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シナリオ詳細

再現性東京2010:Fxxk'n Beeeeer!!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●こんばんは! 私、汰磨羈(p3p002831)! こっちは半月経たずにお給金を酒代で使い果たしたヴァレーリヤ(p3p001837)。
「こんなファッキンホットな中で働きたくありませんわ! 私、不労所得でお酒飲みたい!」
「ええい、来るのだヴァリューシャ! 汗水垂らして働いた後のビールは美味いぞ!」
 ローレット前、夜半。
 汰磨羈とヴァレーリヤは入り口前で綱引きを始めていた。月半ばっていうかまだ上旬終わったばっかなのに何起きてるんです?
 もうこの鉄騎種、アルハラダンジョンに放り込んできた方がいいのでは? 奥で見ていた情報屋は訝しんだ。
「ヴァリューシャ?! この間私の領地からお酒を送ったばかりじゃないか!」
「朝餉にやっと足りたくらいでしたわ!!」
 マリア・レイシス (p3p006685)の問いに即座に返すヴァレーリヤ。自慢げに言っていい話じゃねえんだよなぁ。
「諦めるでありますマリア。ヴィーシャは酒の話になると知性が3歳児くらいまで落ちるのでありますよ」
「駆けつけ3倍とか強要した分自腹切ったり二日酔いのままアークモンスターぶん殴りに行ったり複製肉腫相手に酒ぶっかけてメイスで殴ろうとしたりしたからお金使い切ったんだね? わかるよ」
 エッダ・フロールリジ (p3p006270)とフニクリ=フニクラ (p3p000270)はマリアのようにヴァレーリヤを盲信していないので、事実を陳列して彼女のだめっぷりを懇々と説明する。なお、マリア・ヴァリューシャダイスキ・レイシスにはそんな話は通用しないし、さしものそいつも肉腫相手に酒を使うことはしない。
「ヴァレーリヤのことですからねえ。不労所得なんて夢のまた夢なんだから仕事はしなきゃだめじゃない」
 ゼファー (p3p007625)は厳しい現実を突きつけ諭そうとするが、ヴァレーリヤは「嫌ったら嫌ですの!」と聞く気は無い。おい元はといえばお前だぞ原因。
「なるほど……私のクライアントで、短期のアルバイトを募集している所があるのですが、ご紹介しましょうか?」
「ヴァレーリヤさんにはお世話になってますから協力するのは吝かでもないですけど、新田さんのそれ如何わしい仕事じゃないですよね?」
「失礼な。真っ当なクライアントですよ」
 新田 寛治 (p3p005073)の提案に、シフォリィ・シリア・アルテロンド (p3p000174)が疑いの目を向けるのも無理からぬ話だが、彼の取引相手は専ら『まともな』顧客である。多分な。
「ひとまず、練達に向かいましょう。ああ、その現場にはビアガーデンもありますから仕事終わりに引っかけて帰れますよ」
「是非働かせてくださいまし!」
 寛治の提案にヴァレーリヤは二つ返事で応じた。その場にいた(マリア以外の)全員が「ちょっっっろ」って思ったけど気にしてはいけない。

●おいでよ練達のプール
「というわけで本日はこちらのプールで働いて頂くわけですけれども、水着の準備は大丈夫ですか?」
「なんか新田さんが眼鏡しか見えなくなってるように見えますが気のせいですか?」
「取り敢えず食事作ったり運んだり警備に回ったりアトラクションの手伝いしたり、色々ありますので頑張りましょうね」
「お前その姿のまま話を通すつもりか?」
 通すつもりらしいので頑張って下さい。

GMコメント

 リクエストありがとうございます。受け取ったからにはOP出して帳尻合わせるよねっていうアレです。
●再現性東京(アデプト・トーキョー)とは

 練達には、再現性東京(アデプト・トーキョー)と呼ばれる地区がある。
 主に地球、日本地域出身の旅人や、彼らに興味を抱く者たちが作り上げた、練達内に存在する、日本の都市、『東京』を模した特殊地区。
 その内部は複数のエリアに分けられ、例えば古き良き昭和をモチーフとする『1970街』、高度成長とバブルの象徴たる『1980街』、次なる時代への道を模索し続ける『2000街』などが存在している。イレギュラーズは練達首脳からの要請で再現性東京内で起きるトラブル解決を請け負う事になった。

