シナリオ詳細
ホワイトデーフォーユービターorスイート?
オープニング
●サニデーサニーデイ
空からお菓子が降ってきた。
きらきらきらり。ひらひらひらり。ふぅわりふぅわり、ゆらゆらり。クッキー、マカロン、マシュマロ、エクレア、カヌレにスコーン、ホワイトチョコ。きれいな包みにくるまれたお菓子が、日光を反射しながらゆっくりと舞い落ちてくる。そうね、『私を食べて』そう言ってるみたいに。港町ローリンローリンの人は、突然のお菓子の雨にみんな大喜び。
だけどちょっとまって、それだいじょうぶなの?
ほら、ケンカばかりしてたあの人とこの人、手をつないで歩いている。
不仲で知られたふたりが、竹馬の友みたいに笑いあっている。
穏やかだった老夫婦が新婚みたいな勢いでルンルンステップ。
みんなハッピー、空気はピンク。ごめんなさい、ちょっと、私こういうときどんな顔すればいいかわからないわ。もしかして異常事態? ほっといても害はなさそうなのが、またなんとも言いかねるけれど、相談くらいはしてもいいわよね。
ね、イレギュラーズさん?
●ローリンローリン
「……異常気象の調査と市民の保護をお願い」
『無口な雄弁』リリコ(p3n000096)はいつもの無表情のまま言った。頭の上ではハニーグリーンのリボンが、ぴこぴこ。とまどうように揺れている。
「……というと大げさに聞こえるけれど、実際のところ、私もどう表現していいかわからないの。空からお菓子が降ってきたのよ。街の人は喜んで食べているし、私も好奇心に負けて食べてみたの。そしたら妙にほわほわした気分になって……しばらくしたら元に戻ったけれど、今度は無性にあのお菓子が食べたくなるの。あとは同じことのくりかえし」
ぴこぴこ。リボンが揺れている。困ったように。
「……だからあのお菓子を食べても人体へ重篤な害はないか調べてほしいの。それと、街の人をできるだけお菓子の雨から守ってあげて。ローレットのイレギュラーズなら、みんな信用してるからおとなしく言うことを聞くと思う。……たぶんね?」
少なくとも暴徒になったりはしないわ、とリリコは付け加えた。ぴこぴこ。リボンが揺れている。
- ホワイトデーフォーユービターorスイート?完了
- GM名赤白みどり
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2020年03月25日 22時05分
- 参加人数22/50人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 22 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(22人)
サポートNPC一覧(2人)
リプレイ
●
「衛生面は問題なし。安心して食べられそうです」
シルフィナはカフェで気のいいご主人夫婦から茶器と皿を借りた。お礼に紅茶を夫婦と客へふるまい、なんておいしい! と歓声を受ける。
「メイドの嗜みです」
楚々と礼を返し彼女も自分の席へ。エクレア、ビスコッティ、シュークリーム、エンゼルフードケーキ、クイニーアマン、カンノーロ。食べたくても主人の食卓を眺めるだけだった、あるいは給金を貯めてようやく買った思い出の。なつかしい、シルフィナはまぶたを閉じた。辛いこともあった、苦しいこともあった、理不尽な目にもあった、だけど、今はそれもなつかしい、甘味が口の中、じんわりと広がれば思い出またひとつ。今日という、すてきな日。
「……おめでとう。小鳥、銀の月」
手渡されたのはリボンのかかったチョコレートボンボン、空から降ってきたやつじゃなくておそらくこの日のために用意したもの。おやァと武器商人は笑みをこぼした。
「もう「私の」とは呼んでくれないのかぃ?」
