シナリオ詳細
ゴーリドラッシュ!
オープニング
●これ以上ゴリラ語を聞いたら頭おかしくなる気がする
「ウホホウッホ……ウホホ」
『ゴリラブリン』キドー (p3p000244)はバナナイフをゆっくりと剥きながら、世にもあくどく笑った。
これを読んでいるゴリラ諸兄にとってゴリラ語はもはや見慣れたものであろうから、あえてここはナウなヤングにバカ受けだという日本語翻訳でお楽しみいただこう。
「へへっ……今日もたんまり儲かったぜ。まさかバナナ盗みの依頼が三件も立て続けに入るたぁな。こりゃあ一週間はバナナを食いっぱぐれねえぜ。なあ相棒」
「えひひひ……ほんと、助かりましたねえ」
『ゴリラどろぼう』エマ (p3p000257)もまたバナナをもふもふ食べながら、酒場のドアを開ける。
黄色いバナナの看板が下がったそこはギルド・ゴリレット。
ゴリギュラーズたちが世界滅亡を防ぐべくパンゴリラを集めるために作られたという世界的ギルドである。
そのゴリーバルな運営は拠点としているゴリラ・イルシオンの貴族たちのみならず、ゴリテル鉄帝国や探求都市国家ゴリプト、ゴリラサ傭兵商会連合、アルティオ=ゴリラ、聖教国ゴリシス、ゴリ・フロンティア海洋王国、ゴリラ・ゴリラ……とあらゆる国家から日夜依頼が舞い込んでいた。
ゴリなる混沌(フーリッシュ・ゴリオス)は今や、ゴリギュラーズなくして回らないといっても過言では無い。
「ぶははっ! その顔だと、今度の仕事もうまくいったみてぇだな!」
『ブタゴリラ』ゴリョウ・クートン (p3p002081)がバナナビールのはいったジョッキを振りかざし、赤ら顔で呼びかけてくる。
彼の向かいでは『ゴリラクリスタル』ジル・チタニイット (p3p000943)がバナナジュースをちびちびとやっている。
「そっちこそ景気がいいじゃあねえか。なんの仕事だ?」
「ゴリ・バウのゴリ闘士さ」
グッと力こぶを作ってみせるゴリョウ。
皆も知っての通りゴリラは強い。ゴリギュラーズはもっと強いのだ。
「あっ、みんなもう来てる! おはよー!」
『森ゴリラ』フラン・ヴィラネル (p3p006816)がギルドの二階から下りてきた。どうやら宿をとっていたらしい。
「あたしなんてモンスター退治で徹夜だったから、まだねむいよー……」
ふああとあくびをするフラン。
別の部屋に泊まっていたらしい『ゴリ湯マスター』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ (p3p006562)が彼女のあとから顔を出し、やあと手を翳した。
「モンスター? 単純でいいじゃねえか」
「バナナ園を襲うワニだったよ。まあ、ゴリラの敵じゃあなかったけどね」
グッと力こぶを作ってみせるウィリアム。
皆にはもう言うまでも無いと思うがゴリラは強い。ゴリギュラーズはもっと強い。ゴリラ魔法(物理)は万物を粉砕するのだ。
「すごいじゃないですか、ヨハナなんて海洋でイルカ退治ですよイルカ! もーあいつら火を噴くわマシンガン撃つわで……」
『ゴリラ to the フューチャー』ヨハナ・ゲールマン・ハラタ (p3p000638)が唐突に現われ、ジルたちの隣に座った。
そしてグッと力こぶを作るヨハナ。
「ま、ヨハナたちの武器にはかないませんけどね!」
周知の事実ではあるがゴリラは強い。ゴリギュラーズはもっと強いしゴリラの武器(素手)は星をも砕く。
「あれ、そういえば百合子さんは?」
「吾なら! ここである!!」
天井を突き破ってスーパーゴリラ着地をキメた『美少女ゴリラ』咲花・百合子 (p3p001385)。
「傭兵商会連合で交渉(ネゴリシエート)を終えてきたところである」
世界の常識だがゴリラは強いしゴリギュラーズはもっと強いしゴリラ交渉力(物理)は万人を屈服させるのだ。
今日もゴリギュラーズは順風満帆。
そんな彼らに……。
「たいへんなのですー!」
情報ゴリラ屋のゴリーカか転げるほどの勢いで酒場に飛び込んできた。
「世界的に有名なバナナメーカーであるギャラクティカフィリピンがゴリ賊に襲われているのです!」
「「ウホッホウッホ(なんだって)!?」」
おもわずゴリラ語で返してしまったゴリギュラーズ。
ギャラクティカフィリピンといえば誰もがしっているバナナの大手メーカー。彼らを喪えば世界の損失である!