●達成条件
 練達内プール施設にて一日サボらず働く

●失敗条件(まあまず起きない)
 半数以上が2回以上のサボり判定でレッドカード退場

●練達・プール施設(再現性東京2010街内)
 ドーム内のプール施設で、寛治の手引きで仕事をさせてもらえることになった。なおいつも人手不足なので助かるらしい。
 多機能施設で、温水プール、食事施設はもちろんのこと銭湯施設も完備。
 プレイングで「ここでこう働く」といえば大抵ある。最低限、「プールの警備」は1人ほしいところ。他は自由。
 大半が旅人(≒イレギュラーズ)であるので、対処は何かと手間なので気をつけよう。

●サボり判定
 大体ゆるい判定ではあるが、あまりにアレだと突き出されてビアガーデン行けないから我慢しようなそこの赤髪の神職。

●ビアガーデン
 施設内の打上げ用。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 再現性東京2010:Fxxk'n Beeeeer!!完了
  • GM名ふみの
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年08月30日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
フニクリ=フニクラ(p3p000270)
歪んだ杓子定規
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
ゼファー(p3p007625)
祝福の風

リプレイ

●暗雲
「人選を間違えたか……?」
 『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)は、屋内プールに居並ぶ仲間達を見て、顔を青ざめた。
 ガワは抜群にいいのだ。何せ彼が集めた(偶然集まった)面々だし。ただ、この依頼に関しては最高にミスった系の人選であることは否定できない。
「はーやれやれ。この女にこんな仕事、任せておけばどうなるか知れたものであります」
「ちょっと何ですのエッダ! 私を見ながら問題あるようなことを言わないでくださいまし! 私は仕事をこなしますわよ!」
 『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)はいつも通り『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)を煽り倒しているし、ヴァレーリヤとて今し方「では私は監視ですわね!」と意気揚々と歩き出したところを寛治に留められたばかりだ。
 エッダはその貧s、じゃなかったスレンダーな体躯にフリルの水着が可愛らしく、ヴァレーリヤも控え目な肢体に艶やかさを感じさせる黒ビキニが素晴らしい。黙ってりゃなあ……。
「同じ鉄騎種だからってあのシスターとか騎士(メイド)とかと同類に括られるのは納得がいかねぇー……」
「貴女が一番心配でしてよ?」
「自分も、コイツを放っておいたらどんな風評被害をもたらすか分からないので放置はちょっと御免であります」
 『呑ませる』フニクリ=フニクラ(p3p000270)の言葉に異口同音に反論を向けた2人だが、まあこれは正しいのではなかろうか。っていうか不穏な称号付けてきやがって。
 なおその水着は全身タイツに近しい中世水着である。性別不明だしいいんじゃないかな。
「なぁに、苦労が三倍に増えただけだ。なら、三倍働けばいいだけの話!」
 『流麗花月』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)の教科書にでも載りそうなヤケッパチぶりは最早芸術的ですらあった。
 残念ながら3人分+自分なので4倍であるという事実を彼女は受け止め切れていないのだが、そこは敢えて突っ込むと発狂しそうなので察している寛治は口にしていない。
「皆がさぼらないよう監督役を務めることになった! 皆真面目に働いてくれるさ! 私は信じる!」
「……あいつらを信じられるマリアは強い子だな」
「ふふふ、もっと褒めてくれても構わないのだよ!」
 『雷光・紫電一閃』マリア・レイシス(p3p006685)は汰磨羈の言葉が哀れみと呆れに満ち満ちたものであることに気付いていない。気付かない方が本人の為かもしれないが、まあそれは仕方ない。なお汰磨羈の水着はどこか神々しさを交えつつ下が褌っぽい扇情的なデザインで、マリアは(飽く迄想像にお任せするが)セパレートタイプの水着の上に1枚、シャツを羽織った活動的なスタイルである。と思う。
「夏だ! プールだ! バカンスだ! ……とはいかないのがお仕事の悲しいところよねぇ」
「……皆さんで頑張ってお手伝いしmあのこの人選なんか間違ってませんか!? まともに働けるか心配な人が沢山いるんですが!」
「手持ちのカードで勝負しなきゃならないのが人間ですから、諦めなさいな」
 『never miss you』ゼファー(p3p007625)はアシンメトリーのトップにきわどい布地のボトムという魅惑的なビキニ姿、『朝を呼ぶ剱』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)はシンプルな白のビキニだが本人の性質か、非常に魅力的な雰囲気を醸し出している。
「ところで、どう働くかはこっちの裁量で決めていいらしいね」
「そうですが……何処に向かうおつもりで……?」
 フニクリの意味深な問いに、寛治は流石に訝しむ。彼女を好きにさせたらろくな事にならないのでは? と。
 そして、その懸念が現実化したのは、寛治がフニクリを止め損ねて数分後のことだった。