「……そうしたいけれど所有格を付けたら銀の月の小鳥が泣いてしまいそう。たぶんね」
「紫月ぃ…。」
憮然とした表情のヨタカが武器商人の裾を引く。ほら、と言いたげにリリコは小さく笑った。武器商人はどこか自慢気にヨタカの肩を抱く。
「可愛かろ? こういう顔もするようになったのさ」
抱き寄せると安心したのかヨタカは無邪気な笑みを見せた。お菓子のせいだろうが、これはこれで見もの。何せ普段は理性が邪魔をしやすい小鳥だもの。ヨタカはふわふわと楽しげ、瞳には武器商人だけが映っている。
「んふふ…紫月はねぇ…月のように綺麗でね、鳥籠のように安心感があってね、凄く優しくて…。いつも寝る時は隣で頭撫でてくれるの…俺あれ好き…それとね…やっぱりこれがいちばん好き…」
ヨタカが武器商人の首へ腕を回すなり、押し付けるように唇を重ねた。とたんに戻ってくる理性。
「お…俺は…いや嘘じゃない…嘘じゃない…が…リリコ……忘れてくれ頼む…。」
嗚呼いつもの小鳥、ざんねん、そう武器商人は微笑むと。
「小鳥」
「…ん…?」
振り向いたその口内へ受け止めたキャンディをころり。惑うおまえも可愛いよ? 小鳥。
「空飛んでてそんなモノ降ってきたら困るし、調査するか」
「そうだね、カイトさん。あ、リリーね、あのカップケーキ食べてみたい」
「任せろ!」
緋色の翼をはためかせ、カイトは見事お目当てをキャッチ。肩に乗せていたリリーへ渡す。小さなリリーにとってはカップケーキは一抱えもある。ぱくっとかじりつくと、うれしげに。
「とってもおいしい。はんぶんこしようよ、カイトさんのはなに?」
「飴ちゃん」
口の中でころりと転がしたそれを、カイトは噛み砕いた。リリーが味見しやすいように。そしてそのまま緋色と小さき者は重なった。リリーが口うつしされたのはレモンキャンディ。すっぱいのに、確かに甘くなっていく不思議な味。だから夢中になって、渡す、交わす、捕える、放す、受け取る……。リリーは微笑んだ。
「カイトさん、もっとぎゅっとしていいのに」
「したいぜ。したいんだよ。だけどリリー、こんなに小さくって華奢なのに、心のままに抱きしめたら壊しちまいそうで俺はいつも困っちまう」
「じゃあリリーからぎゅーってするね、ついでにちゅー」
「なんだ、ついでかよ」
見るからに残念そうなカイトに、リリーは思わずもう一度愛しい人の頬へ唇を触れさせた。
「じゃあほんきのはカイトさんから、して……?」
リリーの笑みを、キラキラ輝くお菓子の雨が彩っている。カイトは翼をはためかせ、星の降る蒼穹へ向けてさらに高く高く昇って行った。
綿菓子ぱくりしちゃったの、だって調査だもの。
(零くんがすごくかっこよく見える)
アニーは、ほけらーと零を眺めた。いつもかっこいいけど今日は格別、あれ、わたしいまなんて!? だけど目が離せない。心臓は高鳴りっぱなし、思いが口を突きそう、どうしよう! パニクりかけたアニーの手を零がとった。覚悟を決めた顔で、手の甲へ触れるか振れないかのキス。お伽の国の騎士みたい。わたしどきどき止まらない。
(な、治ってない!?)
零はぎょっとした。おかしいぞ、今ので妙な効果は切れるって聞いた! なのになんで、アニーがかわいい。いつものことじゃん? いやいや、そうだけど! ……かわいい。白魚のような柔らかい手が、薔薇に染まった頬が、降りくるお菓子の輝きを受けて星を宿した瞳が。満開花丸おんなのこなんて、おとこのこにとっちゃ天敵、手も足も出したすぎるどうしたらいい?
(治さなきゃ、とにかく、アニーを!)
振り絞ります勇気。がんばっちゃう、アニーのためなら。なんで? いま聞くなそれを! 零は奥歯を食いしばり人差し指をアニーの唇へ。ふくりとした感触、ぴゃっと肩をすくめるアニー。やめろ、かわいいから。零はその人差し指を自分の唇に押し当てた。これならさすがに……だろ?
