PandoraPartyProject

シナリオ詳細

再現性東京2010:影笑う

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 8月。夏も真っ盛りである。学生、生徒であれば夏休みだ。故に昼間のうちから若者の姿は繁華街やショッピングモール、図書館、公園とあちこちに散見される。
 思春期も近づいてくれば友人とどこかへ遊びに行く範囲も広がるが、幼稚舎や小学生であればまだまだテリトリーは狭い。すぐそこの公園まで、くらいのものだろう。
 そんなわけで、公園を訪れれば多くの子供がはしゃいでいた。
「ブランコかわってー」
「やだぁ、まだしーちゃんのばんなの!」
「だるまさんがーーころんだっ!」
 きゃいきゃいと子供特有の甲高い声が響き渡る。その中に泣き声が混じっていることも特段珍しいことではなく、近くの大人が苦笑まじりに仲直りの現場まで見守るのも同様であった。
 しかしそんな公園も夕暮れが近づけば人はまばらになっていく。もちろん帰宅する時間だという理由もあるが、ここにはひとつの噂が存在していたからだ。

 ──夕暮れ時に影が笑う。

 具体的な話はよく知られていない。けれどそれを知りたいからと残るような大人はおらず、幼子は危険だからと帰される。
 しかし──当然ながらいるのだ。好奇心に駆られ、大人の言いつけを破って夕暮れまで残ってしまう子どもが。
「なーかえろーぜー」
「もうちょっとだけ。な?」
「そうそう、バレねーって」
 不安そうな少年へからからと笑いかける友人2人。発端は片方の友が「実際どうなのか見てみたい」と言ったからだった。けれども待っているだけは暇だから陽が暮れるまで遊ぼう、影鬼なんてどうだと2人は楽しそうで、少年は少しばかり置いてけぼりの気持ちで。それでもここで本当に帰ってしまったら、2人との仲にはヒビが入ってしまうかもしれない──そう思えば1人で帰るなどとは口に出せないのだった。
「はい、つぎはお前がオニなー」
 とん、と影を踏まれて役割交代。走り回って汗だくになって、気づけばすっかり夕日も沈もうとしていて。きっと自分が誰かの影を踏めば終わりになるだろうと思ってホッとする。
「つかまえた!」
「あーあ、おわりかぁ。けっきょく何も──」
 なかったな、の言葉は続かなかった。2人の少年は地面を凝視していた。気づいてしまったのはあまりにも偶然で、けれどそれを見て見ぬふりするような器用さは持ち合わせていなかった。
 気づかなければ、平穏な日常が続いていたかもしれないのに。
「夜になっちゃったね」
 そう言って笑う友の影は、未だ夕暮れに照らされたかの如く伸びていた。

「──伏せなさいっ!」

 鋭く響き渡った少女の声に、少年らは咄嗟に従う。同時に目を瞑れば小さく風が過ぎて、自分たちのすぐ前へ立った気配がした。そろりと顔を上げた先に見えたのは希望ヶ浜学園の制服だ。
 少年らの前へと滑り込み、間一髪で初撃を凌いだ蓮見・彩里は目の前の悪性怪異<ヨル>を睨み据える。少年、いや少年の姿をした影は歪に笑みを浮かべていた。
(敵わない)
 ヨルに手加減などというものは存在しない。そして彩里自身に迷いがある。全力で向かってくる相手には全力で立ち向かわなければならないのだと、そうでなければ敵わないのだと彩里は知っていた。
「この場所に行って助けを呼んできてください」
 ヨルから視線を外さぬまま、彩里が少年らへ渡したカフェ・ローレットの紹介カードだ。簡易的ではあるが地図も乗っているし、大して遠くもない。少年らの年頃であればさらに近くの遊び場もあることだろう。
「お、おねえさんは」
「私は貴方たちにコレが向かわないよう、食い止めます。さあ早く、行って!」
 影が肉薄し、黒い刃が彩里へと向けられる。応戦する彩里の後ろ姿を見て、少年らは弾かれたように公園を飛び出した。

