シナリオ詳細
寒いって言ったらアウトな
オープニング
●
「あー寒い寒い。寒すぎて咳とくしゃみと鼻水と体の震えが止まんねぇえ」
「お前そればっかだな」
ランドセルを背負いながら、二人の小学生が登校していた。二人はマフラーを巻き、コートを深く着込み、とても暖かそうな格好をしている
「だってよー、さみぃじゃんか」
「おま、ばっかだな。さみぃさみぃ言ってたら余計寒くなんだよ。分かるか?」
「え、そーなのかよ! じゃあこれからは暑い暑いって言うわ」
「それだけじゃあ足りないぜヤング。恰好もそれぽくしねぇとな」
「え、格好って……?」
「それはなぁ!」
二人は互いの耳と口を近づける。こんな寒い寒い寒い日に、さて二人は何を話したのだろうか。……それは誰にも分からない
●
現在。二月中旬。……めっちゃ寒い時期である。正月気分ももう終わり、節分もバレンタインも終わり、ガチでなんもなくなったこの時期はただ寒すぎて朝は布団から出るのも億劫だ
「だぁがしっかーーし!! そんな寒い時期だからこそ外に出るのさっ」
そう言って男は両手をぐいーんと雲一つない真っ青な空に上げた。彼の名は寒杉ヤング。人呼んで『小学生の時クラスに一人はいた年中半袖短パンで「俺別に寒くねーしー」って言っている男子生徒の十年後の姿かもしれない……痩せ我マン』だーーー!!!
「こんな寒い日だからこそ、外に出て楽しく元気よく体を動かすものさっ」
ヤングは黄色い半袖のシャツを青色の短パンにインしながら豪快に笑った。寒そうだ。見ているだけでも体温が五度くらい下がりそうだ
「だから、今日は皆で元気に外で遊ぼうじゃないか」
何言ってんだこいつさては寒さで頭がやられやがったな? そう首を傾げていると、ヤングは自分の短い黒髪をガシガシと掻きながら寒そうに白い息を吐いた
「まぁ、なんだ、ただ外で遊ぶってのもつまんないだろ? だからルールを用意しようと思う。そのルールはだな……今日一日帰るまでに寒いって言ったらアウトってやつだ」
ぜーぜー呼吸を乱しながらヤングは続けた。もう何か着た方がいいよ
「一回寒いって言うごとに背中に雪玉を突っ込むからな」
ヤングは親指を立てる。その親指……というか手は酷く震えていた。二の腕には鳥肌がびっしり立っていた
「まぁ細かいことはどうでもいいか……、取り合えず好きに遊べや!」
辺りは一面銀世界。真っ白い雪がふわふわと積もっている。THE雪国だ! 寒い寒いと震えている暇はないぞ。さぁ、思う存分冬を楽しむんだ!!
寒いって言ったらアウトな、スタート――
- 寒いって言ったらアウトな完了
- NM名伊与太
- 種別ライブノベル
- 難易度-
- 冒険終了日時2020年02月24日 22時10分
- 参加人数4/4人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 4 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(4人)
リプレイ
●雪合戦
「わぁあ……! 私雪初めてみた!! 出身世界では降らなかったんだよ……!」
『宝飾眼の処刑人』シキ・ナイトアッシュ(p3p000229)はふかふかと降り積もった雪を踏んでみたり、飛び込んでみたりして楽しむ
「つまり、この雪を使って雪遊びすればいいんだよねぇ? ヤング少年を見習って、コート脱いで遊ぼうじゃないか」
「いい心がけだぞ! そうだ、体を動かせば暖かくなるさ!」
シキはコートを脱ぎ棄て雪をぎゅっと掴み丸め始める
「にしても、雪ってフシギだねぇ。さらさらしてるのにギュッとしたら固まるの。こんなのが空から降ってくるのかい?」
そうだ! シキは目を輝かせた。雪を固めたり転がして大きな雪玉をふたつ作る
「私ね、でっかいユキダルマで、ユキガッセンてのをしたい! つまり作ったユキダルマを投げ合えばおっけー! いっくぞー!」
雪だるまで雪合戦なんて聞いたことがないと、誰もが思っていたがシキの雪だるま雪玉攻撃は止められない
「鬼はぁー外ぉー!!」
「ぶはー!」
その雪だるまは見事ヤングの顔面にクリーンヒットした。寒そう
「ううー……、こんな冬の日に外で遊ぶなんておかしいよぉ……。でも、動いてればあったかくなるっていうし……。そうだよね! 気分大事、すっごく大事!とはいえ、寒さには一人では耐えられそうにないかな……」
吸血化しながら『慈愛の英雄』ユーリエ・シュトラール(p3p001160)は寒さに震える手で相棒の蝙蝠を抱きしめた
「はぁ~あったかい」
ユーリエが蝙蝠で暖を取っていると、ヤングの断末魔らしき叫び声が聞こえてきた
「え、なになに?」
どうやらシキの雪だるま攻撃を食らったようだ。驚きを隠せないユーリエは咄嗟に雪玉を作り始める
沢山の雪玉を作ったユーリエは雪だるま雪玉を掴み、迫ってくるシキに向ける。それは野球のピッチャーを思わせるフォームだ
「私は、この戦いに絶対に負けるわけにはいかない!! 譲れないものが……守らなければならないものがあるから!」
彼女たちの戦いは始まったばかりだ
「雪だー! すげー!!」
「キュー!」
一面の美しい銀世界に興奮した小猿の豆吉と『七星剣の使い手』ゲンセイ(p3p007948)雪へ飛び込む
ばふーん
飛び散る雪を七星剣ことシュウレイがやれやれと払う。剣が錆びたら大変
『何故神剣たる私がこのような“寒々しい”場所に……』
シュウレイが不満そうに文句を言い……終わらる前に
「今寒言っていたな!」
『ヒャヒッ……!? ふ、不敬だ! 不敬であるぞ貴様!』
ヤングが雪玉を突っ込む。冷たい!
