シナリオ詳細
<夏祭り2019>海風に様々な想いを
オープニング
●夏と言えば──?
財産家のフィーネ・ルカーノ (p3n000079) はR倶楽部で、一人、悩んでいる。彼女を悩ませているのは、そう、 ネオフロンティアサマーフェスティバルだ。昨年、フィーネは、プライベートビーチにイレギュラーズ達を招待した。
(懐かしい、もう、季節は巡るのね)
フィーネは笑う。
(今年も彼らを招きたいのだけれど……同じではつまらない。もっと、刺激的で、あたくしを覚えてもらえるような、イベントを……)
フィーネは、考え込み、旅行のパンフレットを見つめ、ふっと笑う。何か見つけたようだ。
●フィーネの出した答え
『ロマンチストな情報屋』サンドリヨン・ブルー(p3n000034) はプライベートビーチに佇む、フィーネに声をかける。
「今回は、どのような催しをするのですか?」
「本当は色々と考えたのだけど……シンプルに行こうと思ってね」
視線の先には、水上コテージが立ち並ぶ。
「素敵でしょう? いつだって、海を感じられる。波の揺らめきを見つめながら、食事やロマンティックな時間をゆっくりと過ごせる。コテージには、螺旋階段もあって、海を泳ぐことだって出来る! ふふ、コテージはね、揺れることはないの。酔う方も安心ね。ねぇ、聞いて。中はね、もっと、凄いのよ! ガラスの床なの、そう、貴方の靴のように」
フィーネはサンドリヨンを見つめ、サンドリヨンはええと微笑む。
「コテージの中にいても、魚が見えるわ。それとね、食事についてなのだけど、レモンイルカが届けてくれるようにしたわ。そして、飲み物は備え付けの冷蔵庫に。ああ、そうね、海で冷やしてもいいように、紐とカゴを部屋に置いておきましょう」
興奮気味にフィーネは言った。サンドリヨンは眩しげに笑う。ふと、魚が跳ね、透き通った海に消えていく。
「至極、考えられたのですね。素敵です」
サングラスをかける、サンドリヨン。
「ふふ、ありがとう、沢山、来てくれるといいけど」
フィーネは目を細める。鳥が低空飛行し、海に落ちていった。フィーネは微笑み、瓶に入ったジンジャーエールを手渡し、自らは瓶ビールを傾けた。夏の日差しが肌を焼いていく。
- <夏祭り2019>海風に様々な想いを完了
- GM名青砥文佳
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2019年08月03日 23時55分
- 参加人数30/30人
- 相談8日
- 参加費50RC
参加者 : 30 人
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参加者一覧(30人)
リプレイ
●
シャルティエはネーヴェと海を楽しむ。
「わ……ネーヴェさんの水着姿、とてもお綺麗で。何だか少し、緊張してしまいますね……っ」
立ち泳ぎをするシャルティエ。
「あぅ、ほんの、少し。恥ずかしい、ですね」
ネーヴェは浮き輪で浮かびながら、ふわふわと微笑む。何もかも新鮮で楽しい。
「あそこに魚がいますね! 行きましょう」
シャルティエは浮き輪をゆっくりと引く。騎士として、泳ぎに不慣れなネーヴェを気にかける。
「クラリウス様、見えました!」
「綺麗ですよね」
ふと、大きな波。シャルティエはネーヴェを支え、守る。
浅瀬に移動し、波に身を委ねる。水温が心地よい。足に絡む、波の感触。そして、砂浜での散歩。熱い砂を知る。
「腹拵えに焼きそばですね。食べ過ぎると動けなくなりますし、二人で半分こしましょう!」
「ええ」
笑う。休息後、また海に向かう。
長い髪から滴る水滴。色鮮やかな魚や珊瑚を見つめ、乙女達は笑いあう。アルテミアは、シフォリィとシュノーケリングを楽しみ、お昼へと向かう途中、流しそうめんに遭遇する。