GMコメント

●成功条件
 ヨルの撃破

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。不明点があり、不測の事態が起こる可能性があります。

●悪性怪異『影嗤いの怪』×6
 これまで人知らず起こっていた怪異のため、詳細には不明点が多く存在します。
 けれども怪異に遭ったと思しき人が時折らしくない行動を見せるため、何かがあるとは思われていたようです。
 その実態はすり替わり。影が人を喰らい、その人自身になって人間世界に紛れ込んでいるようです。最初はOP上の1体のみ。
 影を伸ばしての攻撃は確認されていますが、その他の攻撃方法は不明です。攻撃力はありそうです。

●フィールド
 公園です。到着時は夜となります。
 明かりは少なく、暗めです。人気もありません。
 遊具などを障害物にすることもできますが、すぐ壊されてしまうでしょう。

●友軍
・蓮見・彩里
 新道 風牙さんの関係者。希望ヶ浜学園に通う16歳の少女。風紀委員であり、周囲からは委員長と呼ばれるような人間です。
 かつて風牙さんには命を助けられており、『鮮烈な印象を残した命の恩人』であるとしています。憧れと言っても良いでしょう。
 皆様が現場へ駆けつけるまでヨルを引き付け応戦しています。彼女1人では敵いませんが、護身に長けているため持ちこたえている事でしょう。皆様が到着次第ともに戦います。

●ご挨拶
 愁と申します。関係者さんをお借り致しました。
 どうぞ彼女に助けの手を。
 ご縁がございましたら、よろしくお願い致します。

  • 再現性東京2010:影笑う完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年08月30日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

イルミナ・ガードルーン(p3p001475)
まずは、お話から。
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
新道 風牙(p3p005012)
よをつむぐもの
ローガン・ジョージ・アリス(p3p005181)
鉄腕アリス
ルティエラ アレクシア(p3p007664)
セレマ オード クロウリー(p3p007790)
性別:美少年
スカル=ガイスト(p3p008248)
フォークロア
ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)
あいの為に