「どう?」
「ふえ? な、なにが?」
「治った?」
「……治ってないかも」
「うそおおおお!?」
お菓子の効果なんかとっくに切れてるなんて、お互いにわかっちゃいない。ふたり、まだまだこれから。
「親密な部類のスキンシップは、出来れば人目をはばかるべきだと思うのです」
壁へ押し付けたアッシュから、そう返されたヘーゼルは薄く笑った。
「調査結果は?」
「可食性に問題は無いようです。……若干の飢餓感がでてきました。魔術の類でしょうか」
デザインベビーの自分がと疑念に思ったのかアッシュはマシュマロを追加で食すとヘーゼルを見上げる。事前情報では感受性が豊かになるようなことを聞いていたが普段と変わらなく見える。でも、かすかに。
「甘い、におい」
自分を映す青い瞳はどこかしら茫漠としてる。ははあ? とヘーゼルは唇の端を上げると同時に、アッシュの唇を奪った。
「……ですから親密な部類のスキンシップは」
「調査の一環だとも。まあ実際、娘さんの事が眼に入れても痛くない位に可愛い様に見えるし、今にもとって食べちゃいたい程だから仕方がないし」
義眼だから痛くはないだろうけどなどと、黒いジョークのおまけ付き。アッシュは口元を押さえていた。
(煙草のにおい、煙の味……そう此れが本当のいつも通り)
甘さからは到底遠い苦味、なごやかとも相当縁のない渋み。路地裏の小さな世界で、ふたりぼっち。馴れ合いか熟れ哀歌、どちらとも言えない街角。喧騒が遠くなる。
「ヘーゼルさん。本当はこのお菓子を食べていません、ね?」
「大人は狡いんだ」
そうですかと応じたアッシュは、そっと菓子を口にした。ヘーゼルが目を細める。
「OK、娘さん、今夜は泊まっていくといい」
ゆるゆるゆるりら。降り注ぐキャンディ。シャルレィスの心は浮き立った。
「すごいねすごいね! 雨じゃなくて飴が降るなんて、びっくりだよ!」
「シャル、シャル。不思議ねえ。そこらじゅう、いいにおい。飴って、降るのねえ。物語の中だけだと思ってたわ」
優しく降ってくるから、当たっても痛くない。代わりに誘惑『私を食べて』。シャルレィスは手を伸ばし飴を受け止める。
「おいしいっ!」
口に入れたとたんじゅわっと、舌の上いっぱいスイート&クリーミー。とろけちゃいそう。シャルレィスはあわてて頬を押さえた。その隣でスカーフを広げているポシェティケト。
「あっ、ポシェティケトさんたら! 私だって負けるもんかー!」
「そうよ、今日は欲張りの鹿になるわ、ワタシ」
ハンカチ広げて対抗するシャルレィス。いつしか飴の数を競うふたり。両手両足の指の数を超えたらさすがに食べ時。ふたりは街角へ腰掛け互いの戦果を報告。
「飴の日って大好き!」
「もうずっと飴でもいいや! なんてね♪」
笑い声はじける。
「「いただきまーす」」
ふわり。意識が羽のように軽くなったと思ったら、ポシェティケトは鹿の姿へ戻っていた。しなやかなラインとふわふわあんよ、立派な角を持った本来の姿へ。そのまま頭をシャルレィスへぐりぐり。これもまた誘惑『ワタシを撫でて』。
「えへへー、甘えん坊さんだね! 良い子良い子♪ 白銀の毛並みがとっても綺麗だし、角もかっこいいけど、やっぱり可愛い!」
「調査ってお菓子食べるだけでいいの? やったーあ! それじゃさっそく、いっただきまーす!」
元気いっぱい立候補したヒィロはカヌレをあーんぱくっ。もぐもぐごくん?
「ねぇねぇ美咲さん」
「なぁにヒィロ、いきなり食べるから心配し……」
「前から大好きだけど、なんか今日はもっともーっと大好きで大好きなの!」
ぎゅっと抱きつかれた美咲は冷静に上機嫌なヒィロを観察する。
(確かに普段とは違う感じね。嫌な風じゃないけど……)
「美咲さんはね、とーってもキレイ。日にかざしたキャンディーみたいに透きとおって光輝く瞳に、いちごチョコみたいな真っ赤で甘やかな唇に、マシュマロよりふわふわなほっぺ……だから」
「だから?」
「ボクが食べちゃう! 大好きな大好きなだーいすきな美咲さんのこと、もらっちゃうの……!」
言うなり美咲のほっぺへちゅっ!
