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シナリオ詳細

目指せ繁盛店! マグマラーメン、美味しいよ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●鉄帝! マグマラーメン
「いつものやつなのだ!」
「へい、特製マグマ一丁!」
 カウンターに座った『超食通』Que(p3n000026)の注文は決まっている。
 鉄帝星屑商店街に来たならば、まずは特製マグマラーメンを食べないのはモグリみたいなもんだ。そういえばこの界隈で、何故かファッションサロンが最近、一風変わったロバ肉料理を提供しているとと聞くが――後で、そちらにも寄ってみるかな?
 程無く運ばれてくる特製マグマ。
 スープがボコボコと泡をたてて鳴り、アツアツの熱気が食欲をそそる。
 丼一面の真っ赤な世界は地獄の如く煮立っており、とするとさしずめこれを食する者は地獄をも制覇するようなものではないか!?
 とりとめもないことを考えつつ、Queは溶けかけ原型をかろうじて保っているレンゲでスープを口に運ぶ。
 アツい!!! だがそれが美味い!!!
 いったんスープを口にすると、解放された食欲が収まることを知らずに、食の快楽、愉悦のまま一心不乱にラーメンを啜りはじめる。
「美味かったのだ! 親父、お替りなのだ!」
 アルティメットフードファイターのQueは、替え玉などとみみっちいことはしない。黙って替え丼なのだ。
「お姉ちゃん、いつもいい食べっぷりだねえ。ラーメン屋冥利につきるってもんだ」
 ガハハと豪快に笑う店主。
「当然なのだ。こんな美味いラーメンなら、いくらでも食べられるのだ!」
「そういってくれると嬉しいんだけどなあ……」
 ラーメン屋の店主が眉を潜める。
「美味いって言ってくれるのは、一部の常連だけで……マグマラーメン、あまり人気ないんだよな……」
「どういうことなのだ?」
「熱すぎてとても食べれないってクレームが多くてな。火傷したとかの文句も多くて……俺には全く理解できないんだが」
 よくよく店内を見渡せば、寸胴とか床とか色々と溶けてたりもする。スープの温度も推して知るべしだ。
「それは……ボクにも、よく理解できないのだ……」
 常識を超えた脳筋鉄騎種の二人には、常人には熱すぎて食すのが無理だなんて発想は及びもつかない。
 どういう原理なのか沸点? 100度? 知らねえなあと、100度を余裕で振り切った高温で煮立つスープは、鉄騎手の『過酷耐性』がないととても耐えられたものではない。いや、鉄騎手でも耐えられないものもいるくらいだった。
「このままだと、特製マグマラーメンは出せなくなるかもなあ……」
「それは困るのだ! こんなに美味しいラーメンが食べられなくなるのは困るのだ!」
 そこで、Queははたと気が付く。
「こんな時こそ、ローレットにお任せなのだ! ボクも一肌脱ぐのだ!」

GMコメント

 人類は麺類ってわけでこんにちは。茜空秋人です。
 マグマラーメンの危機を救え! テコ入れしましょう。

●オーダー
 特製マグマラーメンのテコ入れ。
 特製マグマラーメンの個性を残しつつ、繁盛するプランを考えましょう。

●店主
 ラーメン一筋、何処にでもいる脳筋鉄騎手。
 黒タオルを目元まで巻き、腕組みがデフォ。
 そこそこ頑固で自分の味には相当の自信を持っており、マグマラーメンが常人には食べられないとは露程にも思っていない。
 反面、ラーメンの求道者であり、美味しくするためならば新たな挑戦に挑むことも厭わない柔軟さも併せ持つ。
 頑固で脳筋だから、なんだかんだで依頼が失敗したとしても、なんだかんだと店が潰れない限りは特製マグマラーメンを出し続けているかもしれません。
「求めるお客が一人でもいる限りは、応えるのが鉄屑っ子の心意気! ……それはそれとして、やはり経営が苦しいのはちょっとなあ……力になってくれないか?」

