シナリオ詳細
星の海にかける橋
オープニング
●絶望の海、希望の河
絶望の青と呼ばれた海があった。
その海を越えて行こうとして挑んだ人がいた。
だけどその多くは果たせぬまま波間に消え、夢見た大地を見ることはなかった。
「今、僕達はこうして新天地に立っている。黄泉津という島国にね。だけど絶望の青を越えられずに死んだ人達を忘れた訳じゃないし、だからこそ彼らの分も希望を持ち続けることを忘れないようにしたい」
待望の新天地に漸く降り立った『新聞屋』アレックス=ロイド=ウェーバーは、イレギュラーズ達の前で神妙な顔をして言った。
しかしすぐに気を取り直すと、明るく皆に誘いをかける。
「黄泉津の京の貴族の邸宅で七夕の催しがあるんだ。そこに招かれてね。10人くらいまでなら連れてきても構わないって話だから、どう? 今回は異国の客人を招いて宴を盛り上げたい貴族からの依頼ってことで」
その貴族の屋敷で行われる七夕の宴というのは、熱愛のあまり仕事をさぼり、天の帝に引き裂かれた夫婦が、年に一度二人を隔てる星の河を渉って逢瀬を交わすという伝説に由来する行事なのだという。
里芋の葉に夜露を溜め、それで墨を磨り梶の葉に願い事を書く。
同じ「かじ」と読む船の舵と梶の葉をかけて、河を渉る船に願いを乗せ、神のおわす天に届けて貰うのだと。
酒や菓子を相伴に預かったり、楽士達の奏でる音曲に耳を澄ますのは勿論、一緒に奏でてみたり、音曲に合わせて舞ってみるのもいいかもしれない。
貴族の庭は「夏の庭」として笹竹が植えられ、大きな池には天の川に見立てて橋が架けられている。庭に下りて散策しながら願い事するのもありだ。
また七夕夫婦の妻は機織りの名人らしく、女性は裁縫が上手くなるようにと願うものらしい。
「「一際明るい星の集まりが流れる河のようだというので銀河と呼ぶらしいんだけど、むしろ星空自体が海のようじゃない? 海を越えてきた僕にはそう見えるね」
アレックスはそう言うと、これを機に貴族の子女達や訪れた公達に顔を売るのだと張り切った。
大陸とこの島国を繋ぐ橋になるのだと。
- 星の海にかける橋完了
- GM名八島礼
- 種別長編
- 難易度EASY
- 冒険終了日時2020年07月29日 22時30分
- 参加人数15/15人
- 相談3日
- 参加費100RC
参加者 : 15 人
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参加者一覧(15人)
リプレイ
●あわいに生きる者
天に流るる川は男と女を分かち。
銀の刃の一閃が首と体を分かつ。
それは悠久の狭間に浮かぶ記憶であり。
そして未来永劫忘れ得ぬ記憶でもあった。
「妾はご覧のとおり、異国からのお客でもなんでもないんやけど、ええのん? ……と、聞きましたら、八百万と獄人の架け橋になるとええって言われたんよ」
『神使』陰陽 秘巫(p3p008761)が問うと、仲介の情報屋は笑ってそう答えた。
八百万と獄人の間には隔たりがあり、常ならば貴族達とこうして酒と言葉を交わすこともなかっただろう。
身分差さえも凌駕する神使という肩書きが、秘巫には『橋』のように思えた。
『天の川 と渡る舟の かぢの露
書きつくりにし にじむたまづさ』
歌合わせなどして秘巫が読んだ歌は、梶の葉を川ゆく舟の舵にかけて詠んだ恋歌だ。
連綿とした相手への恋情と、返らぬ頼りを嘆く情念。
梶の葉に描いた文字は墨が薄いのか露が勝るのか、涙に滲んでさえ見えた。
「これでも妾、歌はすこぉし囓っとったんよ?」
「少し、とは慎ましさにも程があろう? 獄人でありながら神の御使いたる麗しき御身、只者とは思わぬ。」
「獄人を口説かれるん? 業彬様は獄人がいやじゃおへんの?」
「八百万か獄人かは関係ない」
「それじゃ女じゃないかもしれない、と言ったら?」
「男か女かも」
歌を交わした貴公子は秘巫の身を見抜いたかのように答えた。
いつの世にか、何者にか、落とされた首。
首が落ちる毎に、男となり、女へとなる体。
自分の首を落とした者を見つけること。
それが秘巫の願い、恋を越えた業。
(歌と違うて頼りなんて出しとらんのやけど、会いたい思うてますのえ? 楽しみを増やしてくれはったお礼をせな、なぁ?)