●ワンナウト3/8
「仕方ないからこの施設のオーナーを一日引き受けてあげますか!」
 フニクリは管理室に向かおうとして警備に叩き出された。業務開始時間前なのでギリギリセーフであったが、既にやる気が底を打っているこいつに何をやらせればいいのだろう。
「おらー、早くお酒持ってきなさい! 貴方達の働きぶり、この目で監督して差し上げますわー!」
 ヴァレーリヤは現場監視を大義名分にして酒場に乗り込み、思うさま飲み干そうとしていた。寛治が何を思ってか『エッダとヴァレーリヤでサボらなかった方にボトルを』という約束をしたらしく、エッダが『このビールサーバーは誰でも飲み放題』であると焚き付けたのである。まあ、罠と分かっていても引っかかるのがヴァレーリヤである。
 なお彼女も業務開始時間前なので以下略。ガバガバじゃねえか。
「……よりサボらなかった方にボトルということは。つまり相手を陥れろということでありましょう? バカにしないで欲しいでありますな。味方を売るなど誉れ無き行いであります」
 なおエッダに真面目に仕事を、という回路は備わってないらしい。

 さておき。
「プールの監視は任されたわ! そこのナンパ男! 女性が嫌がってるのだから介抱してお上げなさい!」
 ゼファーはプール監視員として女性にコナをかける男性を見つけてはちぎっては投げし、女性達の貞操を守りにいく。女性の同意の有無は彼方に投げ捨てた。
「はぁい、其処のお姉さん! 今日はお友達と一緒に御愉しみかしら! 是非ともお友達も私に紹介して欲しいわ!」
 挨拶代わりに交友関係を持ちアポを取り付けそれなり好感度を上げて去って行くその挙動は、もうプロのナンパ師ってこっちなんじゃねと思うレベル。
 男性を弾き女性にコナをかけその美貌であらぬ方向に誘い混む姿。蟻地獄とは身近にあるものなのだなあ。
「ゼファー君!? ナンパと関節技はどうかと思うんだ! でも一生懸命だしかっこいいなぁ……ヨシ!」
「あら、ありがとうマリア。……判断基準そこでいいのかしら」
 そこに笛を鳴らしながら現れたマリアは、ゼファーの働きぶりに疑問符を浮かべつつ、佳いということにした。ゼファーはマリアの判断能力に疑問を持ったが、本人がいいといえばいいらしい。
 くっそガバい。
「そういえば寛治は何やってるのかしら。あっちも監視よね?」
 ここぞとばかりに商品の品定めに移りそうなファンドマネージャーが、ただの監視で終わるわけが無い。無いが……監視椅子にのっているのは見事に眼鏡だけだ。
「あれは新田君だ! 眼鏡しか見えない! でも流石だ! 真面目にお仕事をしている! 視線が女性にばかり向いている(感じがする)のはこの際目を瞑ろう!」
「この『自分を保護者だと思い込んでる軍人猫』は……」
 寛治の方をいぶかしげにみたゼファーと裏腹に、マリアは違和感を即座に切り捨てて何事も無かったかのように去って行った。
「ゼファーさんは、こう、なんだあのおっぱいのついたイケメン(17)。セクシーなれど格好良い。この両立は芸術点高い。
 マリアさんの水着は初々しくていいですね。だんだん慣れて開放的になっていく、その過程こそ味わい深い……監視はいいですね。視力もギフトもこのためにあったのです」
 寛治は真面目にプール監視をしていた。本当だ。
 彼の視力を持ってすれば違反者を見つけるのもすぐだし、仲間達の働きぶりも一目瞭然だ。ギフトと視力がこんな形で役に立つとは。そして仲間の水着が役に立つとは。
「シフォリィさんの白ビキニは、素材の活かし方を判っているチョイスですね。彼氏太郎君が居ないうちに拝んでおこう……」
「それにしてもおかしいですね、妙な視線を感じるような……」
