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シナリオ詳細

<Despair Blue>翼尽きた不死鳥を落とす日

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

 潮風に乗って、白銀色の髪が靡く。
 薄っすらと紅を塗った口元を静かに結び、女はそこに立っていた。
 波が船体を煽り、打ち付けられる音は降り注ぐ弾丸のような雫とまじりあってどちらのそれか判別するのも難しい。
「おい、イレギュラーズ! ちゃんと生きてるか!」
 女が振り返ることなく声をかけてくる。
 マストに、縁に、しがみつく様にして、或いは悠々と立って、自分がまだここにいると宣言すれば、カカッ、と愉快そうに笑う。
 見果てぬ夢そのものとも言える海洋王国のはるか先、前人未到の海域。
 『海洋王国大号令』が発され、ローレットの助力も受けて後顧の憂いを断ち、横槍を挟んできたあのゼシュテル鉄帝国を撃退して少し。
 海洋王国は外洋への橋頭保を築く段階に到っていた。

 そんな船団の一つに搭乗してから何日か経っていた。
 『絶望の青』に入ってからというもの、唐突に晴れたり、今のような嵐になったり等日常的だ。
「おい、大丈夫か?」
 また、船長がこちらに問いかけてきた。
 よく見れば、船長は明らかにこちらを見ている。
「大丈夫だ」
「……そうか、体調が悪ければ落ち着くまで休んでくれ」
 そう言ってこちらから視線を外し、船長は何やら号令を発していく。
 こちらを気遣うような声に、ふと思う。
 あぁ、そういえば、なんとなく、胸がざわつくような気がするな、と。
 最初は船酔いかと思ったが、どうにも違うような気もする。
 いざというときに何かの支障を受けるとかはなさそうだが、こうも気分がよろしくないのも嫌なものだ。
 もしかすると、船長はそれを見抜いていたのかもしれない――あるいは、彼女自身もこんな感じなのだろうか。

●絶望を齎すは不死鳥のごとく
 あれからまた、数日ほどが経った。
 まるで意思を持つかのようなハリケーンを何とかやり過ごし、ふと息をついたその時だった。

 連なる三隻の一。向かって左側を進んでいた船が、突如として、横に大きく揺らいだ。
 波にさらわれたのとは明らかに違う。
 そして――続く様にして、嵐の音をかき消すほどの轟音が、その船から響く。
「どうした! 何があった!?」
「シルヴィア様! 砲撃です!!」
 観測手らしき船員がそう叫んだのを耳にする。
「砲撃!? この嵐の中、どこからぶち込んできたってんだ!!」
「――――下です!!」
 観測手の再度の言葉にかぶせる様に、もう一度轟音が、水の飛沫が跳ね上がり――左側を進んでいた船が、その船体の中央から静かに折れた。
 続くようにして、その船が三度の砲撃らしい物を受けて、真っ二つに折れて海に消えていく前半身が煽られたようにひっくり返った。
「船長! 前方に何か出てきます!! あれは――」
 前方にいた乗組員が叫んでいた。
 その言葉に対して、解を示すように、嵐の水底から、ソレはゆっくりと浮上してきた。
 船の前方に二門、左右に四門ずつ、そして恐らくは後方にも二門。
 船首には不思議な形をした鳥の飾りの名残が見え、掲げられた旗は千切れ、水を吸ったように風を失って垂れている。
「――――輪廻する不死鳥号か」
 ぽつりと、シルヴィアがつぶやいた。
「なんだそれ」
 君の問いに、旋回を指示しながら船長がちらりとこちらを向いた。
「バカでかい金を使って作り上げられた当時最高峰の戦艦――だったものさ。
 前回の海洋大号令で出発して、絶望の青に沈んだ。
 まぁ、ちょっとだけ名の知れた海賊船ってやつだね。
 みりゃあわかるが、所謂幽霊船ってやつかね」
 砲弾を込めるよう指示を出す彼女は落ち着いている。
 今さら幽霊船の一つや二つ現れたって何もおかしくないといったところだろうか。
 そう考えていたその時だった。
 砲撃音が、前から二発。それは自分たちの乗る船の横を滑って海洋に消えていく。
 その直後、砲撃が再び放たれ、左方向――沈んだ船の方向めがけて砲弾がぶちまけられる。
「チッーー仕方ない! おい、あんたらの中に、
 船を扱えるやつはいるか!?」
 振り返りざま、シルヴィアがイレギュラーズに叫ぶ。
「いるなら、ここは任せて、私は生きてそうな船員たちを回収したい」
 真剣そのものの青い瞳が君たちを貫いていた。