●店構え
 個人経営のラーメン屋。カウンターが10席ちょっとと、テーブル席が二つ。小上がり(座敷席)もあります。
 プレイング次第では、改装改築も可能です。

●現在の主要メニュー
・特製マグマラーメン――去年開発された会心の一杯。普通のラーメンに比べて超熱いっていうか100度を振り切ってる。中には熱石代わりに溶岩(?)が入っていたりするQueもお気に入りの一杯だが、あまり人気が出ずに提供中止になる可能性が……。
・地獄マグマラーメン――特製マグマを激辛に仕立てた地獄の一杯。超熱くて超辛い。
・その他――餃子やチャーシューやら、サイドメニューと飲み物。

 凶悪なまでの高温で豚骨を徹底的に煮詰めるというより溶かしこんだ豚骨醤油が売り。

●指針
 もう諦めて特製マグマラーメンはメニューから外しなさいというのも一つの手ですが、あくまでそれは最終手段。
 多少手は加えても構いませんが、やはり特製マグマラーメンが店の売り。特製マグマの個性がメニューから消えることを店主とQueは望みません。
 メニュー再開発、販売戦略、宣伝など色々考えられますが、特製マグマラーメンがメニューから立ち消えることのないよう、知恵を絞り工夫をこらしたアイディアをお願いします。
 不味いを売りにした店もありますし、いっそ食べられないラーメンとして宣伝するのもアリっちゃアリです。
 皆さまのラーメン愛に溢れるプレイングを待っています。

●NPC情報
 『超食通』Queが同行します。
 プレイングに指示があれば従います。なければそれなりに。

●その他
 EASY依頼で、相談期間が短くなっております。ご注意ください。
 有用そうなスキルやアイテムには、色々とボーナスがつくかもしれません。
 ご縁ありましたら、どうぞよろしくお願いします。

  • 目指せ繁盛店! マグマラーメン、美味しいよ!完了
  • GM名茜空秋人
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2019年02月09日 21時50分
  • 参加人数8/8人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

クロバ・フユツキ(p3p000145)
偽狼送り
ガーグムド(p3p001606)
爆走爆炎爆砕流
ルーミニス・アルトリウス(p3p002760)
烈破の紫閃
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
流麗花月
カタラァナ=コン=モスカ(p3p004390)
海淵の呼び声
シラス(p3p004421)
鳶指
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
ロク(p3p005176)
クソ犬

リプレイ

●またまた来ました鉄屑商店街ィ!
「今日は依頼で来たんだよ! 決して! 決してラーメン食べたいがために来たわけじゃ……ましてやロリばばあ屋にリベンジとロリババア料理の視察しにきたわけでは……クッ!」
 先ずは試しに食べてみないことには始まらないと、ラーメン屋テコ入れ依頼に集ったイレギュラーズに供された特製マグマラーメン。若干、他店に後ろ髪を引かれながらも『クソ犬』ロク(p3p005176)が煮えたぎった丼に手を伸ばす。
「……あーこれだめだ。ぐつぐつしてるしほんとマグマだ。当たり前に死ぬやつ。まあ、大丈夫! ほらわたしには【パンドラ復活】というチートがってやっぱり無理! だってほら豚骨なんかどろっどろに溶けてるし。――でも匂いはおいしそうだね!」
 早々に諦め、メカ子ロリババアに押し付けるロク。装甲が溶けないか、とても心配だ。
「豚骨醤油、鉄帝にもあるのか……」
 猫舌の『五行絶影』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)は慄きながら手をつけるものの、
「ン゛フーーッッ!? み、水、水っ!」
 猫舌には熱すぎるよと、お冷をゴクリとガブ飲みする。
「ふふふふ、うん……熱いよこれ」
 隣ではマジ泣きしながら『海淵の呼び声』カタラァナ=コン=モスカ(p3p004390)がギブアップだ。
「これじゃあ、どんな味かわからないよ――」
「我はラーメンをよく知らなかったのだが……この機会に知れば問題なかろう!」
 その一方、ラーメンは知らないがマグマならば任せとけと、『爆走爆炎爆砕流』ガーグムド(p3p001606)が平然と箸を進める。
「ぐわあ、熱ィ!」
 『鳶指』シラス(p3p004421)も悲鳴を上げながらも、
「それでも食ったことないものをプロデュースするなんて嫌だ。それに残したら、何だか負けたような気分になるじゃん」
 ハイヒールで回復し、自分を奮いたせながら食べ続ける。
「ふぅ……ごちそうさん」
 体中を汗だくにしながらも完食したシラスが得意気に笑ってみせた。

