シナリオ詳細
<グラオ・クローネ2020>チョコレート・キャラバン・デリバリー
オープニング
●幻想のグラオ・クローネ商戦
――チョコレートには人を幸せにする魔法の力がある
――チョコレート職人の匠・パリス男爵
深緑(アルティオ=エルム)から太古より伝わる御伽噺がある。
神聖な日である二月十四日において大切な人に灰色の王冠(グラオ・クローネ)を贈呈するという昔話だ。
現代の混沌世界では灰色の王冠(グラオ・クローネ)の模造であるチョコレートが贈呈品として広義に利用されているという。
そして今年も幻想(レガド・イルシオン)にはグラオ・クローネの季節が巡る。
真冬の昨今、幻想国内のチョコレート業界関係者各位は繁忙期を迎えている。
二月十四日付近の現シーズンはチョコレート商戦にとって乾坤一擲の大決戦だからだ。
無論、大切な恋人、家族、親友その他にチョコレートを贈る人々を応援する為だ。
勿論、チョコレートというあの甘美な味の尊さを世に知らしめる為だからだ。
しかもチョコレートは箱入りの菓子だけとは限らない。
チョコレートはありとあらゆる料理に姿形を変えて存在する。
例えば、食事。
チョコレートはカレーを始めとする料理の調味料として絶大な威力を発揮する。
あるいは、デザート。ケーキ、クレープ、パフェ、アイス……。
その名にチョコレートの冠がないデザートは実在するだろうか。
それとも、ドリンク。ホットチョコやシェイクにカクテル……。
そもそもチョコレートの歴史は飲料から始まっている事がその証左である。
即ち此度の決戦の行方は、チョコレート料理という牙城を制する者が戦を制するのだ。
一説では当季節のチョコレート料理が幻想国内の経済市場全体すらも支配するという。
この神聖な決戦を人は「グラオ・クローネ商戦」とも呼ぶ。
●キャラバン配達の仕入れ
「私達のキャラバンは幻想国内でチョコレート料理の配達をやるんだよ! イレギュラーズの皆も手伝ってくれるならすごく助かるよ!」
あなた方は『リスの冒険家』リース・ウォルナッツ(p3n000114)からの依頼要請を受けて、今、リスのキャラバン幻想支部にいる。
どうやら、リスのキャラバンも今年のグラオ・クローネ商戦に参戦する運びのようだ。
さて、具体的には何を手伝うという話だろうか。
「私達は配達をするにあたってチョコレート料理の仕入れ先を沢山探しているんだ! 幻想国内にあるチョコレート料理店で名店を探し当ててくれるかな? あるいはご存知の名店でおススメがあれば教えてくれる?」
「チョコレート料理」と称する逸品にも様々な料理が存在する事だろう。
一体、如何なる「チョコレート料理」が求められているのだろうか?
「美味しいチョコレート料理であればどんな料理でも構わないよ! 食事でもデザートでもドリンクでもその他でも。名店とそこの料理を紹介してくれたら、後はキャラバンの方で店側と交渉して商品を仕入れるからよろしくね!」
さあ、グラオ・クローネ商戦の美食探求にでも繰り出そうか。
好物のチョコレート料理を食べ尽くせ、飲み尽くせ!
- <グラオ・クローネ2020>チョコレート・キャラバン・デリバリー完了
- GM名ヤガ・ガラス
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2020年03月01日 01時45分
- 参加人数6/50人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 6 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(6人)
リプレイ
●食レポバトル
本日は特異運命座標によるグラオ・クローネ商戦の飲食調査が開始される。
「チョコレート料理の食レポをするのである。一番おいしそうな食レポをしたものが優勝! その名も『食レポバトル』!」
百合子の画期的な提案によって皆で各商戦へ繰り出す事になった。
●サヨナキドリ 幻想入口
「幻想の土地でブランドの果物を育てる旦那が居てね。宝石の如き果物はどれも美しくて糖度が高いんだ」
煌びやかな果物から方々を囲まれたフルーツ・パラダイスの美景を物語るのは武器商人だ。
「その美味な果実を広める為に今回作られた菓子がこの苺大福だよ」
ソレは両手で宝玉の如き苺大福―ジュエリー・クラウン・2020―を丁重に抱えていた。
しかし本日はグラオ・クローネ商戦であるが、もしやこれは苺系統では?