ヤングの雪玉攻撃に怒ったシュウレイは、掴んだ雪を丸めぺしょぺしょと投げ反撃する
「ふはははー! 俺には効かぬわー!」
『な、なんかとても嫌な奴だな貴様……』
人の冷たがる姿を見て豪快に笑うヤングにシュウレイは若干引いたという
●鬼ごっこ(氷鬼)
「寒そうな遊びは、私はこれを提案させていただきますよ!」
ユーリエは人差し指をピンと立て、にっこり微笑んだ
「ルールは普通の鬼ごっこと同じですが、鬼は一人で鬼以外の人が全員タッチされたら終わりです。タッチされた相手はタッチされた状態で止まらないといけません。その人が鬼になることはありません。鬼決めは、じゃんけんで決めていって最後に残った人が鬼です」
それって止まっている間は地獄なのでは!?
「鬼の人はいっぱい温まるし、鬼以外の人は走り回っていればいいのですから……まさにWINWINですね!」
あ、はい!!その通りだと思います!
ニコニコと説明を終えたユーリエは「それでは鬼決めをしましょう」と片手を出した
「鬼ごっこは季節問わずやるものだって聞いたね。早くやろう!」
シキもノリノリで片手を出す
「「じゃんけんぽん」」
「あら、私が鬼かい? じゃあ本気で追いかけるよ!」
「じゃあ私達も本気で逃げなきゃですね」
「ま、最後に楽しかったーって笑い合えるように楽しもうか」
シキが十数える間に、他の人はそれぞれ走り出した。十数え終わった後にシキは逃げる人を追いかけ始める……が
「お、っとっと」
深く積もった雪に足が取られて上手く走れない。シキは手をついて転んでしまう
「大丈夫か!」
思わずヤングが手を差し伸べてしまう
「タッチ」
「しまった!」
タッチされたヤングは冷えた汗に震えながらその場に固まってしまった
「よし、次次~!」
ユーリエはタッチされまいと一生懸命シキから逃げる……が、ユーリエも雪に足を取られて転んでしまう
「さ……寒い、あ」
冷たい雪の上に倒れたユーリエは思わず言ってしまった……その言葉を
「今、寒いって言ったな??」
「えっ、えっ。嘘、ですよね……!? というかヤングさんさっきタッチされたから動けないはずじゃ……」
「そんなことは関係ない! ルールだ」
「氷鬼のルールは!?」
カタカタと震えるユーリエを横目にヤングは飛び切り大きな雪玉を拵えている
「そんな大きなの入れられたら、絶対……絶対無理ー!!」
涙目になるユーリエに逃げ場などない。南無さん
「そりゃぁああ!!!」
「ひゃわあああ……っ!」
ぞわあ、とユーリエの背筋が凍り付いた。冷たい雪玉が体温でじゅわぁと溶ける
「もう、ダメ。あとは、頼んだよ……」
ぱたり
ユーリエは心配そうに周りを飛んでる相棒の蝙蝠に親指を立て白くなる。……燃え尽きたぜ、真っ白にな
真っ白になってしまったユーリエの手帳には
「こたつ、はいりたい。
あた十ニかい かっニ したレ)
さむい ゆ き」
と濡れた字で書いてあったそうだ……
●雪だるま作ろ~
「ふふふ。この程度、嘗て味わった寒中水泳には遠く及ばぬ! ああ、あれは本当にさmおっと」
あまりの寒さに『五行絶影』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)はつい禁句用語を言いかける
「では。参る!」
汰磨羈は勢いよく飛び、降り積もった雪にダイブする
「中々素晴らしい雪じゃないか。早速、全身に程よい寒さが巡ってきおったぞふふふふあばばばば」
ガチで寒そう。汰磨羈はガタガタと体中を震わせる。寒い時には寒いって言っていいんですよ!!