 彼氏太郎ことクロ何とかフユ何とかさんが不在のなか、シフォリィは謎の視線を受けながらインストラクターの仕事に回っていた。
 プール施設なので子供や水泳に不慣れな大人、準備運動を怠る者達が続出する中、その相手をするのに適任なのである。
「私の動きに合わせてくださいね!」
 激しい運動ですら白ビキニで熟す彼女の姿に、周囲の野郎共は大変困った事態になっていた。なお本人はそんなことをつゆ知らず激しさを増す指導のなかでアーーーーッと首筋の紐が緩んだが危険なゾーン到達前にナイスキャッチ! 寛治は捉えた!
「シフォリィ君はどこで見てもすごいね……というか男性に見られ過ぎだよ!? 気をつけてね! ヨシ!!」
「そんなに見られていたんですか!?」
 マリアの言葉に目を丸くしたシフォリィだが、競泳水着のサイズが合わない。このままビキニでエンジョイロマンス! これはガンブレードが飛んできますね。
「うーい、カツカレーいっちょーでありまーす」
 カウンターで呼び出し番号を引き取ってカツカレーを渡したエッダは、サボりそうな2人を(自分を棚に上げて)観察していた。これで告発できれば自分がボトルを独り占めだ。味方を売らない徒は一体?
 そして、そんなエッダの視界にはドリンクサーバー。そう、ドリンクの提供もカウンター業務だ。
「……一杯だけなら誤差かもしれない」
 誤差では済まないからアウトなんですけどね、普通は。
「エッダ君……どうして……。どう見てもガバガバ飲んでいる。なぜ? 私には分からない!」
「うぃー、これは検品ですよ検品。お客様に不味いものは出せないであります」
「う、うん、そうなると頑張ってるし……エッダ君、お疲れ様! ヨシ!」
 全く以てヨシじゃないが。
「いらっしゃいませ、こちらのお席へどうぞ!」
 で、問題のヴァレーリヤは案外マトモに仕事をしていた。席の案内から呼びだしからバッシングからてきぱきと汰磨羈ともども動くその機敏さは酒さえ抜けていればマトモなんだなあと思わせる。これはマリアもニッコリ……だったらどれほどよかっただろう。
「サボっておらんかったようだな、ヴァリューシャ」
「失礼ですわね、私が一度でもサボろうとした事がありまして? ほら、賄いですわよ」
 釘を刺した汰磨羈を前に、ヴァレーリヤは胸を張って応じた。汰磨羈に比べれば随分と慎ましいそれを。
「サボりは言語道断だが、つまみ食いとかしてないよな?」
「してまへんはよ」
「……目を見て話そうか」
 もっちゃりもっちゃりと咀嚼音を響かせる相手の顔を押さえつけ、汰磨羈は問いただそうとした。しかし。
「ヴァリューシャ! 頑張ってるね!うんうん! えらい! ん? ……うん!」
「マリア! 其奴をなんとかせねば依頼がパアになるぞ?!」
「汰磨羈君はいっぱい働いて偉いね! でもちょっと厳しすぎやしないかい?」
 すかさず監視に現れたマリアがヴァレーリヤの口元を見なかったことにして拭ってさあ無罪と言わんばかりだ。大丈夫だよ、と宥められる汰磨羈は「私が悪いのか……?」と悩み出す。
「はーい、タピオカミルクティーおひとつー。あ、お客さん知ってる? タピオカってね、オオタピオカっていう大型両生類の卵を」
「そこで何の話をしているんだ、フニクリ・フニクラ通称フニフニ! そんなベッタベタなタピオカネタで御客様を困らせるな。普段の御主なら、もっとキレのある胡乱な話が……ではなく。ああ、申し訳ありません御客様」
 だがフニクリのザマを見ればどっちが間違っているのか一目瞭然「タピオカは両生類の卵? ……。まぁヨシ!」「ヨシじゃないが! 3人共掃除場行きだ!」
 というわけで、フニクリ、ヴァレーリヤ、エッダ(ID順)の3人は掃除の裏方行きに。ガバいマリア共々、4人がイエローカード1枚持ちという崖っぷちに立たされた。

