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シナリオ詳細

<FarbeReise>女の尻を追うと足元をすくわれる

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

蒼穹のハルモニア

●「助けて」とか「あなただけなの」には皆弱いだろ?
 ちなみにサンディ・カルタ (p3p000438)はとてもそういうのには弱い。と思う。
 遺跡群『ファルベライズ』。『色宝(ファルグメント)』が潜み、一帯をラサの管理下におかれたその地では、日々イレギュラーズの探索が進んでいる場所である。
 そしてその日も、サンディはシキ・ナイトアッシュ (p3p000229)を伴い遺跡群の下見に来ていた……わけだが。
「お願いします! 私の友達が大変なんです! 助けてください!」
 そんな中、2人の前に現われたのはどこか儚げな、不思議な雰囲気を纏った少女だった。透けるような水色の髪に色素の薄い、というか半透明にすら見える肌。雰囲気はともかく、存在感はどこか重厚なものを思わせる。
「大変……? 一体何があったんだよ。遺跡から出てこないとかか?」
 サンディがそう聞くと、少女はぶんぶんと首を振る。それから、彼女は2人を先導するように歩き出す――その先は湖だ。よもや仲良く入水自殺を促すわけでもあるまいが、と怪訝な顔をした彼等の前で、少女は躊躇泣く湖に足を踏み入れる。
 が、水面は小さく歪みを見せたのみで飛沫ひとつ上げずに少女を受け入れるではないか。シキがおずおずと手を伸ばすと、水面はなんの感触も返さず、ただ不自然に揺れ動くのみ……大規模な立体映像、ないし蜃気楼の類だったのである。
「これは如何にも怪しいねぇ。行くのかい、私達だけで?」
「当たり前だろ、女の頼みを無碍にするなんて出来っこねえ!」
 シキの怪訝な顔に、サンディは当然だといわんばかりに返す。一目散に向かっていこうとした2人は、そのまま遺跡の奥に姿を消した。

●……なんてことはなく
「正座」
「いや、何でだよあの娘が助けを」
「正座」
「私はサンディに押し切られただけでまだ」
「正座。……この遺跡群で少人数での行動なんて自殺行為に決まってるだろ馬鹿か!」
 サンディ達は、背後から人ひとり惨殺できそうなオーラを纏ったリア・クォーツ (p3p004937)にガン詰めされていた。リアの口調がいつものお淑やかなものじゃないのは、危機的状況にあって素が出たからであろう。すぐ戻る筈だ。
「大体、その女の子? ってのもちょっと変わった感じだったのよね? 絶対なんかあるんだから少しは警戒して行きなさいよ! 人を集めるとか!」
 一切ぐうの音もでないド正論。さしもの2人も、彼女の剣幕に沈黙を選択した。
「人を集めてくれるんですか? 助かります!」
「うわっ」
 と、説教を受けていた2人の脇から(というか水面から)ひょっこりと顔を出したくだんの少女に、一同は驚きを禁じ得ない。
「私の友達……水の精霊の子達が遺跡の罠に引っかかって動力にされちゃったの! この湖の幻も中の仕掛けも水に関わるものが多くて……人がいればそれだけ助かるの! お願い!」
 つまり、この子も精霊のたぐいだったようだ。ほら見たことかと胸を張るリアに、酸っぱいものでも食べたかのような様子で顔を顰める2人であった。

GMコメント

 ご指名ありがとうございます。
 まあこの3人ならこういう展開になるかなって思いました(多分)。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●達成条件
・遺跡のボスを討伐して色宝を確保する
・(オプション)水精霊の可能な限りの救出

●湖(偽)の遺跡
 湖に偽装した大穴の中にある遺跡。
 中は『水』にまつわる仕掛けがおおく(水攻め、水圧カッター、冷凍室、氷の矢など)、全ての動力源に水精霊の力を必要とします。
 仕掛けを壊せば精霊を助け出せるって事ですね。単純明快!
 なお冒頭の精霊はなにもなければ入り口で待機します。必要に応じて同行する際は守ってあげましょう。治療と抵抗バフが出来ます。
 ボスフロアの大きさは50m四方。

