シナリオ詳細
1680万色に輝く深緑
オープニング
●蒼い空の下で
そのモンスターが迷宮遺跡の外に現れてから、遺跡周辺の村落は混乱の極みにあった。
何しろ、木々も大地も人々も、様々なパターンで色を変化させ続けながら、1680万色に輝いているのだ。
「ああ、何でこんなことに……」
無数の葉による緑色と樹皮の茶色が静かな美しさを醸し出していた森林は、騒々しいゲーミングカラーに変えられてしまった。あまりの光景に、やはり1680万色に輝く幻想種の長老はがっくりと膝を突き悲嘆に暮れる。
そして、何もかもがゲーミングカラーに変えられたことによって、幻想種達の生活には深刻な実害も発生していた。いくらそれぞれによって発光パターンが違うとは言え、全てが似たような色で輝くため、物の見分けが付かなくなり他人や木々などと衝突してしまったり窪地や川などに落下してしまったりなどの被害が発生するようになってしまったのだ。
「早く……早く奴を倒さないと、この国は大変なことになってしまう……!」
1680万色に輝く幻想種の青年が、きっと顔をその元凶に向ける。
その視線の先には、やはり1680万色に輝くモンスターがいた。周囲の光景が周囲の光景であるだけに一見わかりづらいが、よく見れば球形の身体に無数の触手のような腕、そしてその中心には巨大な単眼がある。単眼の中では瞳が1680万色に色を変えつつぐりんぐりんと時計回りに動き回るものだから、気持ち悪くなりそうなことこの上なかった。
周囲一帯を1680万色に輝かせたモンスターは、まだ色を変えていない場所へと浮遊しながら進んでいくと、単眼から1680万色に輝く極太のビームを放つ。ビームを浴びた一帯は、元の緑と茶色の静謐な光景から、1680万色に輝くゲーミングカラーへと変えられてしまった。
――空だけがただ、その蒼さを保っていた。
●深緑のゲーミング化を止めろ
「……深緑が、1680万色に輝くゲーミングカラーに変えられつつあります。
今はまだ迷宮遺跡の周辺だけですが、放っておけば深緑全土をゲーミングカラーに変えてしまいかねません」
『真昼のランタン』羽田羅 勘蔵(p3n000126)が、イレギュラーズ達を前に何処か困惑したように告げた。
「……一体、何者がそんなことを?」
「迷宮遺跡の中から出てきたモンスターです。バグベアードの亜種とでも言えばいいのでしょうか。
皆さんにはこのバグベアード亜種、仮称ゲーミング・バグベアードを退治して、深緑がこれ以上ゲーミングカラーに変えられないようにして欲しいのです」
勘蔵によれば、既に周囲がゲーミングカラーに変えられている上、ゲーミング・バグベアードの光線を受けた者は1680万色に輝いてしまうため非常に戦いにくいことが予測されると言う。
「――ですが、混乱の最中にある依頼主達のためにも、混乱の拡大を阻止して事態を収束させるためにも、どうかよろしくお願いします」
深々と、勘蔵はイレギュラーズ達に向けて頭を下げた。
- 1680万色に輝く深緑完了
- GM名緑城雄山
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2020年08月15日 22時25分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●1680万色に輝く森の中で
「えっと、ゲーミング……?
この辺りの木とかみたいにちょっと目に痛いくらいピカピカ光ること、でいいのかな?」
「ゲーミングってよく分かんないけど何か光るやつだよね?