「ゴリ族は皆さんも知っての通りゴリ道を外れたアウトローゴリラたちなのです!
それがなんと100人も!」
「ヘヘッ、100? ゴリ道を外れた奴らが三桁集まったからってなんだってんだ?」
「そうですよ、えひ……ひひ……見せつけてやりますよ……」
キドーとエマが力こぶを作り、ゴリョウとジルもまた力こぶを作った。
フランも、ヨハナも、ウィリアムも、勿論百合子も力こぶを作り、互いに頷きあう。
「道を外れたゴリ族どもに――ゴリ道を物理的に叩き込んでやるぜ!」
「「ウホッホウッホ!!」」
――という、夢をみているんだよ、皆!
- ゴーリドラッシュ!完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2019年09月13日 22時25分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費---RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●あえて全員ゴリラの姿で想像すると頭どうかしちゃうからやめろよぜったいやめろよ
「ウホッス! ウホホウッホ、ウホッス! ウホホウホ、ウホゴリラッス!」
めいっぱいのジェスチャーを交えながら熱弁する『ゴリラクリスタル』ジル・チタニイット(p3p000943)。水晶のつのが生えたゴリラである。
肉厚の葉っぱをゆっくりと、そして目力を加えながら顔の高さまで上げた。
「ウホホッス!!」
すばやく、豪快に、ゴリラらしく食いちぎるジルゴリラ。
画面の前のゴリラ諸兄はジルゴリラの胸熱台詞に感涙しドライミングが止まらなくなっていることだろうと思うが、ここからはあえて日本語翻訳でお送りしよう。
「ギャラクティカフィリピンのバナナが危ない今、僕のゴリラ薬学が役に立つでしょう」
ジルゴリラは通りがかりに見つけた病気のゴリラを、薬草を握りしめた拳で殴りつけゴリラヒールを打ち込んだ。たちどころに病気は治り高く吠えながらドライミングを始めるゴリラ。
「しかもゴリ質をとって不当なバナナを要求するとは、卑劣なゴリ賊だね……ゴリラならゴリラらしくゴリ力で通さなくては」
『ゴリ湯マイスター』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)は持ち上げた魔術水晶を握力で握りつぶすと、ウィリアム……長耳のゴリラは目力を加えて振り返った。
「このゴィリアム・ウーホイ・ウホルターズ。
ゴリ質救出と正しきゴリ道が何たるかをゴリ賊に見せるため全力で援護するよ!」
「ウホホホッホホホホホッウホッ!!! ウッホ・ゴリウホッ!!」
二人の度胸に胸を打たれた『白ゴリゴリラ殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)は百合の花と大量の点描と虹を散らしながらドライミングをした。
度胸はドライミングで胸をうつさまを、『胸を打たれる』とはドライミングせざるをえないさまが由来になっているのはあまりにも有名である。
「皆の糧であるバナナを奪おうとはゴリラの風上にも置けぬ外道がッ!
吾がゴリ美少女力によってウホホホホホァーーーホッホァーーー!!!」
荒ぶるゴリ美少女力があふれ、百合子ゴリラは圧倒的清楚な歯をむき出しにして天に向かって吠え始めた。
「ブゥホホホッ! ウホッ、ホッホッウホウッホウホー! ブッホ!」
牙と豚鼻をはやしたゴリラ、『ブタゴリラ』ゴリョウ・クートン(p3p002081)は百合子の咆哮にあわせて合いの手を入れるようにドライミングを開始。
豊かな腹と胸の肉が踊り、ゴリパーカッションとなって仲間のドライミングに重なっていく。
「ギャラクティカフィリピンのバナナの供給は俺らゴリラにとって死活問題だ。
それを自分の欲望のために占拠するとかゴリラの風上にも置けねぇ!