GMコメント

こんばんは、春野紅葉です。

そんなわけで幽霊船とドンパチ大決戦です。

それでは、詳細をば。


●成功条件

幽霊船『輪廻する不死鳥号』を破壊する。

●失敗条件

味方全艦の沈没、もしくは航行不能。

【失敗条件補足】
上記条件は帰還不能のために存在します。
ヨットなど、何らかな自前の手段によって皆様が
依頼終了後に退却可能な場合は上記の条件はありません。

ただし、その場合でも脱出方法を持つ者が戦闘不能であれば失敗条件は成立します。

●戦闘開始時補足。
リプレイの開始直後、皆様はシルヴィアから三択を選ばされます。
どうするかは皆様次第です。

1、船の操舵をイレギュラーズが行い、幽霊船にこのまま戦いを挑み、数人で乗り込む。
(艦隊決戦。旗艦の操舵手、搭乗者によっては補正あり。イレギュラーズのスキルでの砲撃支援可能)

2.船の操舵をシルヴィアに任せて、幽霊船にこのまま戦いを挑み、数人で乗り込む。
(艦隊決戦。操舵手補正なし、搭乗者補正あり。イレギュラーズのスキルでの砲撃支援可能)

3、船の操舵をシルヴィアに任せて、全員で幽霊船に乗り込む。
(船からの援護射撃なし)

●戦場
・荒天の大海原
文字通りの嵐の大海原です。
少なくとも、見渡す周囲に島などは見当たりません。
落ちたり帰れなくなったら殆ど確実に迷子です。

主に後述の艦隊決戦を行う場合に関係します。

艦隊決戦中は操舵手によっては能力値に下方修正が入る可能性があります。

・幽霊船『輪廻する不死鳥号』
かつては絡み合った不死鳥の飾りが特徴的だった美しい船でした。
前後左右に合計10門の大砲を積んだそこそこの規模の海賊船です。

今は足場が悪く、所々抜けてたりする朽ち果てた幽霊船です。
接舷後に直接乗り込んだ場合に関係します。

船上は比較的広く作られているので回避に問題はありませんが、
レンジ4以上をとるのは難しいでしょう。
遮蔽物もほとんどありません。

●味方戦力
・『空を翔ける白き虎号』
皆様が搭乗中の旗艦です。
複数の砲門を備えたやや大きめの軍艦です。

後述の艦隊決戦で皆様が使う船です。

甲板から敵艦を打ち抜くには打ってつけの場所が複数用意されています。

・シルヴィア
女船長。無難に有能です。

上記の1では皆様に旗艦を任せて随伴艦に乗り移り、
大破した随伴艦の乗組員を回収します。

2、3では旗艦の操舵を引き続き担ってくれます。

基本的に敵艦の射程外に移動することを基本行動としますが、
皆様の要望があればそのように動きます。

・乗組員たち
味方の艦が事実上の奇襲で大破したことで動揺しています。
落ち着けば普通に働いてくれます。

●特殊ルール(艦隊決戦)
もし皆様が先述の1か2を選択される場合、
今回限りの特殊ルールによる艦対艦の戦いが行えます。
以下に詳細。

・補正

【戦場にいるイレギュラーズに該当しそうな非戦スキルが一切ない場合】

船上にいる全員と搭乗中の船の命中、回避、防技が飛行戦闘と同等のマイナス補正を受けます。

【操舵手にいずれかのスキルがある場合】

操船技術、騎乗戦闘、航海術があれば命中への上方修正を得ます。

【船上にいるイレギュラーズにいずれかのスキルがある場合】
人心掌握術、カリスマ、統制、統率などの非戦スキルがあれば上記のマイナス補正を軽減します。
スキルが多いほど軽減率は高くなり、最大で打ち消せます。

