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シナリオ詳細

河童成敗!! ~川辺に潜む怪異~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●村に現われた河童の脅威!
 豊穣郷カムイグラ――。
 鳥居立ち並ぶ黄金の穂が波打つ、美しい景色の地である。
 都の高天京より離れた田舎に目を向ければ、牧歌的な農村の田園風景が広がっている。
 この村は、日社介(ひしゃかい)村という小さな村だ。
 しかし、何やらその平和な農村が騒がしい。

「河童じゃ、河童の仕業じゃ!」
「そうじゃ、河童の仕業に違いないべ!」

 村のお百姓さんが集まり、何やら言い合っている。いわゆる、寄り合いというやつだ。
 村に何かあったときの相談である。

「うちのキュウリが全部持って至れたんだべ。もう収穫するっていうところだったってえのに」
「俺んとこの息子は、川で泳いでいたら底の方に引っ張り込まれ、尻を撫でられたっていうべ」
「おら、見ちまっただ。川辺で緑の肌をしたのが、日向ぼっこをしているのを。頭に皿みたいなのがあったから、やっぱりありゃあ河童に違いないべ」
「日社介村の川に、河童が出るなんて……」
「どうも、1匹や2匹じゃねえようだべ」
「河童を1匹見たら、10匹はいるっていうべ」
「村祭りが近いっていうのに、どうしたもんかのう」

 村の人々は、河童を恐れていた。
 実際、収穫間近のキュウリを盗むという農作物への被害が出ている。
 河童という得体のしれない怪異に、ほとほと困り果てているようだった。

「おら、助けてくれそうな人たちに心当たりがある!」

 目いっぱいの勇気を持って、村の娘が言った。
 常々、大人の話に口を出すなと言われており、普段なら怒られてしまうのである。

「小夜、おめえ本当に心当たりがあるだか?」

 娘――小夜に、皆の視線が集まった。
 今回ばかりは村長も何も咎めないところをみると、小夜の考えを頼るほかないのだろう。

「うん。最近、この国の外からやってきた神使さまたちがいるっていうだ。外の国の言葉じゃあ、“いれぎゅらーず”っていうらしいんだけんども」

 小夜は言った。
 神威神楽の外からやってきた人々のことは、高天京の都でも話題になっているという。
 そんな風の便りが、この日社介村にもやってきたのだ。

「……おめえ、そんな連中に頼むっていうのか?」
「大丈夫け? 得体のしれねえようなのをこの村に招いちまって」

 村人たちも、怪訝な表情をする。
 滅多なことで村から出ない彼らにとって、外は未知の世界だ。まして海の向こうからやってきた人々となると。

「心配いらねえ、おらにはわかるんだ。みんないい人たちだって」

●村娘の願い
「どうか助けてくんろ! 村のみんなが困ってるんだべ」

 日社介村という田舎からやってきた少女が、イレギュラーズたちに頼み込んでいる。
 なんでも、彼女の村には河童という妖怪が出没したらしい。

「河童ってのは、川の中にいて悪さをする気味の悪い妖怪なんだべ。お願いだ、退治してくんろ」

 真摯な願いであった。
 河童というのは、それほど凶悪な妖怪ではないというが、尻子玉というのを抜いて人を死に至らしめることもあるという。

「日社介村にはなんにもないけど……おれいに、美味いおまんまをいくらでも食っていいって言ってるだ!」

 報奨は、腹いっぱい白い米が食えるのだという。
 この少女の依頼、果たして受けるか受けざるや――。

GMコメント

■このシナリオについて
 皆さんこんちわ、解谷アキラです。
 新天地が和風ファンタジー風なので、和風なシナリオで妖怪退治です。とある田舎の村に出没した河童を退治してください。

・河童について
 妖怪としてもよく知られていると思いますが、場所や伝承はいろいろあります。
 頭に皿があり、緑色のぬめっとした肌で、キュウリが好きなどです。相撲を取るのが好きとか右腕を引っ張ると左腕も引いた側に引っ張らて抜けるとか、その性質はさまざまありますが、その辺の考察も今回はプレイングに含めます。どういうことかというと、事前の相談で河童の性質を推理して参加者で対処の方法を揃えておくと成功度が上がるかもしれません。

