シナリオ詳細
硯ヶ淵に潜むもの
オープニング
●
『絶望の青』――現在は『静寂の青』と呼ばれるかの海の先にある新天地、カムイグラ。
問題点はいくつかあれど、今のところは恙なくイレギュラーズによる依頼遂行は行なわれている。
そんな中、カムイグラにて神使――イレギュラーズであった『鬼子母神』豪徳寺・美鬼帝(p3p008725)は新たな依頼が舞い込んでないかと見に来ていた。
「今日もいくつかあるみたいだわ……でもどれもこれももう決まってそうね」
隆々とした腕をぎゅっと抱き込むように腕組みながら、新たな仲間たちの活躍するであろう案件を眺めていたその時だった。
「あっ! ミキティママ!」
それは聞き知る義娘の声。自分への恩返しだとかで情報屋をやるといいだした可愛い義娘――沙月の声だ。
「沙月ちゃん、どうかしたの?」
「あのね! 僕、事件を見つけてきたんだよ! 良かったらどうかな?」
そう言って沙月がミキティに渡したのは纏められた羊皮紙の束。
「じゃあ、これのために一緒に仲間を見つけてみましょ」
にこにこ笑う少女に微笑みながら、ミキティはその依頼をひとまずコルクボードに張り付けた。
●
さて、それから数日後の事である。
ローレットにはミキティを含む数人のイレギュラーズの姿があった。
「僕は豪徳寺沙月! ミキティママへの恩返しの為にも情報屋として協力するからよろしくね、神使様方!」
集まったイレギュラーズ達の中央、沙月は見知らぬイレギュラーズもいることを確認してそういうと、資料を卓上に広げる。
「高天京を出て幾つか山を越えた先に、硯ヶ淵っていう池? みたいなのがあるみたいなんだ。
そこは普段は綺麗なんだけど、ある時、不意に硯で墨を摺ったみたいにくろーくなるんだって」
「そりゃまた、不思議なこともあるもんだ」
腕を組みながらふむふむと聞いていた『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)が呟けば、『幽世歩き』瑞鬼(p3p008720)も極度に白い肌に見える血の如く赤い目をすぅ、と細め。
「雲が映ったとかではなかろうの」
「うん、流石にそれだったら誰も驚かないんだけど」
ふむ、と眉を上げて問う意思を示す瑞鬼に、沙月は次の資料を示す。
「これは昔、その付近であった伝承なんだって!」
そこに描かれるのは、鬼のような頭部をして、身体が蜘蛛の姿をした人より大きな化け物の姿。
「なんでも、この付近には牛鬼っていう妖怪がいて、
その付近で対決したんだけど、最終的に池に落ちてしまったらしいんだよ。
それで、浮かんでこないからもうこれは付近ごと封印しておこうって話になったんだって!」
「では……誰かがその封印を解いたのだろうか?」
聞いていた『ドゥネーヴ領主代行』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)がふと、資料の一枚を手に取り、そうぽつりとつぶやく。
「それは分からないんだよね……誰かが封印を解いたのかもしれないし、
このお話、聞いた分にはすごい昔の話みたいだから、
単純に封印の効力が弱まっちゃったのかもしれないんだよね」
「……私達はこの池に行って牛鬼を倒せばいいんだね」
『穢翼の死神』ティア・マヤ・ラグレンの問いに、沙月は元気よくうなずいた。
「とりあえず、行ってみないと何とも言えない……そうだよね?」
『蛮族令嬢』長谷部 朋子(p3p008321)のいう通りだった。
実際にその池を見なければそれが牛鬼なのかそれ以外なのかは分からない。
「そうね。行ってみないことにはわからない」
同じように頷く『鬼賊』鬼城・桜華(p3p007211)が資料をよく読み現場を探る。
「では、早く出立すべきである。我、鬼っぽければ斬れればそれでいいぞ」
今まで押し黙っていた『虚刃流開祖』源 頼々(p3p008328)はそういうと、立ち上がる。
「では、いってらっしゃいませ! 神使様方!」
頼々に続く様に動き出したイレギュラーズの背後、沙月が元気よく手を振りながら見送っていた。
- 硯ヶ淵に潜むもの完了
- GM名春野紅葉
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2020年07月31日 22時55分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費---RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