【その他】
船員を落ち着かせて仕事に集中させれそうなスキルにはマイナス補正の打ち消し。

船の動きを安定させて狙いを定められそうなスキルには命中への上方修正効果が付きます。

・距離
味方の船から敵の船めがけて攻撃する場合、原則3レンジになります。

・船体破壊
船を対象とし、クリーンヒット以上の命中度が発生した場合、当たった場所にダメージを与え、破壊可能です。

上記非戦スキルによる補正があれば人によりはしますが意外とすんなり入ります。

●敵エネミー
・『輪廻する不死鳥号』
ただの船ではあるので、意思などはありませんが、
船長の意思によって進行、旋回などを行っています。

戦場では皆様に向けて魔力らしき砲弾を撃ち込んできます。

受けて一撃で味方の船が沈むことはさすがにありませんが、
食らい続ければ普通に沈むので注意が必要です。

攻撃を止めるには【1.敵艦に乗り込んで砲撃手のスケルトンを潰す】か、
【2.こちらの砲撃によって砲門を破壊する】必要があります。

・『ブルー・オブ・ロバート』
『輪廻する不死鳥号』の船長を務め、絶望の青に沈んだ海賊です。

カットラスによる近接戦闘、ライフル式の銃による中~遠距離戦闘を熟す熟練の海の男です。
狡猾で大胆で戦術的な戦闘スタイルを持ちます。

強いです。

カットラスには毒が仕込まれており
【猛毒】、【呪縛】の副作用がもたらされると推察されます。

ライフル銃には特殊な加工が施され
【流血】、【致命】の副作用がもたらされると推察されます。

彼を討ち取った場合、『青藍の不死鳥号』は動きを停止します。

・『砲撃手スケルトン』×10
当時の乗組員だったと思われる海賊風の衣装に身を包んだスケルトンです。
それぞれの砲台に1人います。

カットラスを用いての反撃をしてきますが、
基本的にはさほど強くありません。

砲撃手スケルトンを失った砲は動きを止めます。

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。
 
●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • <Despair Blue>翼尽きた不死鳥を落とす日Lv:15以上完了
  • GM名春野紅葉
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2020年02月20日 22時05分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)
防戦巧者
銀城 黒羽(p3p000505)
ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)
黒武護
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)
音呂木の蛇巫女
エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
ユースティア・ノート・フィアス(p3p007794)
夢為天鳴

リプレイ

●そこにあるナニカ
「不死鳥ときたか……」
 聞かされた船の名に『ディザスター』天之空・ミーナ(p3p005003)は少しばかり幽霊船を眺めた。
「どうかしたのか?」
「ああ、昔の知り合いにいたもんでな」
 そこまで言うと、首を振って、シルヴィアに視線を向ける。
「さておき…今じゃただの幽霊船だ。
 一度死んでるなら、二度目も殺せるさ」
「あぁ、違いない」
 頷いてシルヴィアがそう返す。
「かつては彼らも絶望の青を越えるために頑張ったんだよね。
 もう、彼らには誇りも、何も、残ってないのかな? なんだか悲しいね」
『ムスティおじーちゃん』ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)はぽつりと幽霊船を見て呟く。
「乗組員を見捨てる事はできません。
 ここは僕たちが受け持ちます!」
 船長――シルヴィアの言葉に一番に答えたのは『助手』ヨハン=レーム(p3p001117)だ。
「安心しな、この船は俺が沈ませねぇよ」
 そう答えてシルヴィアから舵を譲り受けたのは『不屈の』銀城 黒羽(p3p000505)である。
「あの人達も元々はボク達と同じように絶望の青を越えようとしてたんだよね」
 シルヴィアからの返答を待つよりも前に『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)はひとつ呼吸をして、シルヴィアに頷いて見せる。
「助かる。では……頼んだ」
 そういうと、シルヴィアは救助用の小型船に乗り換えてまだ沈んでいない随伴艦に一度乗り換え、沈んだ随伴艦の救助に動き出した。
 それとほぼ同時、荒波の中に小型船が降ろされた。
 小型船の持ち主たる 『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)は荒波を背景に浮かぶ幽霊船を見上げ、白花の装飾が彫られた機械製の義手で舵を握る。
「悪いが全力で乗り越えさせてもらうよ」
「えー、またまた海上戦?
 揺れがめちゃくちゃなだけでなんっにもないわね!
 そろそろ平和なクルージングを楽しみたいわ」
 なんてことを言う『戦神』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)は船酔いからか普段と少しばかり様子が異なってるようにも見えつつも、二本の愛刀の調子を確かめ、霊薬をかみしめる。
「さて、幽霊船の破壊ですか……
 亡霊の殲滅なんかは幾度かやりましたが、船の破壊というのも珍しいですね」
 そういう『泳げベーク君』ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)も続く様に乗り込んでいく。
「とにかく乗り込んだら敵を撃つ……迅速且つシンプルに行きましょ!」
 そう言ったのは『熱砂への憧憬』Erstine・Winstein(p3p007325)だ。
「ええ、そうですね」
 それに続く様に『夢為天鳴』ユースティア・ノート・フィアス(p3p007794)は頷き、乗り込む。深く何かを考える様だった。