・河童の出没位置、規模
 河童は、村にある川に出没するようです。
 川は水深2~3メートル。もっと深いところは5メートルくらいの場所もあるそうです。
 どうも、山の方に向かう上流から人里である下流にやってきて悪さをするようです。
 10匹程度の群れのようです。
 悪戯好きであるものの、姿をなかなか見せないので、うまくおびき出すと良いでしょう。
 なお、河童の群れは10匹程度です。

・報酬
 基本的に金銭は用意できませんが、滞在中は白米をたくさん食べられます。
 ちょうど村祭りの時期で、河童の出没で延期されていましたが、無事退治すると祭りにお呼ばれします。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 河童成敗!! ~川辺に潜む怪異~完了
  • GM名解谷アキラ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年06月30日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
ルウ・ジャガーノート(p3p000937)
暴風
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
ディバイン・シールド
レスト・リゾート(p3p003959)
にゃんこツアーコンダクター
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き
恋屍・愛無(p3p007296)
終焉の獣
ボディ・ダクレ(p3p008384)
アイのカタチ

リプレイ

●河童が出るらしい
「ありゃあ河童の仕業にちげえねえだ」

 日社介の人々は、川に現われた妖怪河童の影に怯えていた。
 きゅうりが盗まれたり、川に引き込まれそうになったり、川辺で目撃されたりと、今のところは深刻な悪さはしていないらしい。
 しかし、得体が知れないというのはそれだけで恐ろしいものである。

「村のみんなが困ってるだ。どうか助けてくんろ、冒険者の皆様方」

 大人たちの寄り合いでは、どうするかを巡って堂々巡りで何も決まらなかった。
 見かねた村の娘小夜が冒険者に依頼し、こうして集まったのである。

「初めてのカムイグラでの依頼は妖怪退治か!」

 ひとり目は、バッファローの角を生やし、強靭な肉体を持つ『暴風』ルウ・ジャガーノート(p3p000937)である。

「よろしくお願いするだ」

 小夜も頼もしげに見上げている。

「任せな。河童ってえのは俺でも知ってる有名な妖怪だが、カムイグラで会う事になるとはな。まあ悪さをするなら退治して、懲らしめてやるだけさ!」

 ルウは豪快に笑った。
 小夜も心強く思ったようであった。

「カッパさんはボクの世界にもいたけど、イタズラ好きなだけで本当に悪いことはしない子たちだったけどなぁ」

 『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)も河童については知っていた。
 彼女が元いた世界では、それほど悪い妖怪ではない。
 ともかく、その河童が出没するようになった原因が何かあるかもしれない。
 村人たちの話からすると、河童の気配が革に現われるようになったのはつい最近のことのようだ。

「どうして河童が出るようになっただって? そりゃあこっちが聞きてえくれえだよ」

 村人たちも河童が何故出没するかについては、よくわかっていないようである。

「でも、今まで上流で暮らしてたカッパさんたちがあんで人里に下りてきて悪さしてるんだろう?」

 焔には、その辺が疑問だった。
 何かしらの原因があるように思う。

「ヤマダ、何か知らねえか? 河童ってお前の故郷のニホンってとこにもいたんだろ?」

 『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)が同行してきたヤマダに訊ねる。

「ああ、河童はニホンの妖怪だよ。大抵はいたずらですむ悪さをするんだが、ときどき人間を引き込んで水死させるなんて伝承もあるね。おそらく川の上流にいたんだろうけど、それが下流にある村に現われたとなるからには、原因があると思う」
「その原因に心当たりがあるか?」
「うーん、そうだね……」

 ヤマダはあれこれ思案し始めた。
 資料探索も得意で、河童対策のためにいろいろ持ってきている。
 それを捲りながら、今回の事例に当てはまりそうな情報はないかと調べ始めた。

