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シナリオ詳細

<神逐>豊穣に巣食う害獣退治

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 絶望の青を越えた先にある黄泉津と呼ばれる島。
 そこにある国家、神威神楽はゼノポルタ(鬼人種)とヤオヨロズ(精霊種)が暮らす穏やかな地であったのだが……。
 ただ、獄人差別、獄人による八百万暴行事件。二種族の怨み嫉みは『けがれ』を生み、さらにそれを媒介にして行われた『大呪』が黄泉津の守り神である黄泉津瑞神の在り方を歪めてしまった。
 黄泉津瑞神は犬の姿で顕現し、時の権力者へと予言と加護を与えるという。
 今、高天御所の天守閣にはまさに黄泉津瑞神が顕現したが、悍ましく魔性の月の加護を得た守り神の叫びは黄泉津の地をけがれの焦土へと変えてしまうことだろう……。

 夜――。
 月夜が照らされた高天御苑内にある緑翠亭は、多くの木々に囲まれた自然を感じられる場所。
 その名前が示すように邸内からは緑を強く感じさせる場所であり、春から夏にかけて、貴族が茶を飲みに利用していたらしい。
 夏場は強い日差しをこの木々は遮ってくれる為、ちょっとした避暑にも利用できるが、季節は秋に移り変わり、木々は少しずつ葉が黄色へと変色してきている。
 身体を撫でる風もあって、涼しくなったとその男は微笑む。
「守り神も顕現し、風向きは我々に向いてきている……実によいことですな」
 七扇直轄部隊『冥』所属、やや出っ歯なのが特徴的な中年男性、痛昏・直滋はほくそ笑む。
 上司である天香・長胤の指示の元、長らく呪詛の蔓延に尽力してきたことがようやく報われたと実感したからだ。
「いや、まだこれからですな。まだまだ神威神楽は混沌として面白くなる」
 この状況を、彼らは見過ごしてはおかないはず。
 ならば、天香様の為、戦力として控える必要がある。
「思ったより、経過は上々のようですからね……、お前達?」
 チュ、チュ、チュー……。
 そこにいたのは、痛昏が元々使役していた呪獣と成り果てた鼠達。そして、冥の部下であった男性達。
 ――う、うう……。
 ――うあっ、ああああっ……!!
 本来、彼らは精霊種であったはずが、肉腫に感染して複製肉腫となったことで狂暴化していて。
 全身から毛を生やし、その見た目は鼠の獣種を思わせるようなものへと変化していた。
「これまで邪魔してくれた返礼も兼ねて、丁重にもてなさねばなりませんね……」
 ギラリと瞳を光らせる痛昏は、大きく裂けた口で奇怪な笑みを浮かべていたのだった。


 此岸の辺は、豊穣における『空中庭園』の代わり。
 他の地域から豊穣へとイレギュラーズ達がやってくる上で、ほとんどの者達がこの場所を経由する。
 それゆえに、此岸の辺で依頼説明をするローレットの情報屋も多い。
「豊穣の危機……ですね」
 『穏やかな心』アクアベル・カルローネ(p3n000045)は異様な空気を肌で感じ、真剣な表情で集まるイレギュラーズ達へと告げる。
 これまで、けがれ、呪詛を豊穣の地に蔓延させようと、巫女姫や天香・長胤の手の者達があれこれと画策し、イレギュラーズ達は事件が起こる度に解決へと導いてきた。
 ただ、大きくなりすぎた穢れ、呪詛によって『黄泉津瑞神』は狂い、暴走しかけている状況なのだ。
「このままでは、高天京に住む多くの人々が犠牲になってしまいます」
 取り急ぎ、この地の荒魂たる『黄泉津瑞神』を沈めねばならない。豊穣の人々は『神の使い』と信じるイレギュラーズに状況の打開を願ったのだ。

 更なるけがれや呪詛が蔓延する前に、それらを発する元凶を叩いておきたいところ。
 アクアベルはこれまで様々な事件を引き起こしてきた天香の部下、痛昏・直滋なる男に注目する。
「彼は高天御苑……城の外郭、木々に囲まれた緑翠亭に控えています」
 直接イレギュラーズが踏み込んでくるなら迎撃を、城の内部へと突入するなら背後から叩こうと痛昏は考えている。
 退路を確保するためにも、先んじてこの男を討伐しておきたいところだ。
「痛昏は呪獣となった鼠を使う他、複製肉腫となった部下を従えています」
 また、痛昏自身も魔種として鼠の獣人の如き姿へと変貌し、獣の如き動きで相手を追い詰めることができるようだ。油断なきよう討伐に当たりたい。
「おっと、もちろん、わたしも参加させてもらうよ」
 そこでふらりと現れたのは、四尾の妖狐の獣種女性、楓だ。
 先の此岸の辺防衛線でも協力してくれた彼女は、カイン・レジスト(p3p008357)の知人でもあり、豊穣の地を侵す呪詛に強い関心を抱いてこの事件の顛末を見届けたいという。
「それでは、よろしく頼むよ」
 戦いは嫌いな楓だが、呪詛について少しでも明らかになればと知的好奇心は抑えられない様子だ。

