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シナリオ詳細

敗残の邪妖精、蠢動

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●潜伏の日々に倦んで
「まだ、ほとぼりは冷めんものかのう」
「そろそろ、大丈夫ではなかろうか?」
「うむ。儂の斧に、また妖精共の血を吸わせたいところよ」
 妖精郷のある遺跡の中から、赤い帽子を被った小柄で醜悪な老人達が外の世界を見やりつつ呟きあう。彼らはレッドキャップと言う凶暴な邪妖精で、妖精達の血に染まった赤い帽子がその名の由来となっている。
「グルルル……」
 レッドキャップ達の傍らで、黒い犬が赤く不気味な目を爛々と光らせる。こちらは邪妖精バーゲスト。邪悪な精霊が犬の姿を取ったものだ。その咆哮は妖精を不幸に陥れ、死に導く。
 この邪妖精共は、「アヴァル=ケイン城前会戦」と呼ばれる戦いで冬将軍の配下として戦った者達である。イレギュラーズ達によって将たる冬将軍が討たれたために敗走し、追撃や残党狩りを避けるためにこの遺跡に潜んでいた。
 しかし、残党狩りから逃れるためとは言え、遺跡に篭もりっぱなしでは気分も滅入ってくる。それに、妖精達への加虐衝動も日に日に大きくなっていき、我慢も限界となっていた。
 故に、残党狩りがいないことを確認しながら行動範囲を拡大しようとした邪妖精共であるが、結論から言えばその行動は致命的な誤りであった。妖精達に危害を加える者は許しておけないと、未だに冬将軍の残党を探っている者がいたからである。

●妖精に仇なす者、残らず討たれるべし
「冬将軍残党の邪妖精が見つかったと聞いたが、本当か?」
「ええ、遺跡に潜んでいたようです。追手を警戒しつつ動いているようでしたから、今ならまだ遠くまでは動いていないでしょう」
 ギルド・ローレットに飛び込んだ『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)は、『真昼のランタン』羽田羅 勘蔵(p3n000126)の姿を見つけると、開口一番、伝えられた情報について尋ねた。
 「アヴァル=ケイン城前会戦」の後、妖精郷の街クヌゥイを襲撃せんとするオーガやトロル連中を仲間と共に退けたサイズだったが、まだ残党の邪妖精共がいるのではと自ら探る一方で、勘蔵に捜索を要請していた。それを受けた勘蔵が人を使って邪妖精を探していたところ、折しも外へと動き出した邪妖精共が捕捉された、と言うわけである。
「発見されたのは、レッドキャップやバーゲスト、合わせておよそ二十体。
 このまま放っておけば妖精の街に到達する可能性はありますが……」
「もちろん、全部討つ。妖精に仇なす存在は、一体たりとも許してはおけない」
 勘蔵に被せるようにして、サイズは答える。サイズにとって、そんなことは問われるまでもないことであった。一方、勘蔵もサイズの答えは予想していた。さもありなんと言った調子で、邪妖精討伐の依頼書を書き上げていく。
「では、急ぎ依頼を出して、邪妖精討伐の同行者を募ります。それまでの間、待っていて下さい」
「ああ、わかった……待っていろ、邪妖精共」
 己が本体の鎌を握りしめながら、サイズは邪妖精共への闘志を燃やすのであった。

GMコメント

 こんにちは、緑城雄山です。今回は、サイズ(p3p000319)さんのアフターアクションからシナリオを用意しました。
 「アヴァル=ケイン城前会戦」の残党として遺跡に潜んでいた邪妖精共の討伐をお願いします。

●成功条件
 邪妖精の全滅

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●ロケーション
 妖精郷の遺跡周辺です。地形は平坦。時間は夜で、天候は晴天。
 邪妖精達は追手を警戒しているため、灯りを使うと遺跡の中に逃げられる危険性があります。
 しかし灯りを使わない場合、暗視が無いと命中と回避に大きなペナルティーを受けます。
もし遺跡に逃げられた場合、遺跡を探索しながらの掃討戦となります。