しかもゴリ質取るってんなら……こっちも考えがあるぞ! なあフランゴリラ!」
ゴリラョウがカッと目力をこめて身体ごと180度振り返ると、ポニテのゴリラこと『森ゴリラ』フラン・ヴィラネル(p3p006816)が両手に持ったリンゴを一息に握りつぶして見せた。ゴリラマッサージの確かさを示すためにリンゴを握りつぶすのはゴリラ界では常識。
「ウホ……ウホホホ、ウホ、ウホァ!ウホッホホ、ウホホッホァ!」
手の中に残ったリンゴをおいしくぺろりと頂くと、フランゴリラは目力を込めながら新たにバナナをスッと取り出した。
「ここのバナナ至高のバナナなんだよ! ちなみに究極のバナナ、アトランティカエクアドルよりあたしはこっち派! は、は……ウホァー!」
ゴリオーラを送り込むことでバナナを一瞬で丸裸にすると、垂直発射された実へ食らいついた。
「うほほ……うひ……えほほ……」
紫の長い髪で目元をやや隠したゴリラ、『ゴリラどろぼう』エマ(p3p000257)は目力を強めて――。
「ウホ! ウホ! ウホッホホー!!! ウホウホ!! ウッホ!! ウホウホ!!!! ウホウホウホッ!!!!!」
あふれた怒りがドライミングを起こさせる。
「我々を怒らせてしまったのがゴリ賊の運の尽きです。ゴリギュラーズの威光に膝を屈するときがきたんですよ!」
「ウホッホブッホ!」
横からサッと差し出されたゴリラョウの焼きたてバナナ(当然素手持ち)。
エマゴリラはそれを受け取ると、じっと一秒ほど見つめ……。
「ウホウホウホウホ!」
一瞬で平らげてしまった。
「ボオゥ……」
ミニバナナを葉巻きのようにくわえ、鎖で吊るされたタイヤにぶら下がるモヒカン長耳のゴリラ、『ゴリラブリン』キドー(p3p000244)。
「俺ぁゴリ道ど真ん中、正道のゴリラ……とは言えねえよ。
盗みに魅せられ、熱中し、手段が目的になった馬鹿なアウトローゴリラよ。
だからゴリ賊の連中をとやかく言えるような身分じゃねえ。けどなあ」
バナナを手に取ると、空を見上げた。
遠くからメントのリズムが聞こえてくる。
「ゴリレットのゴリギュラーズはそんな俺でも受け入れやがるのさ。とんだお人好しだぜ! 笑っちまうぜ!
だから……へへ」
にやりと笑うと、目力を込めて地面へ着地。仲間たちと共に歩き出す。
「ウホッホウッホ!」
「「ウホッホウッホ!」」
そんなゴリラたちの中に、『自称ゴリラ』ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)は混じっていた。
「超能力系技巧派ゴリラとしての手腕と、ゴリラ精神力を披露しますよっ! ウホッホウッホ!」
親指を立て、バナナを翳すヨハナ。
天義の騎士ゴリパルがいつもこのポーズをしていることでも有名な、正ゴリのポーズである。
ちなみに親指が上に立っていたら正ゴリ。下に向いていたら不正ゴリである。
キドーゴリラは『これで8人』と書かれた紙を翳し、スッと指さすと、それを食いちぎってムシャムシャと飲み込んだ。
「よっしゃあフルメンバーだ、吠えるぜ! ウホウホウホウホ!!」
「「ウホウホウホウホ!!」」
●ゴリラは強い。ゴリギュラーズはもっと強い
ウホ! ウホホウホホホホッホホホッホ!
ワキャーーーーーーーーーーーーーー!
キャキャキャキャキャキャキャ!!!!
まって、頭がおかしくなったんじゃないの、聞いて。
ゴリギュラーズがやってきたギャラクティカフィリピン農場は、警察ゴリラがパトカーを並べて困り果てた表情でぼったちしていた。
ゴリラ拡声器(両手を口の左右に当てるやつ)で犯ゴリラへの投降を呼びかけるも、犯ゴリラたちはゴリ質に銃を突きつけたまま『はやくバナナをもってこい』の一点張りなのだ。
お前ら農場占拠してんだから取り放題じゃんとは誰も思わないし言わないのだ。
踏み込めばゴリ質が危険。かといってこれ以上のバナナを用意することもできない。
そんな困り果てた現場に――ゴリギュラーズが!