 空に浮かぶ月。
 それがいつもと違って異様なものに見えるのも、けがれや呪詛の影響だろうか。
「それらが豊穣を飲み込んでしまう前に……、皆様の活躍を期待します」
 この場は魔種と化した痛昏の討伐を。
 加えて、本気で国を滅ぼさんとする者達の排除を、彼女はイレギュラーズ達へと願うのだった。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様こんにちは。GMのなちゅいです。
 神逐のシナリオをお届けいたします。裏で暗躍していたこの魔種に引導を渡してくださいませ。

●目的
 魔種、痛昏・直滋の討伐

●敵
〇魔種……痛昏・直滋(いたくら・なおしげ)
 天香の部下。七扇直轄部隊『冥』所属でやや出っ歯な元精霊種の中年男性。
 イレギュラーズが豊穣の地で活動をする邪魔をすべく、協力者を排除したりするなどあちらこちらで暗躍していたようです。
 主に獣を使って(アタックオーダーなど)攻撃を仕掛ける他、一時的に獣人化して襲ってくることもあるようです。
 獣人化した彼は中年男性とは思えぬ、まさに獣さながらの動きで飛び掛かり、汚れた牙や爪を振るって相手を傷つけてきます。

〇七扇直轄部隊『冥』部隊員×5体
 いずれも精霊種。カムイグラの暗部として暗躍する者達で、七扇の『闇』とも言われる者達です。
 天香・長胤に忠誠を誓う者達ですが、その中でも痛昏に従う者達が複製肉腫によって侵されている状況です。若干ですが、現在の呼び声の影響も受けているようです。
 こちらも牙や爪を使ってくる他、大声で叫んでこちらの身を竦ませ、弱体化を図ってきます。
 
○呪獣……旧鼠(きゅうそ)×6体
 全長1~1.5mほど。元は年を経て妖となったネズミです。
 魔種の呪詛によって、その力は非常に強化されております。
 攻撃方法は鋭い牙、毒爪、掴みかかり、尻尾での締め付けなど。非常に素早い動きで攻め立ててきます。

●NPC
○楓
 豊穣に住まうモノクルをつけた四尾の妖狐女性。様々な分野に通じている博識な女性。カイン・レジスト(p3p008357)さんの関係者です。
 今回も呪具を生み出した魔種との戦いの顛末を見届けるべく、協力を願い出てくれます。
 戦いは好みませんが、4本の狐尾に異なる神秘の力、『識』『見』『変』『軽』の力を宿し、行使することができます。
 自衛する力は充分持っており、援護攻撃や支援回復など戦いの援護もしてくれます。

●状況
 高天御苑内、緑翠亭(りょくすいてい)。
 秋になり、周囲は赤く色づき始めておりますが、春夏に訪れると建物を囲む木々もあって瑞々しいばかりの緑を実感できる場所です。
 貴族達の茶室として利用され、今なお利用され続けるこの場所は現在、痛昏を始めとした豊穣のネズミどもの巣窟となっております。
 建物内には痛昏が、それ以外の敵は建物外に控えております。
 
●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 それでは、よろしくお願いいたします!

  • <神逐>豊穣に巣食う害獣退治完了
  • GM名なちゅい
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2020年11月17日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

鶫 四音(p3p000375)
カーマインの抱擁
ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)
黒武護
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
ルーチェ=B=アッロガーンス(p3p008156)
異世界転移魔王
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
戦輝刃
カイン・レジスト(p3p008357)
数多異世界の冒険者
天目 錬(p3p008364)
陰陽鍛冶師
ヴェルグリーズ(p3p008566)
約束の瓊剣

リプレイ


 アオオォォォォォ……ン。
 どこからともなく聞こえてくる鳴き声。
 それは神威神楽、高天京の中央に建つ高天御所の天守閣へと跨るように現れた豊穣の守り神『黄泉津瑞神』のものであろう。
 しかしながら、その鳴き声は守り神とは思えぬほどに不気味なもの。
 それもそのはず、『黄泉津瑞神』はけがれと呪詛によって、その存在すら歪められていたのだ。
 夜空にぽっかりと浮かぶ月は非常に明るい。
 だが、その月もまた魔性のものと成り果てていて非常に不気味なこともあり、外を出歩いている者はそこまで多くはない。
 魔性の月に照らされる高天京の各所。城下町もそうだが、中央の高天御苑、そして、高天御所のいくつかの場所では戦場となっている。
 そこでは、豊穣の地では神使ともされるイレギュラーズ達が豊穣の地を巣食う者達と対峙していた。