「チョコレート? って顔してるね、大丈夫さ。餡子の代わりに生チョコレートを詰めてあるんだ。求肥も拘っててね、丹念に砂糖と練ったからモチモチして仄かに甘い」
ソレは自らが美味に食し実演する。そう、この大福の幸福なる味と香りは……。
「ベルベットの様に滑らかな口当たりに仕上げた生チョコから華やかなカカオの香りがするのさ。口の中で広がるジューシーかつ甘味の強いジュエリー・ストロベリー果実も楽しめるよ」
当ギルドのサヨナキドリにて盛大なる大福パーティ各種は随時歓迎中。
世話好きな武器商人が素敵な冬の味の楽しみ方を教えてくれるだろう。
●幻想港町スワンシィ
「吾が紹介するこれ、板チョコ! 今はやりのビーントゥーバー(Bean to Bar)のチョコレートである」
本日、蒼い港が香る町の活況なチョコレート料理店パティスリー・フルールにご来店。
百合子が必殺の美少女スマイルでご紹介するその特色とは?
「このチョコ―フルール・デュ・トロワ―の特徴は豆の焙煎時間が3分! すごく短いのである! 故にこのチョコはとても『軽い』。酸味が強く他のチョコと比べ甘酸っぱいという印象になるであろう」
百合子が歯応えの心地良いチョコレート板を豪放磊落に齧って芳醇さを享受する。
「そして何より香りがよい。カカオのフルーツとしての輪郭が感じられる香りである。ああ、香りが良いという事は長く余韻を楽しめるという事」
食べきる仕草も愛らしい美少女から食後のまとめをぜひ一言。
「口の中に残った芳香が鼻から抜けていくたびに華やかな味わいを思い出させてくれるであろうよ」
●幻想THE裏町 知る人ぞ知る店
「__懐かしい輝きだ」
深淵たる隠れ家Oriax(オリアクス)にてウォリアが満天の夜空を鑑賞していた。
そこにあるのは、数多の星空の瞬きを珠玉に込めた一口チョコレートのStargazer。
多彩で鮮明なフレーバーアソートチョコは「旧き太陽系」を模して十種類もある。
「肉体が無い故にオレ自身の味覚は幽かなものだが、『美味』かつ『見て』楽しめるな」
さて、順次に吟味して頂くとするか。
煌々とした太陽味は……。大人の珈琲か。
透き通る水味は……。爽やかミントだ。
輝かしい金味は……。オレンジピールを贅沢にと。
偉大なる地味は……。王道のミルクか。
燃え盛る火味は……。刺激的な唐辛子だ。
天然たる木味は……。軽い食感のマシュマロか。
荒涼な土味は……。輪の造形は秘密なナッツだ。
夜瞬く天の味は……。温めた牛乳にも合う紅茶とは。
深き海の味は……。甘さが花開く塩チョコも良い。
美麗なる冥味は……。芳醇ブランデーか。酒抜きVer.もある。
「__甘美な味であったな」
ウォリアもご満悦な百花繚乱のチョコレート・コレクションであった。
●幻想南部 ヴォードリエ領
アーリアは幻想南部のワイン名産地まで遥々と羽を伸ばしに来ていた。
久々に訪れた名所にてアーリアは方々から歓迎された。
『オリオンの瞬き』という現地のお洒落なバーの門を彼女がゆったりと潜れば……。
「ぱっと見はただの丸いショコラねぇ?」
ワインのお供としてショコラを進呈されたので軽やかに摘まんでみた。
(はぐはぐ……。あら? 流星群が……!?)
そのショコラは噛み砕くと小気味よく、味は甘めでほろ苦くも切なく後を引く。
まるでアーリアは真紅色の星の欠片に撃ち抜かれてしまったかのようだ。
――そう、その正体はヴォードリエ領特製のスパークリングワインのジュレである。
「うふふ、可憐な恋みたいなショコラなのよ、これはぁ……」
その恋の名はスター・スパークル・ショコラという異名でもある。
愛しく頂いたアーリアは領主推奨ワインもさらに嗜む。
いつか仲間達と有意義な飲み会を開催したあの日の事を回顧するかのように。
本日も豊穣と葡萄酒の神に感謝して改めて……。
「かんぱぁーーーーーーい!!」
●幻想魔法植物研究開発所 カフェ
「本日は、俺が特異運命座標に喚ばれる直前まで仕えていた魔女様の職場をご紹介出来ればと。さて当研究所ですが、冬の草木眠る間だけカフェが開かれております」
上記の如く現地カフェで情のある解説をしつつ彼者誰がとある調理例を実演する。
「まず、お手元にありますのがルビーチョコレートです。これは魔女様が研究の末に生み出したピンク色のチョコレートです。ピンクのカカオ豆等から調合を重ねました。見た目通りに甘酸っぱい味が特徴的でして、ドリンクやカレー等に入れても美味しいですね。ですが、今回のおススメはルビーチョコレートを使ったヴィシソワーズです」
以上のような展開で今日はヴィシソワーズの芳醇な調理実演となる。
彼者誰は厳つい調理釜の中へ高鮮度の西洋ネギと男爵芋を投入して黙々と炒め煮る。
