シナリオ詳細
愛しいティーラ
オープニング
●残穢
――結婚、ですか。
ふんわりとした綿毛を思わせる柔らかな髪を揺らして、乙女は静かにそう告げた。
齢も15に差し掛かれば貴族の娘ならば縁談は珍しくない。寧ろ、遅かったと言う位だ。
口ひげを蓄えた父は『良い話なのだ』とそう告げた。
――『わたくし』が、ですか。
震える声音で言う乙女は、ちらりと背後を振り返る。
その視線の先に居る誰かをしっかりととらえた釣り目がちの瞳は悔し気に細められて。
父は気付かない。娘が照れて視線を逸らしただけだと、そう思っている。
――お父様、もう少し……もう少しでいいから猶予をくれませぬか。
いやだ。
いやだ。
いやだ。
乙女は唇を噛み締める。
視線の先の誰かが小さく笑う。嗚呼、その笑顔! こうなることが分かっていたくせに!
あなたの『代わり』に結婚なんて。あなたの『代わり』に幸福になるなんて。
望んでいないわ望んでいないわ、ティーラ。私のティーラ。
わたくしはあなたが好きだったのに。わたくしはあなたのためを思ったのに。
あなたが『こうしてほしい』というから、わたくしはここにいるのに。
お父様がわたくしを見てから優しく笑う。
愛しい、ティーラ。そう恥ずかしがらずに。良いお話なんだよ……?
●愛しいティーラ
「まるでスモーキィ・リーフのような物語だわ」
『色彩の魔女』プルー・ビビットカラー(p3n000004)は常の如く、回りくどくそう表現した。
幻想貴族がひとつ。ベルトワーズ伯の一人娘『マティリーナ』にある縁談が飛び込んだのだという。
「縁談の相手は同じ幻想貴族の一人。マティリーナ――ティーラとは随分と年が離れているでしょうけど」
政略結婚。貴族同士の話ならば珍しくなければ『よくある話』だ。
それが、魔種が絡んでいないのであれば。
「シシリアン・アンバーな気持ちになるのだけれど、ティーラはある一人の男に恋をしてるわ。
以前、幻想を騒がせたサーカスの団員であった男に恋焦がれているそうなのだけど――」
ご存知の通り『サーカスはもう無く、魔種なのだというのならば彼は死んでいる』筈だ。
サーカス事変のオーナーと呼ばれた魔種が『色欲』の気配を醸すが如く、ティーラの恋焦がれた男もまた然り。彼とこっそりと過ごした時間は甘美な果実と言えるだろう。
しかし、今までは何も変わりはなかった。
ベルトワーズ伯も娘が何所かの男に恋焦がれていたことは知っていただろう。
ベルトワーズ伯はそれゆえに、急ぎで縁談をこしらえたのは誰が聞いても明らかだ。
ベルトワーズ伯は娘の幸福の為に頼み込んだことだろう。
「まさか――」
プルーは目を伏せる。
「――まさか、彼女はもう『堕ちてた』だなんてね」
サーカスが消えてすぐにその魔種は屋敷から姿を消している筈だった。
じゃあ、屋敷にいるあの女は誰……?
