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シナリオ詳細

<クレール・ドゥ・リュヌ>其の稚い指先で

冒険中

参加者 : 8 人

冒険中です。結果をお待ちください。

オープニング


 人間が好きだ。
 倒れても起き上がる、笑い合って生きていく、そんな人間が好きだった。
 信仰心がない訳では無かったが、俺は神に祈るのではなく、感謝していた。
 カミサマ、俺を人間として生んでくれてありがとう。
 この小さな孤児院で、笑い合って、貰い手が見つかったら泣いて別れを告げて。
 それでもきっとまた会えると、お互いに希望を持って前に進んでいく。
 それが生きていく事なのだと。命を繋いでいく事なのだと。

 数日前、熱病で死んだはずの妹が帰ってきた。
 シスターは直ぐに妹を隠し、俺にも他言無用だときつく言いつけた。あんなに必死で――悲しそうなシスターを見るのは、初めてだった。
 其の時は其れで良いと思ったんだ。妹が帰ってきたのがどうしてかは俺は知らない。けれど、生きているのならまた笑い合えると、思ったんだ。
 笑い合えていたんだ。数日前までは。

 俺は人間が好きだ。
 人間が、――人間の中身が好きだ。
 例えば俺を慕ってくれる弟の腹を裂いて、中身を調べたら何が出て来るだろう。信心というものはその中にあるのだろうか?
 例えば妹を守るシスターの頭を割ったら、そこに信心や愛はあるのだろうか?

 やってみたい。
 やってみよう。


●危急の知らせ
「天義での黄泉還りは皆知ってるよね」
 地図を出しながら、グレモリー・グレモリー(p3n000074)は一同に告げる。死んだはずの人間が、何故か戻ってくるという一連の事件。中央部からの申請によるローレットの迅速な対応により、天に還った黄泉還り達もいたのだが――
「どうも、事態が妙な方向に転がっているみたいだ。ええと……サーカス、だっけ? サーカスが幻想に来て少しして、妙な事件が多発しただろう。あれと似た事がフォン・ルーベルグで起きているようなんだ」
 僕はその時は情報屋ではないので、詳しい事は知らないんだけどね。そういって、地図にマルを付けるグレモリー。
「つまり、狂気に囚われたかのような人間による事件の多発。――此処からはレオンの受け売りになるんだけど」
 つまり、死者の黄泉還りと今回の事件はまず間違いなく関連している。そして狂気に囚われた人間――『原罪の呼び声』。まさに<嘘吐きサーカス>の再来ともいえる。
 しかし疑問が残る。サーカスと違って今回の黄泉還りは散発的な事件だ。何かを見た・聞いたという共通点は見受けられない。では何が彼らに狂気をもたらしたのか?
「知らない赤の他人より、身近な親しい人間。……黄泉還った人間たちが、狂気のアンテナになってるんじゃないか、という推測が主だ。そして“彼ら”は恐らく其れを自覚していない。困った事だね」
 でも、レオンが言っていたよ。“ローレットが対応していて良かったな。していなかったらしてなかったら水面下に潜んでた爆弾は今の比じゃなかったぜ”って。
 グレモリーは淡々と語る。黄泉還った人間すべてが狂気のアンテナで、周囲に『原罪の呼び声』をまき散らしていたら。――背筋の凍るような話である。

「さて、君たちに入って欲しいのはフォン・ルーベルグの端にある孤児院だ」
 先程マル印をつけた箇所を指差すグレモリー。
「どうも少し前から様子がおかしかったらしい。買い物の量が増えたとか、シスターがきょろきょろしているとか。――まあ、判るよね。戻ってきていたみたいなんだ。でも問題は其処じゃない。恐らく……この孤児院の人間は“ほぼ皆殺し”にされている。犯人は判らないけれど、シスターか孤児のどちらかだ。君たちには確認と対処をお願いしたい」
 今回の事件はみんな秘密にしたがるから、情報が余り入って来ないんだ。困ったね。
 ぼさぼさの髪を乱してグレモリーが言う。彼にしては珍しく、苛立っているようだった。
「誰かを隠匿していてみんな無事なら、隠匿された誰かを天に還さなきゃいけない。……もし手遅れだった場合は、掃除をしてほしい」
 多分、手遅れだと思うけどね。
 ぽつりと呟いたグレモリー。其の一言には多くの諦めと、僅かな悲哀が滲んでいるように聞こえた。

GMコメント

こんにちは、奇古譚です。
罪は罪を呼び、無辜の民は怪物になる。
今回はそんなお話。

●目的
 孤児院を調査し、狂気のアンテナを破壊せよ

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●立地
 天義首都「フォン・ルーベルグ」の端にある小さな孤児院です。
 数人のシスターが主だって孤児たちの世話をしていました。

●敵
 グレモリーの推測通り、孤児院は子ども2人を残して全員殺害されています。
 孤児院を訪ねる人がいないためまだ明るみに出てはいませんが……
 エネミーは下記。

 少年x1
 黄泉還った少女x1

 少年は鈍器を背負い、刃物を持っています。
 とても足が速いです。初手から懐に入られることも想定した方が良いです。
 少女は奥の部屋に隠れ、絵本を読んでいます。
 一見するとまともに見えますが、『原罪の呼び声』のアンテナであることをお忘れなく。
 説得出来る相手ではありません。天に還すには直接手を下す必要があります。


 悲劇が一転、狂乱の場に。
 それを見て笑うのは誰か、まだ判りません。
 しかし、事態を収められるのはイレギュラーズだけでしょう。

 アドリブが多くなる傾向にあります。
 NGの方は明記して頂ければ、プレイング通りに描写致します。
 では、いってらっしゃい。

  • <クレール・ドゥ・リュヌ>其の稚い指先で 冒険中
  • GM名奇古譚
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 出発日時2019年05月18日 23時59分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険中です。結果をお待ちください。

参加者一覧(8人)

エーリカ・マルトリッツ(p3p000117)
夜鷹
ウェール=ナイトボート(p3p000561)
追憶に向き合った者
アリシア・アンジェ・ネイリヴォーム(p3p000669)
ひとりの吸血鬼
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
天才になれなかった女
シラス(p3p004421)
閃翼
Tricky・Stars(p3p004734)
二人一役
ジェック(p3p004755)
ガスマスクガール
リリアーヌ・リヴェラ(p3p006284)
勝利の足音

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