●流水ゴーレム
 全身を流れる水が覆うゴーレム。フロアボス。【火炎無効】【毒無効】。
 水圧カッターによる切断、大上段からの腕の振り下ろし、氷結攻撃など攻撃手段は多彩。一部必殺も乗るし防無とか乗ってくる事もある。
 ゴーレムの稼働には特に多くの水精霊が使われている。らしい。

  • <FarbeReise>女の尻を追うと足元をすくわれる完了
  • GM名ふみの
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年10月27日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シキ・ナイトアッシュ(p3p000229)
優しき咆哮
※参加確定済み※
ラダ・ジグリ(p3p000271)
灼けつく太陽
サンディ・カルタ(p3p000438)
金庫破り
※参加確定済み※
アト・サイン(p3p001394)
観光客
リア・クォーツ(p3p004937)
願いの先
※参加確定済み※
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)
剣閃飛鳥
アウローラ=エレットローネ(p3p007207)
電子の海の精霊
ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)
咲き誇る菫、友に抱かれ

リプレイ

●反省会
「こうやって人も集まったことだし、機嫌直しておくれよ。リア」
「別に、不機嫌じゃねーわよ……こほん、じゃねーですわよ」
 『黄龍の朋友候補』シキ・ナイトアッシュ(p3p000229)のどこか請うような声に、『アンスンエンシス』リア・クォーツ(p3p004937)はツバでも吐き捨てそうな勢いで応じた。怒ってない、という人間は大抵怒り心頭であるのはよくある話だ。口調が戻ってない時など、特に。
「これから遺跡探索だってのに、既に俺がボロボロだぜ……リアちゃんまだ怖ぇし」
「目を潤ませてどうか助けてと言われる事に弱い人間はいるよ。それが女で、若くて、容姿がよいと尚更にな」
 要らぬことを口走ってリアに「あ゛?」って目で睨まれた『須臾を盗む者』サンディ・カルタ(p3p000438)を横目に、『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)は嬉しそうにしている水精霊に視線を向けた。頼られるのも、助けてと請う気持ちも、まあ分からぬ道理はない。
 ただ、いかにも助けてくれ――そんな声が聞こえてきそうな態度だけはどうにも気に入らないというだけで。口にはしないが。
「全くもう…サンディめー……ふふっ、でも彼らしいな」
「はい、というわけでサンディ・カルタの冒険―七つの聖なる尻―に挑戦していこうか」
「2人とも酷い言い草だな!?」
 『清楚にして不埒』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)と『観光客』アト・サイン(p3p001394)は完全にサンディをおもちゃにしている感がある。どこか含みのあるミルヴィも他人を笑えるアレではないのだがそれはさておき、多分今回は精霊込みで「8つの尻」だろうか。アトを勘定に入れるのは甚だ不本意だが。
「同じ精霊種として、捕まっちゃってる精霊さんを助けるんだよ!」
(ふうむ、通りがかりゆえに見て見ぬ振りをすることもできますが……)
 『電子の海の精霊』アウローラ=エレットローネ(p3p007207)とて電子の『海』の精霊である。形は違えど水に親しい精霊同士、思う所あるのだろう。で、『影を歩くもの』ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)は行きがかり上偶然立ち会ったのだが、知らぬ仲ではないシキの態度に少々面白いものを感じて同行を願い出たのである。
「ダンジョン探索についてきてくれるのかい、ヴァイオレット? いやぁ頼りになるなあ!」
「……別に、只の気紛れでございます」
 明け透けな好意をシキから向けられたヴァイオレットは、ついと顔をそむけ一言だけ返した。その色々と思わせるやり取りに、周囲はすこしほっこりした気分になった。
「で、水精霊はできれば全員救出するんだろ?」
「そりゃあそうでしょっ、頼られたら断れないんでしょ?」
 サンディの諦め半分の言葉に、ミルヴィは食いつかんばかりの勢いで是と応じた。彼女ならずとも、居並ぶイレギュラーズは皆「そういう」顔をしている。
「ありがとうございます! そう言って頂けるとすごく嬉しいです……!」
 水精霊は一同の間に流れた確信と自身に満ちた雰囲気に、選んだ相手が間違ってなかったと改めて思う。
 迷宮に足を踏み入れた一同は、一歩踏み出した時点でうっすらと張る水に驚きを禁じえない。砂漠の真ん中の遺跡でこれほどの水。精霊達が相当な勢いで酷使されている可能性が否めない。
「明かりはこっちで受け持つぜ。罠は任せていいんだよな?」
「勿論。……ここまで水が張ってると、僕の悪い予感が当たりそうで怖いんだけどね」
「失せ物、探し人を探すのは占い師としての得意分野です。罠が見つかれば直ぐになんとかなりましょう」
 サンディは手甲から発された光で道を照らしつつ、アトとヴァイオレットに問いかける。アトはランタンで同じく道を照らしつつ、棒を軽く突き出して先を見定める。ヴァイオレットは、占いを駆使しつつ罠の位置を探ろうと意識を割く。彼女のそれが状況を打開したことは一度二度ではなかろう。十分、信頼できる手段だ。
「アタシも偵察に回るねっ! カット、行って!」
 ミルヴィはスナネズミの『カット』を壁伝いに向かわせ、探索に回す。……果たしてこの小動物が生き残れるほど易しい迷宮なのだろうか?