●
お父様に隠し事が一つ。
彼が言っていたのです。こうすると願い事が叶うのだと。
恋する乙女の眼球を5つ。余った1つは豚にでも呉れてやればいい。
肉体を武器とする男の脛を一つと、よく太った女の腸。
それから、それから――それをすべて集めて約束の場所に来ればいい。
きっと、もう一度会えるよ。
きっと。
きっと。
「ねえ、『ティーラ』」
振り向いた先で白い綿毛を思わす髪を揺らした誰かが嗤っていた。
お父様、もう一つ隠し事があるの。
あなたの愛しいティーラ、本当にティーラだったのかしら。
- 愛しいティーラ完了
- GM名夏あかね
- 種別通常
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2018年12月31日 21時45分
- 参加人数8/8人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
――ねえ、ティーラ。愛していたの。あなたのこと。
●
美しい月の光は真昼の空に掲げられた太陽の様に燦燦とその光を浴びせてくる。
小高い丘に向かう八人は皆、マティリーナ・ロム・ベルトワーズの恋物語を口にした。嗚呼、それは――それは『誰がどう聞いても』悲恋ではないか。
幻想を騒がせたサーカス。その一員であった男との実らぬ恋。
それは身分違いであり、種族違いであり、そして、性質が違ったから故の叶わぬ恋心。
「魔種との恋……悲劇だけど、でも悲劇なりの終わり方はあるはずだわ。
これ以上酷い結末にならない為に……ここで終わらせないとね」
『慈愛のペール・ホワイト』トリーネ=セイントバード(p3p000957)は羽をぱたぱたと揺れ動かしながら静かにそう呟いた。情報屋によればローレットの特異運命座標が相手取る魔種は『恋』を切欠に呼び込むらしい。
「魔種であれば敵だ、斬る事になんの躊躇いもないさ。
だがその恋心は確かにあの娘が抱いた感情だ。魔種の誘いならば喰らう。
しかし本心から望んだことならば――死を以て二人を引き合わせるまで、だ」
紛い物であったならば。人の心はいとも容易く変化する。
『鬼血解放』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)は乙女の感情が『ティーラ』という娘そのものの感情であったならばその恋は『実らせる』べきであると考えていた。
「死ね。ええ、そうよ。死からは逃れられないわ。
世を乱す悪を斬り他の多くを活かす、私の道、故に魔種は斬る。
……けれど恋に破れて辛かったのでしょう、私にも好きな人がいるからそこは同情するわ」
恋することは何も悪くない。けれど、恋した相手そのものが『誰かを脅かす』事を白薊 小夜(p3p006668)はよく知っていた。一と全――恋をすれば盲目となることを『強襲型メイド』ヘルモルト・ミーヌス(p3p000167)は翌々理解していた。
「恋と忠義は似通った部分がありますね。行き過ぎれば盲目となる」
「盲目。盲目だから――彼女にとっては現実の方が悪い夢なのかもしれないけれど」
『鋼の力』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)は確かめるように呟いた。
「サーカスの魔種、2人の『ティーラ』。マリアには、難しいことはわからない、が」
無論、その三人の感情も『神話殺しの御伽噺』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)には分からない。難しいとぱちりと瞬くエクスマリアへと『水葬の誘い手』イーフォ・ローデヴェイク(p3p006165) は難しいと静かに告げた。
「難しいね。分からない事ばっかり。
……偽物のティーラは何者なんだろう。サーカスの魔種というわけでもないなら……何らかの理由で本物のティーラが生み出したもの……?」
『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)の呟きに、丘の上で笑った女が二人。
「二人のそっくりな女の子は、お互いに一人の少女として振る舞っていた、なんてのは物語でもよくあることだケド―――この場合は「たまたま」そっくりだったのか」
「素敵な物語ですわ」
穏やかに、うっとりとした顔で笑ったふわふわとした髪のおんな。
そして、その言葉に怯えた様に背を丸めたふわふわとした髪の女。
「どうなのかなァ?
