻撃を仕掛けるメイが飛び出す。
「基本的に、『レンジを共有する仲間で固まってバトンの受け渡し、渡せるならすぐバトンを渡す』のですよ!」
 チームの基本攻撃方針を再確認するメイはまだバトンを持っていない。この場はピラミッドへと近づいた状態で待機する。
「とおせんぼなのですよ!」
 そして、近場の敵をブロックしつつ、少しでも敵の動きを制限できるよう立ち回るメイである。
「バトンを無駄にせぬよう孤立は避けねばな」
 使えるバトンは3つ。その1つ、青いバトンを持つ汰磨羈も前に出て、周囲に集まる仲間達へとバトンを繋ぐ前に自らの妖刀に木行のマナを纏わせて。
「厄狩闘流『験禳』……」
 そのマナを自由電子へと変換した汰磨羈は、一気に前方へと撃ち放つ。
「雷火樅!」
「ぐうっ、これしきで崩れはせん……!」
 狙うはピラミッドの下段。だが、すぐに倒れるような耐久力はしておらず、怪人達もしっかりと堪えてみせていた。
 その周囲で、数人が集まり、サボテンや飛行機を作ろうとしていたが、エッダが逃さず近づく。
「おのれ、邪魔をするな!」
「そんなことよりカバディしようであります!! カバディカバディカバディ」
 技を作ろうとする怪人をブロックで押しとどめるエッダは状況も見てバトンの受け取りにも備える。エッダは汰磨羈へと手を伸ばしていたようだ。
 近場には、赤いバトンを握るブレンダが至近からピラミッドへと攻撃を仕掛けて。
 スキル編成の難もあり、彼女は刀身が燃え盛るフランマ・デクステラで無慈悲な斬撃を浴びせかけていく。
「うおおっ……!」
 これには土台となる怪人も堪えたようで、呻き声を上げると共にピラミッドをグラつかせていたようだった。
 近距離から攻撃するそれらのメンバー達へ、一旦組体操を組むのを諦めた亜組体操'sの面々が躍りかかってくる。
 近距離メンバー、特にバトンを持つ仲間を、虚が庇う。
「バトンを持ったまま怒りを付与されて敵に特攻されたら大変ですからね……」
 作戦を維持することができるよう防御態勢をとる虚は自己回復を行いながら敵のマーキング、ブロックで動きの阻害も合わせ、味方の戦線が維持できるよう努めていた。
 そんなメンバーから少し距離を開け、アクセルやユゥリアリア、茄子子が位置取る。
「皆さま、できるだけ支援しますのでお集まりをー」
 ユゥリアリアはこのフィールド内でもエスプリは有効と判断し、出来る限り自分の支援効果が及ぶ範囲に全員を収め、自らの血を氷の槍へと変えてピラミッドを構成する怪人達へと突き刺していく。
「はーい、こちらパス、パスですわー」
 ユゥリアリアからバトンを受け取ったアクセル。
 近距離から攻める仲間が多かった為、思ったより早くバトンが回ってきたアクセルだが、すぐさま全身の力を魔力へと変換して放出し、ピラミッド崩しを優先する。
 なお、バトンを渡したアクセルはフリーとなっている怪人へと寄っていき、隊列を見出そうとして組体操をさせない。
 アクセルは時折、ヒーラーとなる茄子子を意識する。
 というのは、茄子子もまた仲間全員を捉えて回復できるよう一度っていたのだが。
「会長が攻撃とかしてもね!」
 茄子子は敢えてバトンを受け取らず、必要なタイミングまで待機していたのだ。
 現状、敵の攻撃はフリーとなる怪人からの肉弾戦によるものがほとんど。
 それもあり、茄子子の回復は近距離から攻撃するメンバーに向けられる。
「バトン貰った!ㅤ回復するね!」
 状況を見て三色それぞれのバトンを受け取る茄子子はすぐさま範囲に捉えた仲間達を支援し、傷を塞いでいくのである。


