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シナリオ詳細

陸グッピー!

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●陸グッピーだよ!
 説明しよう!
 『陸グッピー』とはラサ近海で生息する熱帯魚である!
 幼少期は全長4~5センチ程度で虹にような美しい柄模様とドレスのように大きな尾びれが特徴だ。
 観賞用として貴族が飼育したり美しい尾びれを加工したアクセサリーが売られることで知られている。
 しかし10年ほどたつとむくむく成長し――。

「グッピィ!!」

 両手の中指をたてガニ股で飛び跳ねる熱帯魚カラーの生物がいた。
 陸グッピー(更年期)である。
 全長1~2m。
 美しい尾びれと虹のような鱗模様と丸太のような腕と脚が特徴で、トウモロコシ畑を喰い漁ったり家畜を殴り殺して巣へ持ち帰ることで知られている。
 ではそんな陸グッピーの一団の駆除依頼を受けたとある傭兵ギルドの様子をご覧頂こう。
「「グッピィ!!」」
 中指を立てて爆走してくる陸グッピーの一団。その数なんと30匹。
 対するは傭兵6人チーム。リーダーらしき男が剣と盾を構えた。
「油断するな。俺が前衛になって攻撃を引きつける。その間に一匹ずつ集中攻撃をして倒すんだ。ヒーラーはライトヒールで俺の回復を!」
「「応ッ!!」」
 整ったバランス陣形で迎え撃つ傭兵チーム。リーダーが『やあ乱世乱世!』とか言いながら陸グッピーの前へのりだしヘイトを集めると、陸グッピーたちは額に怒りのマークを浮かべて一斉に飛びかかっていった。
「うおおっ、なんて食いつきだ! 回避って考えがないのか!?」
「スルースキル皆無と見える。ええい撃て撃てぇ、火を放て!」
 マギシュートやら魔力放出やらカラーボールやらを投げ込みまくる。
 リーダーをボコしてできたもくもく雲の中に大量に投げ込まれるあれやこれや。ついでに斧やナイフを振り上げた仲間たちも飛び込んでもくもくがどんどん大きくなった所で……ふと仲間の一人は気がついた。
「おいこの陸グッピー……柔軟剤つかってないぞ」
「真面目にやれ」
「この陸グッピー、攻撃がおもしろいほど通るぞ!」
 斧でせいやってやるだけで陸グッピーは真っ二つに割れ、しめやかに爆発四散するのだ。
 その上相手の攻撃と言えばしっぽの所でばふってやるだけの弱い攻撃。ライトヒールする係だった人が早くもやることなくなって地面に絵を描いて遊び始める始末。
 なんという弱さ。さすがにワンパンってわけにゃいかないが、楽な仕事だぜと斧男がガハガハ笑いはじめたその時。
「「グッピィ!!!!」」
 なんということでしょう。
 陸グッピーたちの身長が突如として倍になり、それまで防御の鬼だったリーダーをアッパーカットで吹っ飛ばしたでは無いか。
「はうあ!?」
 頭から落ちたリーダーは白目を剥き、ぴくぴくとけいれんするのみ。
「防御力だけなら誰にも負けないリーダーが……!」
「さっきまでふぁっさふぁっさされてただけだったのに、一体奴らに何が起こったというの!」
「分かったでやんす!」
 瓶底眼鏡のメンバーが出っ歯を輝かせた。
「奴らは戦闘が始まって一定時間たつと――発狂モードに入るのでやんす!」
「「なんだって!?」」
「つまり序盤は出せる限りの最大火力で敵を殲滅し、発狂モードに入ったら一転して防御を硬くするという二段構えの戦術が必要になるっていうのね!」
「説明とられたでやんす!」
「とにかく今は撤退だ! リーダーのそっち持て!」
 傭兵チームはリーダーを組体操の飛行機みたいに担ぎ上げると、一目散に逃げ出したのだった。

「傭兵団はこうして任務に失敗したのです。
 陸グッピーは大陸を南東へ進み、幻想へと入ってきたのです。
 周辺貴族はローレットに討伐依頼を出し……」
 カッ、と振り返る『陸グッピー着ぐるみバージョン』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)。
「イレギュラーズの出番がやってきたのです!」