 ゼフィラの船が荒天の海原を走り出したのとほぼ同時、焔は呼吸を整えていた。
 動揺する船員達の様子を確かめながら、少しばかりの不安が胸をよぎる。
 けれど、やってみなければ始まらない。
「落ち着け! 誇り高き海洋王国の船乗りが、絶望の青に挑もうという戦士がこの程度で狼狽えてどうするっ!
沈められた船の乗組員はシルヴィア船長が救助に向かわれた、もう心配する必要はない!」
 降りしきる雨をはじく様に、髪の先がちらりと炎に揺れる。
 それは神の子としての彼女らしく美しく、何よりも人々を引き寄せるだけの魅力が存在していた。
「ならば我々のすることはなんだ! そうだ、卑怯にも我らが同胞に不意打ちをしかけてきた卑怯者に反撃することだ!」
 続けるように、ヨハンはくるりと踵を返して、船員たちの方を向いた。
「えー、これより砲撃戦の指揮を担当するヨハンです! よろしくお願いします……」
 そう言ってみれば、船員たちの意識は愕然と海上の向こう側にある幽霊船に釘付けだった。
 そうなっていない者も、視線は海上に向かっている。
(あぁ……見事に士気が下がってますね。あー、てすてす)
 そんな様子を見たヨハンは尻尾をゆるりと動かして、深く空気を吸い込んで、ワイヤーボムを天高く放り投げた。
 起爆と同時に炸裂した、爆音と風。
 船員たちの意識がこちらを向いたのが分かった。
「おい、てめぇら!骨ごときに何ビビってんだ!! グレイス・ヌレ海戦を思い出せ!!
 ゼシュテル鉄帝国海軍を相手に互角以上に戦い抜いた今、何を恐れる必要があるか!」
「てめぇ等それでも海の男か!
 絶望の青を攻略しようってのに、てめぇ等みたいな腑抜けは邪魔なんだよ!」
 黒羽は船体を波にさらわれないように慎重に御していた。
 その状態のまま、船員たちに続けるように発破をかけた。
 向けられた視線を受け取りながら、声を上げる。
「確かに当時は最高峰の戦艦だったのかもしれない。
 しかし今は不意を打たなければこちらを沈められない時代遅れの骨董品にすぎない!
 そのような相手を恐れる必要はない!奴らが誰に手を出したのか思い知らせてやれ!」
「我々イレギュラーズと海洋の絆は海よりも深い! あんな腐りかけのボロ船に何ができる!
 あの煩い砲門から潰すぞ! さっさと配置に付けぇっ!!」
 焔とヨハンの檄が風雨の音を超えて響き渡る。僅かな間の後、船員達が畏怖を吹き飛ばすように雄叫びを挙げた。
 ぐわりと波にさらわれる船の動きが、やや整っていく。
 落ち着いた船員達の細々した挙動と、黒羽の優れた操船手腕もあって、船体の荒れようが穏やかになっていく。
「行くぞ! 振り落とされるなよ」
 そう叫び、黒羽はそのまま舵を回す。
 ぐるりと回った舵に合わせ、船体がゆっくりと動き、『空を翔ける白き虎号』の側面に設置された砲門が『輪廻する不死鳥号』の側面を捉える。
「目標、輪廻する不死鳥号!
 海の男の誇りを見せつけてやれ! 撃ち方はじめーっ!!」
 ヨハンの号令の直後――側面に存在する複数の砲が火を噴いた。
 轟音とともに、設置された砲台から砲弾が随伴艦の方へ舵を取ろうとしていた『輪廻する不死鳥号』の側面にいくつか着弾する。
 その様子を見ながら、ヨハンもまた自らのワイヤーボムを起動し、敵艦の船体めがけて放り投げた。
 ボムは敵艦の砲台近くの一つに着弾し、おんぼろの船体を大きく傷つける。
「ふぅ、落ち着いてくれたみたいで良かった。ボクもやらないと……今回はきっとこの海を越えてみせるから、だからもう休んでいいんだよ」
 憐憫を敵艦へと投げかけて、その手に生み出したのは火球。
 それを思いっきり敵艦めがけて放り込む。
 船に着弾した火球は、爆発と共に敵艦の船体を砕いていく。
 強烈な連撃に、敵艦の砲台の周辺や一部個所に傷が増えている。
 しかし、敵も愚かではない。
 こちらに面している砲台から、魔力弾がこちらへと放たれる。
 幸いというべきか、操船技術と狙われた場所にある防御用の装甲のおかげでさほどの傷にはなっていない。