 高天御苑でもいくつか戦場となっている場所があるが、木々に囲まれた緑翠亭にもまた呪獣や肉腫など、呪詛によって生み出されたけがれで侵されてしまった者達が集っていた。
 そこを目指し、イレギュラーズの一団が向かっていて。
「いよいよ決着の時が近づいているようですね」
 一見すれば、色黒な肌をしたいたいけな少女だが、その実、死体に寄生して操る粘菌という一風変わった旅人である『カーマインの抱擁』鶫 四音(p3p000375)が同行している仲間達へと告げる。
 豊穣で広がるけがれ、呪詛の拡散の当たっていた1人、天香の部下。七扇直轄部隊『冥』所属の中年男性、痛昏・直滋。
 今回の討伐対象であるこの男は出っ歯な見た目が特徴的であること、引き連れる妖がネズミであり、さらに冥部隊員も複製肉腫の影響によってネズミの獣人を思わせる姿となっているという。
 ネズミばかりの一団ということで、害獣退治といった心持で依頼に参加していたメンバーもいて。
「ネズミ退治だね、見た目は可愛かったりするけど、不潔だし、あんまり触りたくはないなあ」
 そう言っていたのは、頭部に宝石の角を生やす小柄なおヒゲのお爺さん、『黒武護』ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)である。
 ネズミは不衛生な場所に生育することも多い。ムスティスラーフのような印象を抱いていても無理もないことだろう。
「……ふん、ネズミ共が……。余の魔力をもって、一人残らず退治してくれようぞ!!」
 混沌へと転移したことで、この世界の理である混沌肯定の影響を受けて弱体化した魔王、『異世界転移魔王』ルーチェ=B=アッロガーンス(p3p008156)は自信ありげに語る。
 痛昏はこの月夜の中で緑翠亭に籠り、イレギュラーズの動向を注視している。
 自分のところにイレギュラーズが来れば良し、来なくとも高天御所へと向かうイレギュラーズを背後から奇襲をと考えている。
「ここを落とさないと背後を突かれるし、ちゃんと攻略しないとね」
 ムスティスラーフが言うように、戦略的にも痛昏は叩かねばならぬ相手だが、それだけではない。
「前回は見事に逃げられてしまったからね。その借り、ここで返させてもらうよ」
 元は幻想で打たれた一振りの実用剣であり、長い時を経て精霊種となった『特異運命座標』ヴェルグリーズ(p3p008566)は前回の此岸の辺防衛戦を思い出す。
 あの時は多数の呪獣や複製肉腫となった妖を引き連れていた痛昏は、自らの手勢を失ったところで逃げ帰ってしまった。
 だが、その前にヴェルグリーズは痛昏によって一度爪で引き裂かれ、パンドラ復活を余儀なくされていたのだ。
「長く生きれば生きるほど、借りは作りたくなくなるものなんだ忘れちゃうからね」
 それはなんだか、とても癪だろうとヴェルグリーズはこの場の仲間達へと同意を求める。
「三度目の正直。魔種ということもあるが、元より呪具の作り手をただで済ますつもりはないからな」
 黒い作務衣を着用した片目を隠す青年、『魔剣鍛冶師』天目 錬(p3p008364)としてはさらに、祭りの日に呪具とされた神具を所持していた純正肉腫との戦いからの因縁だ。
 この1件には姿を見せてはいないが、呪具を生み出したのは痛昏であることが分かっている。
「此度の戦いは、魔種が相手。ともなれば、油断は出来ん」
 かつていた世界……剣に魔法、ドラゴンが存在した世界からやってきた旅人、『ドゥネーヴ領主代行』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)はイレギュラーズとしての使命を果たすべきだと考える。
「……俺達の全身全霊を込めて、彼奴をこの場で仕留める。逃がしはせん」
 それが、この場にいる自分達に求められることだと、確固たる信念をもってベネディクトは語る。
「この依頼での結末がどうなるかは私達次第ですが、私も微力を尽くさせていただきますね」
「因縁がある、なんて声高に主張するつもりはないさ」
 四音も魔種討伐の為に力添えをと口にすると、痛昏の関わった依頼に参加し続ける『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)もこれまでの事件を振り返る。
 相手の厄介さは十分に理解しているカインだ。だからこそ、事ここに至って逃してはならぬ相手だと、彼は痛昏のことを認識していて。
「今まで以上に全力で、確実に仕留めさせて貰おうか!」
 自分達が失敗したせいでバッドエンド、なんて顛末は……。
「僕はさらさらごめんだからね、楓さん!」
「ああ、私も呪詛について見極めるべく尽力させてもらおう」
 豊穣に住まうモノクルをつけた四尾の妖狐女性、楓は知人であるカインの呼びかけに応えて。
「長らく呪詛について知りたいと思っていたが、ようやくそのチャンスが訪れたね。仮に痛昏氏から聞けずとも、これだけの事件が起きていればどこかかしらから呪詛の情報を引き出すことができそうで楽しみだ。だからこそ、まずはこの痛昏氏の討伐を……」
「あ、楓さん。その話はまた後で……」
 炸裂する彼女のマシンガントークを遮るカイン。
 緑翠亭が近づいたこともあり、彼らはできるだけ静かに行動し始めたのだった。