ああ、突き詰めるつもりはないヨ。おれたちはただキミを斃す、それだけだ」
イーフォにとってその事実はさもないもので。小夜は直感とその身の感覚で『彼女たちが別々の存在』であることを認識していた。
穏やかに笑ったティーラと怯えたティーラ。その強さを認識すれば笑っているティーラの方が幾分か強力であることをトリーネはよくよく認識した。
トリーネの言にこくり、と頷いたアレクシアは「ティーラ」と囁く。
「素材は集めなくてはダメ? ……戦わずに済むのなら、それが一番……魔種は、倒さなければならないのだけど」
「「駄目よ」」
合わさる声。どちらも、同じ顔をしてアレクシアを睨み付ける。……嗚呼、その、意味は違うのだろうけど。
●
状況は至ってシンプルだ。2体の敵を相手取る。その内、強敵と認識した側を先に倒すことをクロバ達は想定していた。
(気を抜かず――2体居るものと思え)
冷静さを欠かす事無く地面を蹴り、トリーネが断定した『魔種』の許へと走り込む。2体居るかもしれない。それが杞憂であればよかったのにとリュカシスの身に浄化の鎧を降ろしたトリーネにリュカシスはこくり、と頷いた。
「臓物を集めれば再び会えるだなんてそれで五体を成すのは見掛けだけだ。もう、人じゃない」
「けれど『会える』」
人でないのは皆、同じでしょうとおんなの成りをしながらもその性質は悪辣そのものであるティーラがころころと笑う。
「戻る事は、叶いませんか。まだ。今なら間に合います。
それに貴女には帰りを待つ父上がいらっしゃるのでしょう――貴女の事、傷つけたくないんだ」
魔種でない。そう判断された相手に視線をくべて、前線で集中的に一方に攻撃を重ねた特異運命座標を見遣った『もう一人』は困った様に肩を竦める。
「ごめんなさいね。わたくし、わたくしが――ティーラでなくって」
こて、と首を傾げた『誰か』。リュカシスが視線を送ればクロバの一撃を受け止めて、くすりと笑った女が「私がティーラよ」と首を傾げる。
「成程。どちらが本物なのか、あるいは両方本物、はたまた両方偽物……そう疑っては居りましたが、そうも答え合わせを早く行ってくれるとは予想外でした」
ティーラに肉薄し、風のようにその体制を攫わんとするヘルモルトの眼前にするりと『誰か』が滑り込む。
「メイドとしてはオーダーをこなすだけです。
本物が死んだとしても仕方のない事……その時の事は死んでから考えましょう――彼女の救出はオーダーにないですからね」
特異運命座標を狙わんとする動きを見せたそれを見逃がさず、エクスマリアは『B』と指定した『誰か』と飛び越えるようにその青い瞳で覗き込む。
「『ティーラ』。それは本当に、お前の名か?」
「ええ、私はティーラ。彼女は違うけれど」
エクスマリアの瞳に「きれいね」と笑ったティーラは『誰か』へと囁く。
「あの瞳は使えないかしら?」
「さあ――わたくしにはなんとも」
違ったら、もう一度『探せばいい』と笑ったティーラの攻撃はすかり、と小夜に買わされる。
「奇妙な儀式に付き合うつもりは、ない。
恋する乙女などではないし、太っても居ないが。そうでなくとも、眼球も腸も、くれてやるつもりは、毛頭、無い」
淡々と告げたエクスマリアに小夜は仕込み白杖よりすらりと抜いた刃をティーラへと浴びせかける。『誰か』の攻撃をアンデッドを盾代わりにして受け止めたイーフォは「物語のようだなァ」と小さく笑った。
「入れ替わったティーラは只の魔物。本物のティーラは『ティーラ』を止めタ」
それは愛しい人の為に?
イーフォの言葉にティーラは小さく笑った。
堅牢なる盾によって、トリテレイアを使用しながら制御を行うアレクシアにとって、状況は芳しくはない。2体の内の『強敵』を相手取る特異運命座標の内、1体の足止めを行うリュカシスは堅牢なる卓越した技術を持てど、一人では荷が重い。
(もしも2体ともが『脅威』だった場合、強敵を狙えば狙う程に戦闘が長引く――)
アレクシアはきゅ、と唇を引き結ぶ。コケッ! と鳴き声上げて回復し続けるトリーネはリュカシスを信じるように願い続けた。
其処に居たのは『ティーラのふりをした、ティーラを愛した魔物』と『愛する人の為にティーラを捨てた魔種』。ただ、その二人。
「後ろは任せた。少し美女を口説きにかかるのに忙しくなりそうだからな」
「私の事かしら」
「わたくしは振られたみたいだわ、ティーラ」
愛おしそうに告げる『魔物』にティーラはあらと首を傾げる。愛しい人を思うあまりに魔へと引き摺り堕ちた淑女はクロバの攻撃を受け止め乍らも『魔種としての超越した攻撃能力』で返し続けた。
魔種は強力な存在だ。八名の内、一人が欠けた状態でも『敵を倒し切る』事に関しては作戦が物を言う――この場合であれば、足止め役を担ったリュカシスが『魔種を倒し切るまで耐えられる』かどうかが問題だったのだろう。
(中々手ごわい美女だな――?)