「……」
アルテミアは不器用に箸を伸ばし、掴む。
「ん~♪ 薬味の梅と大葉が効いて美味しいわ♪」
「はい、海に入ったといえ、身体は暑かったのでそうめんはどんどん入ります! え? アルテミアさん?」
顔を赤くし、自らの身体を抱くアルテミア。濡れる息。
「身体が……熱い…は、ぁ……シフォリィ……」
熱い手をシフォリィの顎先に伸ばし、そっと顔を寄せ──
「んっ!?」
シフォリィは喘ぐ。鋭い感覚。触れあいそうになる唇。すべてをアルテミアに預け──
「だ、駄目……劣情に流されちゃ……ッ! シフォリィさん、模擬戦をするわよッ」
「も、模擬戦と言う名の水上チャンバラを提案します!」
シフォリィは流木を二本掴み、アルテミアに一本投げ、海に走っていく。
「アルテミアさん、行きますね!」
「ええ、倒れるまでいきましょう!」
アルテミアとシフォリィは流しそうめんに流されぬよう、戦い続ける。
コテージ。流れるそうめん。
「キャッチ! 今度は上手く掴めた!」
アニーは楽しげに揺れる。
「あ、良いなぁ……俺、中々キャッチ……でき、ない、し……!」
零は滑り落ちるそうめんを見つめる。
「えへへ、それじゃぁお先に、いただきまーす。うん、美味しい! あれ……な、なんだろう……なにか……不思議な気持ちに……」
「え、不思議な気持ち……?」
視線を汁の容器に落とし、零はすぐに顔を上げる。気配。鳴る喉。恍惚に上気したアニーの顔。息を呑むほどに近く、白い指先が零の唇に向かう。
「あ、あのね零くん……私……はゎ!?」
パッとアニーの顔が真っ赤に染まる。
「ゎゎわたし……なにかいけないこと……しようとしてたような……ご、ごごごごめんなさぁ~~~~~い!!」
「え、いや、その、え、だいじょ……あ、ちょっ! って、えぇ……?」
激しい飛沫。アニーが海に飛び込んだのだ。
「アニー……」
零は呟き、無意識に自らの唇をなぞる。鼓動がやけに早くて、熱がこもっている。
「……」
零はかぶりを振り、煌めく海に飛び込んだ。
大海原。最高の夏空。
「見て見て、珠緒さん! 足元に魚の群れが!」
蛍は珠緒の手を引き、ガラスの床を指差す。
「ええ、海中の視界が味わえて気が付くと、はりついていてしまいそうなのです」
「今日も珠緒さんと素敵なものを見れて幸せ。ね、せっかく水着なんだし、食事の後、水遊びでもしましょ?」
「はい、蛍さんは何をいただくのです?」
珠緒は、カットされたスイカを。
「勿論、夏の風物詩・流しそうめんよ!」
「流し、ですか?」
「そうよ。珠緒さん、めんを流してくれる?」
「分かりました。なるほど、これは涼し気ですね」
「うん、格別の味……ね……? 今夜のお泊り、一緒に夜空を眺めない……?」
瞬く間にとろんとする。
「夜ですか? はい、構いませんよ」
(午後を飛ばして夜とは……気が早いとは思いますが)
「きっと、珠緒さんのようにとても綺麗な星空だから……添い寝して……天の川眺めて……織姫が隣にいて……夜が楽しみね……ふふ」
視線は珠緒の唇に。
(こういったお泊り先だと、時々蛍さんの視線が変わるのです。ちょっと心配やも)
珠緒は心配そうに蛍をじっと見つめる。
レモンイルカの背に乗ったリリーがカイトに近づき、カイトの背にダイブする。
「カイトさんー!」
カイトは笑い、リリーを乗せ、すいすいと泳ぐ。追うのはイルカ。
「リリー、これを食べような!」
昼食。見つけたのは流しそうめん。
「うんっ! カイトさんにとってもらおうっと♪」
「おう! って箸で掴むの難しいな。ぐぬぬ。だが、リリーの手前、頑張らないとな!」
「カイトさん、がんばれー♪」