「村人のお話だと、河童ちゃんの敵意はあまり感じられない気もするわね~」

 『遠足ガイドさん』レスト・リゾート(p3p003959)は横から感想を述べた。

「うん、ボクもそう思う。なにか上流にいられなくなった理由があるんじゃない? 水質が悪くなったとか、苦手なものが川に落ちたとか」
「河童ちゃんの苦手なもの?」
「いろいろあるんだけど、金気……つまり金属を嫌うとかそういう伝承もあるんだよ」
「そっか。じゃあ村人さんたちにもそのへんのことに心当たりがないか、聞いてみるね」

 さっそく、焔は聞き込みに向かった。

「河童? とやらが悪戯をするなら解決に向けて依頼を遂行しましょう」

 『痛みを知っている』ボディ・ダクレ(p3p008384)は、河童というものがどういうものかは理解していない。
 カムイグラのローカルな魔物だと思っていたが、混沌以外の世界にも存在するらしい。
 まだまだ学ばねばならぬことが多い。

「思うに、河童とは河の化身なのだ。ゆえに禍福をもたらす――」

 『らぶあんどぴーす』恋屍・愛無(p3p007296)は独自の考察を述べる。

「お互いが敬意を持ち適切な距離で付き合えれば、それが一番良いと思うが。他の地域に発生する怪異よりも、比較的被害は少ないようではあるゆえに」

 深刻な被害はまだ出ていない。そのうちなら、トラブルを避けられるだろう。

「正直に言って、元の世界じゃおとぎ話でしか聞かなかった相手と戦う事になるとは、実感が湧かねぇな」

 『義に篤く』亘理 義弘(p3p000398)からすると奇妙な話であった。
 彼が元いた世界でも、河童と言ったら昔話かおとぎ話に登場する妖怪のたぐいである。
 やはり、この混沌ではまだまだ不思議なことが起こる。
 その義弘がいた世界に伝わる昔話、おとぎ話、河童の好物はきゅうり、それから相撲を取ることである。
 ゴリョウについてきたヤマダの調査内容とも一致し、まずは仲間たちときゅうりを使っておびき出すという方法を取ることにした。

「俺ぁ傭兵だ。安い仕事は受ける気はねぇ」

 『黒狼』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)は、毒づくように言った。

「やっぱり、白まんま腹いっぱいだと安いだか……?」

 小夜は不安げに言う。
 傭兵のような命を危険に晒すことの代償として報酬を受ける仕事だ。
 そんな傭兵であるルカに提示されているのは、村にやってきている間は、ご飯食べ放題というくらいのものである。

「安心しな、可愛いお嬢ちゃんを袖にする訳にもいかねえからな、特別だぜ」

 ぽんっと、小夜の頭に手を置いてやり、河童を何とかするための作戦を開始するのであった。

●河童おびき寄せ作戦
「村の人から、お話聞いてきたよ」

 日社介村の村人たちに事情を聞きに言ってきた焔が戻ってきた。
 川辺では、河童をおびき寄せるために水で冷やしたきゅうりが並べられ、ゴリョウが川魚を焼いている。

「それで、なにかわかったかい?」
「うん、村の人の中で上流まで芝刈りに言った人がいるんだけど……その人が、うっかり滝壺があるところに鎌を落としちゃったんだって」
「なるほど、じゃあ原因はそれだな」

 焔の話を聞いた義弘が納得する。
 河童は金気を嫌うというのがヤマダの調べである。
 つまり、河童たちは鎌の金気を嫌って下流の日社介村に出没するようになったらしい。

「その落とした鎌を回収するにしても、まず河童たちとの交渉をうまく進めないとね。そのためにも、きゅうりと相撲だよ」
「……ということだ。相撲と河童を誘い出すための飯がいるってわけだな」

 ゴリョウはヤマダに答えながら、串を入れた鮎を焼いていく。鮎は、村人から釣り方を教えてもらったボディ、ルウ、義弘たちが待ち時間の間に友釣りで釣ってきたものだ。
 ぱちぱちと油が滴って爆ぜる音と、食欲なんとも言えぬ匂いが漂ってくる。河童も、腹を空かせているなら、きっと誘い出されるに違いない。
 村で採れた新鮮なきゅうりを分けてもらい、流水に漬けてよく冷やしてから板ずりなどをしてあっさりめに仕上げるようだ。