 緑翠亭が木々の合間から見えてきたところでイレギュラーズ達は口をつぐみ、物音を立てぬよう移動する。
 カインは気配を消すよう心掛けていたし、普段は怠惰な態度をとることの多い『天駆ける神算鬼謀』天之空・ミーナ(p3p005003)も隠密行動を皆に徹底させるなど、今回はかなりのやる気を見せていて。
(怪しい動きをするネズミは押さえておきたいな。楓、何か見えないだろうか)
(う~ん、今のところはあの建物の周囲に集う人や獣に動きはないようだね)
 一行の方針としては、できるだけ痛昏の手勢に奇襲をかけたいところだが、相手はまさにネズミを思わせる敵。
 この木々の合間からファミリアーとして使役されたネズミがこちらの状況を把握していても不思議ではないのだ。
(流石に小動物の目全部からは逃れられないだろうからね)
 ヴェルグリーズがネズミに関するもの、ネズミそのものは全て敵の手先といった認識で警戒はしていたが、全てから逃れるのは困難だとみている。
(此処は相手の拠点であり、罠がある可能性も十分にある)
 ベネディクトもハイセンスを働かせ、周囲の状況を確認する。何かがこちらを窺っていたり、襲ってきたりしたらすぐに対処できるように構えていたのだ。
(まさに待ち構えているという風情なので、そう簡単にはいかないということを見せてあげたい所ですね)
 四音は奇襲を諦めてはいない。現状まだ発見されたとは断定できぬ状況だ。それなら、最善を尽くして敵と対し、有利な状況で戦いたい。
(うまくいくと良いのですが……)
(相手の土俵で、これまでの情報を考えれば鼠共もいるから、奇襲はすぐに察知されるだろうな)
 錬も奇襲に関しては成功しないとみている。
 そうなれば、小細工なしに正面からの力勝負しかないと錬は考えていて。
(この因縁にケリを付けるにはちょうどいいというものだ!)
 木陰に潜むネズミを発見した錬は、すぐさま術符を投げつけてそのネズミを焼却してしまう。
(やはり、電撃戦しかあるまいよ)
 錬が言うように、奇襲はやはり困難。メンバー達は皆、気持ちを切り替えて急襲をかけるよう切り替える。

 緑翠亭の庭が完全に見えてくれば、その近くにいたネズミどもの視線がイレギュラーズ一行へと集まる。
「「チュ、チュウ……」」
「「うあっ、ああああっ……!!」」
 庭にいた10体ほどのネズミ。その半数は文字通り妖と成り果てた旧鼠が呪詛によって強化された呪獣。
「「ああ、うううぅぅ……」」
 そして、半数は複製肉腫を埋め込まれて正気をなくした痛昏の部下である七扇直轄部隊『冥』部隊員達である。
 双方とも近づく者を排除するよう命じられていたらしく、こちらへと向かって一直線に駆けてきた。
「では、打ち合わせ通り頼む」
 ミーナの呼びかけに応じ、ムスティスラーフが動く。
 まだ、緑翠亭まで距離は70mほどあったが、皆停止して向かい来るネズミどもを迎え撃つ。
「先手をとって、指揮系統を混乱させられるといいな」
 ムスティスラーフはジャミングを起動し、仲間を呼ばれるのを避けつつ息を大きく吸い込んでいく。
 そして、限界まで空気を吸い込んだ彼は次の瞬間、濃密な緑の閃光を発射した。
「今だ! 一斉にかかれぇ!」
 先行していた旧鼠達がそれに撃ち貫かれる状況で、ミーナが仲間達へと号令を発して強化をはかる。
 一行は下手に踏み込むことなく、取り囲まれぬようまずは向かい来る敵を叩く作戦だ。
 カインもまた眼力で相手を見据えて攻撃に移り、見えない悪意を放って先頭のネズミを狙い、戦闘の火蓋を切る。
「楓さんは自分の判断で戦闘援護を願います!」
 ただ、緑翠亭から飛び出してきた中年の貴族男性と思わせる姿を視認する。こいつこそ、この場に籠って動向を見守っていた魔種、痛昏・直滋に間違いない。
「バレた以上は仕方ないね」
 そいつの抑えにとベネディクトが神速に行動を開始し、ヴェルグリーズもまた前に出る。
「可能なら、痛昏と対峙する人を重点的に支援してね!」
「ああ、任せてくれ」
 楓はカインの言葉に微笑み、異なる神秘の力を持つ四尾を揺らすのである。