「ウホッホブッホ!」
髪髷を大銀杏に結ってマワシをしめ、四股をふんだゴリラョウがフライパンと寸胴鍋とオタマを装備して現われた。
もう要素の過積載で『全てが間違ってるアスキーアート』みたくなりつつあったゴリラョウだが、安心して欲しい。
「俺のゴリラ料理略してゴ料理にかかれば犯ゴリラへの道を開くなんてワケはねぇぜ」
ゴリラョウはトラック満載のバナナをまず用意すると、トラックごと持ち上げて巨大寸胴なべにドーンした。
更に一斗缶で油を注ぐと松明を投げ込んでドーンした。
更にフライパンを両手に持って自分の胸にドラミングの限りを尽くし、最後に『ホワーーーーーーー! ホワッキャ! キャキャキャ――ブッホホイ!』と叫ぶとハイできあがり。
「焼きバナナだぜ!」
手頃な大皿に綺麗に盛りつけられた焼きバナナ。警ゴリラたちも垂涎ものの一品である。
「ホワッヒャー!」
「バナナだァ!」
犯ゴリラの一部が銃を放り投げバンザイ姿勢のままおそとへ駆け出し、ゴリラョウの焼きバナナをむっしゃむっしゃ食べ始める。
その横を悠然と通り抜けるジルゴリラ。
「けが人はいるっすか! 手か雄叫びをあげるっす!」
「ホワーーーーーーーーーーー!」
「ホキャアーーーーーーーーー!」
胸を叩いて雄叫びを上げる少女ゴリラやおじゴリラへナックルウォークでかけより、ジルゴリラはまずダブルバイセップスポーズをとった。
右手には、バナナ。
左手には、薬草。
ハイそれを握力でゥン!
からの両手合わせてゥンヌ!
そのまま相手のヘッドにドゥンヌ!
すると怪我をしたゴリ質たちはヘブンな顔つきになり『ホワー!』と言いながらピンクの光とバナナ香に包まれた。
「ホワッ!」
更に建物の奥で老ゴリラがサッと手を上げると、手の中で圧縮されたSPG(スペシャルポーションゴリラ)を投擲。
バナナ汁が顔面にパーンした瞬間老ゴリラは天に召されるかのごとき顔つきで治癒された。
「ホワァ……」
と、そんな中に重傷のゴリラがいた。
胸を打たれたらしく、血を流しながらカウンターの裏にうずくまっている。
「大変! 私に任せて!」
フランゴリラは腕まくりをしてナックルウォークでかけよると、寄りかかる患ゴリラの足をとった。
そして右手をサムズアップ。
「ゴ式マッサージだよ! ふんぬ!」
はいその姿勢から右手のナックル部分を相手の腹にドン。
するとフランゴリラに流れるゴリラ力が患ゴリラの傷口に行き渡り傷口はふさがるわ止血消毒血行促進疲労回復肌つやもよくなり便秘や肩こりもすっかりよくなりましたよいやーイイですねイイー。
「次は『いたいのとんでけ』だよ! ふんぬ!」
さっきとほぼ同じことをやりながら、フランゴリラは怪我をしたゴリラたちを片っ端から治療していった。
と、そこへ!
「ホワキャキャキャー!」
「フォフォファーーーーーーー!」
ガトリングガンを両手に担いだ犯ゴリラが裏手の農園側から建物内へと突入しガトリング乱射を始めた。
更に別の犯ゴリラたちがミサイルを撃ち魔術砲撃を連発しトラックと像を突っ込ませ火を放ちクソリプを連打した。
「……ウッホホ(やったか)!」
もわもわーっとあがる煙。
だが、煙の中から現われたのは完全無傷のジルゴリラたち。
ゴリラョウは両手にへこんだトラックとラッピングされた像をかつぎ、フランゴリラはスマホを物理ブロック(握りつぶすこと)した状態で現われるしまつ。
「あたしたちゴリギュラーズにそんな攻撃は効かないよ!」
「ホ、ホワーッ!」
かまわねえ、やっちまえ! そんな勢いでさらなる攻撃を仕掛けようとする犯ゴリラたち。
が、しかし!