身は酔いに任せて地にありながら、首は焦がれる何者かを探して天を見上げた。
●Twinkle Twinkle Little Star
天に流るる川は小さな星が群れ、身を寄せ合って大きな銀の川となっている。
一つの体には賑やかな男がいて、羽根のある背に恥ずかしがり屋の女がいた。
(疲れる。神の使いじゃなくて召使いだろう、これは……)
『二人一役』Tricky・Stars(p3p004734)は微笑みの仮面を被り、はしゃぐくせに己の傍から離れようとしない少女を、諦観を持って眺めている。
楽しんでいるふり、馴染んだふり。
微笑んでいるふり、喜んだふり。
Tricky・Starsを構成する一人、青い血で出来た天使の稔は今、己が劇作家であることすら後悔している。
海蛇を倒して一安心なはずが、妖怪騒ぎに借り出された。
宴会に借り出されたその上に、付いて来た相手のお守り。
交流を広げるはずが交際を申し込まれ。
一緒に手伝うはずが手伝わされるはめ。
(危なっかしい……夜這いされることもあるのに。そんなんじゃアイツ、残酷な世界に引き裂かれるのがオチだ)
自分と同じ神に作られた八番目の天使、共鳴のオリヴィア。
欺くことも穢れも知らない、無垢でお人好しで泣き虫な女。
『人間さんと仲良くなりたい』だの『これからもずっと一緒にいて欲しい』だの。
同族だから放っておけないだけなのに、こっちの気持ちは分かろうともしない。
「初代様の分も梶の葉を頂きましたよ」
「天使が神に祈ってどうする」
「うう、だって……」
「鬱陶しい、泣くな。書けばいいんだろう?」
渋々ひったくり書き綴る言葉は『どうでもいいから早く平和になれ』。
「初代様は優しいですね」
「は? どこが?」
「だって私や皆さんの幸福を祈って下さるのでしょう?」
分かっています、と微笑んでオリヴィアが稔に寄り添う。
小さな星が夜空の青にきらめくように。
貴方様の傍にこれからもいさせて下さいと。
●星の花
天に星が賑わうように、地には人が賑わう。
海を隔てた国と国とを繋ぐは小鳥達の囀り。
「この国の方々は、衣を重ねることで新たな色を生み出すと……素敵です! ボクの国にはそんな発想はありませんでしたから」
『小さな決意』マギー・クレスト(p3p008373)は屋敷の主人の娘達と話に花を咲かす。
幾つもの衣を重ねて作る新たな色。
丈なす黒髪の夜の川の如き美しさ。
高杯に盛られた色取り取りの菓子。
海を越えても、国が変わっても、少女達の話題は同じ。
婚約破棄されても、実家を飛び出しても、身に着けた社交は変わらぬもの。
例えば見目麗しき貴公子。
例えは艶やかなる貴婦人。
酒を傾け歌を合わせる美男美女は、恋に焦がれる少女の憧れ。
「秘巫さんのお相手は匂菫の君様とおっしゃるのですね。噂のセイメイ様はいかがでしょう?」
恋の話に交えて噂話を集めるのも忘れず。
元服前の少年を武術の話題で手名付ける。
男装は少年と少女を巧みに使い分ける術。
だけど情報屋を見かけたとき咄嗟に出かけるカーテシー。
「アレックスさんは色々お話し出来ましたか?」
「うん、お陰様で。社交を心得た君がいてくれて助かるよ。何かお礼しないと」
子ども相手は自分じゃない方がいいとは情報屋の言。
じっと見つめて告げたのは、こんなささやかな願い。
「何も聞かずに、一言だけ『おめでとう』と言って貰えませんか?」
父のような、兄のような男に頼む誕生を祝う言葉。
慌てて、探して、見つけて差し出したのは星の花。
「おめでとう」
華やかなる場所にいればこそ思い出すのは懐かしき家。
桔梗の花を一輪胸に挿すと、梶の葉に夜露の墨で書く。
『家族の皆が仲良く過ごせますように』
一人前になることは目標だから。
それは願いではなく決意だから。
望郷を今宵の二人の秘密として。
●夜空のインク
スーツを脱いで着物に着替えれば、何時かの昔を思い出す。
手元にきた筆と硯とを見下ろせば、何処かの時に心を馳す。
「異国の代表として招待していただいたのだから、アレックス君には感謝しないといけないね。彼の顔を潰さないようにしないと」
『想心インク』古木・文(p3p001262)がいた世界は、日の本と呼ばれる八百万の神のおわす国。
そのいにしえであるかのような、ヤオヨロズ達が貴族として国の政を担う国へと来るという奇縁。
招かれた屋敷の庭は野趣がありながら品が良い。
心尽くしのもてなしは色美しい菓子に美味い酒。
「そうですか、奇遇だね。実は僕にも七夕生まれの娘たちがいるんだ」
今宵が子の誕生日という貴族に自分にもまたと答えるけれど。
娘がいた、と言って過去にするには望みを捨てきれずにいる。
詠み合わせは無理でも詠むだけならばと、手にした筆に墨を浸せば心に染みる。
字が上手くなりますようにと墨を磨った小さな手を。
願いが叶いますようにと笹に吊した拙い字の短冊を。
織姫と彦星を隔てる天の川にかささぎ達が橋を架けるのならば。
元の世界と《混沌》の間には誰が橋渡してくれるというだろう。
「墨で無くて恐縮ですが、インクで一首、如何です?」
この世界で新しく出会った人、お世話になった人、友となった人。