 少し時間を遡り、緑翠亭内部。
 イレギュラーズ達の同行はやはり、ファミリアーのネズミによって痛昏に把握されていて。
「ふむ、こちらへとやってきましたか……」
 すでに、敵を視認した鼠や部下達は木々の間を抜けてくるイレギュラーズの迎撃へと向かっている。
 このまま倒せれば良し。だが、呪獣はこれまでの戦いでもすでにイレギュラーズに倒されている。
 複製肉腫とした部下達は戦力として不透明だが、ファミリアーを通してイレギュラーズを視ていた痛昏は全滅されるには至らないだろうと瞬時に分析して。
「やはり、私が直接出向かねばなりませんね……」
 怪しく目をギラつかせ、痛昏も緑翠亭の外へと飛び出すことにしたようだった。

 その痛昏を遠目に見ながら、イレギュラーズ達は先にやってきた彼の配下やネズミ達が駆けてくる。
「鼠退治程度でしたら、私の攻撃もお役に立てるでしょうか?」
 木陰へと身を隠しながら後方から回復支援を行う四音だが、現状はまだ仲間達がさほど傷付いていない状況もあり、初手は攻撃に出る。
「うまくいくとよいですが……」
 近づいてくるネズミ達を捉え、彼女は眩い神聖なる光を発して近づいて来た旧鼠の身体を灼いていく。
 本格的な交戦が開始したこともあり、ヴェルグリーズは向かい来るネズミの数を減らしたいと考える。何せ、遅れて痛昏も緑翠亭からこちらへとやってきているからだ。
「とにかくダメージを与えないとね」
 間近にまで迫ってきたネズミは、汚れた牙を突き立て、毒の爪を薙ぎ払おうとしてくる。
 素早いネズミを駆除すべく、ヴェルグリーズは自ら本体であるレプリカの剣を振るう。
 その剣は非常に美しい太刀筋を描いて。
 相対した者を取り巻く縁や運命の内、相手に利するものを切り捨てる『運命剪定』。
 彼の斬撃は旧鼠の身体からどす黒い血を流すだけでなく、良き運命を断ち切ることで逃れられぬ不幸を与えていくのだ。
 仲間達の攻撃によって、旧鼠がそちらへと思考を向けているところへ、ベネディクトが高らかに名乗りを上げて。
「特異運命座標が1人、ドゥネーヴ領主代行ベネディクト=レベンディス=マナガルム……いかせてもらう」
「「チウチウ、チュウウウ!!」」
 名乗りを上げたベネディクトは、鼠達の攻撃を自分へと引き付ける。
 自らへと振るわれるネズミどもの攻撃に対し、ベネディクトは防御態勢をとり、青銀の槍「蒼銀月」で受け止めていく。
「少し、想定と違ったが……」
 思った以上に建物から離れた位置で交戦する形となったが、錬は向かい来る敵集団を狙い、精神力を弾丸に変えて発射していく。
「この場はとにかく数を減らし、乱戦状態となるのを避けたいところだな」
 そう言うルーチェはというと、全身の魔力を口の中で収束させていた。
 ルーチェはその魔力を一気に光の奔流として発射していき、手前にまで迫っていた旧鼠だけでなく、冥の部隊員達をも打ち貫いていく。
 弾丸や光に撃ち抜かれた旧鼠だが、かなりの衝撃を受けたにもかかわらずすぐに態勢を立て直す。全長1mにまで膨らんだ妖がベースとなっていることもあり、思ったよりはタフな呪獣である。
「「うう、うああああっ……!!」」
 そして、遅れてやってくるネズミの獣人の姿をした冥の部隊員。
 爛々と目を輝かせた彼らはすでに自我を失っており、旧鼠を思わせるような獣の如き動きで躍りかかってくる。
 それらも捉え、カインが再度神聖なる光を敵陣へと浴びせかけると、敵陣のすぐ後ろにまで痛昏が近づいていたのをミーナが視認して。
「ベネディクト、直滋の抑えを」
 呼びかけてすぐ天使の歌を響かせ、前線メンバーの回復を行うミーナ。
「ああ、任せてもらおう」
 痛昏も本気で向かってくるなら、獣人形態へと変身してから襲ってくるはず。ベネディクトは返事をしながらも警戒を強めていた。
 その時、ムスティスラーフはまたも緑色の閃光を前方へと放射していく。
 それに貫かれた旧鼠1体が目から光を失い、早くも地面へと倒れていったのだった。