最近流行りって聞くけど本当?」
1680万色に輝く森の中を抜けながら、『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)と『満月の緋狐』ヴォルペ(p3p007135)はそれぞれ疑問を口にした。まぁ、このシナリオを用意したGM自身が「何か無数に色を変えながら光る」くらいしか把握してないので、そのくらいの理解で良いんじゃないかと思われる。
ちなみに、流行かどうかはともかくとして、周囲をゲーミング化させるモンスターは天義に出現したゲーミング・カカポ、豊穣に出現したゲーミング天狗に続き、これが三例目だ。
「光輝くくらいならあんまり害がなさそうに思うんだけど、やっぱ退治必須なの?」
「こんなにピカピカ光るのを放っておいたら、大変なことになりそうだもん。早くやっつけないと」
わざわざ退治する必要があるのかと首を捻るヴォルペに、焔が答える。実際、1680万色に輝くのは目が痛いと言うのはまだいいとして、物の見分けがほとんど付かなくなるというのは割と洒落にならなかった。既に軽易な事故は少なからず起こっているし、あとは大事故が起きるか事故を恐れて人々の活動が止まるかだ。
「そうね、こんなにピカピカ光る森なんてあんまりだしさっさと止めるわ。
それにしても、何でそんなに光らせようとするのかしら……いや、考えても仕方がないわね」
『木漏れ日妖精』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)が、焔に同調する。そしてオデットはその動機を考えたのだが、すぐに考えるのを止めた。まぁ、それが正解であろう。
「……なーして、こんな輝いてんだろうね」
混沌に来て三ヶ月の新米イレギュラーズである『砲使い』三國・誠司(p3p008563)は、呆然としながら大筒を担いでいる。と言うか、レベルが三十を超えているのを新米と言っていいのかは疑問が残るところである。
「えぇい、目がチカチカする! 破滅的に視界が爛れるだろうが!」
一方、普段の冷淡さとは打って変わってこの状況にキレかかっているのは、『破滅を滅ぼす者』R.R.(p3p000021)だ。うん、その気持ちは良くわかる。
「ゲーミングな状況はもう経験済っす」
かつてゲーミング天狗の相手をしたことのある、『ゲーミング』ジル・チタニイット(p3p000943)はその経験からか余裕を感じさせたのだが……。
「少しは目が慣れ……てないっす!眩しいっす!」
ダメだった。眩しいものは眩しいのだ。つか、こんな状況を慣れるぐらい見ていたら、目が潰れるのが先のような気がする。
『森羅万象爆裂魔人』レナ・フォルトゥス(p3p001242)も、あまりのまぶしさに辟易しているようだった。
●遭遇! ゲーミング・バグベアード
ゲーミング化された森の中を進んでいくイレギュラーズ達は、ついにこの事態の元凶であり討伐目標、ゲーミング・バグベアードと遭遇した。ゲーミング・バグベアードは1680万色に輝いていないイレギュラーズ達を発見すると、ぐりんぐりんと1680万色に輝く瞳を円を描くように動かしながら接近してくる。
「あぁ……この深緑にもついに約1680万色(正確には16777216色)に輝く敵が現れたのね……」
森が1680万色に輝いている時点でわかっていることではあったが、実際にその姿を目にしたことで、『緑雷の魔女』アルメリア・イーグルトン(p3p006810)はその事実を改めて認識させられ、嘆息した。
「……ていうか眩しっ! 何よコイツ意味わかんない!」
モンスター相手に意味など考えても、仕方のない話であった。ただ、周囲を1680万色に輝かせるモンスターがいるという事実があるだけである。ドントスィンク、アクセプト(考えるな、受け容れろ)。
ゲーミング・バグベアードとの戦端は開かれた。最初に動いたのは、オデットだ。
「あーもー! ピカピカ鬱陶しいわね!」