唇に僅かに笑み乗せてティーラは「人間ってね、どうしてもうまくいかないものなの」とくすくす笑う。
例えば――お行儀よく『魔種が先に倒されてくれる』。
例えば――お行儀よく『魔種が相手取った者だけを攻撃する』。
例えば――お行儀よく、愛しい人と結ばれなかっただけと諦める。
ティーラが叫ぶように乙女の穢れを周囲へと振りまいた。不吉の気配を乗せたそれにイーフォの表情が歪む。
自我さえもすべて飛ばし尽くす様に、『死神』は吼えた。その声音にティーラが「まるで獣ね?」ところころと笑う。
「ええ、男性とは獣のようなものでございましょうね」
接敵し、攻撃加えたヘルモルトにティーラは首を傾ぐ。紳士的な方が好きよと笑った乙女へと『紳士ではない』エクスマリアの一撃が飛び込んだ。
「鶏にサポートは任せるのよっ。足止めはお願いするわ!」
「は、はい、ですが――!」
魔物の攻撃にぼろぼろの体を支えきれずにリュカシスが肩で息をする。継続戦闘をするうえで二人の回復手――アレクシアとトリーネ――の支援があればそれだけ事は順調に運ぶが、リュカシスに集中的に攻撃を続ける魔物に彼は耐えきることができないと可能性を燃やしても尚、足を震わせる。
傷だらけとなったリュカシスの代わりにと魔物の前へと踊りだした小夜は後一度でもティーラが穢れを放てばリュカシスが『持たない』事を悟っていた。
「随分ね」
「わたくし、ティーラを守らなくてはならないから」
どいてくださる、と全力で攻撃を仕掛け続ける魔物を受け止めて、接敵した小夜は己の身を守りながら、泥の様にその身を蝕む様に『縛り付けるバッドステータス』の蓄積を悟るティーラへと視線を向ける。
「ッ――ガァァッ!」
クロバと肉薄したティーラは首を傾げて、するりとその身を躍らせる。
「ッ――!」
顔上げたトリーネの至近距離。放つは誰かが穢れ。その身に与えられたダメージを回復するアレクシアの武器を握る手に力が籠められる。
(一人ずつ狙って来てる……!)
モンスターとは違い『効率よく』的を狙う方向にシフトするティーラ。
己を回復しながらも、戦線の維持を戦とするトリーネを支援するようにイーフォは状況を的確に見定めんと目を凝らす。
にこりと微笑んだ魔種の放った穢れが蝕み合い、泥沼のように戦線を激化させていく。
回復手によって継続的な戦闘を行えているが、それも2体の敵と対峙し続けるうちでは、長期戦には『回復手』が倒れた時点でガタが来るのは目に見えていた。
どさり、と音立てたのはトリーネ。瓦解し始めた戦線の中、全力攻撃を仕掛けていたイーフォが傷を庇う様に後退していく。
「ふふ」
穏やかに笑うおんなにエクスマリアは素材になり得るかもしれない自分をティーラが狙い定めてきていることに気付く。
(マリアの瞳は、素材にはならないだろうが――)
それでも尚、狙う凶刃がエクスマリアの胸元へと深々と突き刺さった。
「ねえ、あなた。あの男の人は素材になると思う?」
首を傾ぐティーラの視線を追い掛けるようにエクスマリアは視線を投じる。刃を手に、額より赤い血を滴り落とすクロバが噛み付くようにティーラを睨み付けている。
「……マリアには、分からない」
その言葉と共に視界が、ブラックアウトした。
●
ヘルモルトの一撃を受け止め乍らティーラが鼻歌交じりに彼女の瞳を覗き込む。
接敵し、放たれた穢れに蝕まれながらも尚も攻撃を続ければ、魔種のその身も満身創痍と言った様子であった。
あと一手、そう、これが『八人全員揃っている状況』だったならば勝ちを確信できただろう。一方で、魔物を相手取り続ける小夜も分が悪いことは悟っていた。