 ローレットイレギュラーズと痛昏・直滋の率いる手勢との戦いは激しさを増す。
「さあ、死力を尽くして戦うのです」
 痛昏とて、これ以上の失態を上司である天香・長胤に見せられぬと考えているはず。それだけに、部下達へと檄を飛ばして。
 ――チュウ、チュウ、チュウウウウウウウウウ!!
 ――ああ、ああぁぁああぁあああああぁああああ!!
 一際、この場のネズミ達の叫び声が強まり、彼らの攻勢が激しくなっていく。
 敵は一気にイレギュラーズ達の布陣を見出すように攻め立て、早くも乱戦状態となってしまう。
 これには抑え役を買って出ていたベネディクトも苦い顔。
 だが、後方に最も自由にさせてはならぬ指揮官、痛昏を抑える為には致し方ないと彼は割り切り、そのまま痛昏の方へと向かう。
 前線にいたカインやヴェルグリーズ、ムスティスラーフらもネズミどもの突破を許す形となり、やむを得ず攻撃方法を切り替えて敵の数をいち早く減らすことに注力する。
 その最中、距離をとっての交戦を考えていたルーチェだったが、乱戦状態となったこともあり、通常攻撃で向かい来るネズミ達に応戦していた。
「こっちに来たか……」
 ルーチェは自分の方に向かい来る旧鼠や冥部隊員を纏めて捉える。
 仲間達が自身の前方にいない位置取りをと、彼女は真横目がけて暗黒魔眼を数個配していく。
 その目を薙ぎ払おうと群がるネズミどもへ、ルーチェは一斉砲撃を仕掛けていく。
 でたらめに発射された魔弾は旧鼠1体の首を完全に穿って仕留めてしまうが、周囲の旧鼠や冥部隊員が襲い来る。
 ――おおおおおおおおおぉおぉぉぉおおおおぉおお!!
 冥部隊員とて、自我を失ってはいるものの、元々天香に仕える優秀な者達だ。雄叫びを上げる彼らは戦闘準備を整え、最善の状態で交戦に臨む。
 その雄叫びはイレギュラーズ達の身を竦ませ、弱体化をして来る。
 そこへ、残りの部隊員や旧鼠達が一斉に暴れて。
 ――チュウ、チュウ、チュウウウウウウ!!
 鋭い爪にその身を引き裂かれたルーチェはパンドラを使って堪えてみせ、後方へと下がって乱戦となる戦場から距離をとろうと身を引く。
 そのルーチェの回復には四音が当たって。
「皆さんの命を癒し守るのが私の使命。大怪我から体調の不良まで何でもお任せです」
 自らの調和を賦活の力へ。
 四音の優しい力が失われたルーチェの体力を取り戻す。
「必ず果たしてみせますから、存分に戦ってくださいね」
 彼女は乱戦の中、仲間の体力回復に尽くす構えだ。
(今のところ、増援を呼ぶ気配はないけれど……)
 前回の襲撃時、痛昏は手勢を失ってから程なく撤収した。
 今回もまた手勢を近場に潜ませている可能性は否めないとミーナは考えながらも、仲間達の為に回復支援を重視する。
 最優先は仲間達が万全の状態で戦えること。
 ある程度状態が整っていれば、ミーナ自身も攻撃に加わり、その手に生み出した火焔の大扇で周囲を大きく煽ぎ、災厄の炎を巻き起こして敵陣を業火に包み込んでいく。
「さすがは群がる害獣……といったところかな?」
 進んでこの戦いに加わる楓もイレギュラーズを支援すべく、『変』の力を使い、痛昏の配下どもに不調をきたす。
 動きが少しでも鈍れば、すかさずヴェルグリーズはそのネズミを狙う。
 自身の回復手段を持たない彼は仲間の支援範囲から出ないよう気がけ、攻撃に出る。
 相手が害獣であるなら、ヴェルグリーズの剣技はまるで猟犬の如く食らいつき、まさに噛み砕くようにその体を砕いてみせた。
「流石は、神使……」
 こちらの力を認める痛昏だが、その顔はまだ冷ややか。
 木々の合間へと潜ませていた鼠どもを一時的に呼び寄せ、数で噛みつかせ、踏みつけ、ダメージを与えてくる。
 ベネディクトは痛昏をこれ以上自由にさせぬようにと名乗りを上げて。
「そちらにも言い分はあろう。だが──特異運命座標として、この戦いは勝たせて貰うぞ!」
 敵を引き寄せながらも、乱戦状態の最中とあって、数を減らすべきは取り巻きとベネディクトは判断して。
「ハッキリしている事は、俺達は負けられず、そちらもまた負ける気も無いという事だろう」
 イレギュラーズと魔種、両者の思惑が交差することは無い。
 先祖である竜の血を呼び起こしたベネディクトは、その魔力をのせた槍を迫っていた敵へと一閃させた。
「ならば、より多く考え、より意志が強い方が勝つ……!」
 直後、重い音を立てて旧鼠1体が地面を転がり、動かなくなる。
 さらに、錬成した秘薬を口にして自己強化していた錬が式符より陽光の鏡を出現させ、周囲にいた痛昏の手勢のみを灼き、完全に生命力が尽きた旧鼠1体が白目を向いて黒煙を上げて倒れてしまう。
 交戦が続けば、敵味方が散開する。
 神聖な光を発していたカインは範囲攻撃の効果が見込めないと判断すれば、モンスター知識を働かせて体力が少なくなった旧鼠を中心として光を浴びせていく。
 すると、最後の旧鼠だけでなく、メンバーの攻撃を受け続けていた冥部隊員1人も卒倒して動かなくなってしまう。
「このまま一気に押していくよ!」
 カインの呼びかけに応じ、イレギュラーズは冥部隊員の討伐を進める。
「「うああっ、あああああ、ああああぁぁっ……!」」
 さらなる弱体の叫びを上げ、獣の如く跳躍して飛び掛かる敵。
 汚れた牙や鋭い爪が食い込めば、ムスティスラーフが顔を歪める。
「うわああああああっ!!」
 対するムスティスラーフはそいつらから受けた異常を気合いで振り払う。
「気合いだよ気合い」
 彼は冥部隊員と痛昏を纏めて狙える位置取りを取る。
 痛昏は依然平然とした表情で、周囲のネズミどもを呼び寄せて攻撃を繰り返す。さすがに抑えを行うメンバーも相手に怒りを感じさせるには至らぬらしい。
「……今だよ!」
 ムスティスラーフは直線状に痛昏と冥部隊員を捉え、一気に大むっち砲を浴びせかけていく。
「ああ、ああぁぁ……」
「おあぁぁ、ああぁぁ……」
 痛昏を含め、うまく3体を巻き込むムスティスラーフ。
 冥部隊員2体が弱々しく鳴き、ほぼ同時に倒れてしまった。
「やはり、私自らやらねばなりませんか……!」
 残りの配下が2体となったところで、痛昏は自らの身体を毛で覆い始め、ネズミの獣人の姿へと変わる。
「この姿……、部下達と同じと思わないでもらいましょうか」
 確かに、見た目は冥部隊員と似たように感じさせる。
 だが、その力は比べ物にならず、その痛昏から放たれる強い力を感じるイレギュラーズ達は、背筋に寒気を走らせながらも残る冥部隊員の討伐を急ぐ。
「やはり、とんでもない相手だね……」
 その姿を目にしたのはメンバーによって2度目。
 すでに以前の戦いで視認していた楓も、『識』と『見』の力で痛昏の能力を見極めようとするが、その全ての力を窺い知ることができず、冷や汗をかいてしまっていたようだ。
「私もこれ以上、失態を冒すわけにはいかないのですよ……!」
 それまでの雰囲気とは一転。自らの気力を持って獣人と化した痛昏は猛然と汚れた牙をベネディクトへと突き立てる。
 体を噛み砕かれそうな痛みに彼が顔を引きつらせるのを、ヴェルグリーズは見て。
「タンクの人達が持たせている間に……!」
 気力はぎりぎりまで温存させたい。ヴェルグリーズは残る冥部隊員へと再度猟犬の牙の如くヴェルグリーズ・レプリカの刃を突き立てて1体を屠っていく。
(冥は複製肉腫だけでなく呼び声も受けている。全滅させるまで安心できない)
 さらに、錬が自己強化を維持したまま、符を手にしつつ精神力を弾丸と変えて放出する。
 残る冥部隊員も最後。イレギュラーズ達の攻撃が集中する中、錬の弾丸を叩き込まれた敵は白目を向いて木々の間へと崩れ落ちたのだった。