「腹一杯に食って運動して発散すりゃあ、大抵のことはどうでもよくなるだろう」
「それはゴリョウくんの基準だろ? 相変わらず、ゴリョウくんはゴリョウくんだなぁ。間違いじゃないと思うけどね」

 相変わらずのゴリョウに、苦笑するヤマダであった。

「……よーし、こんなもんだろ」

 その相撲を取るための土俵もできあがり、ルカが徳俵の具合を確かめている。

「うむ、炊きあがったご飯はこちらへ」

 さっそく、愛無は報酬であるご飯の要求をした、そのように見えた。
 しかし、そのご飯を持って村の仏壇を借りてこれをお供えしたのちに食した。

「あのう、何をしているんだべか……?」
「河童は仏飯を嫌うという伝承もあるのだ。これを食べておくと相撲にも負けないというぞ」

 気にした小夜に、愛無はそのように説明した。
 これも彼女が独自に行なった河童対策である。
 そのように、思い思いの対策をして河童が誘い出されるのを待つこと数時間――。
 ぱしゃんと川辺から水音が聞こえてくるのだった。

●相撲対決!!
「……きゅ、きゅうりだ! みんな、きゅうりだぞ!」

 川から上がってきたのは、子供の程の大きさで頭に皿がある河童に違いなかった。
 カエルのようなヌメッとした感じの肌合いである。
 お誂え向けに、味噌と醤油まであり、野菜スティック状に切ってある。
 ゴリョウやレストが用意した、河童おもてなしのきゅうりフルコースだ。

「河童ちゃん! ひえひえきゅうりを召し上がれ~」
「……ひっ!? おめえたち、村のもんか?」
「ちょっと違うんだ。村人に頼まれたんだけど」

 と、レストは事情を語った。
 河童たちは、きょとんとしたのち、顔を見合わせている。
 どうしたものかと思案しているようだ。

「さあ河童、待ってたぜ! さあ、一番取ろうか!」

 ふんどし一丁の姿となったルカが土俵の上で待ち構えている。

「土俵! おれっちと相撲しようってのか!」
「そうだ、存分にやろうじゃないか」
「相撲ってのは簡単なルールだから、俺も混ぜてくれよ」

 義弘も上着を脱ぎ捨てやる気満々だし、ルウも土俵に上がるつもりだ。
 相撲は女人禁制とも言われるが、これは比較的新しい風習らしい。風紀紊乱を取り締まった名残であるとか。

「おおっ、ごちそう食わせてもらったうえに相撲も相手してくれるんならやってやるぜ!」

 河童は無類の相撲好きである。
 喜色満面でイレギュラーズとの相撲に挑む。

「さぁ、アンタの力見せてくれよな!」
「おおう! さあ、はっけよい!」

 まずはルカととの一番である。
 がっぷり四つに組んで、力と力の勝負だ。

「俺も! 俺も!」
「よっしゃ! ぶちかまして倒すかわから押し出せばいいんだろ?」

 そういうと、ルウは河童にぶちかましの突進を食らわす。
 しかし、さすがは相撲好きの河童である。
 押し出される前にしっかり踏ん張り、上手を切るといった技術も使ってくる。

「頑張れ~!」
「負けるな~!」

 ぱりぱりときゅうりを食べながら、焔とレストは相撲観戦に回り、応援をしている。

「くけけけ! 俺っちと組み合うのは大変だぜ? ぬるっとしてスッポ抜けるかもな!」
「なあに、うなぎ捌く要領だろ」

 ゴリョウはオークであり、ナチュラルにお相撲さん体型である。
 しかも、すっぽ抜けを警戒して力任せに掴まないという技巧も見せた。技能賞ものであった。

「お、俺の相手はどいつだ? 早く早く!」
「なら、僕が相手をしよう」

 愛無も土俵に上がった。
 大好きな相撲が取れると知って気が急いているのか、河童もすぐに立ち合いの姿勢だ。

「さあ、やるぜやるぜ!」
「……おっと、相撲は神聖な神事であり、武道である。礼に始まって礼に終わるというだろう。まずは、お辞儀からだ」
「ええ~、面倒くさい」
「お辞儀しないなら、相手をしてやらないぞ?」
「わかったよ、もう……」