「取れたな!」
まずはカイトがぱくり。
「ん……? ち、ちょっと泳いでくるな!」
火照っていく身体を冷やすように──
「え、およいでくる? そっか、いってらっしゃーい」
(やっぱ、俺──)
浮かぶ、水着姿。カイトは自らの想いを知る。
聞こえる愛しい声。振り向き、視界には──
「ふぇっ!?」
目を丸くするリリー。イルカに乗り、カイトを追いかけ──
(なんできゅうにだきついて、あんしんするからいいけど)
「……」
熱。カイトは腕と翼でリリーを抱き締める。俺のいちばん大事な相手。まだ、友達だけども。
「……持ち帰っていいよな? いいよな」
カイトは呟き、大空に緋色の翼を広げる。
アランは眉を寄せる。
「お前はこの前の」
「見つけた!! 勇者!!」
メルトリリスが頭上高くから剣を振るうが、アランは剣先を簡単に避けてしまう。メルトリリスは呆気なく、砂に飛び込んだ。
「なんで当たらないの! 当たってくれないの!」
「当たる訳ないだろ!! ったく、元の世界から勇者を名乗ってる俺に直ぐ勝てる訳ないだろ」
「イレギュラーズの勇者を超えなきゃ勇者なんてなれない、焦る、うわー焦る!!」
「勝手に焦ってろ、この雑魚。あーあ、海を楽しめないなんて残念だ!」
「……海なんか楽しめない」
「あ?」
「今、こうしているときにも七罪は動いているかもしれないんですよ!」
「動いているからこそ、こういう余暇が大事なんだよ。いつ、こういう日常が無くなるか分からないからな」
消えていった相棒。アランの表情にメルトリリスは一瞬だけ泣きそうな顔をし、突っ伏す。
「……はあ、天義に帰りたい……こんな事してる場合じゃないのに……」
(……天義に帰りたい、か。アイツも同じことを言っていたな)
「……お前は……間違えるんじゃねぇぞ」
アランは鼻を鳴らし、背を向ける。
コテージでの休息。リュグナーはゆっくりと歩くソフィラを見守る。ソフィラは足場を慎重に確認し、両手で進む方向を確かめ、両足を海に。
「まあ、冷たいわ!」
ソフィラは笑う。リュグナーは冷蔵庫から飲み物を取り出し、ソフィラの隣に座り、両足を海に。
「飲み物をともに飲もう?」
「頂くわ! まあ、まあ……! リュグナーさん、この飲み物は何かしら? とってもぱちぱち……いえ、しゅわしゅわ? ふふ、とても不思議な飲み物ね!」
「ふむ、炭酸飲料は初めてか? ラムネ、という飲み物だそうだ。特に夏に飲むと旨いと聞いたが……貴様の驚いた顔が見れたのであれば、悪くないチョイスだったようだな」
リュグナーはフッと笑みを溢す。ソフィラはラムネに耳を寄せる。
「炭酸飲料? ラムネ? どちらも聞いたことのないものだわ。リュグナーさん、夏はまだまだ知らないことだらけね。他にはどんなものがあるのかしら?」
「他に、か。そうだな……貴様の知らぬ何かを探しに行くのも面白いやもしれんな。――尤も、今は休息の時故、後でだがな」
リュグナーはどう、案内しようかと無意識に思う。
コテージ。
「ああ、美味しかった……! しめにそうめんも食べたし! 口の中が冷たくてサッパリ!」
コンロを前にソアは息を吐く。肉とシーフード、野菜、全ての食材を贅沢に焼いたのだ。
(ただ、お酒が飲めなかったことだけ残念)
ジンジャーエールを飲み、首を傾げる。何だかほてほてする。ふと、浮かぶレモンイルカ。ソアは笑い、海に飛び込む。イルカはきゅうと楽しげに鳴き、ソアを見つめる。
(魚みだいだけれど魚とちがうんだ、面白いな)
触れた感触は濡れた茄子のよう。ソアは潜り、イルカを追う。
テラス席。ゲオルグはガラスの床をジークと眺める。
「ずっと眺めていられるな」
ジークは魚に興味を示す。ゲオルグは笑みを溢し、海に目を細め、テーブルのコンロで肉と野菜を少しずつ焼いていく。焦がさないよう調節する火力。