 黒羽は舵をぐるりと取る。
 仲間たちの乗る小型船が疾走するのを避けるように、船員から小型船のいる方向を聞きながら動かしていく。
 随伴艦と『空を翔ける白き虎号』の間に入り込むようにして割り込んでくる『輪廻する不死鳥号』の側面を狙うように、ふたたびぐるりと舵を取った。
 『輪廻する不死鳥号』に設置されている砲台に、魔力が収束していくのが見える。
「一度落ちた不死鳥に、空を翔ける虎を捕まえることは出来ねぇってことを教えてやるよ」
 黒羽は敢えて船体を斜めに向けるよう動かしていく。
 放たれた砲弾が、水面を叩いて水しぶきを上げ、船体掠めて海に消えていく。
 敵艦の船体が随伴艦の方に動くのを見ながら、黒羽は船が横転しないように気を付けつつ、更に舵を取る。
 船の横腹を『輪廻する不死鳥号』に合わせるように動かす。
「この一発一発が海洋の未来を担っている事を忘れるなっ! ってー!」
 船体が動き、『輪廻する不死鳥号』の横腹を捉えた瞬間、ヨハンは号令を発した。
 ――瞬間。轟音が轟き、複数の砲が火を噴いた。
 荒波にのまれながらというのに、確実に砲撃が打ち込めるのはイレギュラーズの統率のたまものである。
「負傷者はまだ大丈夫か? 何かあればすぐに言え! 交代は迅速にだ!」
 船員達へということもあり、あえて堂々とした態度でいるヨハンの指示に、船員達が雄叫びを挙げる。
「レーム隊長! 『輪廻する不死鳥号』の砲撃が一つ、沈黙しています!」
「よし! そこは狙うな! 弾は限りがある。無駄弾を打つのは避けるんだ!」
「イエッサー!」
 敬礼をした船員がそのまま持ち場に戻っていく。
 焔は火炎弾を片手に持ち、ヨハンによる砲撃の号令を受けると、船員たちの砲撃に合わせて敵艦めがけて放り投げる。
 綺麗な放物線を描いた炎の爆弾は船体に叩きつけられると共に、強烈な爆発を放ち、ぼろぼろな船体に風穴を開けた。
「向こうから砲撃が来るよ! 備えて!」
 砲台に魔力が収束していくのを見た焔がそう声を上げた直後、敵艦から魔力の砲撃が放たれた。
 激しい衝撃と共に、近くにいた船員が衝撃に煽られて吹っ飛んだ。
 そこへすぐに別の船員が駆け付け、使い手のいなくなった砲台につく。


 ゼフィラの駆る小型船は二隻の軍艦の砲撃戦の合間を縫うようにして接舷しつつあった。
 操船に集中するゼフィラの技術は大したものだった。荒波を行くとは思えぬ航行は順調にそのものといえよう。
 その船上、ミーナは二本の剣を抜いた。じっと船体を見つめ、その時を待ちながら剣を振りぬく準備をする。
 青き希望と明星の祝福をそれぞれに持つ双剣から放たれたのは、不可視にして不可避の刃。
 まっすぐに伸びた剣は、ボロボロの砲台が覗く船体に炸裂する。
 それに続く様にムスティスラーフの終極幻想が砲台のような姿へと変化を遂げ、『輪廻する不死鳥号』の方へと砲弾らしきものを叩き込む。

 乗り込める位置にまで移動したところで最初に動いたのはベークだった。
 タンっと小型船の縁をけりあがるようにして舞いあがったベークはジェットパックの勢いのままに砲台めがけて飛んでいく。
 絶妙におなかのすく甘い香り――と同時に、襲い掛かってきたのは強烈な悪臭だった。
「この臭いは……」
 甘い香りにスケルトンの一部が視線を向けてくるのと同時に、思わず顔をしかめる。
 続く様にして飛び上がったのはミーナだ。
 ミーナはロープを手すりに括りつけながら、視線を砲撃手に向ける。
「よし、登ってきて大丈夫だ」
 小型船の方めがけてそう叫び、剣を構えた。
 ユースティアは小型船の船上でセイクリッドファングの持ち手の感触を確かめる。
 そのまま祈るように目を閉じると、呼気を一つ。そのまま、敵艦の上へと飛び込んだ。
「おえー」
 強烈な臭いに船の外へとアレした秋奈は心底から平和なクルージングを望みつつ、剣を構えた。
 続々とイレギュラーズが乗り込む中、ユースティアは霊魂との疎通を図るべく目を閉じ――思わず目を見開いた。
 ゾクリと背が凍り付きそうな感覚と、吐き気がするような頭痛。