その全てが平和に暮らせますようにと、夜露の墨で願ったけれど。
掌の小さな石は旅硯。想いを受ければインクに変わる。
夜空色の液体で歌を綴れば、家族への想いが滲み出た。
『元の世界にいる家族が幸福に暮らせますように』
懐かしき風習、戻らざる日々。
梶の葉に願い託したら、きっと。
言の葉も乗せられたら、あるいは──
叶わぬ願いと言い聞かせても、ギフトで作られたインクは想いの露が混じっていた。
●幕間・朝顔 壱
「朝顔やね」
「桔梗ですよ?」
「古来より歌に詠まれる朝顔は実は桔梗のことなんよ」
秘巫はマギーの手にした花を見て言う。
夜の色と星の形を持つ朝の花。
朝と夜のあわいの花だ。
「なんだ、八番目も欲しいのか?」
花を見つめた後で何か言いたげに向けられる視線。
やれやれと重い腰を上げると一輪摘んで差し出す。
「ありがとう初代様」
無邪気に喜ぶ天使は、それが男避けに贈ったものと気づかない。
そして文もまた空に浮かんだ星のような、夜空のインク色の花を見つめて微笑んだ。
マギーが娘と同じ誕生日だと知らなかったけれど。
●闇の終わりを告げる鳥
元いた世界にも空の向こうに星の川があった。
今いる世界でも海の向こうに和の国があった。
「そらをしのぐきみへ」
『雲雀』サンティール・リアン(p3p000050)は求婚する王子のように気取ってお辞儀をすると、幼き姫君に凌霄花を一輪差し出す。
木に蔦を這わせて天まで伸びる橙色の花は、開演のファンファーレを鳴らす喇叭の型
ブーツの紐を解いて座敷に上がれば、遠くに聞こえるチックの歌に合わせ芸を見せる。
詞を紡げば花は生まれ、一差し舞えば花も舞い踊る。
軽やかに、爽やかに、翠色のそよ風を吹かせながら。
踊り疲れて庭に下りれば、池の縁には酔い覚まし中の情報屋。
逢瀬のつもりはないけれど、独り楽しむよりはと声をかけた。
「新聞屋さん、新聞屋さん。僕のことは気軽に語り部さんと呼んでおくれ。……なんてね、きみの肩書きが格好よくてね。聞いた? この国の人は僕のこと、神人って呼ぶんだよ」
「僕から見ても君たち旅人は今でも神様の使いのようなものさ」
「えへへ、僕も最初は『英雄になれるんだ!』ってはしゃいだりしたよね。でも……」
屈む男の耳元で雲雀が打ち明ける。
戦うときには手が震えちゃうこと。
敵を前にして足が竦んじゃうこと。
「皆にはないしょだよ?」
口唇に一本指を立てて口止めする。
手を伸ばしても届かない空の貴み。
学んでも最果てには辿り着けない。
「僕にもっと勇気を」
だめだ、だめだと言い聞かせて願い。
つよく、つよく揺らがぬように祈る。
笑って、前向いて、諦めないこと。
自慢の母さんが教えてくれたこと。
雲雀は夜の闇の終わり、朝の光を告げる鳥。
雲雀は自由に空を飛び、愛の喜びを歌う鳥。
「語り部さんが誰かの勇気と希望の象徴であれますように」
新聞屋は微笑むと梶の葉に綴って、天まで届けと水面に浮かべた。
●銀河の滴
大陸と島国を繋ぐ架け橋になる。それはとても大切なこと。
だから自分も手伝わせて貰おう。そう思ったはいいけれど。
(わたしで大丈夫、でしょうか……)
戸惑う『さまようこひつじ』メイメイ・ルー(p3p004460)に勇気をくれたのは、色もとりどり、形もさまざまな干菓子。
薄桃色の花に、檸檬色の星。
若草色の葉に、翡翠色の魚。
口に入れれば仄かな甘みで、少し苦い茶とよく合った。
美味しいです、と言えば屋敷の奥方が嬉しそうに笑む。
乳白色の鳥を見つけて懐紙に包むと、先まで公達らと語らっていた男にそっと差し出した。
「あ、あの。これ。星の川の架け橋となる鳥、なんだそうです。これはぜひ、アレックスさまにと」
愛し合う夫婦を隔てる天の川。
群を成し橋渡しをする鳥は鵲。
「アレックスさまが、この国との架け橋に、なれますように」
「ありがとう。メイメイはもう願い事は書いたかい?」
「これから、です。故郷の皆が元気でありますように、と書くつもりです」
だけど本当は故郷の村に帰りたかった。
啓示を受けたからと村を出されたけど。
だけど願うことすらも許されなかった。
掟を破れば村に災いをもたらすからと。
年一度の逢瀬でも逢える人が羨ましく。
二度とは戻れぬかもしれないと儚んだ。
口にすることも憚られる願いは、涙の如き夜露の墨に浸し。
星ゆく舟の梶の葉に書きかけて、表さぬままにすり替える。
「知られたくない願いは墨を磨らずに夜露のままで書けばいいよ。はい」
「これ……!?」
「少し分けて貰ったやつだよ」
隠し事は分かるよと、手渡された小瓶に透明な滴。
君の願いが叶うように、夜空から零れた透明な涙。
「ありがとう、ございます……!」
帰ることは出来なくても。
願うことは許されるから。
●幕間・鳥の干菓子
「サティさまも、どうぞ」
鳥の形の干菓子は鵲のようでもあり、雲雀のようでもあり。
サティはメイメイから干菓子を貰うと嬉しそうに頬張った。
「チックにもあげようよ。『シルク・ド・ノネット』のよしみで!」
二人は干菓子を携え、灰色真珠の髪の翼人の元へ向かった。
●炎と羽根の記憶
貴族に会うと常になく心がざわめく。