「ジーク、ゆっくり食べよう」
ゲオルグは野菜を欲しがるジークの頬を撫で、膝の上へ。そして、ビールを飲みながら、ゆっくりと沈む太陽を眺め、バーベキューを楽しみ、ふと、目を細める。
「ああ、イルカと泳いでいるようだな」
ゲオルグはイルカと泳ぐソアを見た。
海は嫌い。
潮が嫌い。
身に沁みる。
傷が痛む。
悪意も善意もない痛みは……嫌いだ。ニエルは目を細め、体内に媚薬を取り入れる。口許は奇妙に歪み、足元はふらつく。
「フィーネ……」
呼ぶ。あの人はすぐに振り返り、残酷に笑った。フィーネは一人、砂浜で海に見つめていた。波の音、海風。溶け出していく理性、深い傷。夕暮れに、愛ではない、何か。
「自業自得、よねぇ。そういうこと、想定してないわけじゃないでしょうしぃ」
「そうね」
フィーネは笑い、何かに気が付いたように口笛を吹く。
甘い脂の香りが夏風に混じり合う。
「バーベキュー! 肉! 肉! 肉!」
ファレルは大きな瞳を輝かせ、ぎっしりと敷き詰めた様々な肉を箸で掴み、豪快に頬張る。
「ん~~!! んっまいな! うん、塩だけで十分、美味しいな! お、豚も焼けたぞ!」
ファレルは尖った牙で肉を咀嚼し、脂をじわりと滲ませた肉を口いっぱいに放り込む。肉は柔らかく、すぐに消えていく。
「あ~~、最高の日だな! 海も魚も見えるしな……」
ファレルは次々と肉を並べながら、息を吐く。何もかも、特別に思えた。
リディアは強い日差しに目を細めた。
(どうしましょう、暑くて食欲が湧きません)
困ったように歩き、やがて、辿り着く。円らな瞳には流しそうめん。見様見真似で、箸で麺を掴む。
「フフッ、結構上手でしょう?」
笑い、美味しそうに食べ──
「どうしたのでしょうか……」
覚束ない。全身が焼けた石のように熱く、苦しい。
「す、すみません、水上コテージまで連れて行ってくれませんか?」
視界に映るのは、ニエルとフィーネ。彼らはふっと笑い、コテージでリディアが倒れ込む前に押し倒す。
夜、コテージ。
「よう、ご苦労さん。どうだい、今夜の波は」
縁は気だるげに目を細める。レモンイルカはきゅうと楽しげに鳴く。
「それは結構なことで」
テラス。縁は冷えたビールを、イルカに向け、海洋の平和に乾杯とグラスを上げる。ただ、声になんて出さない。夏野菜の天ぷらと、ニガウリとそぼろの混ぜご飯。食後にはワインゼリー。ふと、星空に歪んだ三日月を落とす。あの国の結末など、か弱いおっさんには関係ない。そう、縁の世界は海洋だけなのだ。井の中の蛙は、大海を知らないままでいい。
泳ぎ、日が暮れれば、ミディーセラとアーリアはテラスで酒を酌み交わす。海風に混じる夏の輝き。寄り添い、ブラック・ルシアンを片手に語り合う。アーリアはゆったりとしたワンピースを、金波銀波のように揺らす。幸福な夜更かし。
「アーリアさん、そろそろ、部屋に戻りましょう」
ミディーセラの言葉にアーリアは頷き、知らぬ間に冷えた身体をホットチョコレートワインで温める。
「ねぇ、みでぃーくん、我儘言っていい? 私ね、ちょっと天義の……故郷のこと、頑張ったの。だから、その褒めて、ほしいなぁって」
俯くアーリアをミディーセラは、ゆっくりと抱き締める。
「わたしは貴女を、すべてを受け入れますわ。アーリアさん。本当に、よく。がんばったのですね」
アーリアは僅かにすんと鼻を鳴らし、顔を寄せ、腕に力をこめる。ミディーセラは微笑み、アーリアの焼けた皮膚を知る。
「見せてくれるんですか?」
「見せる? なにを」
「これをですわ。ただ、嫌であれば」
ミディーセラは触れる。
「違、いやじゃないけどぉ!」
アーリアは震える。ひりつく肌の痛みが、静かな刺激となる。