地面から生えた土塊の拳が、下からゲーミング・バグベアードをゴッ! と殴る。地面は1680万色に光っているのだが、ゲーミング・バグベアードを殴りつけた拳は土の茶色をしていた。
「くそっ、見辛い……」
遠距離狙撃が本領であるR.R.は、1680万色に輝く木々の隙間からゲーミング・バグベアードの目の白い部分を狙い、魔弾を放つ。魔弾はゲーミング・バグベアードの身体に命中はしたものの、安定して命中させるのは厳しそうに感じられた。
「さあ、おにーさんと遊ぼうか!」
ヴォルペが、ゲーミング・バグベアードの注意を自身へと引き付けにかかる……が、ゲーミング・バグベアードは特にヴォルぺを注視するようなそぶりは見せない。
アルメリアは絶対的な冷気を放ってゲーミング・バグベアードを凍てつかせんとするが、ゲーミング・バグベアードは紙一重で回避した。
闘気を炎と化して、焔はゲーミング・バグベアードに猛攻を駆ける。闘気の炎に包まれた『カグツチ天火』が、ゲーミング・バグベアードを貫いてその肉を焦がす。ただ、炎を燃え移らせるまでには至らなかった。
「色々、光量とか頂くっすよ!」
ジルの放った羽根が、ゲーミング・バグベアードに突き刺さると霧散していく。ゲーミング・バグベアードの1680万色の輝きは衰えずわかりにくくはあるが、確実にダメージは入っていた。
ドォン! 誠司の『御國式大筒【星堕】』が火を噴き、砲弾がゲーミング・バグベアードの目に命中する。流石に痛いのか、ゲーミング・バグベアードは瞼を何度も開閉させてまばたいた。
ゲーミング・バグベアードは反撃とばかりに、誠司を中心にジル、ヴォルぺを巻き込んで1680万色に輝く光線を放つが、誰も1680万色に染められることはなかった。
●崩れ始めた拮抗
ゲーミング・バグベアードとの戦闘は、序盤のうちは大きくは動かなかった。1680万色に輝く木々に遮られてか、イレギュラーズ達の攻撃はしばしば外れた。また、攻撃が当たったとしてもゲーミング・バグベアードの外皮は硬く、攻撃の威力に対して与えられたダメージは多くはなかった。
一方のゲーミング・バグベアードも、ヴォルぺ、誠司、ジルを巻き込んで光線を放つものの、立て続けに外してしまいイレギュラーズにダメージを与えられないと言う展開が続いた。
だが、それも少しずつ動き始める。遠距離からでは攻撃の命中率が悪いと判断したR.R.とオデットがゲーミング・バグベアードとの距離を詰め、より確実に攻撃を当ててダメージの蓄積を加速する。
ゲーミング・バグベアードの注意を引くのに成功したヴォルペはレジストクラッシュでの攻撃に移り、焔はゲーミング・バグベアードに炎を燃え移らせると外皮の硬さを何ともしない紅蓮桜によってゲーミング・バグベアードを内側から灼いていく。ジルと誠司は、羽根と砲撃で着実にゲーミング・バグベアードの生命力を削り続けていた。
戦況がイレギュラーズ達に傾きだしたのは、アルメリアがゲーミング・バグベアードを凍てつかせ、その動きを鈍らせたのも大きい。その差によって命中したイレギュラーズ達の攻撃、また、回避されたゲーミング・バグベアードの攻撃は少なくなかった。
ゲーミング・バグベアードが再度ヴォルぺを狙い、射角を調整しながら誠司を巻き込んで1680万色の光線を放った。
イレギュラーズ達はまとめてゲーミング・バグベアードの範囲攻撃を受けることの無いようソーシャル・ディスタンスを心がけていたのだが、ゲーミング・バグベアードにまともに攻撃を命中させようと思えば眼球の白い部分が見える正面付近から戦わざるを得ない以上、距離を取るにしても限界があった。
ヴォルペは回避したものの、誠司が『御國式大筒【星堕】』を盾にしながらも避けきれず、大砲共々1680万色に輝いた。
「What is this?」
1680万色に輝く誠司は、同じく1680万色に輝く『ゲーミング・御國式大筒【星堕】』が何かをゲーミング・バグベアードに尋ねる。