「その後に各調味料も入れますが、忘れてはならないのがルビーチョコレートなのです」
やがて調合の末、調理釜の中で格別美味たるスープが強かに完成する。
「ううむ。この味は、生クリームや野菜だけでは得られ難いものです。甘く華やかに抜けるこの酸味があるからこそ後味の良いスープを生むのです」
●幻想高級店エリア
寛治がVIPラウンドテーブルで静謐に着席していた。
本日の特製ディナーの「食レポ」を優雅に愉しむ為である。
純白クロスの席では豪勢な食卓が並び揃う。
「チョコレートの利用方法はスイーツだけでは無い。これは、その代表的な一品だろう」
厚切りローストビーフのチョコレートソース掛けを紹介する寛治が実況解説に入る。
「絶妙に火入れされた柔和なローストビーフ。奥深い風味のチョコレートソース。この二つが合わさる時、メインを張るに足る一品となります」
では隠し包丁を入れて肉厚を調整して食べ易くしたい。
寛治がフォークとナイフを律儀に操り濃厚チョコレートソースを肉片に絡める。
鮮やかに彩るソースは赤ワイン、コンソメ、スパイスにビターチョコレートの合せ技。
「うむ、これなら甘い物が苦手な方でもグラオ・クローネの料理を楽しめる」
至福の笑みを浮かべた寛治は長閑に美食するのであった。
最後にリストランテ・FGの方から寛治達顧客層はご挨拶を受けた。
「このレストラン、私が密かに出資してるんですけどね。イレギュラーズのお墨付きとあれば、売上も上がるでしょう。所謂『ステマ』と言うやつです」
●バトル結果
各レポートがリスのキャラバンにて集計されて、食レポバトルの勝敗が公表される。
キャラバン幻想支部にてリースより結果発表。
「全員優勝だよ!」
了
成否
大成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
シナリオ参加ありがとうございました。
食レポバトルは本当にどれも面白かったです。
Happy Grau Krone!
GMコメント
●目標
幻想国内にあるチョコレート料理の名店とその店の料理をリスのキャラバンに教える。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●ロケーション
今回のお話で登場できるチョコレート料理店は、幻想国内であればどこでも可です。
●書式
チョコレート料理の仕入れ推薦の仕方ですが、以下の書式を埋める事で推薦ができます。
以下の書式に合わせて書いて送って下さると「リプレイ」作成がとても助かります。
皆さんのおススメのチョコレート料理を教えて頂けますか?
1.チョコレート料理店の名前
2.チョコレート料理の名前
3.どんなチョコレート料理?
*味や外見等の特徴
味(甘、辛、苦、酸、塩辛等)、色(ブラック、ホワイト、キャラメル等)、サイズ(極小から特大まで等)、料理分野(食事、デザート、ドリンク等)、コンセプト他自由記載。
4.場所はどこ?(王都の商店街、チョコレート料理激戦区、郊外の屋台等)
5.描写して欲しいワンシーン
備考:「オープニング」ではキャラバンで配達準備の依頼説明をするシーンから始まっています。「5.描写して欲しいワンシーン」は、配達当日以前のチョコレート料理に関する過去シーンとなります。
●「プレイング」の例
1.スゥイート・シェイク・パリス
2.スペシャルキャラメルチョコシェイク
3.巨大サイズのチョコレートシェイクだぞ。味は激甘のキャラメルチョコ味だぞ。トッピングの大きな板チョコと生キャラメルが特徴的だぞ。
4.パリス男爵領のチョコレート料理激戦区の片隅にあるぞ。
5.俺が店でスペシャルキャラメルチョコシェイクを猛烈に食べて飲むシーン。うめー、だが、死ぬ程甘い~! って感激しているぞ。
●その他
・基本的に1PCにつき1種類のチョコレート料理を投稿して頂く予定ですが、グループ参加でも構いません。(例えば、グループで同じチョコレート料理を飲食しに行く等)その場合、同行者の名前とIDも書いて頂けると助かります。
・料理スキルに長けているPCさんや、チョコレート料理関係が職業のPCさんであるという場合には、自分の屋台や店舗を紹介する事も可能です。その場合も幻想国内に限ります。
・アルコールを飲む場合は20歳以上のPCさんに限ります。年齢Unknownは自己申告です。
●GMより
実は私、チョコレートが大好きなんですよ。
不肖ヤガ・ガラス、今年のグラオ・クローネの日をどれだけ待ち望んだ事でしょうか。
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