「いや、大丈夫だ全く問題ない」
震える体を起こし、汰磨羈はヤングに笑いかける
「よし、ヤングが言うように元気よく体を動かそうじゃないか! そうだな、ここは冬らしく雪だるまを作ろう」
「おう! 良いとも!」
「一番でかいヤツを作ったやつが優勝な! そらぁあああああ!!」
汰磨羈は霜焼けた手で雪を思いっきり集め、丸めだした。ヤングも負けじと息をぜーぜー言わせて雪をかき集める
「よしいいぞ、大分デカいのが出来た。……にしても、うむ。炬燵が凄く恋しくなるな
炬燵でぬくぬくして蜜柑を食いたい」
「俺はおでんが食いたい!」
「んむ、おでんもいいな。こう、半纏を着てぬくぬくしながらはふはふと食べるのだ。これが終わったら絶対にやるぞ、そうしよう」
汰磨羈は、この過酷なゲームが終わった後のことを想像してふふふと笑った
「だがお前、ルールは忘れてないだろうな?」
暖かいものばかり想像する汰磨羈にヤングは疑問を抱く
「NGワードは言ってないぞ!」
ヤングの質問に汰磨羈は走り回りながら答えた
「ところで。かくいう御主はどうなんだ、ヤング。実は、心の奥底ではあのNGワードを言ってしまいたいのではないのか?」
「いや、ミジンコも言いたくないな!」
「いいぞ、遠慮なく言うのだ。その瞬間に、私がこの雪玉を背中に突っ込んでやるからな?」
焦ったヤングの表情を満足そうに眺めながら汰磨羈は雪玉を握りながら、ヤングの目の前でめっちゃ反復横跳びをする。俊敏なねこ
「というかだ。雪で遊びといったら……やはり、これをやらぬのは嘘なのでは」
汰磨羈は雪玉を握って大きく振りかぶり……
「では、ゆくぞ。雪合戦だ!!」
投げた!!
●2公開されたよね。初日に観に行きました
「俺、とある異世界で流行ったアレがやりたいんだけど……」
『なんだそれは?』
ゲンセイは適当な布を方に纏いマント代わりにひらひらさせる。豆吉が雪をパラパラ散らして吹雪を演出している。そしてゲンセイは迫真の演技と超裏声の歌声を披露する。どこからともなく生演奏のオーケストラの音楽が聞こえてきた
『え、どこから流れているんだ!?』
豆吉も雪ですっかり白くなって雪だるまに見え……ないな
「ありの〜ままの〜姿見せ〜るのよ〜」
『……お前、消されたいらしいな』
シュウレイがふんと鼻を鳴らした
「少〜しも寒くなヘブッ」
「お前、今寒いって言ったな!!!」
楽しそうに高らかに笑いヤングはゲンセイの襟を引っ張り雪玉を突っ込んだ。……寒くないって続くのに
●悪魔からの解放
「んむ、終わったか? 終わったよな? よし。炬燵はどこだぁーッ!!」
汰磨羈は超ダッシュして炬燵にスライディングシュートした
「ねこは こたつで まるくなるのだ」
念願の炬燵に入りぬくぬく満足する汰磨羈。炬燵につられて他のメンバーもわらわらと集まってくる。皆で炬燵に入ると幸せだね
「うむ、やっぱり冬は炬燵だな!」
ちゃっかりヤングも混ざっている。やっぱり寒さには勝てなかったらしい
皆、寒い冬こそお外で遊ぶんだぞ!! お外遊びは最高だねっ!!!見る分には!!
成否
成功
状態異常
なし
NMコメント
こんにちは、こんばんは。初めましての方は初めまして佐茂助と申します
これで多分六本目くらいのノベルです。どうぞよろしくお願い致します
<目的・目標>
寒いって言ったらアウトです。寒いって言わずに寒そうな遊びをしてください。寒いっていたらNPC(寒杉ヤング)が背中に雪玉を突っ込みに全力で向かってきます
ヤングと遊んでもいいですね。寒そうですね
プレイングには寒そうな遊びとその他リアクション、突っ込まれる雪玉への抵抗など、好きなようにお書きください
※完全にギャグノベルですので、私は全力でギャグを書きにいきます
皆様のご参加、お待ちしております!!!!!
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