 憎い憎い憎い憎憎憎――――……

 あたり一面、すべてを覆いつくすような怨念の残滓が、脳髄に響き渡る。
「死臭……? いや、でもこれは」
 独特な、特に嫌な臭い。これは、死臭は死臭でも、水死体特有のものだ。
 各々の面持ちで船上を見据えたイレギュラーズは、こちらをじっと見つめ、静かに銃を構えた男を見る。
 ぼろきれのようになった衣装に身を包み、半分以上が腐り落ちたその男が船長であろうと推察できるのは、偉そうな帽子と、胸元で垂れ下がる紋章ぐらいか。
 ブルー・オブ・ロバートが引き金を引き、放たれた一撃が最初に乗り込んだベークを打ち抜いた。
 攻撃を躱すことはできなかったが、何とか最小限の傷で抑え込む。
 ゼフィラは自らの身体に流れる血を活性化させながら走り抜ける。
「悪いが、こちらに付き合ってもらうよ」
 まるで空から襲撃を受けたかのような、無数の穴をものともせずたどり着き、相手を見る。
 抜け落ちた洞の双眸が、ゼフィラに向けられた。
「時に、あなた達の冒険に興味があってね。
 教えてくれないか、船長?」
 なんて、口に出してはみるが、これがそれを語れるようには到底思えなかった。
 そんなゼフィラの肩の上あたりを紫の輝きを帯びた刀が走り抜けた。
 刀は『ブルー・オブ・ロバート』の首筋に突き立つ。
「戦神が一騎、茶屋ヶ坂アキナ! 有象無象が赦しても、私の緋剣は赦しはしないわ!」
 そう宣言しながら現れた秋奈は、突き立った長刀を引き抜きながら間合いを取る。
 洞が、ゼフィラから秋奈に向きを変えた。
 ミーナは自分から一番近いところにいた砲撃手スケルトンの下へと走りこむと、そのままの勢いを利用して双剣をふるう。
 切り裂かれたスケルトンがカタカタと音を立てながら、振り返り、カットラスを振りぬいた。
 それを剣で払いのけながら、次のすきを窺っていく。
 エルスティーネは氷刃に魔力を籠めながら走り抜けた。
 そのまま『空を翔ける白き虎号』の側面へと砲撃をぶち込む準備をするスケルトンの首筋めがけて氷刃を走らせる。
 ぴしゃりと水滴を裂きながら駆け抜けた刃は、綺麗に骸骨の首を断ち割った。
 氷纏舞奏・結祈飾に力を籠めながら走ったユースティアは『空を翔ける白き虎号』からの砲撃を受けたスケルトンに狙いをつけていた。
 美しき青白い光を放つ聖剣による一刀が真っ二つにスケルトンを叩き切る。
 ムスティスラーフはその筋骨隆々とした肉体を大きく息を吸ってさらに大きくしながら、轟と吹き出した。
 緑の閃光が砲撃手二人と砲台を薙ぎ払い、砲撃手を焼きはらう。
 ベークは両手に握る防衛武装を用いて迫りくるスケルトンたちを殴りつける。
 拳を叩き込んだスケルトンが、カタカタと音を立てた。
「ゴォォォ」
 叫び声――いや、風が吹き抜けるような音が、『ブルー・オブ・ロバート』から響いた。
 その直後、船の後ろ、船内に向かう扉が開き、そこから猛烈な悪臭が船上に漂った。
 それと同時に、独特な臭いが充満する。
「ガス……?」
 思わずそうつぶやいたのは誰だったか。
 イレギュラーズの攻撃で崩れ落ちた骸骨たちが、ガタガタと音を立てながら起き上がり、再びイレギュラーズに襲い掛かる。
 それはまるで、不死であるかのごとく。

 腐り落ちて表情のうかがい知れぬ顔が、秋奈の眼前にある。
 ゼフィラのブロックを受けた『ブルー・オブ・ロバート』だったものは、動きの取れない様子を見せながらも、じっと秋奈をねめつけている。
 ゼフィラは『ブルー・オブ・ロバート』の前に立ちふさがりその動きを遮りながら、味方を鼓舞していた。船の上という限られた空間という事もあって、その支援を受けとれるイレギュラーズは多い。
 秋奈は踏み込みと共に、長刀を光の如き速度で走らせた。
 崋山の刀の名を持つ超高速で振り抜かれた剣閃は、ブルー・オブ・ロバートに守りに入らせる隙を与えず、痛烈な一撃を見舞う。
 声帯もおそらくは痛覚も抜け落ちたのか、敵は構うことなく攻めてくる。
 体勢を立て直した秋奈の目の前に、カットラスが見えた。
 それを守りに短刀を動かして、何とか均衡を保ち、お返しとばかりに長刀を叩き込んだところで、目の前に銃口が移った。
「人ではないのなら容赦はいらないわよね?
 私、本当は手加減が苦手なの……
 思い切りこの大鎌を振るえるっていいわね!」
 スケルトンのカットラスを刃で受けたエルスティーネは、そういうと、くるりと氷刃でカットラスを絡めとり懐へ入り込んだ。
 多少無理な体勢移動による微かな痛みと同時、返すように振り下ろした刃がスケルトンに吸い込まれていく。
 ムスティスラーフは再び大きく息を吸いつつ、射線を調整し、身体を伸ばす。
 直後――緑色の光線が再びスケルトンを、そしてその後ろにある砲台を焼き払う。
 その瞬間、砲台を固定していた台座もろとも軋み、音を立てて砲が崩れ落ちていく。
 数秒の後、ボシャンと水面に何かが叩きつけられる音がした。
 船上の一角、青白い光がまばゆくその輝きを増しつつあった。
 ユースティアの祈りを受けた氷纏舞奏・結祈飾は悪夢を断ち、必滅を謳う軌跡を描く。
 六花のきらめきを放つ一撃を、スケルトンへと振り下ろす。
 悪夢を断ち切り祝福を下す剣は、スケルトンを真っ二つに切り裂いた。
 切り降ろされたスケルトンは切り口から青白い光を生みながら溶けて消えていく。