夜の砂浜。弥恵はコテージを見つめ、歌う。夜に似合う、静かに響くような歌。
「綺麗な声ね。それに何を飲んでいるの?」
「ノンアルの柚子ジャムモヒートですよ、フィーネ様」
「良いわね、あたくしも何か」
頼んだのは、ジンジャーレモンライムモヒート。
「ふふ、貴女とお揃いにしてしまったわ」
にこり笑う。弥恵は眩しそうに目を細め、「どんな味なのです?」と。
「内緒。大人になったら一緒に飲みましょう?」
フィーネは言い、楽しそうにゆったりと散歩しながら、歌を口ずさむ弥恵を追う。
コテージ。星の瞬きに、はしゃぐ声。指を指すのは、シオン。隣には水着の鳴。
「海も星空もとっても綺麗なのっ! それに、なんだかどきどきな気分なのっ……! きっと一緒にいられるから幸せなんだと思うのっ」
鳴は八重歯を見せ、シオンの手にそっと触れる。
「鳴、俺もだよ!」
シオンは笑い、ぎゅっと手を握り返す。
「嬉しくて頬が緩んじゃうの!」
「鳴が嬉しいと俺も、もーっと楽しくて嬉しい!」
「えへへっ、あ、レモンイルカなのっ!」
「綺麗ー! 誰かのコテージに行くのかなー!」
シオンが泳ぐイルカを見つめる。
「ねっ、わくわくするの!」
「だねー! でも、水着姿の鳴の綺麗さと可愛さには勝てないけどね……!」
「へへっ、恥ずかしいけど、とっても幸せなのっ!」
「鳴と一緒に来れてよかった…!!」
シオンはこの幸せを分け合うように、鳴を抱き締める。
「絶対、また来年一緒にこよーね……!!」
「うんっ! ねぇねぇ、シオンさん。シオンさんに色々なことをしてもっと幸せな気分になりたいの!」
「ふふ、この幸せな一日を忘れないよーに一緒に寝たり……夜を沢山、楽しんじゃおうー!!」
笑いあう。
真夜中、葵は砂を踏む。
(元の世界では、サッカーの大会と練習、課題は山積み、いつもあっという間に秋)
「ヤベェ、こういう時ってどう過ごせばいいか分かんねぇわ」
ただ、見上げた空は綺麗で、葵は寝転がる。
「たまにはこんなのも悪くはねぇよな」
波の音。最高の過ごし方。
(まぁ、これが夏らしいかどうかと言われたら微妙っスけど……)
「あー、眠い……ダメだ。ここで寝る」
目を閉じ、すぐにくしゃみを数回。葵は立ち上がり、気が付く。サソリガイが足元に落ちていた。
夜のコテージ。ラルフはアイスコーヒーを片手にゆるやかな喧噪を見つめ、寛ぐ。
「星が動いているねえ、ここの創造主殿はどのような御仁かな、中々に美的センスがある」
何せこんな面白い世界を創り上げたのだから。私の卑小な神(ちち)よりよっぽど、ね。ただ、一人は退屈だった。目を細め、息を吐く。探し求めていた『モノ』がこの世界に。
「ああ、如何に俗物が煩かろうとうっかりこの世界を破滅させないようにしなければな」
呟く。この世界でその光の欠片を見付けたのだ。
ならば、私は──
夜。寛治はフィーネのコテージに。
「グラスが2つしか無かったもので、二人だけで飲める時間を見計らってお伺いしました」
「ふふ、今日はスーツではないのね」
「ええ、浴衣は夏の普段着ですから」
手には日本酒と切子のグラス。 涼しげな青い瓶、キレの良い軽やかな夏酒。無限の星を肴に。
「実は、昼間に流しそうめんを食べてしまいましてね。もし宜しければ今夜、もう少しお相手させていただいても、よろしいですか?」
眼鏡を外し、見つめる。途端に両腕が首に回され、膝に感じる、フィーネ。
コテージから見た星はとても特別だ。
「君は何が好きなんだい、僕に教えておくれ」
カイトは微笑み、ラナーダに飲み物を尋ねる。
「オレンジ……やっぱりコーヒーでいいよ」
言い直す、子供だと思われたくなかった。
「そっか、珈琲か! 奇遇だね、僕も好きなんだ。とびっきり甘い珈琲を二つ、頼もう」