GMコメント

【オーダー】
 成功条件:陸グッピーをいっぱい倒す

 フィールドは草原地帯。視界は広く、肉眼でも遠くからダッシュしてくる陸グッピーの群れが見えることでしょう。

 陸グッピーの数はおよそ20~30。
 このうち『いっぱい』倒すことが依頼内容なので、最悪全滅してなくてもOKです。これは救済措置みたいなモンなので、さしあたっては全滅を目指して戦ってください。

 陸グッピーの戦闘情報は前に仕事にあたった傭兵チームから買い取ったことでゲットしました。
 回避・特殊抵抗が低く総合戦闘力も低い陸グッピーですが、戦闘開始から一定時間たつと『発狂モード』に変化し、クリティカル・攻撃力・命中がもりもり上昇します。
 序盤は防御や回復を捨てて出せる限りの火力で殴り、中盤以降は防御と回復と陣形諸々に気を遣って仲間の頭数をごっそり喰われないように守りつつじわじわ倒していきましょう。
 よほどうまくやらない限り『ダメージ>回復』となる筈なので、余裕があったらダメージコントロールも考えて置いてください。

 もっと余裕があったらこの依頼を楽しくできるスパイスを考えてみると、リプレイを何倍もお楽しみ頂けるでしょう。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • 陸グッピー!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年05月10日 21時25分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

Lumilia=Sherwood(p3p000381)
渡鈴鳥
ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
祝呪反魂
アレフ(p3p000794)
純なる気配
夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
御堂・D・豪斗(p3p001181)
例のゴッド
リン・シア・シアト(p3p001740)
自称トレジャーハンター
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
ヴィエラ・オルスタンツ(p3p004222)
特異運命座標
アリス・フィン・アーデルハイド(p3p005015)
煌きのハイドランジア
ティリー=L=サザーランド(p3p005135)
大砲乙女

リプレイ

●陸グッピーの大移動はその鮮やかさから観光馬車も出るとされ以下略
「私の世界にもグッピーは居たよ? 居たんだけど、こんなヘンテコなお魚じゃなかった……はず」
 『魔法少女』アリス・フィン・アーデルハイド(p3p005015)は黒髪を振って、大陸を突っ走る陸グッピーの群れを遠目に観測していた。
 彼女たちは今、群れで移動している陸グッピーたちを先回りすべく箱馬車に乗っていた。
 遠くには虹色のひらひら。軽い砂埃と共に無数の魚影が見える。
 むき出しの足と中指を立てた両手がはえていること(とついでにサイズ)以外はアリスの知るグッピーであったようだ。いや陸走ってるしもう全然別物なんだけど。
 複雑な顔をする『白き旅人』Lumilia=Sherwood(p3p000381)。
「不思議な生き物です。ただ討伐するのは、本音を言うと惜しいのですが、魔物である以上、また、私自身が依頼を受けた運命特異座標である以上、完遂させなければいけませんね」
 見てる分には案外楽しい生き物なのだが、これが村とかに入っていくと家畜を殴り倒したり家屋を無駄に破壊したりするので適度な駆除が必要なのだった。
「というか、中指立てて喧嘩売ってンのか、おい。尾びれ毟るぞ」
「お下品で御座いますね。僕のお客様に相応しくありません」
 『死を呼ぶドクター』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)と『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)が箱馬車の背もたれによりかかった。
「聞くところによると更年期だとか。……おばさまなのでしょうか」
 ストレスがたまっているのですね、と達観した目をする幻。
 『堕ちた光』アレフ(p3p000794)が深く息をついた。
「単体であれば即座に終わらせられるが、群体となるとそうはいかないか。油断せず、徹底的に……我々に求められるのはこれだろう」
 そろそろ目的の地点だ。
 陸グッピーたちを追い抜いていく。