倒れたトリーネとリュカシス、エクスマリアを『素材』とされぬ様にと気を配るイーフォとて、その体力は付き掛けている。
「ッ――引くよ!」
アレクシアが一歩下がる。前線で肉薄したクロバの腕をなぞるティーラはこてんと首を傾げた。
「貴方の脛は『素材』になるかしら」
ぞわりと肌が粟立った。抑え役を担っていた小夜はアタッカーとして前線立ったクロバを庇う様に器用にその身を投じた。
「何も渡すものはないわ」
「あなたの恋する瞳も?」
くすくすと笑ったティーラが小夜へと手を伸ばす。肉体的に限界の近い彼女が「くれてやるものですか」と決死の勢いで届けた斬撃がティーラの腕をどさりと落とす。
「――あら……」
「ティーラ!」
愛しい人を傷つけたと吼える様に叫んだ『魔物』が特異運命座標に噛みつかんばかりに襲い来る。
「ねえ、――」
名を呼んで、ティーラは小さく笑う。
「『素材がないみたい』だわ。あの人たちには興味がなくなったの」
「え、ええ……」
「それじゃあ『また素材を探しましょう』?」
その言葉を聞きアレクシアが走り出す。警戒するように背後を振り仰いだ特異運命座標にマティリーナ・ロム・ベルトワーズは『愛くるしい令嬢の笑み』を浮かべて見せた。
そうして残されたのはふたりの女。
「――愛してたのよ」
「知っていたわ、けれど、わたしは――」
彼を愛していたの。実らぬ恋の末。饐える様な血の匂いを纏い、穏やかに笑ったティーラは首傾ぐ。
「ああ、そうだ。素材を集めに行かなくちゃね」
成否
失敗
MVP
状態異常
あとがき
お疲れさまでした、イレギュラーズ。
本作には『情報精度』というものがありまして、これが本当にクセ者……ですね。
MVPは貴女が居たおかげで被害が減ったという賞賛でお送りします。難易度が高くなると誰もが立ち回りに気を付けなくてはならなくなります。支える者として、貴女は立派でした。
またご縁がありましたら。
GMコメント
夏です。悪依頼です。
●成功条件
魔種『ティーラ』の討伐
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
●マティリーナ・ロム・ベルトワーズ
通称『ティーラ』。
幻想貴族『ベルトワーズ伯』の一人娘。ふんわりとした綿毛を思わせる柔らかな髪の乙女。
父と共に見に行ったサーカス団の団員の青年に恋をし、二人、幸福な時間を『ローレットと幻想国によるサーカス団の大征伐が行われるまで』過ごしました。
彼女自身は彼と会えなくなった後、塞ぎ込んで部屋に籠っていたようです。
なら、屋敷で父と話していた彼女は誰―――?
●???
魔種。ティーラ。愛しいティーラ。
視線の先に居るのは誰だったのかしら。ねえ……?
・???(呼び声)
愛しいティーラ。愛しいだれか。恋をしているあなたにぴったりの呼び声です。
・乙女の残穢(広範囲BS付与)
・誰かの残穢(近接大ダメージ)
・色欲(罪と罰欄:色欲のPCの機動力に影響を及ぼします)
●約束の場所
サーカスの魔種が『ティーラ』と約束した場所。
恋する乙女の眼球を5つ。男の脛と良く太った女の腸、それから――
全てを持ってこの場所に来ると言い。
『???』が言っていました。きっと、ローレットが来たら足りない素材も手に入る。だから、ここで待ちましょう、約束の場所で――
遮蔽物は在りません。月が美しい小高い丘です。約束の場所にはふたり。
どちらも同じふんわりとした綿毛を思わせる柔らかな髪のおんなです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
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