 緑翠亭での戦いも最終局面。
 部下が全て倒れたのも、痛昏はやはりという表情で見下ろして。
「やはり、貴方達神使は我々の脅威……!」
 すぐさま視線をイレギュラーズ達へと向け、身体を大きくうねらせて広範囲に爪を薙ぎ払う。
 中年男性はおろか、人の身を外れた攻撃は瞬く間にイレギュラーズを追い込んでくる。
「なれば、私がこの命を賭してこの場で始末せねばなりません」
 傷を負いながらも、イレギュラーズも素早い動きで飛び回る痛昏を捉えて。
 ルーチェがまたも暗黒魔眼を配して魔弾で痛昏を撃ち抜く間に、ミーナや四音がメンバー達の回復へと当たる。
「態勢を立て直す。布陣を組み直すんだ」
 先程の乱戦で傷つき、異常を引きずるメンバーを癒そうと、ミーナが号令を放つ。
 そして、四音は天使の歌声を響かせて仲間の傷を塞いでから、痛昏の方を見据えて。
「闇に潜み、冷静にことを運んでいた者……」
 痛昏は回復役を叩くことにしたようで、四音達の方へと跳躍し、頭上から襲い来る。
「魔種化の影響やそれで得た力に溺れて動いてしまうようになったなら、遠からずの破滅は約束されているでしょうね」
「そのへらず口、語ることができぬようにしてあげましょう」
 鈍い光を放つ痛昏の爪。さらにそいつは牙を突き立て、ミーナ、四音へと致命傷を与えてくる。
 赤いモノにまみれながらも、2人は運命の力に頼って身を起こすと、四音はさらに続けて。
「……己の強みを見失ってしまったんですから」
 倒れようとしないイレギュラーズ。だが、その傷は非情に重く、彼女達はその傷に顔を顰めてしまっている。
 一方で痛昏は気丈に堪える敵の姿に鼻を鳴らしながらまたも飛び掛かってくるが、それをムスティスラーフが具現化したタンザナイトの剣で切り裂いて。
「お爺ちゃんは疲れやすいから少し休ませてね」
 小さく息つくムスティスラーフ。配下を手早く討伐する為に大技を連発していたこともあって、気力が尽きていたらしい。その蒼の剣は少しでも気力を回復させる為の手段だ。
 とはいえ、ムスティスラーフも前線で戦い続けることに変わりはない。
「これ以上、やらせはしない……!」
 飛び回る痛昏をベネディクトは捉え、しっかりとブロックして動きを制限する。
 真剣な表情で、イレギュラーズを鋭い爪で刻もうとしてくる痛昏。
 ベネディクトはチームの盾役を全うしながらも、蒼銀の刃を振り上げて。
「豊穣の未来を拓く為、この蒼銀を存分に振るおう!」
 槍を振りかざすベネディクトは痛昏の動きを制する。
 その間に、ヴェルグリーズが攻め込み、温存していたスキルをここぞと使用する。
 彼の名……ヴェルグリーズが示すは『別れるもの』。
 その斬撃は痛昏の身体を分割せんと、その身体を切り裂いていく。
 続けざまに錬は精神力を弾丸とし、ルーチェも口から光の奔流を発して痛昏を攻め立てる。
 だが、痛昏は傷つきながらもにやりと笑い、腕を振り上げる。
 その腕は虚空を薙いだのみだったが、その合図は周囲のネズミ達へと向けられたもの。
 獣人となった痛昏の力に呼応して凶悪さを増したネズミの群れがメンバー達を攻め立てる。
 その最中、一度パンドラを使っていたルーチェが倒れ、前のめりに敵を攻めていたカインもまたパンドラに縋って踏みとどまって。
「さぁ、今までの返礼だよ――覚悟してね!」
 『軽』の尾の力を使う楓が痛昏の身体を地面へと叩き落とすと、合わせるカインが儀礼剣クリュサーオールで切りかかり、痛昏の身体を切り裂いてみせた。
 手応えは十分。カインはそう感じていたが、痛昏はその場に立ったまま。
「見事。貴方達なら、天香様をも止めることが……ぐはあっ……!」
 傷が気管支にまで達したのか、勢いよく血を吐いた痛昏は大きく目を見開いたまま前のめりに伏していったのだった。