「やはり、食べて貰わなければ始まりません」
 丼には手をつけず、四苦八苦する仲間を眺めていた『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)が口を開く。
「ラーメンにはマニュアルもセオリーも無い。現実としてマグマラーメンは誰もが食べれないキワモノ・ゲテモノの類です。ですが、そこからホンモノを生み出そうとする情熱こそが、ラーメンの本質と呼んでもいいのかもしれません」
 店主に失礼ながらと前置きして、持論を展開する。
「オレもゲテモノまでとは言わないが――」
 料理人として『夜刀一閃』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)も言を発する。
「確かにこのラーメンは美食として一級品のものを秘めているだろう。だが店主、『そもそも食べられない』ものは、いくら美味くても客には届かない」
「どんなに美味しくても、食べられないのは勿体ないわよね」
 『不屈の紫銀』ルーミニス・アルトリウス(p3p002760)も、うんうんと頷く。
「際立った個性のあるラーメンなら、テコ入れ次第ですが繁盛店にできます。ここは我々イレギュラーズの、フード・プロデュースにお任せください」
 こうしてプロデューサー寛治を中心に、イレギュラーズのテコ入れ作戦が開始されたのだった。

●新メニュー開発
「一旦店を閉めて、リニューアル中を印象づけるのも大事です」
 店主にコンセプトを説明しながら寛治が『プロデュース』を使い、説得力あるプレゼンを行う。
「そして『本当に作りたいラーメン』である特製マグマラーメンは残しつつ位置づけをチャレンジメニューに変更し、広い客層を狙えるメニューをリニューアル中に開発します。
 チャレンジメニューは完食者を表彰し壁に貼り出す特典を追加して、更に期間限定でイレギュラーズへのタイマン挑戦権も付けてみます。
 並行して新メニューやチャレンジメニューを大々的に宣伝し、リニューアルオープンをアピールします」
 ふむ、と頷く店主。
「アピールは非常に大事でございます。お客様は情報を脳で食べているのです」
 その点、マグマラーメンのインパクトは絶大だ。さらに『今話題のイレギュラーズプロデュースの店』と宣伝すれば、その効果は計り知れない。
「脳で食べるか……つまり、脳筋用のラーメンにするということか?」
「いえ、決してそういうわけじゃ――」
 この店主、腕は確かかもしれないが絶望的に経営に向いていないのでは? 私のやることは多そうだと、寛治はマーケティングと宣伝戦略を考えるのだった。
「アルバムはアレだけど、新田さんならやってくれる……」
 あとなんか、ロクが丸投げしてた。

 『特製マグマラーメンとしての原型を残しつつ、客に食べてもらえるようなプラン』としてクロバが出した結論は、つけ麺での提供だった。それを料理人の矜持と熱意でもって店主に提案する。
「一歩進んで……いや引いて考えてみるんだ。このつけ麺という案はマグマラーメンの良さを残しつつ寒い鉄帝の地の人間に暖かさも届ける事ができる!
 オレはこの味を伝えたい、だから始めようぜ店主。繁盛のために! このマグマラーメンという存在を知らしめるために!」
「折角、他に無い個性があるのに、それを無くしちゃうのは勿体ないしね」
「私もつけ麺に大賛成だ。マグマに負けない麺だもの、麺だけでも充分美味しいはずだよ。あとは客の好みに合わせた温度調整用の割り下が欲しいな。それなら、猫舌の私でも食えそうだし」
 ルーミニスと汰磨羈もつけ麺推しだ。
「さらに豚骨といえば……そう、ライスだ」
 交互に食うもよし、麺を食い切った後のスープにブチ込み雑炊にするもよし。いい米を仕入れ、ライスセットを用意するのだと、汰磨羈がサイドメニューにライスは鉄板だと断言する。
「美味しいのにとても全部は食べられない、そんなのもったいない。つけ麺もいいけど、入門用に温度を下げた無印のマグマラーメンも作ってみるのはどうかな? 『お子様マグマ』でもいいけど、そのネームングだと鉄帝の人は食べなさそうだし……」
「私は『お子様マグマ』も欲しい! 段階的にして、お子様や無印が余裕な人が特製マグマを食べればいいんだよ!」
 カタラァナとロクはお子様マグマと無印マグマ推しだ。
「僕、ラーメンって、ちゃんと食べたことないんだ。
 だから最後まで食べられるラーメンになったら、とっても嬉しいな」
 ラーメン初体験がここにも居た。カタラァナが未知なるラーメンの味を想像して目を爛々と輝かせる。
「つけ麺でも無印、お子様ラーメンでも既存の特製マグマラーメンを踏襲したものですし、慣れればオペレーションも問題ないと思われます。何より原価的にも――」
 寛治の鶴の一声。
 こうして、新メニューの方向性は決定した。