「こいつ、こういう所でだけは役に立つのよね……」
「言いたい事は分かるが、助かっているのは事実だ。……精霊の数が存外多いのは驚きだが」
 リアはアトが順当に罠を避け、細かい攻撃系のそれらを解除して回っている様子に感心しつつもどこか複雑な表情で見ていた。ラダは彼女の言い分に理解を示しつつも事実として助かっているので何とも言えぬ様子だ。そして、壊れた罠から水滴状の精霊達が群がっている様子に呆れ気味だ。多すぎる。
「そういえば、色宝っていうのがどんなのか分からないけど綺麗なのかな?」
「綺麗かそうじゃないかと聞かれれば綺麗だけど、そうじゃないんだ。ダンジョンにお宝を求めるのが一番大事で、その美しさは二の次なんだよ僕ぁ」
 アウローラの問いに、アトはたっぷり5秒ほど考えてから真剣な顔で応じた。そう、アトにとってダンジョンアタックこそが生き甲斐なのでありぶっちゃけ色宝は依頼なので集めてる、程度の認識なのだ。突き抜けてんなあ。
「大丈夫、もう怖くない。迎えに来たよ。だからほら、笑ってよ?」
「大丈夫大丈夫、アタシ達が来たからには皆たすけるから♪」
 シキとミルヴィは精霊達をあやしつつ油断なく罠の所在を探り続ける。頭上がガバっと開いて水とともに金盥が落ちてきた日にゃあ「これ罠なの?」って雰囲気が流れたが、ミルヴィが素早く金盥を弾き飛ばし、流れで罠を破壊して事なきを得た。なおミルヴィは水をひっかぶり不埒な格好になった。
「ミルヴィ様は……本当に面白いお方ですね」
「アタシはちっとも面白くないよ?!」
「笑い話で済むんだからいいんじゃねえの?」
 ヴァイオレットが控えめな表現でねぎらうと、ミルヴィは心外だとばかりに叫ぶ。その最中も氷の矢が飛んできたりしているのだが、避来矢を身に着けたサンディにはどうにも届かない様子だ。
「それで、あなた達も精霊なんでしょ? この先に捕まってる仲間について分かるんじゃないの?」
 リアの問いかけに、精霊達は揃いも揃って知らないという感じで応じる。使えねえ。そう叫びだしそうになるのをなけなしの理性で抑え、頭を抑えた彼女は眼前が行き止まりなことに気づくのがワンテンポ遅れた。
「ちょっ、ここ――」
「水責めのトラップだね」
「『だね』じゃねえんだよ解除できなかったのかアト手前ェ!」
 リアが驚く間を与えぬアト。混乱するリア。だがちょっと待って欲しい。彼が意味もなくトラップにかかる仲間を放置するだろうか?
「……ですよねアト様?」
「ミルヴィ、スナネズミを天井に!」
「カット!」
 信じて送り出したミルヴィのスナネズミが精霊を拘束していたなんか魔術的な仕掛けを噛みちぎって罠を無効化して帰ってくるなんて……。
 ヴァイオレットは土壁で水責めを抑え込もうとしたら、膝下辺りでなんとか停止したのでそのまま石壁で行き止まり目掛け水を押し込んで仕掛けをブッ壊した。
「……ゴーレムがいるな」
「間違いなくゴーレムだよなあアレ」
「精霊さん、仲間がみんなあそこにいるんだよね? 弱点とかわからない?」
 ラダとサンディは壁が壊れた向こうに鎮座まします流水ゴーレムの姿を見てとり、仲間たちは戦闘準備にとりかかる。アウローラは精霊達に問いかけ、ずんぐりとした肩周り、へその辺り、両足首と脇下そして両拳辺りに嵌められた宝珠に精霊が宿っている、と告げた。ほとんど水に隠れているが――つまり。
「あのデコの石が色宝かよ!? ふざけてんのか!」
 リアの声が荒くなるのも仕方ない。それはあまりに、あまりにもわかりやすい『想定外』だったのだから。