リプレイ


「キミたち、まずは水を飲みなよ」
 カフェ・ローレットへ飛び込んできた少年らを『性別:美少年』セレマ オード クロウリー(p3p007790)が宥める。鬼気迫る顔で何かを伝えたいことはわかるのだが、揃ってわめくように喋られては単語の1つだって聞けやしない。何も分からない状態で向かうのは流石に自殺行為である。
 店員へ水を頼み、セレマは少年らへ深呼吸するように促す。運ばれて来た水を飲んで一瞬ほっとした少年らであったが、手に持ったカフェ・ローレットのカードを視界に映すなりはっとして顔を上げた。
「「姉ちゃんが!」」
「ゆっくり、落ち着いて。わかっていることを順番に」
 セレマから再びの促しもあって、彼らはようやく順序だてて話し始める。ショックや混乱で記憶が前後しているところもあるだろうが、いくらか整理された情報に風牙は頷いた。
「ここから近くの公園だな。緊急連絡、受け取った!」
「お願い、姉ちゃんを助けて!」
「オレたちが悪かったから、だから」
 その状況が命を危ぶむものであったのだろうと話を聞いただけのイレギュラーズも分かる。そこに単身残った少女を想い、少年らは涙を浮かべた。任せろと風牙は彼らの頭を軽くたたき、あとを店員へ任せる。
「人を喰らって成り代わる影、か……」
 何とも言えぬ表情を浮かべた『街角に来た秘宝種第一号()』ルティエラ アレクシア(p3p007664)であるが、やるべきことは何であれ変わらない。その残っているという少女を何としても助けなければ。
「この手のモノは、得てして厄介なものだが」
「ええ。1人、また1人と成り代わり社会へ紛れ込んで次の獲物を誘う怪異……」
 『流麗花月』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)の言葉に『あいの為に』ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)は頷いて歌うように述べ、小さく笑う。まるで面白いとでも言うように。実際、影の特徴が無ければこの街は静かに侵食され、終わっていたことだろう。
「ふふ、ええ、ええ、実に賢く優秀な怪異です。ですが──見つかったことが運の尽きですね」
 夜道は暗く、このような影に紛れてしまえば形も見つからないことだろう。しかし昼と夜の交差する黄昏時、獲物を仕留め損ねたばかりに仕留め返されるのだ。
「こういう時の為の私たちだ。気張っていくぞ!」
 汰磨羈の言葉に一同は頷き、走る速度を速める。到着時、少女が無事である保証は──影に成り代わられていない保証はない。1人でも犠牲者を減らす為、急がなくては。
(誰だか知らないけど、根性あるじゃねえか)
 『翡翠に輝く』新道 風牙(p3p005012)は走りながらにやりと笑う。きっと少年らには命を救ってくれた少女が眩しく見えたことだろう。それこそ風牙の命を助けてくれた師のように。
 なればこそ、絶対に死なせるわけにはいかない。
 公園の入り口まで到達したイレギュラーズは、手前に件の少女が見えないことを確認する。周辺にヨルがいないことを確認していた『フォークロア』スカル=ガイスト(p3p008248)はライの動作に視線を向けた。
「保護結界です。子供たちの憩いの場ですもの」
 にこりと柔らかく笑ったライは行きましょう、と仲間を促す。公園の遊具はとてもじゃないが頑丈には見えず、激闘が繰り広げられれば破損は必死。修繕の予算も馬鹿にならないだろうから。
(神は何かを「分かち合う」ことを好まれるでしょうから、ね)
 奥へ向かいだした仲間たちに続き、ライも公園の奥へと足を運ぶ。街灯はぽつりぽつりと並んでいるが、セレマの淡く光る力や『機心模索』イルミナ・ガードルーン(p3p001475)の持ち込んだ軍用サイリウムは仲間たちのすぐ足元を照らしてくれた。