「おお、姿こそビッグなれど可愛らしき者たちよ……悲しきデスティニーではあるがユー達をこれ以上フリーダムにさせるわけにはいかぬ! 今、ゴッドの名においてこの戦いを始めさせてもらおう!」
 馬に跨がって両手を掲げる『神格者』御堂・D・豪斗(p3p001181)。
 後ろの馬車では『自称トレジャーハンター』リン・シア・シアト(p3p001740)と『特異運命座標』ティリー=L=サザーランド(p3p005135)がなんとも変わった表情をしていた。
「陸グッピーのあの綺麗な虹色。なんとかしてクラゲ風衣装の淡く反射する虹色として利用できないものかしら……」
「実際、専用に飼育されてる陸グッピーは貴族のドレスに使われるみたいよ。そういうのは小さくて、見たこともあるんだけど……野生のは随分大きいのね」
「それでも綺麗なのは救いなのかしら……」
 野生の更年期陸グッピー、恐ろしいわね。そんな風に呟く『特異運命座標』ヴィエラ・オルスタンツ(p3p004222)。
 『祈る暴走特急』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)がぐっと祈るように手を合わせた。
「凍らない海も、良い事ばかりではないと言うことね」
 しっかり倒して、報酬で美味しいご飯を食べましょう。
 などと、彼女たちは馬車を目的の地点へと滑らせた。

●『陸グッピーを干物にする』――貴重なものを無駄にしてリターンの少ない行為をするという意味のラサの諺。用例「ダイヤモンドのクワとか陸グッピーを干物にするようなものだ」
 両手をバッと広げた豪斗を想像して欲しい。
「ゴッドの名は種の違いなど超える! 陸グッピーたちよ!ゴッドの名を、ヴォイスを聴け! 我がアームの届く内へと招かれるがよい!」
 ゴッドのゴッドフラグメントがスパークした。具体的に言うとすげー光った。
 これによって何が起こったのかというと、中指立てて突っ走る陸グッピーたちがおもしろいように爆釣した。
 20匹中20匹食いついた。
「十割クリーンヒットって……」
「あの命中値でどうやって……」
 唖然とするヴァレーリヤたち。
 理由は細かく解説しないが、強いて言うなら行動を全振りしたからである。
「よし、善い子だ。今だヒーロー&エンジェルズ!」
 180度ゴッドターンしてゴッドダッシュで逃げる豪斗。
 さて、こうなってくれればこっちのものだ。
 レイチェルは手袋をしなおすと、どこからか紋の刻まれた短剣を取り出した。
「咲き誇れ、瑠璃蝶々。悪意と怨嗟の刃と化せ」
 走る陸グッピーの群れに横からロベリアの花をぶつけていく。悪意の霧が包み込み、いくつかの陸グッピーをばたばたと倒れさせた。
 中指を立てたまま泡を吹いてびくびくけいれんする陸グッピー。そこへアリスが滑り込み、魔法少女システムをもってコスチュームチェンジ。
「私だって日々成長してるんだから! ――やるよ、ゲンティウス!」
 ひらひらと裾を靡かせながら、ゲンティウスをライフルモードへチェンジ。
 魔力弾を右から左へ乱射していく。
「我々の目的は奴らの全滅だ、ならば臆してなどいられまい」
 光の翼を広げ、アレフはマジックガントレットで空をひと薙ぎにした。
 まるで神威を顕わすかのように、巨人の腕で払われたように、眼前にはねる無数の陸グッピーが薙ぎ払われていく。
 出だしは好調。この調子で発狂モードに入る前に数を減らすのだ。