 怪人……亜組体操'sが組んだピラミッドはなかなか崩れない。防御態勢をとることで、耐久力を高めているのだろう。
 だが、それでも個々の怪人の体力は別。土台となっている怪人が倒れれば、ピラミッドも崩れるはずだ。
 もちろん、怪人達もそれを理解しており、結界を解かれぬようイレギュラーズへと攻撃を仕掛けてくる。
 それらの攻撃をアクセルや虚が防ぎ、動きを遮る中、一気に切り崩しにかかるメンバー達。
 先程、土台を叩いた汰磨羈は青いバトンを受け取ると、吹き飛ばして崩すことはできないと判断し、攻撃パターンを変える。
「厄狩闘流新派『花劉圏』が一つ……」
 汰磨羈は妖刀で地面を抉り取り、攻性結界を怪人達へと叩き込んでいく。
 まだ、亜組体操'sの展開したフィールドは生きている。
 バトンはすぐ光が消えてしまう為、汰磨羈はすぐエッダへと渡す。
 スムーズにバトンを受けとったエッダは技を組もうとする怪人を見つける度に、ノーモーションで衝術を飛ばして事前に技を阻止する。
 続けざまに、アクセルが再度魔砲を発していく。
 すぐそばに仲間がいない状況となっていたこともあり、アクセルは誰に渡すかと見回したところで、回復を行おうとしていた茄子子へとバトンタッチ。
 位置によっては、敵も3人技こそ間に合わないが、2人技のサボテンを作って強力なビームを放ってくる。
 その衝撃から仲間を回復すべく、茄子子は適宜バトンが受け取れるメンバーへと意思表示して回復に当たっていたのだ。
 交戦が続く中、ブレンダがピラミッドの土台へと仕掛けて。
「よくわからんが、とりあえず崩れろ!」
 無慈悲に繰り出される炎の刃は怪人の身を焦がし、苦しめる。
「ぐ、ああっ……!」
「おい、まだ崩れるな!!」
 ピラミッドを構成する怪人達に焦りが見え始める。
 これには、残りの怪人達も危機を感じたようで。
「いかん、我等で新たなピラミッドを作るぞ!」
「「おお!!」」
 別の6人が集まろうとするが、それをイレギュラーズ達が許すはずもなく。
 虚は妨害工作の為に有毒ガスの霧を展開し、怪人達の体力を削っていく。
「待て待て、もっとこっちの方でやった方が見栄えいいでありますよ?」
 また、青いバトンを受け取ったエッダは手招きしつつ、錬鉄の搆えをとる。
 それによって彼女は「こっちゃこい、こっちゃこい」と数人の怪人を引き付けて……。
「嘘じゃボケェー!!!」
 バトンを仲間に預け、近づく敵をブロックする。
 黄色のバトンを持つユゥリアリアもまた圧倒的な破壊力を持つ魔光を発し、ピラミッドを作ろうとしていた1人を倒してしまっていた。
 こうなれば、もう怪人達は新たなピラミッドは作れず。
「スラスター点火!」
 赤いバトンを受け取ったメイは羊のおんぶぬいぐるみバック「ロケッ都会羊」で飛んでいき、青き彗星となってピラミッドの土台へと強烈な一撃を叩き込む。
「「う、うああっ……!」」
 土台となる3人の意識が途絶えたことで、ついにピラミッドが音を立てて崩れる。
 それと同時に、特殊なフィールドは音もなく晴れていったのだった。