「待たせたな! ローレット・イレギュラーズ、只今到着だ!」

 風牙の声に戦っていた少女がはっと一瞬視線を向ける。同時にライと銃を構えたスカルが彼女の影へ視線を落とした。サイリウムの光に照らされた少女の影は正しく伸びるべき方向へ向いている。
「──大丈夫そうだ」
「重畳、出合い頭に撃たずに済みます」
 既に手遅れで、少女は成り代わられている。そんな可能性がひとつ潰れ、2人はヨルへとその意識を向けた。直後『当たり前の善意を』ローガン・ジョージ・アリス(p3p005181)が突っ込み、少女とヨルの前に立ちはだかってその動きを阻害する。
「無事であるか」
「ええ……ありがとうございます」
 礼を告げども、まだ気は抜けない。イレギュラーズが到着するまでに影は計3体集まってきていた。内1体はローガンが押しとどめた相手であるが、残り2体は少女を害そうとするように影を伸ばす。その合間へ飛び込んだ一陣の風──風牙は勢いそのままに槍を振るう。瞬間、風牙と少女の視線が交錯した。
(……? あの子、どっかで会ったような……)
 記憶の琴線に触れるものを追いかけようとして、しかし風牙は現実を見ろと頭を振る。今は記憶を掘り返すより敵の排除だ。
「ドッペルゲンガー……いや、変身相手と同時に出現しないからシェイプシフターか」
 セレマは呟き、小さく笑みを浮かべる。その魅力を本人は知らない──知るのはそれを見た影ばかり。甘く狂わせる微笑に寄せられながらも、セレマは契約魔術により何度だって肉体の再定義を繰り返す。美少年はいつ何時でも美少年であり、そこには傷の1つも許されない。
 2体がセレマへ引き付けられ、残りの1体を信念の鎧をまといしローガンが名乗り口上にて注意を引く。少しでも数を減らすべく、スカルはその生命力を犠牲にして敵へ呪いを放った。
(人助け、か。俺たちらしい依頼だ)
 イレギュラーズの所属するローレットは『中立』の立場であり、善も悪も等しく依頼として扱う。けれどもやはり多数は善に寄っているということか──ローレットの成立している依頼はそのような類が多い。イレギュラーズも多くがハッピーエンドを求めているということだろう。その在り方はダークヒーローとしてのそれとも合っている。最も報告書と言う形で記録に残れど、記憶に残るかは定かでないけれども。
「現時点で分かっている能力を教えてくれ。それだけでも大分違う!」
 ローガンの横合いから渦状結界を形成させる汰磨羈の言葉に少女は頷き、応戦しながら簡単な自らの素性と敵の情報を伝える。本体は伸びている影であること。影を伸ばした先へ体を移動させることができること。そして──。
「恐らく、あの体はすり替わられた子たちの……」
 歯切れ悪くなる彩里に汰磨羈は目を細める。影の偲んだその体は本物の亡骸なのだろう。炎天下の季節を過ごす間、腐敗しないのは怪異の力によるものか。いずれにせよ、今はただの操り人形だ。
 間髪入れない動きで汰磨羈は技を繰り出し、体と影の双方を攻め立てていく。移動はヒトの身体に依存しているのかとも思ったが、彩里の『影を伸ばした先へ体を移動させる』のであればそういうことではないのだろう。
「確かに影ははっきりしているね」
 セレマに回復というものは必要なく。ローガンへ治癒魔術をかける合間にルティエラは魔弾を放つ。影と言っても通常のそれとは異なり、自由に動くことができるようだ。これを見たからこそ怪異であるとわかるが、隠し蓑となる体だけでは見抜けない。
(親しい人ですら気付かないと言うのであれば、実に恐ろしい話です)
 イルミナは蒼い軌跡を闇に浮かべ、仲間に合わせて拳を振りぬく。影を殴るというのも実に不思議な感覚だが、叩けば倒れるなら叩くだけである。
「これ以上の被害は出さないッスよ!」
 もう1発。『もしも』の可能性を纏ったイルミナの連撃が揺れ動く影の余裕を削いでいくようだった。そこへライは慈悲の名を冠する魔銃を構える。
「賢明なる怪異共に安らかな祈りを……」
 神秘の本能を開花させ、魔力を弾丸へと変える。その口から紡がれる言葉は聖職者のようでいて、しかし心の内では──敵は全てぶち殺す、と。
 慈悲と言う名の殺意を乗せて、魔力弾が放たれる。ローガンの相手していた影はそれに貫かれると、苦しむように身をよじった。彼へヒールを飛ばしたルティエラは、不意に背後へ迫った気配にはっと振り返る。
「っ……!」
 目の前で自身に降りかかる小さな奇跡。嗚呼だがしかし、迫ってきたモノは1体だけではない。セレマとローガンが引きつけにかかり、その間にも風牙は攻撃対象を変えず確実に頭数を減らす。
「次はそっちだ!」
 彼の声に彩里が動き、セレマが初手で引き付けた相手へ。怪異は影を伸ばし、セレマの傍へ移動と同時に攻撃を仕掛けるが美少年は相変わらずの美少年である。
「僕に見惚れてしまったかい?」
 それも仕方ないね、と微笑むセレネの傍らで死霊騎士が反撃する。彼の占有するモノ(生命力)を害する相手へ、それ相応の賠償を。移動した影を追いかけ、汰磨羈は陰と陽の境目を的確に見抜くと霊楔を打ち込んだ。
「猫は夜目が効くものだ。知っているだろう?」
 霊障を発生させた影へニタリと笑った汰磨羈は、影を囲むように五角柱結界を発生させる。中で跳ねまわる2つの楔は影と言う存在を抉り貪り、その欠片すら残さまいと蹂躙する。
(人にすり替わると言うのなら、それなりに知恵は働くと思ったが)
 ローガンは目の前で揺らめく影を睨みつける。彩里の言葉から察するならば、本物の人々は生きていまい。人質として取ることも考えていたが、そこまでは頭が回らなかったか──いや。
「怪異とはこういうモノ、であるか」
 呟いたローガンは慈悲を帯びた一撃を食らわせる。その直後、敵の懐へ突っ込む影があった。
「この間合い──取った!」
 スカルは手元の自動式拳銃を力任せに影へ叩きつけ、次いでそのまま撃ち抜く。手元に負荷がかかるが、泣き言は言っていられない。だってスカルはダークヒーローなのだから。
「さあ、眠りなさい」
 ライの弾丸は影を貫き、その存在を消し去る。しかし油断禁物と警戒を解かぬままライは次の標的へ銃口を向けた。
 傷つきながらも怪異へ反撃し、翻弄し、倒していくイレギュラーズたち。彩里は彼らに交じって戦いながらその戦いぶりを瞳に焼き付ける。