 豪斗が陸グッピーに追いつかれた。足首に抱きつくようにホールドされた豪斗は転倒し、がに股で一斉に飛びかかる陸グッピーたちの集中攻撃を受ける。具体的には尾びれでばっさばっさされる。
「そういえば、ユリーカ様も陸グッピーになりたかったのでございましょうか」
 精巧なユリーカフィギュア(陸グッピー版)を手のひらにのせると、幻はそれを群れへと投擲した。
 フィギュアは幻となって消え、花火のように爆散する。
「ぎゃああああああああああ!」
 綺麗じゃない声をあげて爆ぜる陸グッピー。
「儚き花を散らすのは残念ですが、貴女方は咲き過ぎました」
「ここを、こうして……!」
 得意のサザーランド式格闘砲術を駆使して大砲を構えるティリー。
 怒り状態が解け、反撃しようとこちらに飛びかかってくる陸グッピーに狙いをつけると、トリガーを引いた。
 砲撃。発射された砲弾が陸グッピーを空中で派手に崩壊させる。
 一方で、Lumiliaは得意の楽器で剣の英雄のバラッドを演奏し始める。
 道を切り拓く剣の英雄を称える歌曲と言われるだけあって、ヴァレーリヤやリンたちの勢いは増していく。
 そうしてLumiliaもまたナイフに魔術の炎を纏わせ、陸グッピーへと襲いかかった。
 突き立てたナイフ。そこへ更にヴァレーリヤの儀礼短剣が突き立てられる。
「これで死なないなら――!」
 引き抜いたナイフを返し、背後から飛びかかる陸グッピーへ近接格闘術式を放った。
 儀礼短剣の刃に走った魔術が陸グッピーを切り裂いていく。
 リンはツキジめいたネギトロにサツバツしていたが、気を取り直してメイジワンドを振りかざした。
 ワンドっていうか殆ど棍棒である。
「とりあえず数を減らすのだわ。えいえーい!」
 べしゃっと倒れた陸グッピーをひたすら硬いもので殴る。地味ながら有効な手であった。
 負けてはいられぬとばかりにヴィエラ。
 剣をすらりと抜くと、中指を立てて目を血走らせた陸グッピーと対峙した。
 互いの中心点の円周上をじりじりとすり足でまわり、間合いをじわじわと奪い合う。
 ここぞというタイミングで、ヴィエラは派手に切り込んだ。
 陸グッピーの拳がヴィエラの腹を打つ。が同時に、ヴィエラの剣は相手の心臓をしっかりと貫いていた。
 引き抜き、振り返る。
 すると――。
「む、いかん!」
 陸グッピーの腕が、足が、突如熟練ボディビルダーの如くパンプアップしたではないか。
「発狂モードよ、陣形を切り替えて!」
 ヴィエラは盾を翳し、仲間たちの前に飛び出した。

●更年期の陸グッピーを捨てることで野グッピー化することが問題になっている
「さて、ここまででどれだけ倒せたかがインポータント。残されし者の力、侮るでな――」
 ゴッドが飛んだ。
 きりもみ回転しながら飛んだ。
 放つ輝きが綺麗な放物線を描き、首からぐしゃっといったが、豪斗は額からだくだく血を流しながらも立ち上がった。
「案ずるな。ゴッドの傷は時と共にヒールされていく。しかし今は76億5800万分の1程度しか発揮できぬ身、そう長――」
 ゴッドがまた飛んだ。
 今度は空中で組み付いた陸グッピーが手足を使った派手な空中コンボをキメていた。
「ゴッドは簡単に膝をつく事はない! が! 速やかなる討伐を目指――」
 ダブルスレッジハンマー(両手を組んで殴るやつ)で地面に垂直発射されるゴッド。
「うわああの人死んじゃう死んじゃう!」
「むしろなんで死なないんですかね」
 あわあわする仲間たちだが、戦闘はしっかりやっていた。
 ゴッドに追撃のショルダータックルを加えようとする陸グッピーに、ヴァレーリヤが対抗タックルで庇いにいったのだ。
「とにかく、粘りますわよ!」
 ぶつかった衝撃が放射状に散り、周囲の地面を割っていく。
 一方で幻は紳士風のステッキをくるくると回して幻術の壁を作り、陸グッピーの攻撃を防御している。
 壁は陸グッピーのデンプシーロールでばきばき破壊されるが、そのたびに作り直しているようだ。
「攻撃は暫く持ちこたえられます。その間に――」
「ああ」
 レイチェルがケーニッヒヴォルフ=ハウリングを放った。
 陸グッピーの足下から緋色の光を帯びた魔術式が展開し、闇が噴出する。
「グピィ!?」
「一応医者なンでね、回復が足りないなら言え」
 ポケットから回復ポーションを抜いてちらつかせるレイチェル。
 ゴッドたちの作戦は本件において素晴らしくハマっていた。
 まずゴッドが敵の攻撃を名乗り口上で引きつける。回避と特殊抵抗が低い相手に有効な手だ。
 だがこれだけだと発狂モード後に集中攻撃されて終わってしまう。そこでヴァレーリヤや幻が交代で彼を庇い、それぞれを別の仲間が回復していくという作戦だ。
 ダメージが上手に分散できるだけでなく、そのリカバリーもしっかりと機能する。
 強いて言うなら豪斗のゴッドAPが尽きたときに色々終わってしまうのだが、彼の充填能力と……。
「せめてもの足しに……!」
 といって後ろから『ひしっ』て抱きつくリンの抱擁によるAP回復で割と長持ちするのだった。
「もしかしてこれ…。誘惑スキルでの囮役のほうがまだいい線いけてたのでは……?」
 とリンは呟いたが、さっきゴッドがゴッドリンチにあっていたのを思い出して首を振った。囮は生き残ってこそ囮。生き残らなければそれはただの犠牲である。