「なるほど、同じ精霊だけあって分かるんだな」
 ラダは感心したように精霊達に視線をやり、次いで戦闘範囲から離れるように指示をする。
「戦えないのはいい。悪い事ではない。恐れも焦りも必要なもの、ただまずは心を落ち着かせるのが大切だろう。そして少し余裕ができた時に、今の自分にできる事をやってくれたらと思うよ」
 今みたいにね、と精霊をちらりと見てゆるく笑みを向けてきたラダに、ついてきた精霊達は思わず何だか心がざわつくものを感じた。主にときめきとかそういう意味で。
「あの流水が魔力による持続的な機能なのか付与術式かによって厄介具合が変わるなあ」
 アトはするりとゴーレムの間合いに入り込むと、挨拶代わりに一撃を見舞う。単純な付与術式なら即座に破壊するそれは、しかしゴーレムの流水を止めることは敵わない。……これでひとつ学びを得た。
 振り下ろされた腕を身を引いて躱すと、彼の上体を飛び越えるようにミルヴィが迫る。爛々と光る目は凄まじい殺意に凝り、吹き荒れる嵐のような猛攻はゴーレムの一撃すらも相殺してのける。
「皆が罠を潰してくれたお陰でアウローラちゃんは元気いっぱい、魔砲が沢山撃てる気がするよ!」
「頼り甲斐のある方がいるのは助かりますね。ワタクシも負けていられません」
 アウローラはこの時のために魔力を温存してきたのだ、と言わんばかりに魔砲をぶっ放し、ゴーレムの前進を抑え込む……だけならまだいい。その膨大な破壊力はゴーレムの魔石の一つを叩き壊し、精霊を1体、早々に救い出したのである。
「……ねえリア、私達要る?」
 シキは背後で治療と付与術式を展開するリアに向き直り思わず問うた。手を止めずに強力な一撃を見舞っている時点で多分結論は出ているのだろう。
「当たり前でしょ、アレ絶対食らったことで学習してあとあと面倒になるパターンよ」
 リアもまた、アウローラの攻勢がとんでもないと思いつつもゴーレムがそれだけで倒されるとは到底思っていなかった。よしんば彼女の魔砲が全弾命中しても、ただの力押しなら毎度ああはいくまい。苛烈な威力なのは事実だが。
「ゴーレムの守りは硬いはずだ。何度も素通しにはなるまい……が、その守りを削ればどうなる?」
「まあ、硬いもんなあ。動きを止めないとこっちもやられそうだ」
 ラダとアトは相手を強敵と認めつつ、各々の持つ技術を十全に発揮し、その優位性を削ろうと試みる。
 ラダはその守りを万全で無くすることで。
 アトは苛烈な攻撃を一瞬、一度二度止めることを目的として。それらの攻勢は一度では通じぬだろうが、何度も打ち込めばそうもいかぬ。
 そして、状況の不利を重ねた状態は、『彼』の攻撃にこそ繋ぐ価値がある。
「少年、お膳立てはしたからね」
「全く……頼りになるよ、揃いも揃って!」
 首筋にくらいついたシキの一撃が、ゴーレムに確かな亀裂を与えた。そこに打ち込まれたサンディの呪いを込めた一撃は、たちまちのうちに仲間たちが打ち込んだ呪いのような不調と反響し炸裂する。
 数多穿たれた攻勢は一つの濁流となってゴーレムの全身に亀裂を波立たせ、破壊へと雪崩込む。
 疲労と負傷で膝をついた前衛達をねぎらうように、色宝がゆっくりと降りてきた。