豪徳寺 沙月――『鬼子母神』豪徳寺・美鬼帝(p3p008725)の義娘が見つけてきた依頼。
その目的地となる湿地帯にイレギュラーズがたどり着いた頃には、若干の雲と青々とした空、陽光ののびる日であった。
とはいえ、多分な水分を持つ湿地帯ではこの季節にしてはやや涼しい――ともすればじめじめしている。
「皆、今回はうちの沙月ちゃんからの依頼、受けてくれてありがとうね。
あの子のママとして感謝するわ♪」
「牛鬼……何だか強敵な予感のする相手だわね!」
そう言ってお礼を言う美鬼帝に『鬼賊』鬼城・桜華(p3p007211)はそう返しながら少しだけ考える様子を見せ。
「でもそんな相手が暴れまわって
無辜の民が傷つく事になったりしたらあたしは許せないわ。
しっかりと退治して憂いを失くしましょうね」
そう言って真剣にしめ縄の方を見る。
風化して草臥れ、千切れつつあるしめ縄の向こうからは、瘴気――あるいは妖気とでもいうべき嫌な気配が立ち込めていた。
「ほんとになんでもありだねここ!!」
異世界を出身とする『蛮族令嬢』長谷部 朋子(p3p008321)はテンションが高い。
「ド田舎にある人気のない湿地帯、風化した荒縄が張り巡らされた、大昔の妖怪が封印されていた場所……
こう聞くと如何にもなロケーションでびっくりだよね。
地球(あっち)でもコテコテすぎてなかなか聞かないシチュエーションだよ!」
向こうの世界でもかなりのフィクション案件とかち合ってたようだが、なんでもありの世界に気分のあがるJKである。
「池から腹がパンパンで蜘蛛足でうんこ座りしてそうなマヌケが出てきたと聞いたが便秘に耐えかねたのか?
いや待て、もしかして催してるところを封印された?」
別の意味でノリノリの『虚刃流開祖』源 頼々(p3p008328)は一応、まだ姿を見せぬ牛鬼に早速煽り倒していた。
『……俺を老いぼれと勘違いしている愚か者はどこのどいつだ――』
そんな声と共に、池の中央を裂いて足が姿を現し――その全容を見せ、イレギュラーズを睥睨する。
「なんとも言えない姿の敵だね」
『今更だろう。過去にも似た様な相手と戦った事があるだろう?』
バランスの悪い鬼の顔と蜘蛛の身体をしたそいつを見上げ、『穢翼の死神』ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)と神様は思わずそう呟く。
とはいえ、ティア自身はそんな昔の事を覚えてはいなかったが――
「勿論、全力を尽くすよ」
弓を構える手に力が入る。
『神様』からの返答はなかった。
「なんともまぁ不細工な鬼じゃ。そのまま寝ておればこうして倒されることもなかったというのに……」
煙管燻らせ、『幽世歩き』瑞鬼(p3p008720)はふぅ、と息を吐いた。
「ぶはははっ、こいつぁ実に腕が鳴るねぇ!」
もし本当にいるのなら、豊穣での大物相手に対するいい練習になりそうだ――そう考えていた『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)はその姿を見上げて笑う。
ゴリョウは自らの身体へと聖躰を降ろし、ズタボロのしめ縄の向こう側、牛鬼の方へと進む。
「──行くか。源、いざという時には、俺が身体を盾にして守ろう。矛としての役割、頼むぞ」
栄光の槍より変じた魔槍を投擲用に自然と持ち替えながら、『Black wolf = Acting Baron』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)は頼々の近くに立つ。
換装された青き躯体の姿を描いたゴリョウが牛鬼の眼前に降り立つと共に、頼々と牛鬼の視線を遮る。
「よぉデカブツ! 遠目ばっかり見てねぇで手前の豚も気にしてくんねぇかなぁ!」
『不遜なり、我の前に立つか獣憑き! ……いや、黒鉄……否、貴様はなんだ!?』
外見と換装した駆動大青鎧『牡丹・海戦』に困惑する牛鬼に対して、ゴリョウは笑って見せる。
マナガルムはその様子を見ながら持ち方を変えた槍をしぼるように引っ張り、投擲する。
呪いを帯びた槍は狼の遠吠えが如き音を立てて疾走する。
槍が纏う力は黒狼の如きオーラを描きながら牛鬼の足の付け根へと突き立ち、くるくるとマナガルムの下へ戻っていく。
「池の濁り具合……まさか全部貴様の糞尿? 己の排泄物で溺死寸前ってマジ?