何故だろう、それは緊張とは違うもので。
何故だろう、眠れる何かを擽る気がした。
(大丈夫……だよね。ちゃんとする……大事。友達から、教えられた)
星々の川を見上げていた『埋れ翼』チック・シュテル(p3p000932)は、『渡り鳥』であることを思い出す。
星の海に橋をかけた鵲という鳥のように。
人々の願いを叶えるため「手伝う」こと。
無辜の民である『渡り鳥』の一族は、各地を旅して橋渡しをしてきた。
イレギュラーズになっても昔と変わらず「手伝い」をしてきたけれど。
今宵も皆のために力尽くして手伝おう。
今宵は皆とともに心の底から楽しもう。
夜空にきらめく星は散らばる音符のよう。
拾い集めて口にすれば楽を彩る歌となる。
(……黄泉津の旋律を聴く、するのは。初めて。笛や……弦の音は……知ってる楽器とは、また違う。でも美しくて……心地良くて……。だから歌が、前に出すぎ、しない様に。調和させる、しないと……)
誰が為に歌えば真白き羽根は輝きを増したけれど。
片翼のような誰かを思い出せば願いが胸を焦がす。
(おれの願いは、皆を「手伝う」して、役に立つ……こと……。でも本当の願い、嘘で覆い隠すのは、……嫌)
誰からも愛されるはずの賢明な子。
星の綺麗な晩に姿を消した片割れ。
(今度こそ。おれが、まもってみせるから。だから──)
もう一度、会わせてください。
もう一度、守らせてください。
誰にも穢されたくないと願った白き片翼。
誰かに奪われるならばと触れた白き首筋。
想いは星の海原に飲まれ、願いは羽の記憶に溺れる。
アイタイ。
誰よりも大切なその人に。
アキラメナイ。
誰かが諦めろと言っても。
願いを書いた筆を置くと、灯火に指を透かして呟いた。
●炎の舞
「本日はこのような素晴らしい宴にお招きくださいまして、ありがとう存じます」
感動は礼節の衣を纏い、『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)を貴婦人に見せる。
釣燈籠の中に囲われた炎が雅さを醸して軒先にぶら下がるように。
感情と共に燃え上がる髪は、仄かに光を灯して艶やかに色づいた。
楽に合わせて一差し舞えば、扇は神炎を煽る風を生み。
歌に合わせて緋衣を翻せば、紫紺の袴が神秘を振るう。
炎の神と人の子の間に生まれた焔は、神の火、神威の顕現を示す巫女。
神力は神無き《混沌》に来て弱められても、超然とした存在感を放つ。
艶やかな舞を見せるうちに思い出したるは、神殿での在りし日のこと。
炎の神たる父へ向けた崇敬と、子を成しても若さを失わぬ母への憧憬。
巫女を讃える声に合わせて日夜捧げた奉納舞。
神々に愛され、神殿の人達に親しまれた日々。
(上手く舞えるか心配だったけど、これなら今回の宴にも合うよね。はるか天の神に願いを届けることと、炎の神への崇拝を舞という型で示すことは同じことだから)
宴に集う者達の想いを集め、願いを束ねて天帝のおわす空へ届ける。
掲げた灯火が暗がりを照らし、人々を守り導く地の標であるように。
(何だか思い出しちゃったな。懐かしい……)
帰りたい。
父の守る世界へ。
母のいる世界へ。
人々が待つ世界へ。
一緒にいたい人が沢山いるから。
やらねばならぬことも沢山あるから。
だけど言葉を綴り出せば秘めた気持ちに気づく。
仲良くなった人が沢山いること。
楽しいと思った事が沢山あること。
だからどうか──
「『元の世界へ帰れますように』……うん、ボクの願いはやっぱりコレで」
これ以上帰りたくないと思わないように。
これ以上離れたくない人を見つける前にと。
●幕間・雲の最中
「焔も、どうぞ。サティとメイメイがくれた……やつ」
「炎?」
「雲……だと思う」
チックが勧める最中には、炎にも似た巻き模様。
「あ、そうだ。後で一緒に歌ってもいい? 最近歌の練習も始めたんだよね。文化交流ならこっちの歌も披露しないと」
二人は天人が住むと言う雲の形の最中を食べながら打ち合わせた。
●誰がために星は囁く
引き裂かれた男女の狂おしいまでの情愛。
願いよ叶えと祈る人々の切ないまでの念。
それはかつて断ち切るべき宿縁であった。
だけど好ましいものと捉える人達がいる。
『新たな可能性』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)にとってこの国の人々は、お人好しなまでに優しい。
他人の願いの成就を祈り、自分もまたあやかろうとするけれど。
他人の願いは他人のもの、自分も叶うとは限らないというのに。
(だけどそれでも異なる価値観や習慣への理解は大事だ。『紛れる』ためにも『片付ける』ときにも)
これは訓練と言い聞かせて混じる宴の心尽し。
あれもこれもと勧められては相伴に預かった。
米を潰して粘りを出した生地は、中に何かを入れて包んでも、丸めて外にまぶしても菓子になる。
黄色い粉を振ったきなこ。
緑の粉を纏ったうぐいす。
潰した緑の粒ならずんだ。
黒い粒そのままはおはぎ。
(そもそも中に入っている黒い「あん」も豆なんだが……ここの住人はどれだけ米と豆が好きなんだ?)