「……」
だが、答えは得られなかった。「tntn」と答えてきたら不正解として「御国式サイクロンジェットアームストロング絡繰御国大筒」と突っ込んでやろうと考えていたゲーミング・誠司は、肩すかしを食らったような気分になった。
天義に出現したゲーミング・カカポならこのノリは通じただろう。だが、ゲーミング・バグベアードのノリはゲーミング・カカポとは違うのだ。
「君は大きい方がいい同志じゃないのか?」
ついでに誠司は、ぐりんぐりんと上半身で円を描く。だが、その円はゲーミング・バグベアードとは波長が合わなかった。何故なら、ゲーミング・バグベアードは貧乳派だったのだ。
ゾクリ、と1680万色に輝く誠司は殺気を感じた。殺気の元は、豊穣の神社で大声で胸が大きくなるよう神頼みして、八百万の注目を集めたことのある焔だった。と言うか、大きい胸が良ければそこに巨乳でむっつりスケベのハーモニアお姉さんがいるではないか。ちなみに、GMとしては大事なのは大きさではなく感d――。
「もうちょっと真面目に戦闘するっすよ!」
パーティーアタックが始まりかねない雰囲気を振り払うかのように、ジルが叫びながらゲーミング・誠司の傷を癒やす。完全にとは行かないが、ゲーミング・誠司の傷はある程度は癒えた。
(おにーさんもあんな風に全身が光るのかな!
もしかして、光輝いて見えないくらいになるのなら脱いでも分からないのでは!)
そんなわくわくを隠しきれない様子で、ヴォルペはレジストクラッシュでゲーミング・バグベアードを叩く。確かに脱いでもわからないけど、脱ぐなよ! 絶対脱ぐなよ!
「何やってるのよ、もう!」
ゲーミング・誠司に呆れながらも、畳みかけるようにオデットが生やした土塊の拳がゲーミング・バグベアードを下から殴りつけると同時に、焔が『カグツチ天火』をゲーミング・バグベアードの身体に八つ当たりじみた殺気を交えながら突き立て、内側から燃やして爆ぜさせる。
「…………」
ジルにツッコミの先を越されたR.R.は、自ら内包する滅びを灰色のオーラに変えて、ゲーミング・バグベアードに放ち命中させる。命中した部位が、ドロドロと爛れていった。
(――やっぱり、男子は大きい方がいいのね)
ムッツリ故に――あと、迂闊に口に出すと胸囲格差からパーティーアタックを招きかねないという状況からも――口には出さないものの、ちょっとした喜びを感じながらアルメリアはゲーミング・バグベアードにのたうつ雷撃を放つ。雷撃は蛇のように、ゲーミング・バグベアードにまとわりついた。
「すんません、真面目に戦闘します」
ゲーミング・誠司は謝りつつ、自らが砲弾となることで体得した1680万色に輝く御国式砲術参の型 ゲーミング弾道脚(ゲーミング・ブルーコメット・TS)を放つ。と言うか、技の名前は弾道脚なのにプレイングには「その目を大筒でどつき倒す」と書いてあるんだがどっちが正しいんだコレ。ともかく、ゲーミング・誠司の一撃はゲーミング・バグベアードの目に命中した。
ゲーミング・バグベアードは今度はジルを巻き込むように移動して射角を調整し、1680万色に輝く光線を放つ。ヴォルペは防御が間に合ったものの、ジルには直撃してしまった。そして二人とも、1680万色に輝く。
●輝きが消える刻
「おにーさんも、こうなったかあ」
ゲーミング化された1680万色に輝くヴォルペは、すかさず反撃のゲーミング・レジストクラッシュをゲーミング・バグベアードに叩き込む。ゲーミング・バグベアードの生命力が弱りつつあるのか、その輝きはわずかに弱くなり、瞳の動きも少し鈍くなり始めた。
「そろそろ、終わりみたいだね!」
戦闘の終結が近いと悟った焔が、再び『カグツチ天火』をゲーミング・バグベアードに突き刺して、内側からその肉を灼いていく。またわずかにではあるが、ゲーミング・バグベアードの輝きは弱まった。変色するスピードも、少し落ちている。
「僕が眩しいっす! それとも眩しいのが僕っす?