ラナーダは目を瞬かせ、笑う。
「僕と二人だけれどあまり緊張しないで。いきなり取って食べたりなんてしないしね」
ラナーダはかぶりを振る、そんなことはないと。ただ、どんなことを話せばいいか、考えていただけ。カイトは笑い、いつもは畳んでいる6枚羽を華やかに広げ、綺麗な星を指差す。
「今はなんの星座が見られるだろうか」
互いに星の知識はない。
「うーん。あ! どうせなら新しく創ってみる? ほら! あれとあれを繋いでリボン座とか!」
「リボン、か。あはは、発想が豊かだな」
くすくすとカイトは笑う。
「いいの! ボクにはリボンにみえたんだから!」
「そうか」
カイトは目を細める。
覚えておこう、リボン座。いつでもリボン座を見つけたら今日の方が思い出せるように。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
あわー、夏は最の高ですね!!! 水上コテージ、海、水着、浴衣、バーベキューに媚薬。至極、甘かったです。また、媚薬イベントを出しますので、宜しくお願い致します!!!
GMコメント
ご閲覧いただきましてありがとうございます。さぁ、夏を満喫してください! ちなみに天候は崩れません。そして、青砥NPCは全員、います。ただ、明記してくださった場合のみ、NPCは登場致します。
●依頼達成条件
夏を満喫すること。時刻はお昼過ぎから就寝までです。
●依頼人
フィーネ・ルカーノ 女性で財産家。日々、刺激を求め様々な国に出入りしています。あちこちに恋人(性別問わず)がいます。
●場所
フィーネ・ルカーノ所有のプライベートビーチに立つ水上コテージ。ただ、水上コテージ以外でも、遊ぶことも出来ます。白い砂浜、真っ青な海。釣り、シュノーケリング、カヤック、フライボードなど様々な遊びが出来ます。木陰にはハンモックがあり、読書もオススメ。手持ちの花火セットもありますが、花火をする際は砂浜のみで、コテージでは出来ません。飲み物はノンアルコールとアルコールがあります。バーベキューもでき、厳選された食材が予め、準備されています。
【注意】年齢がUNKNOWNの方にアルコールの提供は致しません。
●レモンイルカ
砂浜と水上コテージに、食事を運んでくれる優秀で人懐っこい、イルカ。ただ、バーベキューの食材は予め、砂浜に準備されています。水上コテージで、お肉を焼きたい場合は、煙が少ないコンロをオーダーください。食材とともにお部屋に予め、準備致します。
●水上コテージ
普通のリゾートホテルと同等の設備が備えられています。夜であれば星が見えます。テラス席もあり、テーブルがあります。部屋には、飲み物を冷やすためのカゴと紐もあります。
●食事や飲み物について
特別なものでない限り、基本的に食べたいものをオーダー出来ます。ちなみに、【シークレット】として、ながしそうめんの麺とつゆに媚薬が含まれており、無味無臭をフィーネは目指しました(ただ、感知は可能です)めんつゆには、梅と大葉が入っています。
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アドリブは頑張れたら入れます。また、お一人でのご参加もお待ちしております。青砥だったら、足だけ海に入り、星空をツマミに日本酒をいただきたいなぁと思います(カッコつける青砥)一人の時間も贅沢ですよね。または、ハンモックで風を感じながらお昼寝したいです、時折、かき氷をいただきながら。
楽しみ方は無限にございます。皆様、素敵な夏の思い出を。
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