「あらいただかれちゃった。……ふむ? 戻ったみたいね、顔が真っ赤よヒィロ」
「だだだだって、けどほんと、ほんと、ほんとだから、えーと!」
「ふふっ、よしよし。じゃあヒィロ、私の手伝いをしてくれる? 食べた分は働くものよ」
と、にんまり、美咲が自分の頬をさす。むうとなっちゃうヒィロ。でも尻尾はうれしそう。美咲は声を張り上げた。
「さて皆さん、私はローレットでも、行く先々で料理もする者。どうせならより美味しいお菓子を食べたいと思いませんか? 一緒に回収してくれたら、特製クレイジーケーキを振る舞いましょう!」
格式高い白銀の礼装、振舞いはクラエスワークで履修済み。そんなリゲルは今日は執事。王族へ仕えても違和感ゼロ。
「空から降るお菓子は、安全性が確認されておりません! このお菓子を研究するために集めています。回収にご協力頂いた方には、素敵なお菓子と交換致します!」
典雅たるも急ぎ走るリゲルの前へ、ザシャア! シスターが現れた!
「素敵なお菓子の詳細をいただけます?」
「まっさきに食いつくのが貴方ってどうなのですか、保護責任遺棄しちゃダメですよ? ともあれシスター、あなたへは、こちらを」
リゲルはスマートにそれを取り出した。
「それは百年有効肩叩き券! いいんですか、お頼みしちゃっても?」
「T40の境地をお見せましょう!」
「こじまさんすずきさんは北回り、まひろさんひいろさんゆりかさんは南回り、さあお行きなさい」
沈着冷静な珠緒の統率を受け、人形たちは敬礼で応えると街の大通りを駆け抜けていった。その隣でこれは一大事と腕を組んでいる蛍。
「……普通でないのは確かよね。よし、ボク達の力で街の人たちをきっちり守るわよ! いきましょう珠緒さん!」
「ええ、蛍さん。街の方々の気持ちを、守りましょう」
ざっと風が吹き、蛍の絹糸のようなツインテールを揺らした。
「ボクは……ボクこそが女神の加護を受けし盾! 全のために尽くす個、聖務を体現せし者よ! いざ顕現せよ、ミサイルにも耐える障壁、皆を覆い尽くし守る巨大な壁となれ!」
どーん! 蛍のすべてが解放され、空へ大きなドームが浮かんだ。ぽこぱこぺぴん。お菓子がドームに弾かれて跳んでいく。
「で、できちゃった……。よしっ! この勢いで行くわ、珠緒さん見守ってて!」
「はい。珠緒はいつもいっしょです」
珠緒がぎゅっと蛍の手を握る。勇気付けられた蛍は胸を張った。
「不敗たる英霊よ我が身へ宿れ、皆を守る誓いとこの身を成さん! 時は満たれり聖・躰・降・臨! お菓子の代わりに神々の加護よ、降り注げ!」
天使のはしごが地上へ降りる。光に包まれた人々は、おいしそうにお菓子を食べるもあの浮き足立った様子はない。
「やった! これも珠緒さんが傍に居てくれたからよ!」
「いいえ蛍さんの力です。珠緒は……すこし見惚れてしまいました」
「アィムシーンギンインザレィン、ジャスシーンギンインザレィン」
傘を差しお菓子の雨の中を歩く真。お菓子を食んで上機嫌な街の人を見かけたらインスタントカメラでパシャリ。
「すみません。ローレットから依頼を受けてきた者です。俺の撮った写真とお菓子を交換してくれませんか?」
涼しげな切れ長の瞳は魔眼。見つめられると逃げ道塞がれる。効果の切れた街の人はハッピーキラキラな自分の写真に顔面大噴火だろう。
「とーさまー、とーさまうふふー」
ほわんほわんのセレーデを発見。真は近づき、頭を撫でてやった。楽しげなセレーデを魔眼で見つめつつ「君も写真を撮るかい? 良い物もあげるよ」。お菓子の行進曲はお砂糖たぁぷり、兄の味。
歌が上手いと評判の忍者が朗々と声をあげる。
「とざいとーざい! これなるは嫁殿、らぶらぶ夫婦の段。相勤めまする黒影は鬼灯。生き人形をば皆様へ御覧に入れまする。お代は御手のお菓子で結構!」
『妙に生き生きしてるのだわ鬼灯くん!』
どよどよと街の人が集まってくる。鬼灯の技巧とステージ技術を活かせば腹話術なんてお茶の子さいさい。普段からやってるしね!(by嫁殿)大道芸は大当たり、お菓子の効果でほわほわしている街の人、涼までいっしょになって、食べるのも忘れて釘付けになる。その一人、ベネラーを見つけた鬼灯は霜月さんのお弁当をすかさず差し出した、が。美味しそう、俺も! ワシも私も僕も!