落雁と言う名の米粉に砂糖をまぶして固めた菓子を頬張る姿は、まるで子どものよう。
屋敷の女房達から微笑ましく見られているとは露知らず、あれもこれもと手を出した。
腹鼓を打てば楽の音に合わせてチックの歌が聞こえる。
金瞳をゆるりと向ければ炎を纏ったかの如き焔の舞も。
「俺もお返しに剣舞でも……。いや、『踊り』として見せたことはないけど、演武として型はあるから、それでも良ければ」
厄除けの太刀を渡され演じて見せながら、他者に星が囁くことを願う。
『求める者の上に、星の囁きのあらん事を』
願いは近く、傍らに在り、自分の胸に抱くもの。
祈りは遠く、仰ぎ見て、迷う足元を照らすもの。
だけど自分にはまだないものだから。
縁起担ぎであろうが希望の星をと。
だけどいつか願いを得たなら、自分で獲りにいくのも悪くない。
邪気を祓う太刀を振るって舞いながら、今は他のために祈った。
●酒と肴と平和と刺激
笛と弦とが奏でる音色は、穏やかにして優しかった。
色を重ねた衣を翻す舞は、華やかにして美しかった。
《混沌》に来て太陽を見たとき、異世界に来たのだと実感した。
今また《神威神楽》に渡れば、新天地に来たのだと感慨は深い。
『吸血鬼を狩る吸血鬼』サイモン レクター(p3p006329)は酒の肴に楽と舞とを楽しみながら、元いた世界を思い出す。
それは人と魔とが争う暗黒の世界だった。
狩る者と狩られる者とが戦う世界だった。
わずかな休息。束の間の安寧。
それもまたいつ終わるのか分からぬ焦燥と、いつ裏切られるか分からぬ緊張にまみれたものだった。
(これがカムイグラの演奏か……。舞までのんびりしてるのは、それだけ危険がなく平和だってことだな)
サイモンは不思議と感じた己の心を分析すると、杯を飲み干そうとして手を止めた。
高級な異国の酒を焦って飲み必要はないから。
安い麦酒や蒸留酒を飲んだ時代は終わったから。
仲間と交わした酒と会話。
武器や防具類の点検作業。
息抜きと同時にそれは隙。
(音楽に耳と心を傾ける日が来るなんて考えもしなかったが……悪くないもんだ)
舞姫の焔がチックと共に歌い始めた。
アーマデルが歌に合わせて舞っている。
信頼できる仲間がいて、美味い酒が此処にある。
だからこそ願うのは、平和な日常と適度な刺激。
「腕と感性が鈍らない程度に刺激的な仕事が舞い込んでくれりゃあいいんだがな。今日いい目を見せて貰った分は働くぜ」
平穏に飽きれば壊したくなる。
安寧に浸り続ければ腐りゆく。
だから小さな刺激は必要で、戦う術を失ってはいけない。
この国のこの平穏がいつまでも続くように祈ると、サイモンは酒に飽きぬためにと甘味にも手を出した。
●幕間・米の酒
「こめこめまめまめこめまめまめ」
「何の呪文だ?」
「この国の菓子は豆と米で出来ているんだ」
踊り疲れたアーマデルはサイモンの隣に腰を下ろすと、米粒を四角く固めたおこしを頬張る。
「それも米」
言われてサイモンは己の杯に注がれた酒を見つめた。
●スターダスト・シャワーに打たれて
満天の星を見上げれば、愛し合う二人を隔てる銀河が映る。
『協調の白薔薇』ラクリマ・イース(p3p004247)は星屑を閉じ込めたかのように華やかなオパールのプローチを握りしめた。
あれは。
種族の差という越えられない川。
橋を渡せば触れ合えるけれど、やがて時と共に歳は離れゆく。
長命種と短命種の時の流れの差は、誰にも決して変えられぬ。
死が分かつまで君を想うと。
全てを賭けて大切にすると。
君の傍に居させて欲しいと。
梔子を濡らす雨の中、彼は想いを告げ、自分はただ頷いて口唇を重ねた。
嬉しかった。彼に思われていることが。
疑問だった。何故自分なのか、自分でいいのか。
恋情か友情か分からぬまま。
嫉妬や独占と気づかぬまま。
心の中に今も亡き人がいる。
もっと俺だけを見てと言えばよかった。
もっと俺の傍にいてと言えばよかった。
なのにいざ相手から告げられてみると、また素直にはなれない自分がいた。
(貴方の事を考えると楽しい時でも早く傍に帰りたいと思います。それを言ったら滅茶苦茶喜んで騒ぎそうだから言いませんけどね)
嬉しかったのは本当で。
傍にいたいと思うのも。
彼を好きだと思うのも。
だけど教団のことも、親友とのことも、父親のことも告げられずにいる。
嫌われたくないのも嘘じゃないけど、誰にも触れられたくない思い出だから。
(ノエル、貴方はもっと命を大事にしろと怒るでしょうか? でも俺はもう……)