ゲーミング・大天使の祝福って、それ大天使がゲーミングっすか!?」
深手を受けたゲーミング・ジルは、混乱しているかのように口走りつつ1680万色に輝く大天使の祝福で自身の傷を癒やす。
「この間も神気閃光がもの凄く色取り取りになってたっすけど、今回も……。
つかっているこっちがホント、眩しいっす!」
傷が多少癒えたのは良かったが、間近で1680万色に輝く大天使の祝福の光を見てしまったジルは困惑して目をしばたいた。
ゲーミング・バグベアードは最期の力を振り絞って、焔、オデット、R.R.、アルメリアを射線に捉え、1680万色の光線を放つ。光線の怒濤の勢いに、焔は辛うじて回避したものの、オデット、R.R.、アルメリアは直撃を受けてしまった。
一度地面に倒れ伏したゲーミング・R.R.だったが、パンドラを費やしてゆらりと立ち上がってくる。
「これが、俺……なるほどこれは輝ける己に生まれ変わった気分――」
普段は灰色の、地味かつ埃っぽさそうだったゲーミング・R.R.の姿は今や1680万色の輝きに満ち、あまりにも神々しくグラフィック表現能力が高そうな姿に変わっていた。その姿にゲーミング・R.R.は感極まり――。
「――なわけ無いだろ! 元に戻せド破滅がーッ!!」
……なんてことがあるはずもなく、ゲーミング・R.R.は全力でキレてツッコミを入れながら、1680万色に輝く破滅顕現を瞬時に三度放つ。一度目、二度目は外皮に阻まれて効果が薄かったものの、三度目の1680万色に輝くオーラはゲーミング・バグベアードの目へと直撃した。これがいわゆる、三度目の正直という奴であろう。
(何もかも虹色に輝いて……気持ち悪いわ……)
予め覚悟は固めていたものの、実際に自分が1680万色に輝くとなるとやはり違和感は禁じ得ない。
(――放つ魔法も虹色に輝くのかしら)
そんなことを考えつつ、ゲーミング・アルメリアはゲーミング・チェインライトニングを放った。1680万色に輝く雷撃が、ゲーミング・バグベアードに絡みついて離さない。
(これじゃ、緑雷の魔女どころか虹雷の魔女になってしまうわ……)
その様を見た1680万色に輝くアルメリアは、内心で嘆息した。
ゲーミング・誠司は再び1680万色に輝く御国式砲術参の型 ゲーミング弾道脚をゲーミング・バグベアードに命中させ、虫の息にまで追い込んだ。
「これで終わりね! ゲーミング・アースハンマー!」
ゲーミング・オデットが拳を握り、天へと高く突き上げる。同時に地面から勢いよく1680万色に輝く土塊の手が生えて、ゲーミング・バグベアードを空中へと殴り飛ばした。いわゆる、「車⚫飛び」と言う奴である。
殴り飛ばされたゲーミング・バグベアードは落下し、その上部がズシャッ! と地面に叩き付けられる。1680万色の輝きを失って黒一色となったゲーミング・バグベアードは、二度と動くことはなかった。
●戦いは終われども輝きは止まず
「よかった、これでもう森がゲーミング化する心配はなくなったね!