(まだ)
 自身に甘さがある事を知っている。
(敵わない)
 彼らにも、怪異にも届かないことを知っている。
(けれど、いつか)
 彼らを助ける立場になりたいと、心に刻んで。

 彩里はイレギュラーズと共に最後の1体掃討へ臨んだのだった。



 静かになった公園に、一同は張り詰めていた糸が緩んだのを感じた。
「隣人がいつの間にか化け物にすり替わっていた、か……」
 ぞっとしないな、とスカルが呟く。その傍らで彩里がへたり込んだ。周りはぎょっとそちらを見たが、彩里本人も「あ、あれ?」と困惑しながら立ち上がろうとする。
「腰が抜けたか。全く無茶をする風紀委員だ」
「でも……助けられました」
 汰磨羈の言葉にぎこちなくも微笑みを見せる彩里。その姿に風牙は思わず大きな声を上げた。
「あー! 思い出した!」
「思い出した……?」
 首を傾げるライ。しかし風牙には彩里しか見えていないようで、彼は彼女と視線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「以前もこんな風に、ちっちゃい子庇ってたよなあお前」
「え、あ、え? 覚えて、」
「今思い出した! ほんと、怖いだろうによく頑張ったよな」
 大したもんだ、と風牙は彩里の頭をぽんぽんと撫でる。じわりと目元が熱くなった彩里は思わず俯いた。誤魔化すように1人じゃどうしようもなかったと告げる彩里に、しかし風牙はからりと笑みを浮かべる。
「でも前と比べて成長したんじゃないか? いずれ、肩を並べて戦う時も来るかもな」
「……! その時は、ぜひ!」
 ぱっと顔を上げた彩里にもちろんと風牙は笑う。汰磨羈はそんな彼女にふっと笑みを浮かべると、頑張ったご褒美というようにご飯の誘い──彼女の奢りである──をして。その傍ら、イルミナは先ほどまで影が居た場所を振り返った。
(既に、どれだけの影が人間社会に紛れ込んでいるのでしょうか)
 先ほどは6体倒した。けれど果たして、これで全てなのだろうか。イルミナはそう思えない。息をひそめてまだどこかにいるのではないか──そんな一抹の不安を、どうしようもなく感じていた。
 ライもまた意識を集中させ、自らへ敵疑心を持つモノを探知する。今のところ引っかかる気配はないが、それはライに気付いていないだけかもしれない。気付いたならば途端に牙を剥くかもしれないし、逆に息をひそめて隠れるかもしれない。
(少なくとも街からでるまでは、警戒を解かない方が良さそうです)
 ライは知っている。目の前の敵を一掃し──油断して警戒を解いた奴から死んでいくのだ。

成否

成功

MVP

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式

状態異常

ローガン・ジョージ・アリス(p3p005181)[重傷]
鉄腕アリス
ルティエラ アレクシア(p3p007664)[重傷]

あとがき

 お疲れさまでした、イレギュラーズ。
 彼女はきっと将来、皆様を助ける存在になるのでしょう。どうか皆様が彼女の目標であり、憧れで在り続けられますように。

 またのご縁をお待ちしております。

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