「会心の一杯――己の丹精を込めて作られた料理。そして暖簾を掲げた者であれば食べてもらいたいのは料理人として生きるヤツの本懐だろう。
 ならばこそ、開発して見せよう新メニュー。アンタのラーメン、必ず客に届けさせてみせる!」
 厨房で店主と共につけ麺開発に勤しむクロバ。
 特製マグマラーメンの持ち味を損なうことなく――マグマに決して負けることない強い豚骨つけ汁の絶妙なバランスを調節するその姿からは、耳の聞こえない天才作曲家ではないが、実は味覚がないなどとはとても想像できなかった。
「試食、頼んだ」
「……ハヒフヘホヒッ!?」
 なに、いざという時はパンドラ復活もあると、覚悟を決めて麺を啜った汰磨羈が熱さにビクビクッと震える。
 基本の味のベースは十分。後は猫舌にも通用する温度のバランス調整だけだ。
 厨房での新メニュー開発の試行錯誤は続き、汰磨羈の悲鳴が木霊するのだった。

●リニューアルオープン前
『いちどはたべよう、まぐまらーめん♪ 
 リニューアルオープン、近日開店、夢見るままに待ちいたり♪』
 カタラァナが即興で宣伝ソングを唄う。
(うーん、商売っけのある歌は難しいなあ。リニューアルオープンまでには完成させないとね。これはやりがいがあるよ)
 此方はリニューアルの宣伝として、ビラを配るイレギュラーズたち。特に人の賑わう鉄帝ならではのラドバウは、格好の宣伝場所である。
「そこを行く皆よ、マグマラーメンを知っているか!? そう、濃厚な豚骨に加え最大の特徴として灼熱の如き熱さを誇るラーメンであるな!
 我はこのラーメンに挑む熱き精神を持つ者を求めている!」
 大道芸――灼熱の象徴で注目を集めたガーグムドが、炎を撒き散らしながら声を大にする。
「見事チャレンジメニューを完食した者には店内にて栄誉が与えられ、末永く称えられるであろう!
 必ずや一目置かれる事であろう! 今なら完食者はローレットの猛者に挑める権利もやろう!」
 脳筋の鉄帝人を良い塩梅で煽る宣伝だった。
「ちなみに豚骨に含まれる濃厚なコラーゲンと発汗作用により美容にも効果があるとの話だから、強さだけでなく美を求む者も同じく挑むがいい!」
 脳筋だけではない、女性へのアピール――
「自分には無理だと落胆する者も、様々なメニューを取り揃えているからこの機会に来るがいい!
 運が良ければマグマラーメンを完食する瞬間に立ち会えるやも知れんぞ!? 新装開店を期待して暫し待て!」
 さらにはフォローも忘れない。
 店主はラーメンと同じ様な熱い拘りを持っている、ならば我も熱い想いで宣伝するまでと、さらに熱く燃え上がり宣伝を続けるガーグムドはどこまでも熱い漢だった。
「ガーグムド君、ビラは燃やさないでね……」
 ちょっと熱すぎるよと、隣でカタラァナが呟いた。