フハハハハ! ハエ(鬼火)も集っておるな!
おい見ろ朋子!まるで未来の貴様の姿ではないか!」
引き続けて煽り倒す頼々に牛鬼の視線は釘付けだった。
「鬼鬼うるさいけど、不甲斐なかったらとっちめてあげるよ!」
ついでみたいな軽さで煽られれば、そう言い返す。良く知った仲ゆえのやり取り。その一方――
『――いい度胸だ、直ぐに殺してくれる!!』
――がっつり挑発に乗った牛鬼の視線は頼々に向かおうとして、立ちふさがるゴリョウを見下ろす。
『そこを退くがいい!!』
そういった牛鬼の身体の周囲を回る鬼火がぐるぐると円を描きながら回転し、ゴリョウとその一直線上を焼き払う。
ゴリョウはその一撃を受けつつも、その抵抗力を以て業炎を振り払う。
「ぶはははは! この程度じゃ焼き豚にもなれやしねえぞ!」
高笑いと共に、ゴリョウは改めて牛鬼の前に立ちふさがると、返すようにトンファーを叩きつけ、引き金を引いた。
銃旋棍『咸燒白面』から放たれた砲撃が牛鬼の身体に微かな傷を刻む。
「おいおい、男ばかり追うでないわ。つれぬのう」
そんな男たちの応酬を横目に、瑞鬼は溜息とともに空気中の妖気を増幅させた。
その恰もあちらとの境界をあいまいにするかのような気の変質は、牛鬼の注意をそちらに向けるに十分だった。
頼々はそんな様子を見据えて間合いと射程を調整すると、空の鞘に手を添え、薙ぎ払う。
空想の刃が時すら超えて走り、牛鬼の足の一本へと強烈な傷を刻みつけた。
「大きく吠えた割には我の下にこんではないか! とんだヘタレであるな!」
頼々の煽りを半分聞きながら、朋子は牛鬼の背後へと移動していた。
踏み込みと共に跳躍し、後ろ半身へと思いっきりネアンデルタールを叩き下ろす。
ただの振り降ろし。されど原始的かつ直線的なその単純な動作こそが最も力が出る。
隕石衝突にも匹敵せんばかりの衝撃が牛鬼の肉体を軋ませた。
「妖怪退治は豪徳寺の家業の一つ。皆の足を引っ張らない様にママも頑張っちゃうぞ♪」
間合いを整えた美鬼帝はミスティックロアで自らと神秘の親和性を高めると、信託者の杖を媒介に牛鬼目掛けて虚無のオーラを放った。
オーラは牛鬼の身体を包み込むと、瞬く間に力を失わせていく。
桜華は美しい衣装の施された銃――まるで明け方の陽光の如き輝きを放つ魔銃の引き金を引いた。
目にも止まらぬ速さで放たれた弾丸は兎のように素早く跳び、牛鬼の瞳に食い込まれる。
「私達の魔弾から逃しはしない」
ティアは弓を引き絞る。ぎりぎりと引き絞られた弦から放たれたのは不可視の矢である。
海の嵐を切り裂いたと伝わる弓、天にすら穴を穿つアーカーシャによる一撃は、牛鬼の胴部を大きく切り開く。
不可視ゆえの防御する隙さえない強大な一撃に、牛鬼の身体が揺らいだ。
●
「おおくさいくさい、ここまで悪臭が漂ってくるわ!
あまり近づいてくれるなよ牛鬼……いや肥溜め鬼だったか?」
ぶるぶると身体を震わせ激昂する牛鬼に頼々は挑発を重ねる。
『さっきからいわせておけば、そこの小僧……』
「はははは! 文句があるならこっちに来てみるがいいわ!