 アリスは幻たちにライトヒールをかけると、その片手間で陸グッピーに向き直った。ゴッド口上から逃れた個体だ。
「グッピィ!」
 両手の中指を立てながら跳躍し、高速回転しながら竜巻のような蹴りを繰り出してくる。
 ロッドで防御するが激しい蹴りに耐えきれずに飛ばされる。
 空中で魔力を噴射して強制制動。追撃のダッシュパンチを繰り出してくる陸グッピーに反撃の魔弾を打ち込んだ。
 序盤に範囲攻撃を使いまくって数を減らしたのがよかったようで、相手にしなければならない個体は少ない。
 一方でティリーは陸グッピーの自分魚雷をかがんで回避し、振り向きざまに砲撃を乱発。
 墜落した陸グッピーだが、それとは別の個体が腕をX字に交差させたフライングタックルを仕掛けてきた。
「グッピィ!」
「くっ――!」
 間に割り込み、ティリーを庇うアレフ。
「かつて我が父から授かりし威光、とくと味わうがいい」
 至近距離で威嚇術を放ち、光を散らす。
 陸グッピーはアレフの光にあてられ、派手に吹き飛んでいった。
 残った個体がゆらりと立ち上がる。他個体の撃破をすませたヴァレーリヤたちが駆けつけようとするが……。
 ヴィエラはその必要はないとばかりに首を振って、盾を翳した。
 陸グッピーの強烈なパンチ。
 盾でうけたが衝撃は激しく、身体をびりびりとなにかが駆け抜ける。
 しかし一発。たった一発耐えればそれでよい。
 Lumiliaが放った氷の鎖が陸グッピーに巻き付き、締め上げていく。
 両手を拘束された陸グッピーに、Lumiliaが急速に接近。
 放った焔式が、陸グッピーを派手に焼き上げた。
「グピー!」
 悲鳴を上げてばったりと倒れる陸グッピー。
 その様子に、ヴァレーリヤたちは安堵の息をついた。

 後日談、というより余談。
 更年期陸グッピーは駆逐され、貴族が別口で雇ったらしい業者が死体をぽいぽい回収していった。
 どうやら更年期陸グッピーの尾びれもそこそこ綺麗なので安い素材として使えないこともないらしい。なめしたりなんだりの処理でほとんどトントンらしいが。
 しかしそこをリンたちが『ちょっとわけて?』と頼んでみたところ、状態の良い個体が多かったことからちょっとだけ素材を分けて貰えた、そうだ。
 イレギュラーズたちはそれぞれ報酬と、ついでにお土産を受け取り、幻想へと帰っていたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れ様でした。
 皆様には報酬とは別に『陸グッピーの革(非アイテム)』が配られていますので、衣装に使ったり家に飾ったりしてお楽しみください。

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