彼の時間が少しでも長く、一つでも多く幸せでありますように。
彼がこの世界から消えた時に、彼を追うことを許してください。
ブローチを握りしめ願いを呟けば、空から星屑達が雨となって降ってくるようで。
今もういない親友に、もう大切な人を失うのは嫌だからと語りかけた。
●ウルトラマリンの先
水平線の彼方に何があると言うのだろう。
絶望の青の先に何が待つと言うのだろう。
『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)は幼き日、双子の姉と共に語り合ったことを思い出した。
海洋の外縁に位置するコン=モスカ辺境伯領。
常に絶望という名の海の壁を見てきたがゆえに、その先に国があったという事実を未だ実感出来ないでいる。
それを言うならば己が決して絶望の青を越えられぬのと引き替えに、姉が海竜を鎮めて消えたということも。
「ちはやぶる 神も見まさば立ちさわぎ 天の戸川の樋口あけたまへ……か」
豊穣の和歌なる詩を口ずさめば、自ずと姉を思い出す。
モスカの巫女として空っぽとなることを望まれたもの。
神の器となるために人としての情を知らなかったもの。
『ねぇ僕、僕はどうして人と違うのだろう』
僕と呼ぶ片割れに語りかける姉は、最期に人の心を得たのだろうか。
池に映る自分の姿に姉の面影を重ねると、水面に黒い海賊帽が映った。
「……クレマァダさん」
「ウィズィニャラァムか」
『私の航海誌』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)の目にクレマァダは、亡き人そのものに見えた。
ただ違うのはウィズィが知るその人よりも真面目そうで、より強がりで、人間らしく見えるということ。
「隣、良いですか。宴は何もかも目新しくて楽しいけれど、何だか絶望の青を越えたんだって実感がまだなくて」
ウィズィはクレマァダが了承すると、池に渡された橋で隣り合い、バイコルヌを取ると胸に抱いた。
それは絶望の青を踏破して悲願を果たさんとした男のものだった。
それは愛する女を死に至る病から救わんとした海賊のものだった。
万病を治す果実はなかったけれど、絶望の青を越えたことで彼の願いは達せられた。
この帽子は希望の象徴。
命と引き替えの愛の印。
ウィズィはアレックスの言葉を思い出しながら帽子を撫でると、もう一人、心に残るその人を想いながら瓜二つの女に尋ねた。
「願い事、決まりました?」
「今正しくそれを考えておったのじゃ。我に問うお前こそどうなのじゃ?」
「私は……」
願いたいことなら沢山。
叶わぬままなのも沢山。
だからいつの間にか願うことすら怖くなっていた。
だけど願ったからこそ叶ったこともあったのだと。
「私はカタラァナさんとそれほど深ーーい仲じゃなかったんですけど。でももっと仲良くしたかったなって」
不思議な魅力を持った人。
目も耳も奪ってしまう人。
誰よりも人を見ている人。
それがカタラァナ=コン=モスカだとウィズィは言った。
「なるほど。面白い。確かに人のことをよく見ていた。人を分かろうとしてな。最期にそれが分かったなら、おぬし達のおかげじゃ」
誰よりも人らしくある人達。
強くも浅ましくもある人達。
欲望も希望の力とする人達。
「うん、そうだといいと思います。でも私の方では後悔があって、だから私の願いは──」
『クレマァダさんとすっごく仲良くなれますように!』
旅硯を取り出し梶の葉模様の短冊に書いて晴れ晴れと見せる。
「うむ。良い願いじゃな。ならば我はこうじゃ」
『皆の願いが叶うように』
梶の葉に書いてクレマァダはそっと池に浮かべた。
「おぬしらの願いが叶うことこそ、海を越えたことが幸福であったと証明されることじゃからな。すると我はおぬしと親しく付き合わなければならぬな?」
「それじゃ仲良くしますか!」
「後はそうじゃの……お前の帽子の主、その意志も継ぐのであろう?」
「うん」
「時に。万病に効く果実とやらは見つかったのか?」
ウィズィが焦り、クレマァダがつっこむ。
カタラァナが繋いだ縁。カタラァナが繋いだ未来。
ウルトラマリンの先の物語はこれから始まるのだ。
●幕間・朝顔 弐
「果実ではありませんが、万病に効く朝顔という花ならあるそうです」
情報を集め出したウィズィとクレマァダに教えたのはラクリマ。
癒し手である彼もまた誰も死なせないための手段として、霊薬や秘術について聞き込んでいた。
「これかのぅ……」