 黒タオルを頭に巻いて店主と同じく黒Tシャツのバックプリントには鮮やかな『マグマラーメン』の文字。
 ラドバウに出場したシラスは、何よりも魅せる試合を心掛け、盛り上がる展開を演出する。
 臆することなくガツガツと正面から当たり、相手の攻撃も躱すことなく全て受けきる、受けきってみせるといった内容――正にプロレスと、そしてシラスのカリスマ性も相成って否が応にも盛り上がりを見せる観客。
『我ら特異運命座標、挑戦者求む!』
 最後に爆縮で対戦者を下したシラスが、歓声をあげる観衆に向かってシンプルなメッセージに簡単な地図を添えただけのビラをバラ撒いた。
「てめえら、絶対喰いにこいよ!」
 ここぞとばかりにマイクアピールするシラス。
 ――ふう、もう数試合できそうだ。

「メニューごとの温度の事前注意。これだけは徹底してね!」
 リニューアルオープンを間近に控えて仕事が山積みの店内で、ルーミニスが激を飛ばす。
「うむ、猫舌でも安心して食べて貰うのだ」
 新メニュー開発も無事終了し、試食からお役御免となっても汰磨羈は店の準備で大わらわだ。
「特にチャレンジメニューの特製マグマラーメンは、食べられなくても泣かないで、注文は自己責任でと何度も念を押すくらいで丁度いいわね」
 注文したのに熱すぎて食べれないなんて事がない様に、まずはつけ麺推し。もしくは無印、お子様ラーメンお奨め。
「これ、マニュアル化してもいいわね」
 チャレンジはまあ、お祭りメニュー、洒落みたいなものよ。命知らずだけが食べればいいわ。
「店外席でのチャレンジは、やはり盛り上がりそうだ」
「何より鉄帝は寒いから、冬場とか外が盛り上がって熱いくらいが丁度いいわよ」
 店外用のテーブル席を準備しながら、汰磨羈とルーミニスは特製マグマチャレンジに沸く、いかにも鉄帝らしい光景を想像するのだった。

●イレギュラーズプロデュース、マグマラーメンリニューアルオープン!
『いちどはたべよう、まぐまらーめん♪
 したさきさんすん、ひりっとやいて♪
 せなかでかたるは、おとこのあじよ♪』
 カタラァナの唄に合わせて扉が開かれると、開店前から並んでいた行列の先頭が入店する。
「初日の立ち上がりとしては十分でしょう。後は、いかに継続させるかです」
 コネクションをフルに活用した宣伝に加え、念の為にとサクラまで仕込んでいた寛治が満足そうに呟く。
 ――もっとも、サクラは必要なかったかもしれませんが。
 それくらい、盛況であった。

 お奨めのつけ麺、無印は順調に出ているが、念押しが効きすぎたのか、特製マグマの出だしは悪い。尤も悪くても、あまり問題はないのだが――
「やはり盛り上がりは大事よね。イレギュラーズが食べたって記録あった方が対抗心湧くかしら? 食べなかったらアタシも負けた気がするし……挑んでみようかしらね」
「熱さもそうだが激辛の特製地獄にも勝負してみたらどうだ? オレは行くぜ」
 ルーミニスを軽く挑発するクロバ。相棒の挑発に、負けず嫌いのルーミニスが大人しくしている筈もなく。
「な!? アタシも特製地獄、食べるわよ!」
「ならば我も特製地獄とやらを頂くとしよう。我自身が食べる姿もきっと宣伝になるであろう!」
 火の粉を撒き散らしながらガーグムドも加わり、店外席では急遽チャレンジ実食イベントが行われることになる。
「待って! わたしも挑戦するよ! 『お子様マグマラーメン』で! 大丈夫! 特製もちゃんとチャレンジするから! この子たちが!」
 鬼畜にもメカ子ロリババアを生贄に捧げるロク。
「猛き鉄帝魂を感じる特製の激熱&激辛ラーメン! イベントだよ! 見なきゃ損々、食わなきゃ損だ。さあ、寄ってけ寄ってけ!」
 汰磨羈がイベントの開催を告げると、煮えたぎる丼に箸を伸ばすイレギュラーズ。
「さあ、気合を入れていざ実食! ……熱いのは平気であるが、なかなか辛いであるな」
(グッ……結構な辛さを感じる……)
(クロバ、後で覚えてなさいよ!)
 熱いだけでなく激辛の地獄マグマに苦しむ三人。ルーミニスとか、火傷を気合いで我慢して食べてる。
 ボロボロになりながらそれでもなんとか完食した三人に、観客が歓声をあげて盛り上がる。
「あーおいしい!! おいしい!! って熱いわ!! お子様もクソ熱いよこれぇー!!」
 三人を称える拍手の中で、空気読まずにロクも完食。あと、メカ子ロリババアが泣きながらギブアップしてた。