ギャラクティカフィリピン事務所の建物(バナナ型)のてっぺんから跳躍したエマゴリラがその全てを圧倒した。
彼女のゴリラ跳躍力はその一度だけで大気圏を離脱し、宇宙に向けて『ウホ』と敬礼してからゴリラナイフを展開。
秒間うん万本のゴリラナイフを高速透過しはじめた。
あまりのパワーに次々と爆発を起こすバナナ農園。
襲いかかろうとしていた犯ゴリラたちも起動したゴリロボもことごとくが破壊されていく。
「ウホワー! ワキャー!」
残った犯ゴリラたちは農園の奥へと撤退。
仕掛けて置いた爆弾をドッカンさせるつもりのようだ。
だがそうはさせないキドーゴリラ。
「ウホ」
巧妙なゴリルス能力で音も無くナックルウォークした彼は爆破スイッチのコードをゥンて破壊しついでに巨大な爆弾もゥンて破壊した。
「て、てめえ! なんてことしやがる! それでもゴリラか!」
「鹿野郎、俺ぁゴリブリンだぜげひゃひゃ!」
キドーゴリラは爆破を背にドライミングすると、リズミカルに農園を離れていく。
「今だ、突入するんだ! ただしウホホホウッホウホホーイ!」
きわめて緻密で知的でジーニアスな作戦を早口で述べながら、ゴィリアムは犯ゴリラの集団へと突撃。
「チェインライトニング(物理)!」
ゴィリアムのドロップキックが半径二百メートルをクレーターにする。
「ゴリ城天鎚(物理)!」
ゴィリアムのドライミングが半径五百メートルを焼き尽くした。
「畜生、やってられねえ、ずらかるぜ!」
それでもしぶとく生き残った犯ゴリラはトラックにゴリ質を乗せ走り出す。
だがそんな彼らに、ヨハナがトラックの荷台からゴリラ物質透過(壁をパンチで破壊する非常に合理的な通り抜け方法である。合理という言葉がゴリラに由来しているのはあまりにも有名)で運転席へと入ってきた。
「うほ!」
犯ゴリラを殴りつけて気絶させると、ヨハナはゴリ質を開放。
放り出された犯ゴリラとなんとか生き延びた残りの犯ゴリラが一箇所に固まったところで……満を持して轟合子(ごりこ)がビジネススーツを纏って歩み寄った。圧倒的清楚ナックルウォークで。
「ここからは話し合いの時間である。吾のゴリラ交渉力(ネゴリシェート)を持ってすれば彼らから全ての人質を解放し武力を放棄させ、さらには自首させることすら容易」
そう言いながらネクタイをキュッとしめ、立ち上がり胸をはり、そして両手をゆっくりと胸の高さにあげ。
「貴殿らの要ウホホホホホァーーーホッホァーーー!!!」
先頭の犯ゴリラにゴリナックル。次の犯ゴリラにゴリアッパー。次の犯ゴリラにはゴリラサイコクラッシャー。
「礼節を重んじつつもしっかりと自分の意思を示すのがゴリ美少女の振る舞いであろうよ」
全員ボコしたあとで、圧倒的清楚ナックルウォークで歩み去る轟合子。
●ゴリ罪のゴリ声
「やったっす! これで事件も解決っすね!」
ジルゴリラがばんざいし、警ゴリラやゴリ質たちもわーいと言いながらゴリラョウの焼きバナナを食べはじめる。
だがそんな中で、ヨハナだけがさえない表情をしていた。
「どうしたっすか? 一緒にウホりましょうっす」
「皆さん……ヨハナ、実は言わなきゃいけないことが」
「ホワキャーーーーーーキャーッキャッキャッキャ!」
空気を切り裂くような笑い声。
大地を割って現われたのは巨大な暗黒のゴリラ。
「あ、あれは――」
「『七房の魔猩猩(ゴリニス・バナーナ)』の魔ゴリ、ゴリゴリーチェです!」
「ワキャッキャ! ワキャッキャ! ウッホウッホ! ウホホホウホホ!」
ゴリゴリーチェがドライミングするたびに『ゴリ罪のゴリ声(ゴリミナル・ワキャー)』がゴリラたちをおかしていく。
「この魔ゴリラに対抗するには……」
「ああ、僕たちがこれまで積み重ねてきたゴリドラをぶつけるんだ!」
ゴィリアムは黄金に輝く両手でドライミングを開始。
「全てのパワーをGGG(グレート・ゴリラ・グレネード)へ!
これが真のゴリラパワーだ!! ウッホホホゥー!!」
「ウホですとも!」
フランゴリラもまた黄金のドライミングを開始。
「あたしの全てのゴリドラを賭けて――GGG(グレート・ゴリラ・グレネード)を使うよ!