 河童も、愛無を真似て礼をする。
 しかし、これこそが巧妙な罠である。
 河童の頭の皿から、水がこぼれ落ちたのだ。

「さあ、私の高速ぶちかましについてこられますか!」
「うおおお! なんて速い立ち合い! 相手にとって不足なし!」

 ボディの相撲はF1相撲という、スピードを生かした取り組みであった。
 体と体のぶつかり合い、肉体言語にてお互いの思いを伝えるのだ。

「……おっしゃ! のこった!」
「おっとっと!」

 義弘は腕と足を取るという正統派相撲である。
 そのまま、一気に川まで投げ込んだ。

 こうして、河童たちと日が暮れるまで相撲に明け暮れるのであった。

●日が暮れて
「やあ、あんたたちとの相撲、楽しかったぜ!」

 いい汗かいた河童たちである。
 きゅうりと魚、それに酒もあった。

「あのね、村の人はあなた達を怖がっていて……このままだと喧嘩になっちゃいそうなのよ」

 気を良くした河童たちに、レストが本題を持ちかけた。

「そうなのか? でも、人間も悪いんじゃねか! 俺っちの川に金気のあるもの落としやがってさぁ!」
「それはわざとじゃないんだよ。村の人も、うっかり落としちゃっただけなんだよ」

 その辺の事情は、あらかじめ焔も聞いていた。

「だからって、腹いせにいたずらしたり、せっかく丹精込めて育てたお百姓さんのきゅうりを黙って持っていっていいってこたぁねえ。お互い、手打ちにしようじゃねえか」

 そう言って、義弘が和解することを申しである。

「俺たちも村の女の子から頼まれてるんだ。悪さする前になんとかしてくれってな。その落ちた鎌は、俺たちが探して取ってやるからさ」

 ルウも言った。
 全力で相撲を取り合った仲となったので、こうして腹を割って話もできる。

「……そういうことなら、まあいいか。ちゃんと、川から鎌を引き上げてくれよ」
「きゅうりうまかったから、ときどき川に投げ込んでくれれば俺っちも水に流すぜ。河童だけに!」

 その河童が、うまいことを言ってやったという誇らしげな顔をしている。
 こういうとき、どういう顔をすればいいかボディにはよくわからない。顔に当たる『匣』には、真顔を映した。

「私も協力します。村の人たちにもあなたたちの要望を伝えておきます。ですから、きゅうりを盗んだり、村の人たちを川へ引っ張り込むのはやめてください」
「おう、約束するぜ!」

 河童たちも、ボディからの提案を受け入れるようだった。

「そういうことだ。しっかり平らげたら、その滝壺まで言って落とした鎌を探すとするか」

 後日、イレギュラーたちは上流の滝壺で半日かけて鎌を探し出すことに成功した。
 村の祭りでは、炊きたての飯をかっ食らうルカや祭りを手伝う焔、屋台を出すゴリョウの姿があった。
 それからというもの、日社介村では村祭りの終りに、豊作と水難退散を願って、育てたきゅうりを川に投げ込むという風習が生まれたという。

「新しい風習って、こんな感じでできていくんだね」とはヤマダの談である。

成否

大成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

河童成敗、無事に終わりました。
河童たちの風習まで調べ、いろいろ模索して無用な争いを相撲で解決するプレイングは見事でした。
平和裏に事件が解決したので、大成功とさせていただきます!
まさに河童成敗の昔話みたいでよかったです。
優しさがトラブルや衝突を回避する、そうあってほしいですね。
それではまたお会いしましょう!

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