まぁ、貴様がそこから動けるとは思えんが!」
頼々は心実角【紫染】を鞘とし、腕を振りぬいた。“斬る”という概念を内包した呪いが向かってくる牛鬼を切り刻む。
あらゆる事物とその理を空間ごと切り捨るかの空想の刃は、切り捨てられた空間の揺り戻しと共に抉りとった。
漆黒の外套をはためかせ、堂々と立ちふさがる騎士の手に握られた槍は未だ栄光果てぬかの槍。
『ぐぅぅぅ……鬱陶しいやつらめ……まずはそこのしつこい鬼からだ!』
妖力を籠めた瞳で牛鬼が瑞鬼の方をにらみ据える。
その強力な妖力を籠められた眼光に睨まれた瑞鬼はその高い抵抗力で状態異常を防ぎ、ふぅ、とため息を吐く。
「まったく、無粋な目じゃの……」
じっとりと牛鬼を見た瑞鬼の妖力は、牛鬼を覆いつくすようにして黒い箱型の何かを形成する。
漆黒の箱は牛鬼の身体を包み込んだ。やがてその箱から姿を現した牛鬼には数多の状態異常と共にその呪いが内側からむしばんでいく。
ゴリョウは駆動大青鎧『牡丹・海戦』に自動修復機能を付与しつつ、牛鬼へと再度ブロックを仕掛けていた。
「俺の方もしっかり見てくれよ、デカブツさんよ!」
『鬱陶しい豚め……!』
ゴリョウを眼下におさめる牛鬼はその口を大きく開き、強靭な顎で食らいつく。
ゴリョウはそれを大袖のような形状になった天狼盾『天蓋』を用いて防ぎながら、そのまま顎の下に銃旋棍『咸燒白面』を叩きつけ、銃弾を撃ち込んだ。
マナガルムの瞳は、まっすぐに牛鬼を見ていた。
「動きは決して早くはない、そして、身体も巨体……遠慮なく狙わせて貰うぞ……!」
マナガルムは宣誓と共に果てなき栄光に包まれた軽槍を投擲した。
輝く戦神の加護ある槍が、獣如き音と共に空気を震わせ、裂いて炸裂する。
『がぁあっぁああ!!!』
輝く閃光に目を焼かれ、槍に足を切り裂かれた牛鬼が悲鳴を上げながら動きを止めた。
「貴様を野放しにすれば、やがては力も無き民達がその力の前に倒れ伏すだろう。
その様な事は決して俺達が許しはしない──封印が出来ぬと言うなら、この場で滅するのみ!」
戻ってきた槍を振るい、真っすぐに敵を見上げ、宣告。
黒狼の視線に合わせた牛鬼は苛立ちをその顔に浮かべた。
朋子は牛鬼の懐へと潜り込んだ。その拳には神の怒りを騙る傲慢なる雷霆を帯びる。
雷霆はやがて朋子の両手から握るこん棒へと伝達され、大槌の如き姿を見せる。
「バシッと一発で決めてあげる!」
強烈な踏み込みと同時に叩きつけられた必滅の一撃は、防御する暇も与えず牛鬼の身体の芯まで届き、揺さぶった。
猛烈な振動に牛鬼が血を吐き、ばちゃばちゃと瘴気と共に地上に落ちる。
『ごふ、ごほっ……くそ、くそが……てめえらを甘く見すぎてたようだなぁ……』
強力な連撃を受けた牛鬼の傷は深く、ほとんど勝ちは揺るがないだろう。
ぎぎりとこちらまで音が聞こえるほど奥歯をかみしめる牛鬼に対して、美鬼帝は静かに力を籠めていた。
溢れる母性が美鬼帝の身体の表層にまであふれ出す。
「さあ私のママの愛で貴方も天国に逝きなさーい!」
そのまま目をぱちんとウインクして愛の指向性を牛鬼に向ける。
掌底と共に放たれた可視化し、質量を持った『愛』を牛鬼目掛けて叩きつけた。
それは極太のレーザーのようになって牛鬼の身体を破砕し、その肉体を焼いた。
桜華はアウローラへ魔力を込めながら射角を調整するように移動していく。
移動した先で早撃ちに放たれた弾丸は一つではない。
一発目が潰れた牛鬼の片目にぶつかり、二発目はもう片方の眼に炸裂し、強烈な一撃に牛鬼が叫び声をあげる。
執念すら感じられるその連射に牛鬼が震えるその瞬間を、ティアはじっと待っていた。
ティアは己の身体に満ちる全霊の力を魔力へと変えていた。
アーカーシャへと収束する魔力はじりじりと音を立てながらやがて一本の矢へと姿を変えていく。