「いい事? 決して、貴方達があたしに何も言わなかった事を怒ってるわけじゃないから。えぇ、そうですとも」
 迷宮から色宝を持ち帰って万事解決となって尚、サンディとシキは改めての土下座を強要されていた。怒っている……というよりは叱っている。懇々と子供に道理を説く親のようだ。
「でもね……これからはあたしにもちゃんと言いなさい、いいわね? サンディ、それとシキも」
「こ、今度はちゃんと先に言うからさ!」
「ふふ、分かったよ。次になにかやるときはリアも一緒にやろう。少年と、私と一緒に」
 2人にぴしゃりと言い放った筈のリアは、しかしまるでことの重大さを理解していない2人の反応に頭を抑えた。申し出が嬉しくないわけがない。ないが、2人の無計画さが巡り巡って命の危機につながったらどうするのか……その辺りの思考が決定的に欠けているのが気になったのだ。
「そうじゃなきゃ……もう一生口きいてあげないわ」
「分かってるさ。君に口ををきいて貰えなくなったら困っちゃうからね。かわいい私の親友」
「~~~~っっ!! 馬鹿! もう! さっさと帰るわよ!」
 最後通牒を突きつけようとしたリアは、しかしシキのカウンターに声をつまらせる。
 彼女らの様子を見ていたヴァイオレットの目元が緩むのは無理からぬ事だろう。間違いなく。
「リアもシキもサンディも仲直り、精霊さんも無事! これにて一件落着! ……でいいのかな?」
 アウローラは帰っていく精霊たちに手を振りながら、仲間に向き直って問いかける。「いや、」と応じたのはアトだ。
「待った。サンディの奢りがまだだぞ」
「奢り!? 聞いてねーぞ!?」
「迷惑かけたんだもの、全員分出して当然でしょ?」
「正論だな。サンディ、こういう時は男として少しは胸を張っておくといい」
 寝耳に水と抗議するサンディだが、リアもラダも取り合う気はないようだ。仲間も、期待に目を輝かせているので最早無理筋である。
 ……その日、サンディの財布が報酬を加味しても赤字一歩手前までいったのは想像に難くない。

成否

成功

MVP

アウローラ=エレットローネ(p3p007207)
電子の海の精霊

状態異常

サンディ・カルタ(p3p000438)[重傷]
金庫破り

あとがき

 お疲れ様でした。
 罠に対する対処はいくつあってもいいものですが、限度というものが畜生! 皆いつもそうだ!
 ……失礼しました。
 MVPは一撃でひっくり返した貴女へ。
 うん、戦闘は皆頑張ってたけど描写してるとき吃音しか出なくて……。
 なお重傷は財布込みです。

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