仲間達と思いを一つに――ウホァァァァァ!!」
「み、みなさん……!」
「そんなことをすればゴリラ力が……!」
ジルゴリラとエマゴリラは困惑しながらも、すぐに決意を固めて両手に黄金の光を纏わせ始めた。
ドライミングが重なる。グルーブがたかまっていく。グルーブという言葉がゴリーラがなまったものだというのはあまりにも有名。
「吾もともに行こう! ゴリラは決して仲間を見捨てぬ!燃え盛れ!吾のゴリドラ!ゴリ美少女力よ!!」
轟合子もまた黄金のドライミングを繰り出し、己の美少女(ゴリラ)力を一箇所に集めていった。
「へへっ……お前らばっかりにいい格好させるかよ!」
キドーゴリラは服を脱ぎ捨て、叫びながらドライミングを開始。
「俺達は仲間なんだぜ! 一匹は群れの為に尽くし、群れは例え一匹でも仲間を見捨てない。
全ては群れと、森と、バナナの為に。ゴリ道と共にあらんことを!
今まで集めてきたゴリベルはこの為に……ウホホホォーーッ!!! ホワッキャ!!!」
黄金の光が巨大なゴリラとなり、ゴリゴリーチェへと拳が叩き付けられる。
ぶつかり合う光と闇のゴリラ。
「ゴリラ力が……ゴリドラが足りない。あと少しだけ足りない!」
「ま、まさか……!」
ハッとして振り返るジルゴリラ。
ヨハナは、泣き顔と笑顔がまじりあった顔で『えへへ』と言った。
「ごめんなさい……ヨハナは……ヨハナは……本当はゴリラなんかじゃなかったんです」
「そんな! ヨハナさん!」
驚きに満ちた目で振り返るエマゴリラ。
「今までも一緒にゴリレット・ゴリギュラーズとして戦ってきたじゃあないですか!」
「今まではなんとかついていけただけ。ヨハナは……未来からゴーリッシュ・ゴリオスを救うためにこの時代にやってきた……チンパンジー族なんです」
「うるせえ!」
キドーゴリラが叫んだ。
「チンパンもゴリラも関係あるか! お前は……おまへ立派なゴリラだぜ!」
「そうだよ!」
「うん!」
「ブッホ!」
「破!」
「ウホホッホ!」
「みなさん……」
ヨハナは……いや、ヨハナゴリラは両手をあえてグーにして掲げた。
「うほほー! ウホホホウッホウホホホホホウホッホホワー! ホワー!」
黄金の巨大ゴリラはゴリゴリーチェを粉砕し、空は晴れ渡り大きな虹がかかった。
「さよならみなさん……素敵な未来でまた会いま……」
●ハッ!
「「夢か!」」
酒場で一斉に目覚めたイレギュラーズたち。
彼らの手には、なんか見覚えのあるバナナが握られていたという。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
ウホホホウッホウホホホホホウホッホホワー!
ウッホウッホ! ウホホリラ!
ホワッ――ホワアアアアアアアアアア!(ドゴゴゴゴゴゴゴ)
GMコメント
■ゴリラドリーム
皆もう気づいていると思うが『ゴリなる混沌(フーリッシュ・ゴリオス)』なんてないんだ。みんなは夢を見ているんだ。
リプレイの最後には全員「「はっ、夢か!」」といって目覚めることになる。
だからこれは、夢の話なんだ。
その上で言っておく……。
皆は、ゴリラだ!
俺も、お前も、みんなゴリラだ!
■ゴリギュラーズ
ゴリ道を究めたゴリギュラーズはゴリラの中のゴリラです。皆さんはそんなゴリギュラーズのカンストゴリラなのです。
カンストゴリラたちはゴリラ格闘術やゴリラ交渉術、ゴリラ魔術やゴリラ盗術、ゴリラ薬学にゴリラ知識などあらゆる能力がカンストしているため、おのおの得意分野をつくってそれぞれの仕事をわけあっています。
ちなみに全部物理的に解決するやつです。
皆さんゴリギュラーズは今からギャラクティカフィリピンへ向かいます。
バナナ園ではゴリ族たちがゴリラを人質にとり貴族に身代バナナを要求していますが、すぐにキレて暴れ出してしまうでしょう。
なんせ100人いますので、キレるのも早いはずです。
可能な限り被害を出さず、ゴリラらしくこの事件を解決してください。
ゴリ族はナイフに刀、マシンガンに大砲、超魔術に古代兵器ロボまで持ち出してきますがそんなものはゴリラ腕力の敵ではありません。やってしまえ。
■ゴリリブ(ゴリラ)
ウホッホウッホ! ウッホゴリラ!
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