●見てろ逆転ホームラン! 希望のビールにスタンバイ!
「汰磨羈さん除いて全滅? なぜですか。急な要請なので着替える暇もなく仕方なく水着の上にエプロンをつけて働きますよ!」
「シフォリィ、御主の心根は『漢』じゃな……」
「私は女ですよ!? え、働いてる場面の写真?」
 急遽支援に回ったシフォリィは水着エプロン姿でてきぱきと働いていく。「頭の後ろで腕くみ? 今度はエプロン外して前かがみに? あの、これ本当に働いている所の写真ですよね?」そうだよ報告書の添付資料だよホラ目線こっち向けて。
「ここは浮かれた奴らの坩堝か?? 混沌のプールだからって混沌とする必要ある?? っていうか貴方達バカンスの過ごし方がなっちゃいねぇわそこに直れ」
 その頃、ゼファーは割と真面目に監視業務として客に説教かましていた。それって監視業務か? という疑問はさておき、やらかしまくっている客達はゼファーの説教の前に正座。懇々と説教を続ける姿は、背後に修羅が見えたという。

「サボってないんですけど。ちょっとお客さんと世間話しただけだよだから私は悪く……ちょっと、引っ張らないで。私は悪くないって、話を、話せば分かるから!」
「暑い……どうしてこんなことに……」
「なんで自分が掃除なんかしなきゃならんのでありますか。それもこれもヴィーシャのせいであります」
 フニクリは潔白を訴えたが敢えなく、エッダとヴァレーリヤは半ば現行犯で掃除送りにされていた。
 全員が全員、己の処遇に不満のようだが自業自得の4文字以上の感想は当然、出てこない。
「あら、椅子に何か……このお酒、栓が空いていませんわ!」
「……まあそれはそれとしてその瓶の処理は自分にお任せを。もし火炎瓶とかであれば耐久性のある自分の方が適任であります。感謝はいらないであります。貴女だけは……絶対に守りたいのだから!」
「待ちなさいエッダ。爆弾が仕込まれていないと誰が保証できますの? もしかしたら届けた先で爆発するかも知れない。そして、こうしている間にも危険なテロリストが暗躍しているかも知れなくてよ!」
「だから! そのボトルを離せ!!」
「放しなさい!これはもう私のお酒でしてよ!!」
「あんな中身の殆どなくなった瓶を取り合って……はー、酒クズの浅ましきことよ」
 ヴァレーリヤとエッダは、降って湧いたように転がっていた酒瓶の処遇について論争を交わしていた。最初の会話だけ抜き取れば周囲も業務熱心な掃除担当者だと思っただろう。
 が、その後の諍いはもう完璧にクズの所業だ。
「誰か至急応援を寄越すであります!! この女が!! 仕事をサボって自分の酒を横取りしようと!!」
「誰か、誰か来て頂戴! この女が! お仕事をサボって、私が飲もうとしたお酒を!!」
「はーい、今のとこエッダのほうが優勢だよー。押さないでー、まだ賭けは受け付けてるよー。ヴァレーリヤ大穴だよー」
 そして醜い争いついでに周囲を呼び寄せ、さらにはフニクリが胴元を務める始末。
「――や は り か 御 主 等 ッ ! !」
 当然、ギフトで監視していた汰磨羈が駆けつけたが衆人環視のなかでのコントである。擁護が一切無い。
 なお、汰磨羈のお説教中にそこにいた4人は揃って微ポロを果たしたので見ていたな寛治。ちゃんと見たな。経緯は任せたからな。

●顛末
「結果発表~~~~!」
 寛治は効果音を流しながらビアガーデンでビール片手に乾杯のスタンバイ。やたら豪華なメニューに未成年のゼファーも大満足だ。
「フニクリさん、ヴァレーリヤさん、エッダさんはレッドカード! マリアさんイエローカード1枚! 閉廷! 乾杯!!」
「ああ、疲れた体にビールが沁みる……」
「食事の後にシャワーもお借りしたいですね……」
 掃除に向かった3人は、乾杯する面々の脇でつるし上げに遭っていた。「どうして……」「自業自得ですからね」とはマリアとゼファーのやりとりである。
「あの二人! アイツラが争い始めなければ私はあんな事は!」
「まだ自分は諦めてないでありますよ……ほらヴィーシャ、もっと揺するでありますよ!」
「約束は約束でしょう! ビジネスマンが契約を保護にしても良いんですの!?」
「共倒れには規定を設けておりませんのでアウトです」
 三者三様の態度だが、寛治は甘くないのであった。
 なお、その後マリアが3人の口に酔った勢いでクソ強い酒を流し込み、汰磨羈のささやかな気遣いを反故にしたことも加えておきたい。

成否

成功

MVP

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女

状態異常

なし

あとがき

 よくこれで失敗にならなかったな?
 やはり人選は正解だったのでは……?(おかしな目つき

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