●レッドキャップ ✕10
 斧を持った邪妖精です。このシナリオでは、基本的にバーゲストに騎乗しています。
 バーゲストに騎乗している間、回避と移動はバーゲストに依存します。
 血に飢えた存在ではありますが、戦闘力、特に一撃の威力や生命力はそれほど高くはありません。

・攻撃手段など
 斧(白兵) 物至単 【必中(※)】【災厄】【出血】【流血】【失血】
 斧(投擲) 物超貫 【必中(※)】【万能】【出血】【流血】 斧をブーメランのように投げます。
 ※命中を優先する場合に使用。

●バーゲスト ✕10
 黒い犬の姿の邪妖精です。すばしっこく、命中・回避が高くなっています。
 その一方で、一撃の威力や生命力は高くはありません。

・攻撃手段など
 爪 物至単 【移】【出血】
 牙 物至単 【移】【流血】
 咆哮 神超単 【疫病】【不吉】【不運】【魔凶】

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

  • 敗残の邪妖精、蠢動完了
  • GM名緑城雄山
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年11月11日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛
サイズ(p3p000319)
妖精■■として
ラクリマ・イース(p3p004247)
白き歌
錫蘭 ルフナ(p3p004350)
澱の森の仔
エリス(p3p007830)
呪い師
アルム・カンフローレル(p3p007874)
昴星
メーコ・メープル(p3p008206)
ふわふわめぇめぇ
エルシア・クレンオータ(p3p008209)
自然を想う心

リプレイ

●未だ残る邪妖精を討ちに
 夜の闇に包まれた妖精郷の森の中を、イレギュラーズ達は明かりも付けずに進む。蠢き出した邪妖精共を討つために。
「……あんだけの大決戦しておいてまーだ残党が残ってるなんて、平和の維持も大変ねぇ」
「あの決戦で、妖精に仇なす者が全て滅びたわけではありませんからね」
 『木漏れ日妖精』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)がため息交じりにぼそりとつぶやくと、ギフトでオデットの三分の一ほどの大きさとなってオデットの横を飛んでいる『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)が応じた。
 妖精郷の存亡をかけたアヴァル=ケイン城での決戦で、イレギュラーズ達は確かに勝利した。だが、サイズの言う通りそれは妖精郷の平和を乱す者全てが殲滅されたことを意味しない。事実、サイズは残党となったオーガやトロルによる妖精の街への襲撃を仲間とともに阻止しており、まだ同様の邪妖精は残っているとみていたのだ。
「ま、脅威が分かってるなら取り除けばいいだけのこと。簡単よね」
「そうですね。これ以上悪事を働くことがないように、今度こそ根こそぎ倒してしまいましょう!」
「その意気ですめぇ! メーコも皆さんが攻撃に専念できるよう、頑張りますめぇ!」
「ええ、頼りにしてますよ。メーコさん」
 事も無げにオデットが言ってのけると、強く意気込んだ様子で『呪い師』エリス(p3p007830)が賛意を示した。そこに『優しい夢』メーコ・メープル(p3p008206)も同調する。
 メーコが今回の邪妖精討伐で担う役割は、敵の誘導と仲間の誘導、サポートだ。その働き次第で、戦局は大きく変わると言っていい。エリスはメーコの意気込みを聞くと、明るく笑いながらメーコの肩をポンと叩いて励ました。

「前世からの因縁がこうして集って、一緒に邪妖精を討ちに行くことになるとはね」
「そうか。サイズ君の呼び掛けに応えて邪妖精を討ちに来たけど、これは前世からの宿命だったのか