「え、こっちではなく? ユンあたりに聞いたら分からないかな?」
星型の花と円錐型の花。
仲間の角にも咲いてるかもと、二人はユンの元へ向かった。
●角の花
うたかたから醒めれば此処にいた。
森の名残りか角に花が咲いていた。
ユン(p3p008676)の頭には二本の枝角が生え、そこには四季の花が咲く。
今宵咲くは紺色の桔梗。
星の形をした夏の花だ。
風流を愛する黄泉津の貴族達は、ユンを花の使いと呼んで菓子を勧めた。
雲の形をした練切。
扇の形の鹿の子餅。
蓮形をした型菓子。
葉に包んだ餅団子。
「この国では笹は何か特別なものなのか? 願い事を短冊に書いて笹に括ったりもするんだろう?」
笹は根を地に伸ばして増える逞しき命。
群を成して小さな獣達を隠す優しき森。
暑く腐りやすいこの季節は生と死の境目。
死の国へ行かぬため、生命力があり防腐効果のある笹を使うのだと聞く。
「なるほど、願い事を書いて笹竹に吊すのは天まで届けるため。笹の葉に菓子や飯をくるむのは腐らせず、穢れを払うためと。それなら葉も食べるか。いや、僕、葉っぱが好きだから、美味しそうだと思ってさ」
葉ごと食べると青い味がする。
慣れぬ味だから新鮮に思えた。
賞味して演奏に耳を傾けていると、ふと思い出す。
自分のいた場所は跡形もなくなっていたから。
だからこそずっと変わらずにあり続けて欲しい。
だけど季節はめぐり、花は咲き、時はとどまることを知らない。
いつかこの平穏な日もある日また消えてなくなるかもしれない。
だから。
「こんな風に楽しい日々がいっぱいあったらいいな」
どうせ変化するのなら楽しい方に変わればいい。
無理を承知の願いを書いて、笹へと括り付ける。
角に星の花を咲かせながら、星へ届けと祈った。
●小さな星と大きな川
男と女を分かちて川は流れ。
天と地のあわいに川は流る。
「アレックスさんの言ってた銀河ってあれかな……確かに川みたいだ」
『 Cavaliere coraggioso』シャルティエ・F・クラリウス(p3p006902)は庭へと下りると、池に架かる橋の上から夜空を見上げた。
情報屋が教えてくれた天の川は、小さな星の群で出来ている。
何処から来たのかも、何処へ行くのかも、誰にも分からない。
それはあちらこちらからこの世界に集められた自分達のようで。
その一つ一つにも命があり、心もあるのではないかと思われた。
そう、自分はあの星の一粒のようにちっぽけで儚い存在。
だけど仲間を得て、色んな処に行って、沢山を経験した。
助けたいと願う人を目の前で死なせてしまったこともあった。
強大な敵の前に無力さを感じることも悔しさを感じることも。
もっと自分に力があれば、一人前の騎士ならば。
誰かを救えたかもしれぬ、罪の意識を持たずに。
「もう、あんな想いはしたくない。たから強くならなくちゃいけない。失敗したってへこたれずに頑張って、もっと強くなって」
どんな敵にでも立ち向かえる騎士でいたい。
どんな敵からも守り抜ける騎士になりたい。
騎士である父の血を受け継ぐ者として。
優しい母が天から見守ってくれるから。
一人で戦い、一人で生き、頑張ればいいと思っていた。
だけど仲間がいて、共に戦い、共に頑張っていけばいい。
天に流れるあの大きな川のように、小さな自分もいつか大きな川になればいい。
誰かと誰かを隔てるのではなく、誰かを守るため立ちはだかる川となればいい。
「へへ、綺麗だなぁ、天の川。僕も一人前の騎士になって、あんな風に」
天に輝く川であれ。
光を齎す剣となれ。
希望を胸に、不屈を瞳に、手にした梶の葉に誓いを認めた。
●幕間・笹と竹
「食べないか?」
笹の葉も美味しいけどね、とユンが言う。
「そう言えば笹と竹は違うのかな?」
「竹は笹より丈が長くて、まっすぐ天に伸びるんだよ。そなたのようだ」
そなたのようだと言われると、シャルティエは少しだけ照れくさそうに笹の葉に包まった団子を受け取った。
●宴の終わり
友を失った痛みがこの先の生き方を自ずと選ばせる。
ラクリマは大切な人と共に逝きたいと願った。二度と誰かに置いて行かれぬようにと。
ウィズィは後悔しない生き方をしたいと願った。だからもっと仲良くなりたいのだと。
運命の相手を探し求める心は狂おしいまでに切ない。
チックはいなくなった大事な片割れに会いたいと願った。今度は守ってみせるのだと。
巫女は自分の首を落とした誰かに会いたいと願った。例えそれが何者であっても強く。