「しまった釣れすぎた。母上のだしな」
(…とにかく…孤児院の子ども達を保護しに行かないと…)
グレイルは振ってくるお菓子を受け止めながら早足で歩いていく。そこへピンと来た超反射神経。グレイルは振り向き二人を捕まえた。
「…人の物を取っちゃダメだよ…」
「はーなーせっ!」
「はなしてー!」
首根っこ掴まれたユリックとザスがじたばたしている。
「…今は我慢して…。…後でみんなで美味しいケーキ屋さんに行こう…僕が奢るから…ね…?」
「そんな義理はないぜ。俺らは泥棒したんだから」
ユリックはむすっと返事をした。変な所で義理堅い…とグレイルは思った。
「…ほら…これは僕の手作りだよお食べ…。…この幻想スイーツマップも…見ていていいよ…。…他の子を探すのを手伝ってね…?」
すうっと胸いっぱい息を吸い込んだレーゲンを、ヴィント・グリュックが絶妙のタイミングで宙へ放り上げる。スピーカーボムが炸裂した。
「降ってきたお菓子に人体への害は無いか調査が終わるまでイレギュラーズが預かるっきゅ! お時間がある人は拾ったお菓子をレーさんの馬車に置いてほしいっきゅー!」
落っこちてきたレーゲンをもう一回グリュックがぽーん。それをウェールが空中でキャッチ。
「もしも害が無いことが分かれば、皆で一緒にお菓子パーティするっきゅ! 皆で色んなお菓子をシェアして食べると美味しさと笑顔が倍々っきゅ!」
「お菓子パーティー?」
誰か来たぞ? ひよこ色のワンピースの女の子、いや男? どっちでもいいか。ロロフォイのバスケットにはお菓子がどっさり。レーゲンは目を光らせる。
「ウェールさんあの子の所へ運んでほしいっきゅ」
「了解」
「ポポー」
「あ、ポポ! 久しぶり、今日もカワイイね!」
ロロフォイは擦り寄ってきた狼にころっとひっかかった。その隙にウェールが彼をブロック、レーゲンが近づく。
「一人で食べたりコレクションするより、皆で食べて思い出を一緒に作るっきゅ! いつまでも心に残るっきゅ!」
交渉術に則って説得。確かに乾いてかわいくなくなったお菓子を溜めていても仕方ない。ロロフォイはすなおにバスケットを渡した。そこへすごい勢いで転がりくる鞠のような小さな子。
「おっと危ない」
ウェールはグリュックへぶつかりそうになったチナナを直前で抱き上げた。そのまま空へ昇る。そして雨がやんでいることに気づいた。しっかり馬車とお菓子の山を警備していた甲斐があったというものだ。
「すごい! すごいでち、飛んでる飛んでるでちよ!」
「両腕を広げてごらん。もっと楽しいぞ」
空は晴天。魔法は解けてただのお菓子。おいしいおいしいステキなお菓子。メイドの紅茶でお茶会始まり、執事は皆をエスコート。番や仲良しまだまだなあの子、イレギュラーズたちも集まって、本日は飴のちハッピー。みんな笑顔。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
MVP! あげずにはいられないッ! めっちゃくちゃ楽しそうなあなたへ。
下記称号をお送りしております。
ご査収ください。
「比翼の小鳥」
「連理の**」
「スイートチャーミー」
「スイートハンサム」
「まだまだ若葉」
「まだまだつぼみ」
「ファニーファミリー」
クレイジーケーキは、びっくりするほど簡単に作れるのに美味しいという驚きで名づけられたそうです。卵を使わず、酢を入れるのが特徴的で……誰か食わせてくれ!