 記憶はないのに妖精達には何故だか親近感があるし、大切にしなければならない気がしてるんだけど、これもきっと……!」
 邪妖精討伐に参加した面々を見回して、『森の善き友』錫蘭 ルフナ(p3p004350)は妖しく笑う。そのルフナの言葉に、『両手にふわもこ』アルム・カンフローレル(p3p007874)はハッと何かに気付いたような表情をした。
 ルフナとアルムの様子がおかしいのは、出発前に『ブラッククロニクル』と言う本を読んだことによる。この本は読んだ者に闇を見通す力をもたらすのだが、内容はいわゆる「痛々しい」ものであり、二人はそれに感化されていると言うわけだ。
 その『ブラッククロニクル』を販売している『マヨ外交』ラクリマ・イース(p3p004247)はと言えば、自身は闇の中での視界を確保するのに別の品を使っているためルフナとアルムに同調したりはしない。
(――被害者が妖精だろうと幻想種だろうと俺には関係はない。
 ただ深緑の平和を乱す者は誰であろうと一切容赦はしない。
 ここですべて敵は駆除するのみです)
 ただ静かに、深緑の平和を乱す邪妖精を全て排除すると固く意を決していた。

●味方さえももろともに
「そう。邪妖精達はそっちにいるのね」
「それで、今は向こうの方に向かっている、と」
「まだ、私達には気が付いていないのですね」
 遺跡が近くなってくると、オデット、ルフナ、『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)は、それぞれ精霊や森の木々と語らうことで、邪妖精共の位置や動向を探った。個々の精霊や木々の持つ情報は十分とは言えなかったが、得られた情報をすり合わせることで邪妖精共の状況の把握には成功し、かつ邪妖精共に気付かれずに退路を断てる位置まで行ける獣道も教えてもらうことができた。精霊達も森の木々も、妖精郷を冬に閉ざして滅亡させんとした者達に手を貸した邪妖精共を嫌っていたのだ。

(レッドキャップ……彼らの姿を見ると、母と決着を付けた時を思い出します……)
 後背から邪妖精共の姿を目の当たりにしたエルシアに、過去の記憶が蘇ってくる。魔種と化した母親との決着の際、その場にいたのがレッドキャップを含む邪妖精共だったのだ。
(――あの時も彼らには申し訳のない事をしましたけれど、今日も同じ目に遭って貰う事に致しましょう)
 過去の記憶に没入しかけたエルシアだったが、すぐに意識を切り替えた。眼前の邪妖精に視線を向け、動くべき時を待つ。
「妖精を害する者め! このサイズが、徹底的に殲滅してやる!」
「メーコはここですめぇ! お相手しますめぇ!」
「生意気な奴らめ! この斧の錆にしてやろう!」
「ガウッ! ガウガウッ!」
 エルシアが寸時、過去の記憶に浸りかけた間にも、戦闘は始まっていた。サイズが名乗りを上げながら、メーコが鐘を鳴らしながら、邪妖精共の集団の中へと突入する。思いもよらぬ方向からの襲撃は邪妖精共を混乱に陥れ、サイズやメーコへの敵意を強く煽り立てることになった。
 バーゲストと、それに騎乗しているレッドキャップはそれぞれ十体。うち六体ずつがサイズに、四体ずつがメーコに攻撃し、爪や牙、あるいは斧で軽くはない傷を負わせていく。
「砂嵐よ吹き荒れて! 冬はとっくに過ぎ去ってるんだって教えてあげましょう!」
「くそっ……何だこれは! 熱いっ!」
「グル、グルル……ッ」
 邪妖精共がサイズとメーコを中心に集まったのなら好都合とばかりに、オデットは熱砂の精に命じて、サイズを中心に熱された砂の嵐を巻き起こして、邪妖精共に叩きつけた。猛烈な勢いで吹き荒れる熱砂は、破邪の結界で守られているサイズ以外の全員にビシビシと容赦なく砂の粒を叩きつけて苦痛を与えつつ、その動きを鈍らせる。
 なお砂嵐にはメーコが巻き込まれているが、これは絶対に倒れはしないから範囲攻撃に巻き込んでも構わないと、メーコが他の仲間に予め伝えている故であった。
「深緑の平和を乱した罪、死んで償っていただきます――罪人に、慈悲など不要」
「あああああ……今度は、寒いっ! これはたまらぬ……!」
「ギャンッ! ウウウウウウ……!」
 邪妖精共の動きが鈍ったのを好機と見たか、ラクリマはサイズとメーコの中間に飛び込んで、悲哀の込められた聖歌を歌う。涙を誘う悲しみの歌が響けば、邪妖精共の体はたちまちのうちに凍り付いていく。熱砂に焼かれた身体を今度は急激に凍てつかせられて、邪妖精共は身体全体をガタガタと震わせながら、叫んだ。
「逃がしませんよ! 畳みかけて、ここで倒します!」
「うああ……やめ、やめてくれええ!」
「ウグルルルル……!」
 ラクリマにやや遅れて、エリスがサイズとメーコの中間に飛び込む。そしてエリスは、亡霊の嘆き苦しむ叫びを響かせ、敵を責め苛む呪いの歌と化す。歌に苛まれた邪妖精共は凍える体を無理矢理に動かして悶え苦しむ。最早レッドキャップはバーゲストに乗っていられず、バーゲストもレッドキャップをその背から振り下ろし、いずれも地面の上に転がり悶絶するのみだった。
「サイズ君、大丈夫か? すぐに治すからね」
「今こそ、僕の隠されし右目の力が発動する時だよ」
 邪妖精共に群がられて傷を負ったサイズを癒すべく、アルムは治癒魔術を施し、ルフナは故郷である『澱の森』の霊力を賦活する。二人の治癒の甲斐あって、流血は未だに止まらないものの、サイズの負った傷はその半ば以上が塞がった。なおこれは余談であるが、ルフナが『澱の森』の霊力を用いるのに、右目がどうこうは全く影響しない。
「申し訳ありませんが、あなた方を生かしておくわけにはいかないのです」
「うぐう……っ!?」
「ギャインッ!?」
 エルシアは、サイズに群がった邪妖精達に向け、掌を組んで瞑目し、祈りを捧げた。その祈りは、邪妖精共がそのままそこに在り続けることを許さない。エルシアが祈ると同時に、左右に転がりながら悶え苦しんでいた邪妖精共は、その力さえも失ったかのようにぐったりとして荒い息をするのみとなった。