終わりを知る者は続いてゆく時の意味を知っている。
ユンは毎日楽しくあればいいと願った。時が流れてやがて終わる日が来るならいっそ。
クレマァダは姉の繋いだ世界がこの先も続くことを願った。皆の願いを叶えたまえと。
ありふれた平穏な日々に価値を見出す者もいる。
サイモンは適度な平和と刺激を願った。自分の腕が鈍らないためと、世が荒れぬため。
Trickyは早く平和になれと書いた。付きまとう無垢なオリヴィアに危険が及ばぬよう。
帰りたい、帰れない、そんな場所に想いを馳せる。
焔は元の世界に帰りたいと願った。これ以上親しんで此処に残りたいと願うその前に。
メイメイは故郷の皆の健康と幸福を願った。帰りたいという言葉を一人の胸に隠して。
文は自分が親しんだ人達の平和を願った。今生きているのか分からぬ家族達の幸福も。
強くなりたいと願う者は己の弱さと向き合った。
シャルティエは一人前の騎士になりたいと願った。誰もを守れるようにもっと強くと。
マギーは家族の皆が仲良く過ごせるよう祈った。一人前になるというのは誓いだから。
サンティールはもっと勇気が欲しいと願った。闇の終わりを告げる雲雀であれるよう。
「それじゃあ、アーマデルには願いはないのかい?」
「今のところないな。皆の願いが叶えばいいとは思うけど。アレックス殿は?」
「ないよ。僕はカササギだからね。橋渡しするのが役目さ。」
新聞屋はアーマデルと一緒に鳥の形の菓子を頬張りながら答える。
屋敷の主人か大層ご満悦で、また招きたいと言っていたというから、無事に架け橋となれたらしい。
かくして梶の葉に綴った願いは夜空に織り込まれ、地には牽牛子の名を持つ朝顔が咲き始めた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
このたびは私のシナリオにご参加いただきありがとうございます。
ご縁を頂いた15名様の願いを描かせていただきました。
●構成について
基本はお一人ずつ、指定のあった方のみお二人での描写となっていますが、途中に他のPC様との交流が窺える幕間の場面と、最期にエピローグを挿入させていただきました。
順番については演出上の都合ですが、時間はこの通りの流れでは無く、時系列は前後しています。
●描写について
ステータスシートとプレイングを元にしておりますが、他の人のパートと何かしら繋がるよう、アドリブも加えて皆様の場面を描写させていただきました。
●その他
類似のモチーフに鳥(鵲、雲雀)、川(流れ、隔て)、花(朝顔、桔梗、凌霄花)、星(花、名前)などを配しました。
また、男と女、首と体、歌と舞、米と豆等々は対比として使われています。
例えば男装のマギーさんが性別がすり替わる秘巫さんの話をしているとか、凌霄花は朝顔と同じく蔓のある花で朝告げ鳥のサンティールさんと被せてるとか。蛇足ながら色々。
●個別メッセージ
長編として次作があるかは現時点で不明ですが、代わりにアレックスから今夜のお礼を書きました。
おまけとしてお楽しみください。
PC達それぞれの胸に、そして皆様のご記憶にも残るシナリオになっていれば幸いです。
GMコメント
七夕ということで軽い感じの、相談いらずで参加出来るシナリオを作ってみました。 私に七夕の夜のワンシーンをお任せしてみたいという方は是非ご参加くださいませ。
●目的
貴族の邸宅で催される七夕の宴に参加し、願い事をする。
●描写
お一人様ごとの描写が基本で、ご指定があれば二人一組でも描写いたします。
皆様のプレイングに応じて雰囲気はセンチメンタルにもハートフルにもロマンティックにもなるかと。
●プレイング
「宴での行動」と「願い事」の二つを盛り込んで書いてください。
「願い事」は願いの内容と共に、願う理由もあるとなお良いです。
宴を楽しむシーンに願い事を盛り込んで描きます。
貴族の屋敷で出来ることの一例。書かれていないことも可能です。
物語に合うよう調整が入ります。
・酒や菓子を楽しむ
・演奏に耳を傾ける
・舞いを鑑賞する
・演奏してみる
・舞ってみる
・歌を作ってみる
・庭の散策
・貴族の子女や公達と親しむ
・NPCのアレックスと会話する
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
それでは皆様のご参加を心よりお待ちしております。
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