 戦いを終え、緑翠亭の周囲にいたネズミ達も一斉に何処かへと去っていく。
 周囲は静けさを取り戻すが、依然として魔性の月が浮かんだままだし、天守閣には狂える守護獣が鎮座したまま。
「さて、『害獣駆除』はこれで済んだであろうが……」
 傷を負いながらも、身を起こしたルーチェ。
「余はこれから『元凶の一人』を討伐するものたちとの合流を急ぐとするか」
 彼女は傷を抑えながらも、決戦の地である御所を目指し、飛行して向かっていく。
 他メンバー達も新たな戦場へと向かうようだが、ヴェルグリーズはそのまま緑翠亭へと向かうようで。
「念の為、鼠は一通り駆除しておこうかな。念には念をいれて、ね」
「私も行こう。何か呪詛に通じる物が残っているかもしれないからね」
 主の敵討ちを考える獣かはさておき、再び集まられれば厄介な相手と判断したヴェルグリーズは、助力を申し出た楓らと共にその掃討に当たっていくのだった。

 余談だが、緑翠亭も一時的な居場所であったこともあり、呪詛に関する情報はほとんど得られずじまいだったようだ。
 しかしながら、関連する事件も多く、楓はその資料を読むのが楽しみだと告げていたそうである。

成否

成功

MVP

ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)
黒武護

状態異常

鶫 四音(p3p000375)[重傷]
カーマインの抱擁
天之空・ミーナ(p3p005003)[重傷]
貴女達の為に
ルーチェ=B=アッロガーンス(p3p008156)[重傷]
異世界転移魔王

あとがき

 リプレイ、公開です。
 MVPは序盤から高火力で攻め立てて、敵の数を減らしに当たった貴方へ。
 今回はご参加、ありがとうございました。

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