●邪妖精共、一網打尽
 エルシアの祈りを受けた邪妖精共は、瀕死ながらも如何にか起き上がろうとする。だが、それが見逃されるはずもない。
「……ごめんなさい。さようなら」
 まだ邪妖精共に息があり、何かしようとしているのを看取したエルシアは、再び祈りを捧げた。命を奪う罪悪感が微かに胸の内をよぎったが、やらなければ仲間が傷つけられるだけだ。すでに虫の息であった邪妖精共は、エルシアが祈りを捧げる中で、バタバタと息絶えた。
 残るはメーコに群がっていたレッドキャップが四体、バーゲストが四体となる。この邪妖精共は起き上がり体勢を整えると、逃げることもせずに再度メーコに襲い掛かり、斧や牙でメーコを傷つけていった。
 既に邪妖精に集られ、味方からの攻撃も受けたメーコはいつ倒れてもおかしくなかったが、満身創痍になりながらも戦場に立ち続ける。
「倒れませんめぇ……メーコは、絶対に倒れませんめぇ!」
 今にも倒れそうなほどに傷つき血を流し、ボロボロになりながらもなお集中攻撃を受けて倒れないメーコに、邪妖精は半狂乱となって攻撃を続けようとする。だが、それを他のイレギュラーズ達が黙って見逃す道理は無い。
「凄いな……俺は味方の攻撃は結界で遮ってるけど、敵の攻撃も味方の攻撃も食らいながら戦うなんて……」
 予め伝えられているとはいえ、敵味方双方の攻撃受けて酷く傷つきながらもなお立ち続けるメーコに感嘆の声を漏らしたサイズだったが、感心してばかりもいられない。メーコの負担を軽くするためにも、決着を急ぐ必要があった。『消えぬ精鍛冶屋の種火』で周囲を照らしたサイズは、妖精の血で呪いの陣を描く。陣からは炎をまとった血の色の鎌が飛び出し、邪妖精共に斬りつけていった。
 炎に焼かれ、鎌で斬られた邪妖精共は、苦悶の叫びをあげる。
「まだ、傷が酷いね。もう一度、僕の隠されている右目の力を使うよ」
 ルフナは右目を隠している前髪をかき上げて、再び『澱の森』の霊力でサイズを癒す。サイズの傷は完全には癒えなかったものの、そのほとんどが塞がり、浅いと言えるレベルまで回復した。繰り返しになるが、ルフナが『澱の森』の霊力を用いるにあたって、右目は特に影響しない。
「サイズ君も大丈夫そうだし、ここは一気に攻めようか」
 サイズがルフナによる回復を受けたのを確認したアルムは、攻勢に出て邪悪を裁く神聖なる光を邪妖精共に浴びせる。ジュウ、と聖光が邪妖精共の体を灼いていく。邪妖精共の苦悶の叫びはますます大きくなり、戦場一帯に響き渡った。
「ぱぱっと片付けるわよ! 砂嵐よ、もう一度吹き荒れて!」
 アルムに続いて、オデットが翼を輝かせつつ再度熱砂の精を使役し、砂嵐を邪妖精共に叩き付ける。炎や聖光に灼かれ、鎌で斬り刻まれた邪妖精共にとって、その傷に無数の砂が叩きつけられるのは苦痛以外の何物でもなかった。あまりにも耐えがたい苦痛に、断末魔のような叫びが上がる。
「熱いのが嫌なら、冷たいのはどうです?」
 邪妖精共が苦しめども容赦は不要とばかりに、ラクリマは悲しみの聖歌を歌う。再び体を凍てつかされた邪妖精共は、最早立っている事も出来ずに地面に倒れ、急激に襲ってきた寒さにガタガタと体を震わせるしかできなくなっていた。
「これで、終わりにします!」
 もう戦う力も残っていない邪妖精共にとどめを刺すべく、エリスは亡霊の苦悶の叫びを響かせた。呪いの歌と化した叫びは、邪妖精共の最後の生命力をも奪い去る。その歌が終わった時には、邪妖精共は全て死に絶えていた。