 砲弾が炸裂し、近くにいた船員が吹っ飛ばされて倒れる。
 砲撃の応酬は何度か繰り返された。
 黒羽の操船技術もあって、『空を翔ける白き虎号』の傷はさほどのものではない。
 その一方で、随伴艦への攻撃をずらしたり、味方の小型船が乗り込むまでの注意引付けのために危険を承知の上で近づくこともままあった。
「負傷した人は下がってください!」
 ヨハンは号令をかけながら苦しむその船員を後ろに下がらせると、ワイヤーボムを手に取り、ポイっと投げた。
 精密なコントロールで敵艦の砲台の一つに転がっていき、線を引けば爆発音が響いた。
 新しい船員が吹っ飛ばされた船員に代わって持ち場について、行動を始めたところで、次を待つ。
 敵艦につけられていた砲台が新たに一つ、海面に落ちていくのが見えた。
 過半数の敵砲台が沈み、船体自体も損傷はかなりのものになりつつある。
「この調子なら沈められそうだね」
 焔もそう呟いて、次の火炎弾を用意していた――その時だった。
 『輪廻する不死鳥号』が動き出したのだ。前や進行方向の転換などではない。
「自分から沈んでいく……?」
 ずぶずぶと、浮力を失ったかのように船が潜っていく。
「海の中から出てきたんだから、海の中に潜れない道理はないってことか」
 黒羽がつぶやき、ヨハンが再び砲撃の号令を発した瞬間、徐々に潜り始めた敵艦の動きは再び停止した。
 そこにつけて、別方向からも砲撃音が響いた。
 見れば、随伴艦からの砲撃だった。
「よし、シルヴィア船長も動き出した! 君たちの仲間は助かった!
 あとは、あれを沈めるだけだ!」
 ヨハンはそれを確認すると、そう船員達へと檄を飛ばす。
「あと少しだよ! このまま行こう!」
 焔もそう続けると、ちょうど用意していた火炎弾を投擲する。
 放物線を描いた火炎弾が船体を焼くのに続くように、味方の砲撃が放たれた。


 イレギュラーズが敵艦の中に乗り込んできてから幾らかの時間が経った。
 いくつかのパンドラの奇跡が開いている。足場の悪い船上での戦いは困難で、鬱陶しく幾度もへばりついてくるスケルトンの戦いに、嫌でも時間が経っている。
 ユースティアの祝福の剣がスケルトンを復活させることなく倒すことで、スケルトンの数は順調に消えていった。
 その間にもベークは船上から船を破壊するのに様々なことが考えていた。
 ジェットパックで高所から落下する作戦もあったが、これはさすがに危険だった。
 船体にダメージを与えるほど高い位置から落下したら、その分、自分が受ける衝突時のダメージも大きくなるし、何より、のんびりジェットパックで上昇していたら狙い撃ちされてしまいそうだった。
 地道に攻撃で破壊するしかない。
 味方が『ブルー・オブ・ロバート』との戦いに向かう中、ベークは密かに船の中へと入り込んだ。
 外よりもより濃密な腐敗臭に意識を持っていかれそうになりながらも、下へと進んでいく。
 船体に傷を負わせられ、味方にも意識がいける程度のところで、ベークは立ち止まる。
 両手の防衛武装を構え、揺れる船の動きに沿うようにして、技を叩き込む。ぎしりと、船がきしむ音がした。