……ところで、倒したのに光ったままなんだけど、これっていつまでこのままなの?」
「一週間は光ったままらしいよ。
……一週間光輝くなら、依頼は行けないなあ」
ゲーミング・バグベアードを倒したにも関わらず森もゲーミング化された仲間達も光り続ける状況に、焔は疑問を口にする。1680万色に輝くヴォルペが答える。ゲーミング・ヴォルペの口調には言葉ほど困った様子はない。短い夏休みだと思い、のんびり家に引き籠る腹だ。
「これ、もしかしたら作った薬もゲーミング化するっすか……?」
1680万色に輝くジルは、不安そうにつぶやく。結論から言うと、本人の輝きが消えるまではそうなる。
「大事な設計図が……」
ゲーミング・御国式大筒図をポケットから取り出したゲーミング・誠司はがっくりと膝を地面について項垂れる。ゲーミング・御国式大筒図は1680万色に輝いてしまい、何を書いてあるか読めなくなったからだ。まぁ、一週間経つとその輝きも消えて元に戻るから待つといい。
(――あの現象、何か魔術に転用できないかしら……)
ゲーミング・アルメリアは1680万色に輝きながらそんな風に考え込んだ。「あの現象」とは、放った魔法が1680万色に輝いたことだ。実際に転用出来るかどうかは――神のみぞ知るところであろう。
「これ、帰ったらみんなになんて言われるのかしら……」
困惑した表情で、1680万色に輝く身体や翼を見回して、ゲーミング・オデットは溜息をつく。何か言われたら素直に、ゲーミング化させてくるモンスターと戦ったと言うしかないのではなかろうか。
「無垢なる混沌の各地でこんな事件が起きているのか……勘弁しろ……」
あまりの状況にツッコんだりキレたりで疲れ果てたゲーミング・R.R.は、1680万色に輝きながらパタリとその場で寝込んでしまった――。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
あとがき
ご参加、どうもありがとうございました。かくしてゲーミング・バグベアードは退治されました。一週間もすれば、ゲーミング化された森も無事に元に戻るでしょう。
今回のリプレイはギャグ分を多くしてメタも入れるという、普段の私のリプレイからは少しはっちゃけた感じで書いてみましたが、如何でしたでしょうか。お楽しみ頂けましたら、幸いです。
それでは、お疲れ様でした!
GMコメント
おお、何と言うことでしょう! 緑が美しい深緑が、1680万色に輝くゲーミングカラーに変えられようとしているとは!
――と言うわけで、どうもこんにちは、緑城雄山です。天義でのゲーミング・カカポ、豊穣でのゲーミング・天狗の流れに乗ってこんなシナリオを用意致しました。
この事態の元凶、ゲーミング・バグベアードの退治をお願いします。
●成功条件
ゲーミング・バグベアードの退治(死亡)
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
●ロケーション
迷宮遺跡周辺の森林。
木々がある上にそれらが1680万色に輝いているため、戦闘においては以下の影響があります。
・中距離以遠からの攻撃はその距離によって命中にペナルティー
・ファンブル値+αの確率で、移動にも失敗が発生
・ゲーミング化(後述)した味方への支援は半々の確率で失敗
●ゲーミング・バグベアード ✕1
今回の事態の元凶です。
OPにも記述したとおり、命中したものをゲーミングカラーに変える光線を放ちます。
巨大な単眼の瞳の周囲が白いため、正面から戦う場合に限りゲーミング・バグベアードへの攻撃にはペナルティーは発生しません。そうでない場合はゲーミング・バグベアードへの攻撃に命中ペナルティーが発生します。
命中・回避は大味ですが、光線の威力は馬鹿に出来ないほど甚大で、防御技術もそこそこあります。
1680万色に輝いていないものを1680万色に輝やかせようとします。その挙動は【怒り】に優先します。
・攻撃手段
ゲーミング・メガビーム 神/至~超/範or域or貫(射程超のみ)
【万能】【疫病】【ゲーミング】
単眼から発せられる、1680万色に輝く極太のビームです。射程と範囲を自在に使い分けます。威力は範囲については貫>範>域の順に、射程については至>近>中>遠>超の順に大きくなります。
・BS【ゲーミング】
このBSを付与された者は、身体が1680万色に輝きます。また、本人・武器・スキルの名前の頭に『ゲーミング』あるいは『1680万色に輝く』が付きます。
このBSからの回復には1週間を要し、それまでの間BSの自然回復の対象にはならず、スキルで解除することも出来ません。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています。
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