●無茶への叱責
「今回はありがたいけど、無理はダメなのよ? 本当に! わかった?」
「はい、わかりました……」
「わかりましためぇ……」
 サイズとメーコへの、オデットの叱責が響く。だが、オデットが二人を叱るのも無理もない。
 数に勝る敵中に突入し、引き寄せた敵もろとも味方の範囲攻撃を受けると言うのはさすがに無茶が過ぎた。味方からの攻撃は結界で遮ったサイズはともかく、メーコに至っては立っているのも不思議なほどに傷ついてしまっている。
「まあまあ、サイズ君やメーコ君のおかげであっさり勝てたのは事実なんだ」
「そうだね。もう少し長引くものだと思ってたよ」
「……とは言え、味方を巻き込んで範囲攻撃を撃つのはやっぱり抵抗がありますね」
 そのメーコを、アルム、ルフナ、ラクリマが三人がかりで癒していた。その甲斐あってか、メーコの傷はすぐに全て塞がり、完全に回復した。

「……どうしたんですか、エルシアさん?」
「いえ、何でもありません」
 自らの祈りで殺めた邪妖精共にずっと視線を置き続けるエルシアに、エリスは怪訝そうに声をかけた。エルシアは何でもないと応じると、その心に去来していた過去の記憶を振り払う。
 エルシアが母を殺めた罪を忘れることはないであろう。それでも、今回のようにその時の事を何度思い出そうとも、エルシアが立ち止まることはない。罪の意識に苦しみながらでも、先に進むと誓ったのだから――。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 シナリオへのご参加、ありがとうございました。皆さんのおかげで、動き出した邪妖精共は残らず駆逐されました。それにしても、いくら味方からの攻撃を無効化してるとか、EXF100で倒れないからとは言え、敵中に突っ込んで味方に自分もろとも攻撃させるとは、予想だにしていませんでした。一方で、それが功を奏したのも事実ではありますが。

 ともあれ、今回はお疲れさまでした。

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