限界まで収束させたその矢の迫力に周辺がひり付く頃、ティアは手を離した。
ゴウと大地を割るように放たれた極大の魔力砲撃ががら空きとなった牛鬼の胴部を貫いた。
●
高い防御性能を有するタンクと、高火力のアタッカー達で形成される面々は、その連携の高さもあって牛鬼に対してほぼ常に有利に戦いを進めていた。
『あぁぁぁああぁ!!!! 死ねるかぁああああ!!』
牛鬼の断末魔の声が湿地帯に轟いた。
その直後、地面へと落ちていかんばかりの牛鬼が、ぐぐっと起き上がる。
「きたない、さすが鬼きたない……」
生への意地汚さというべきか、雄叫びを上げる。しかし、そんな意地汚さも頼々の必殺を帯びた一撃の前には無意味であった。
『おおぉぉぉぉ!!!!』
改めて崩れ落ちた牛鬼の身体が、ほどけ、瘴気となって四散した。
その肉体が完全に消滅した頃、イレギュラーズは結界の方に近づいていた。
「もう牛鬼は居なくなったとはいえ、しめ縄が壊れたままって言うのはしのびないわよね。
直せるなら直してみましょうか」
桜華はしめ縄に近づき、様子を確かめていた。
「封印という物は永続的に行える物では無いからな……
時が経ち、その物が弱くなってしまう事態は頷けよう」
そういうマナガルムもしめ縄を眺めながら真剣に視線を向ける。
他にも瑞鬼、美鬼帝といった面々はしめ縄そのものに対して興味があった。
即ち、果たして風化したからなのか――何者かによる手で切り落とされたのか。
「どこにも切込みらしきものはないし、やはり自然に風化した物かのう」
うーんと瑞鬼が擦り切れそうになっている縄を掴みあげる。
「ん~それじゃあ、誰かにやられたわけじゃなさそうね。
まぁ、何事もなさそうで良かったわ」
美鬼帝はそう言って頷いた。
雲の切れ間から、日差しが池を照らしだす。
牛鬼なきその池は美しき反射を見せていた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
あとがき
お疲れさまでしたイレギュラーズ。
比較的有名どころの妖怪な牛鬼退治ということで、NORMAL相応に、でもほんの少しばかり強めの敵を意識しておりましたが、流石イレギュラーズの皆様。お見事でした。
GMコメント
こんばんは春野紅葉です。
遅くなり申し訳ございません。
リクエストありがとうございました。
それでは、さっそく詳細をば。
●オーダー
硯ヶ淵の牛鬼討伐
●戦場
高天京からやや離れたところにあるド田舎、そこに存在する湿地帯。
件の池の周囲にはほぼ正方形の荒縄で結ばれた結界が張られています。
荒縄は風化し、くたびれ、所々千切れそうになっています。
荒縄の1辺から中心の池までの距離10m、
荒縄を結ぶ杭から杭までの1辺10mほどあります。
それ以外の湿地帯部分は広く、見晴らしも抜群です。
●敵データ
【硯ヶ淵の牛鬼】
オープニングでは不明ではありましたが、ちゃんといてくれます。
皆さんが到着した頃に池の内側から姿を現します。
体長5mの蜘蛛の身体に鬼の顔をした妖怪です。
登場時に周囲に鬼火を発生させます。
鬼火にステータスはなく、攻撃手段として使用してきます。
HP、反応、神攻、抵抗、EXFなどが高めです。
<スキル>
・鬼車:鬼火を車輪の様にして直線状に飛ばします。
神遠貫 威力中 【万能】【業炎】
・霧毒:妖力を込めた毒性の霧を放出します。
神近扇 威力小 【猛毒】【致死毒】【麻痺】
・鬼眼:妖力を込めた瞳で対象の動きを封じます。
神遠単 威力中 【万能】【呪縛】【石化】
・鬼力殺:対象に食らいつき、その気力を吸い取ります。
神近単 威力中 【AP吸収】
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
Tweet