 不意に『ブルー・オブ・ロバート』の背中辺りにぽっかりと黒が浮かび上がる。
 光を飲み込む闇の領域は、天候の悪さも相まってより一層の不気味さを称えながら敵を飲み込んだ。
 注意を引くことはできなかったが、いくつかの異常を発言したのが目に取れた。
 それを作り出したミーナは双剣を握りなおすと、一気に『ブルー・オブ・ロバート』へと至近していく。
「私にはね、帰るべき国があるの……
だからこんな所で死ぬなんて……真っ平御免よ!」
 氷刃を構えなおしたエルスティーネは一気に『ブルー・オブ・ロバート』へと至近すると、刃を薙いだ。
 きらめく氷の魔力を伴う薙ぎ払いは、思いがけぬ『ブルー・オブ・ロバート』に大きな傷を与えた。
 ユースティアもそれに続く様にして氷纏舞奏・結祈飾を敵へと振り抜いた。氷雪を引いて走る剣閃が滑るように『ブルー・オブ・ロバート』に傷を増やしていく。
 ゼフィラは仲間が来たことに気づくと、式符を取り出した。
 召喚するのは一匹の蛇。ここまで散々やられた毒と致命な傷を、お返しする番だ。
 けしかけた蛇は仲間たちの動きを躱すようにしながら至近し、がぶりとその足元に食らいつく。
 そんなゼフィラに向かって、蒼碧の光が放たれた。
 ムスティスラーフの頭部にあるパライバ・トルマリンの角から放たれるその光は、大きく傷をいやしていく。

 それから、数度にわたる応酬を経たころ、不意に。
 そう、不意に、『ブルー・オブ・ロバート』が天を仰いだ。
 慟哭、あるいは驚愕でもしているかのようにガクリと今にも落ちそうな顎が開いて、直後、ひときわ大きな波――いや、違う。
 思わず自らの飛行能力で足場を立て直せたムスティスラーフとミーナに対して、それ以外のイレギュラーズは強烈な揺れに思わずバランスを崩した。
「船が……潜ろうとしてるみたいだよ!」
 ゆっくり、ゆっくりと、船はその姿のまま、海中へと歩み始めていた。
「――させるか!」
 文字通り飛びながら、ミーナは『ブルー・オブ・ロバート』へと走る。
 その手に握る双剣には、冥界の鎌が上書きされていた。
 鎌を引く様に剣を薙ぎ払うと、大きく『ブルー・オブ・ロバート』が体勢を崩して後ろに下がる。
「悪いな、私は死者を刈り取る……死神なんだよ」
 低空を飛行しながら、敵を見据えてそう告げた。
 それに対して次に反応したのはエルスティーネだった。
 もはや大技を使えるような気力はない。しかし、死神たる彼女が持つただの斬撃は、確実な致死性を秘めていた。
 氷刃を走らせ、滑るように敵の首元めがけて刃を引いた。
「帰らせてもらうわ! あそこに!」
 まだ、本のわずかに動きを見せる『ブルー・オブ・ロバート』の身体を、次の瞬間、後ろから刃が貫いた。
「おやすみなさい……」
 そんなユースティアのつぶやきを最後に、『ブルー・オブ・ロバート』の身体が完全に動きを止めた。
「だ、大丈夫ですか!」
 そこへちょうど、船内にいたベークが姿を現す。その小脇には、何かが抱えられている。
 ぐずぐずに解けたそれは、見るに本のように見えた。

●置き土産
 船体がほどけ、砕けた艦だったものが、沈んでいく。
 それを見ながら、イレギュラーズは『空を翔ける白き虎号』に戻ってきたシルヴィア船長の舵取りの元、近海への旅路にかじを切りつつあった。
「うえぇ……服にまで臭いがついてる気がする……」
 吐き気を露にする秋奈は船酔いに加えた向こうの臭いが染みついた服にげっそりした様子を見せていた。
「助かったよイレギュラーズ。我々だけであったら、確実にここでアレの仲間入りだっただろうさ」
 どこかから取り出した煙管を燻らせながら、振り返ることなくシルヴィアが言う。
 振り返れば、もう破片さえも海に消えて、沈む日差しに照らされる水平線だけがそこにあった。
 ベークは『輪廻する不死鳥号』の船内から戻ってくるときに見つけた一冊の本を見ていた。
 ほとんどその多くはすでに読めるものではなくなっていたが、辛うじて読めるものがいくつかある。
「これが最後のページみたいですね」
 ふやふやなページ、そこには彼が生前に記した最後の思いがあった。
『なぜだ。なぜわからない。このままでは絶望の青の先になど行けない。
 わからず屋の馬鹿め、なぜ私達を置いてでも行くというのか』
 何か後悔しているような、そんな文言だけ。たったそれだけがそこに残っていた。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

黎明院・ゼフィラ(p3p002101)[重傷]
夜明け前の風
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)[重傷]
音呂木の蛇巫女

あとがき

ホラー&海洋バトルっぽい感じですね。

お疲れ様でした。

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