 特殊フィールドが亡くなったことで、バトンがなくともスキルが使えることを確認したイレギュラーズ達。
「ピラミッドが崩れたら、こっちのものだよ!」
 アクセルはすかさず神聖なる光を浴びせかけ、夜妖の完全討伐を目指す。
 しかし、まだ亜組体操'sはまだ8人が動けている状況。ピラミッドを作ることは十分可能だ。
「次のピラミッドに備えろー!ㅤ疲れても会長が何とかする!!」
 本格的に交戦が可能となったメンバー達を視認し、茄子子がすぐさま号令を上げて仲間達の状態を立て直す。
 怪人達は更なるピラミッドの構築と、V字バランスで邪魔されぬようにイレギュラーズを引きつけようとするが、虚がすぐに敵をブロックし、仲間達を支援する。
 すると、エッダが真っ先に6人で集まる怪人の元へと駆けこんで。
「な、何をする!?」
「どきなさいよ! あんたなんかより自分の方が上手く組体操できるんだから!」
 エッダは至近距離から1人に衝術を叩き込んで撃破すると、すぐに自分が代わりとなって組体操に交じろうとしていた。
「もうあんな面倒なフィールドは張らせるか! あれがなければこっちのものだ!」
 ブレンダはV字バランスで気を引こうとする敵も纏めて怪人を捉え、身体の至る所に仕込んでいた緋色の小剣を飛ばす。
 さすがに先程までピラミッドを組んでいた怪人は疲労困憊。ブレンダの放つ緋刀を喰らった1人が小さく呻いて崩れ落ちていく。
「人数を減らせば、その分ピラミッドを組むのも難しくなるからな!」
 これで6人。ブレンダが言うように、ほぼピラミッドを組むのが難しくなったと判断した怪人達は……。
「こうなれば、せめて飛行機を作って……」
「攻撃し放題になったら此方のものだ。すばやいねこの恐ろしさを思い知れぇー!!」
 ここまで組み上げてない3人技に挑む怪人達だが、汰磨羈がそれを許さず、先程同様に飛ばした攻性結界を叩きつけ、手前の土台となっていた1人を叩き潰してしまう。
「飛行機は離陸前に潰す。セオリーだろう?」
 ぐぬぬと悔しがる怪人達。どうやら、特殊フィールドが解けたことで、力もかなり減退していたらしい。
「折角ですから、わたくしの歌もお聴きくださいませ~」
 ユゥリアリアが歌うはかつて絶望の海と呼ばれた海のこと。
 冷たい呪いを帯びたユゥリアリアの旋律は残る敵から正気を奪い、1人に至っては完全に生気すら奪いつくしていた。
 混乱する怪人のうちの1人へとメイがロケットの如く飛来して突撃し、突き倒してしまえば、アクセルがさらに聖なる光を発して。
「識別つきだから、大丈夫だよ!」
 範囲内のメイは何も起こらないが、怪人達は激しく瞬く光に灼かれて2体がこの場から消え去ってしまう。
 残る1人も体を痺れさせてしまい、動けなくなっていたようだ。
「ゲロビ度が足りぬわッ!!」
 そいつを少し離れた位置にいた汰磨羈が狙い、殺意を込めた赫い霊気を球状に固めて。
「I字が出来るようになってから出直してこい!」
 それを汰磨羈は刃で突き出して射出すると、怪人は体を貫かれてしまった。
「わ、我ら、亜組体操'sの技が、やぶられるとは……」
 最後の怪人は破れてしまったのが信じられぬ様子で。
「……今回はこちらが勝ちましたが、率直に言って素敵な演技でした」
 そんな敵へと近づいた虚が声をかける。今度はこんな乱入の仕方をせずに、一緒に体育祭を楽しみましょう、と。
「次は腕を磨いた組体操、楽しみにしていますよ」
「ハハッ、次があるかは分からねぇが、な……」
 虚に向けて笑った後、がくりと事切れた最後の亜組体操'sの1人の身体は爆ぜ飛び、運動場から姿を消してしまったのだった。


 怪人達の姿も消え、体育祭も程なく再会して。
「きびきびと働かないと……」
 勝利の余韻に浸る間もなく、虚は救護班の仕事に従事する。
 ただでさえ、今の緊急事態でスケジュールが圧迫され、虚達の仕事も忙しさを増していた。
「もう、休むよ! 会長はへとへとなんだ!」
 このまま昼寝をしたい茄子子だったが、無情にも次の競技に出場せねばならず、彼女はげんなりしていたようである。
 そんな仲間の様子を含め、アクセルは近くの木まで飛んで登り、体育祭を見学する。
「異世界の文化を、環境もひっくるめて見れるなんて面白いねー」
 アクセルは眼下で繰り広げられる競技の数々を存分に楽しみながら観戦していた。

 一方で、競技はさておき、出店を巡る面々も。
「お腹が空いたのですよ!」
 メイは辛い食べ物が欲しいと、カレーや焼き鳥、鶏の唐揚げなどを買う他、焼そばやたこ焼き、お好み焼きなどを頼んで。
「大盛りがいいのですよ!」
 先程の騒ぎの立役者と知った学生達は笑顔でおまけしてくれた。
「なんか食えるらしいでありますよ」
「次の競技まで、時間はもう少しあるからな。行ってみよう」
 ブレンダは食べ物の出店に興味を示すエッダと共に屋台を回っていたのだが。
「ブレンダ嬢、あっちのホットドッグの大食い大会参加しに行こうぜであります」
「大食い大会? それは面白そうだ」
 すでに、メイもそこに参加しており、スタンバイしている。
「行こうか、エッダ殿。負けたほうが出店でなにか奢る、というのはどうだ?」
「望むところであります!」
 学生や一般客を含め、大食い大会はスタート。
 救護班の虚の立会いの下、大盛況の中で参加者はホットドッグを喰らっていく。

 残念ながら、イレギュラーズは皆優勝には至らなかったが、数人にまで残るほどに善戦する。
 お腹いっぱいになっていたメイを横目に、イレギュラーズ間の対決で勝者となったブレンダがエッダにデザートを食べたいと再び屋台巡りを始めていたのだった。

成否

成功

MVP

楊枝 茄子子(p3p008356)
虚飾

状態異常

なし

あとがき

 リプレイ、公開です。
 MVPは必要な時にのみバトンを受け取り、仲間の回復に徹していた貴方へ。
 今回もご参加、ありがとうございました!

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