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シナリオ詳細

不在証明は、溺死する。

冒険中

参加者 : 10 人

冒険中です。結果をお待ちください。

オープニング


 異端審問官として、自分は良くやってきたと思う。
 忠実にこの国の正義に従ってきた。
 不正義に対して己の役目を果たしてきた。
 それは神父達も認めているところだ。

 神は存在する。
 我らの信じる神は存在する。
 ―――神は一体どこから創造されたのですか?

 神は、自己原因。
 神は、自ら自分を在らしめた。

 ならば我が神よ、忠実なる信徒たる私が、問おう。
 何故、私は救われない?
 何故、我々は救われない?
 辻褄が合わない。
 真実と虚偽が夜に混ざり合う。
 しかし、真も偽も、閉ざされた口の前では何ら違いは無い。
 我が妻は復讐の暴徒に殺された。
 我が娘は重篤の病魔に蝕まれた。
 一体、私は。
 あと何人の”無実の民人”を殺めれば、救われるというのか?

 答えておくれ、神父様。
 答えておくれ、我が神よ。
 ―――答えておくれ、我が愛しい家族たちよ。


 深夜と早朝のハザマの時刻。
 異端審問官である彼の内に燻っていた不正義が膨張して、胸を叩きつけた。
 ベッドから起き上がり、彼は掌を見詰める。
 暴走する獣性。
 また今夜も、夢と現実が夜に混ざり合う。
 
 ―――けれど、そのどちらも。
 閉ざされた眼の前では何ら違いは無い。

 男は、抱き始めた違和感に押し潰されて、知ってしまった。
 神は居ない。
 神など居ない。
 私は救われない。

 ならば、私は―――。
 
 男は純白の手袋と、手入れの行き届いた剣を手に取る。

 だから、私は―――。

 優秀な異端審問官たる彼は、玄関を開け、冷たい空気を大きく灰に取り込む。

 けれど、私は―――。

 そして彼は、異端になった。

●ローレットへの依頼
「異端審問官ゼロッテの断罪に手を貸して頂きたい」
 柔和な声色で一人の神父が言った。
 その声色に反し、神父の表情は冴えない。
「ゼロッテはこれまで極めて模範的な異端審問官として、教義に順じていましたが、
 最近、彼の様子がおかしいのです。
 信徒らによる調査の結果、彼は不正義の思想に染まりつつあるようだとわかりました。
 俄かに信じがたいことです。
 ……しかし、確かに彼の周辺に不幸が続いていたのは事実。
 彼には動機がある。ちっぽけではありますがね。
 そして、そういう考えだから、―――彼は何時までも救われない」
「……それで、”つつある”で処分してしまって構わないのか?」
 イレギュラーズの一人が尋ねた。
「彼は反逆する」
 その問いかけに、神父は間を空けず答えた。
「告発がありました。
 不正義は秘匿できません。
 まだ正確な情報は得られていませんが、やがて彼は事を起こすでしょう。
 皆様には先に街へ入り、ゼロッテが動き次第確保をお願いしたい」
「そちらの騎士の断罪では、不満が?」
 いえ、と神父は、口元に手を当てた。
 その眼には、明確な侮蔑が浮かんでいる。

「ただ―――、汚いでしょう?」

 堕ちた異端審問官の血などは。

●反逆の時
「や、止めろ……!」
 必死の形相をした一人の司祭がゼロッテの元へ駆けるが、ゼロッテはそれを容易く斬り捨てた。
「第六聖典を確保せよ」
「は!」
 ゼロッテが大剣を薙ぐと、一筋の紅い軌跡。
 短い悲鳴が残響する。
 礼拝に来ていた十名の市民は、すぐさま黒衣を身に纏う教会魔術師達に取り押さえられていた。
 ゆっくりと歩みを進め、ゼロッテは祭壇から上を仰ぐ。
 豪華絢爛なステンドグラス。
 我らが神への、祈りの場―――。
「全て、まやかし」
 正義も不正義も全て同じだ。
 ≪最愛の妻≫(ブルネッタ)、そして≪最愛の娘≫(セリア)―――。
 ゼロッテは振り返る。
 血濡れの祭壇から睥睨すれば、信徒たちの怯えの視線が跳ね返る。

 全て同じだ。
 君たちが居ないなら、何もかも同じだ……。

GMコメント

●依頼達成条件
・異端審問官ゼロッテの殺害
・第六聖典’九の章’の奪還
 ※人質の生死に関しては、達成条件に含まないものとします。

●情報確度
・Bです。OP、GMコメントに記載されている内容は全て事実でありますが、
 ここに記されていない追加情報もあるかもしれません。

●現場状況
・≪天義≫(聖教国ネメシス)内のとある街にある大聖堂の中です。
・時刻は夜ですが、大聖堂内には光源が潤沢にあり、十分な視界が確保されています。
・異端審問官ゼロッテと彼に同調する教会魔術師七名が、大聖堂内の聖具第六聖典’九の章’と十名の市民を人質にして立てこもっています。
・シナリオは、イレギュラーズ達が大聖堂内に踏み込んだ所から開始します。
・出入り口は、正面扉以外は封鎖されています。
・聖具第六聖典’九の章’は、所謂書物の形態を有しています。

■大聖堂
・高く広々とした身廊が在り、木製の長椅子が並べられ、向かって最奥に祭壇があります。
・祭壇にはゼロッテと教会魔術師四名が居り、聖具第六聖典’九の章’と十名の市民を確保しています。
・残り三名の教会魔術師の所在は、シナリオ開始時には不明です。

●味方状況
特になし。

●敵状況
■『異端審問官ゼロッテ』
【状態】
・優秀な異端審問官。
・武闘派の異端審問官であり、大剣を用いた武術に優れます。
・幾らかの魔術知識も有しています。

【傾向】
・≪幻想≫等の一般人民と比較すると、非常に人格の優れるタイプの男性です。
・聖具第六聖典’九の章’の破壊、十名の市民の殺害を手始めに、≪天義≫への反逆を企てています。
・強い意志を以て今回の反逆を計画しており、説得による状況回避は大変難しいと予測されます。

【能力値】
・素人ではありません。油断せず、慎重に対応する必要があります。

■『教会魔術師』×7
【状態】
・七名います。しかし三名の教会魔術師は姿が見えず、奇襲や罠に留意する必要があります。
・地方教会の専任魔術師で、異端審問官の業務遂行の補助もするなど、
 戦闘については魔術を使用した領域に関する一定のスキルを有しています。

【傾向】
・ゼロッテに対する人望から、今回の反逆に同調し行動を起こしています。
・ゼロッテ同様に説得による状況回避は大変難しいと予測されますが、
 ゼロッテ死亡後であれば幾らか聞く耳を持つ可能性はあるでしょう。

【能力値】
・素人ではありません。油断せず対応する必要があります。

皆様のご参加心よりお待ちしております。

  • 不在証明は、溺死する。 冒険中
  • GM名いかるが
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 出発日時2019年01月06日 23時59分
  • 参加人数 10/10人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 10 人

冒険中です。結果をお待ちください。

参加者一覧(10人)

エンヴィ=グレノール(p3p000051)
ふわふわな嫉妬心
クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)
影刃赫灼
クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)
ほのあかり
グレイ=アッシュ(p3p000901)
灰燼
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
天穹を翔ける銀狼
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
夢見る狐子
ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)
応報の翼
サクラ(p3p005004)
神無牡丹
コロナ(p3p006487)
ホワイトウィドウ
リヴィエラ・アーシェ・キングストン(p3p006628)
水晶角の龍

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