GMコメント
みどりです。ホワイトデーですよ。
昔もらったお高いお菓子の名前が思い出せなくて七転八倒してます。あれはおいしかった! 今回、ランダムな絡みはないのでご注意。
書式
一行目【同行タグ】または無記入
二行目【行き先タグ】
三行目 プレ本文。この間食べた広島風お好み焼きとかいう物は新感覚でしたねとかぬかすやつは顔をヘラで賽の目にしちゃるけん覚悟しときぃや?(訳 お好みで書いてくださいませ)
行き先タグ
【調査】
お菓子食べちゃいます。
自分の体で人体実験。『特殊な恍惚』状態に陥り、同行者がとんでもなくステキに見えます。ソロの人は生きてるってスバラシイになります。ここぞとばかりに褒め合うなりノロケるなり私は悟りを得たとか言いながら本を書いたりするといい。大丈夫、ぜんぶお菓子のせい。
『特殊な恍惚』の解除方法は3つ。
いち、時間経過。お菓子一つにつき10分で解除。お菓子を食べるたびに効果時間延長。
にい、色気より食い気。知ったことかスイーツをよこせと魂こめたプレがあればさすがのBSも退散します。
さん、キスしちゃいましょう。即時解除。場所はどこでも、あなたの良心へ任せます。ただしkiss my assは怒り付与だぞ、気をつけろ。
【保護】
普段使わない非戦スキルや特殊化やパッシブのフレーバーや倉庫で眠っているアイテムが輝く時が来たぞ。
【カリスマ】で街の人からお菓子を貢がせたり、今まさに食べようとしている人の手からお菓子を奪って【逃走】したり、【幸運】にも自分の所にばかりお菓子が降ってきたり、【革命家】が【統率】して逆に街の人にお菓子集めを手伝わせたり、アイデアしだいでほぼなんでも。
いろいろ考えたり組み合わせたりして「ディスイズうちの子!」な行動で、街の人をお菓子の雨から守りましょう。
ただしランダムでお邪魔キャラがでます。せっかく集めたお菓子を盗られるとムカつくのでゲンコツくらいはいいでしょう。そのくらいでへこたれる子たちではありません。
>お邪魔キャラ一覧 プレで指定することもできます。
ベネラー 最年長 おどおど 食べてない。
めっちゃ食べたいけど警戒心が邪魔をしている。ぐるぐる悩んでるだけなので無害。
ユリック やんちゃ 食べてない。
けど強引に奪ったお菓子をシスターへ献上して食事からあらゆるピーマンを撲滅してもらうつもり。危険。
【無口な雄弁】リリコ 気になって食べた。
表面上変わってないけどよく見ると何かもぐもぐしている。降ってくるお菓子をせっせと集めているので無害。
ミョール 負けず嫌い 率先して食べた。
なにこれ? はあ? ふざけてんの? とか言いながらバクバク食べてる。堂々と寄こせって言ってくる。
ザス おちょうしもの 食べちゃった。
効果は切れている。追加のお菓子食べたいからユリックのあとをついてまわっており、連鎖行動してくる。
セレーデ さびしがりや 食べた。
なんか見えてる。うふふあはは。特に何もしてこないと思いきや効果が切れたタイミングで出くわすとおいおいって勢いで奪いにくる。
ロロフォイ 男の娘 食べてない。
でもお菓子がかわいいので集めている。ちょーだいなってすりよってマークしてくる。かわいいが危険。
チナナ 最年少 ふてぶてしい 食べちゃった。
はいてんしょーん。誰彼かまわず抱きついてくる。ファンブルして転んじゃうかも。
院長シスターイザベラ くいしんぼう もちろん食べた。
色気より食い気なので特殊な恍惚にはなっていないが、あの手この手で交渉してくる。
Q:この子たちあんたのシナリオへよく出てくるけど、いったい何なの?
A:PRページに今の所生えてきた設定まとめました。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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