「よく来たなてめえら、俺と戦りたきゃ先ずは特製マグマラーメン食ってもらうぜ!」
 シラスはイレギュラーズに挑戦目的で来た客を煽り、チャレンジメニューに誘導する。通常では考えられない接客だが、ここは鉄帝、これこそ鉄帝流脳筋接客だ。
「食えねえ? は? そんなモヤシが俺に挑もうなんざ10年早いんだよ!」
 頑張って煽る、煽っていくスタイル。
 チャレンジ実食イベントも相まって、チャレンジメニュー挑戦者が増え完食者もちらほらと出始める。流石は鉄帝といったところか、完食者の殆どがイレギュラーズとのタイマン勝負を選択した。
「もうアレよ! 痛さの八つ当たりしてやるから! 覚悟しなさいよ!!」
 そんな挑戦者たちを、特製地獄マグマ食べて激おこなルーミニスが割とガチ目に迎え撃つ。
「ルーミニス、俺の分も残しといてね?」
 勝負後の挑戦者に、シラスはハイヒールをかけるのだった。
 ――――
 ――

●お疲れ様ー!
 リニューアルオープンイベントを終え、店内にねぎらいの言葉が飛び交う。
 つけ麺、無印の出数は当然として、途中からはチャレンジメニューも盛り上がり、先ずは文句のない再出発だ。
「お疲れ様でした。つけ麺と無印の主力で安定した収益を出し、特製マグマで知名度をあげる。これを維持出来れば、当面は大丈夫でしょう。また何かございましたら、宜しくお願い致します」
 自信を持って仕事を果たし終え、満足げな顔の寛治。次、テコ入れするとなると……やはり原価最優先で油そばでしょうか等とはおくびにも出さない。流石に次のテコ入れがないことを祈ろう。
「初めて食べたラーメン、とっても美味しかったの」
「うむ、我が世界にはない料理であったが、なかなか美味であったぞ!」
 カタラァナとガーグムドは賄いでラーメンばかり食べていたとかいなかったとか。
「アタシ達が居なくなった後でも、定期的にラドバウの有名闘士に挑戦を持ち掛けてみたりするのとかもいいかもしれないわね」
 ルーミニスからの最後のアドバイスだ。
「此処でしか食べられないんだから、気に入って貰えたら常連にもなってくれるだろうし、宣伝もしてくれるでしょ!」
「時には妥協も必要かもしれない。しかし続けさえすれば、一番大事なモノは決して消えることはない、オレはそう信じてる。そして信じた味を客に届けようぜ!」
 同じ料理人として、クロバが店主と握手を交わす。
「さすが鉄帝、結構な数の挑戦者が居たんだな……」
 壁に貼られた挑戦者たちの色紙を眺めるシラス。完食者として貼られた自分の写真に照れくさそうに微笑んだ。
「煮込みラーメン出来たよ!」
 汰磨羈が煮込みラーメン――通称『鍋マグマ』を完成させる。団体客や持ち帰り客専用の裏メニューだ。
 イレギュラーズは、最後に鍋マグマを心行くまで堪能するのだった。

「おっと、帰る前にロリばばあ屋に寄らないとね!」
 ロクは宣伝ついでに立ち寄ったロリばばあ屋で、新たなロリババア料理の研究を行うことになるのだが、それはまた別のお話である。

 Congratulations!
 イレギュラーズの活躍により依頼は達成された!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

依頼、お疲れ様でした。
やはり豚骨が大好きな茜空でした。でも、ラーメンなら割となんでもいけますが!
むしろ蕎麦もうどんも、なんだったら焼きそばでも!

よろしければ、またご縁がありますように。

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