PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<PantsPantyProject>パンツ、公開です

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●コレクターの証言
「くそっ、折角地道にやってきたモノをあいつらは台無しにしやがったんだ! ……ああ、すまない。君たちに声を荒げても仕方ないとはわかっているんだ。
 あいつらっていうのは幻想の人間たちさ。『パンツ風邪』にかかった奴らだったが、それは免罪符じゃないからな。僕は許さないぞ。
 ……何、パンツ風邪を知らないって? 季節の変わり目にやってくるパンツの病さ。あれにかかったらパンツに対して何でもする。被り、見せびらかし、時には喰ったり信者になったりひたすらパンツを集めにかかったり……僕? 僕はパンツ風邪なんて罹らなくてもパンツを集める、ただのぱんつコレクターさ。そう、この前依頼出しただろう?
 あの時の空舞うぱんつってのはそもそも──。

(非常に長くなったので割愛)

 ──だから、僕はあのぱんつに無限の可能性を感じているのさ。そんなぱんつを集めるのはもはや僕の生きがいとなっているわけ。
 でも、パンツ風邪に罹ったあいつらは僕の非公開パンツコレクションを盗み出し、あろうことか──被りやがった! 僕は未使用でコレクションしていたのに! しかもあれじゃあコレクション公開も同然だ!!
 ……けど、ぱんつ達に落ち度はない。わかるだろ? 全てはあいつらが悪い。だから僕はパンツを取り返し、これまでと変わらないように眺めて愛でたいと思ってる。
 そこでイレギュラーズ、君たちだ。僕のコレクションを無傷でとり返してもらいたい。いいかい、無傷で、だよ? コレクションには判別用の白いタグをつけているから、君達でもただのパンツとの見分けは付くはずだ。
 ついでにあいつらに報復して貰えたら嬉しいけど……重傷者を出したり、死人を出したりすることは勘弁してくれ。大事にするつもりはないんだよ。些細な嫌がらせとかそんな感じで。
 よろしく頼むよ、イレギュラーズ!」

GMコメント

●成功条件
 ぱんつコレクターのコレクションを取り返す

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 不測の事態が起きる可能性があります。だってパンツじゃん????

●幻想の住民×60
 パンツ風邪に罹った幻想の住民です。女子供も関係なく罹っています。
 盗み出したぱんつを頭に被り、時には腕に通したりして装備しています。
 
 パンツを見ると積極的に襲い掛かってきます。パンツを外そうとすると激しく抵抗し、外されると気絶でもしない限り追いかけてきます。
 自警団関係の住民もかなりいるので割と危ないです。戦力はイレギュラーズに劣ります。

●ロケーション
 町です。全員ぱんつ風邪に罹っています。
 時間帯は昼、しかし健康な者はいないため馬車などは通っていません。店も放置です。屋根とか上っても怒られません。

●ぱんつコレクション
 見た目はただのパンツです。乙女なぱんつとかおっさんのぱんつとかエトセトラ。合計100枚。
 コレクターのみが生きの良さ(?)で普通のパンツと判別できますが、他者には不可能です。
 ただしコレクターが白いタグをつけているそうなので、これによって判別することができます。

●ご挨拶
 愁と申します。
 いや、こう、ね? まさかこんな早く次を出すとは思いませんでした。
 空舞うぱんつが気になって仕方ない方は『Pandora Panty Project』のリプレイをご覧ください。
 内容はアレですがノーマル依頼です。イージーではないので、楽しみつつも依頼はこなしましょう。ただし全年齢の範囲で。
 ご縁がございましたら、どうぞよろしくお願い致します。

  • <PantsPantyProject>パンツ、公開です 完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年12月26日 22時10分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)
影刃赫灼
巡理 リイン(p3p000831)
引退済
河津 下呂左衛門(p3p001569)
武者ガエル
六車・焔珠(p3p002320)
祈祷鬼姫
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
夢見る狐子
如月=紅牙=咲耶(p3p006128)
黒耀の鴉
鴉羽・九鬼(p3p006158)
Life is fragile
湖宝 卵丸(p3p006737)
湖賊

リプレイ

●パンツ風邪大流行だって。
「すごい! 意味が分からないわ!!」
 『祈祷鬼姫』六車・焔珠(p3p002320)の言葉は全旅人(ウォーカー)の心の声を代弁したものだっただろう。
 『影刃赫灼』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)は『パンツ風邪』という謎ワードに思わず額を押さえている。
(病気にもなってるとかどうなってんだ混沌……)
 まあ、他世界では有り得ないことも有り得てしまうのが混沌だ。
 クロバから少し離れた場所では『湖賊』湖宝 卵丸(p3p006737)が顔を覆っている。
「コレクションが盗まれたなんて……」
 網を手に奮闘した1日が脳裏に甦る。
「卵丸、生きのいいのあんなに恥ずかしい思いまでして取ってきたのに。絶対取り戻さなくちゃ……って、」
 じぃっと見つめる『円環の導手』巡理 リイン(p3p000831)の視線に気づき、卵丸は顔の前でぶんぶんと大きく両手を横に振った。
「べっ、別に変なことしてきたわけじゃないんだからなっ!
「えっ、あっ、はい! それは思ってないのですが……ぱんつコレクターって一体何なんですか?」
 ずっと疑問に思っていたのだ。
 パンツ風邪はまあ、少しどころか大分特殊な風邪だが、仕方ないと割り切れる。だがしかし、ぱんつコレクターとは。
「闇市で突然手渡されたり高値で売れたりするのは、そういう人達がいるからなのでしょうか?」
 その予想は当たらずも遠からず、かもしれない。
「ぱんつ風邪……もうそんな時期なのでござるなぁ」
「うん、ぱんつ風邪の季節だねー」
 ねー、と顔を見合わせる『黒耀の鴉』如月=紅牙=咲耶(p3p006128)と『夢見る狐子』ヒィロ=エヒト(p3p002503)。咲耶はちょっと心配そうに眉尻を下げた。
「拙者、予防接種など受けていないのでござるが……大丈夫なのでござるか、これ?」
「予防接種でどうにかなるもんなのかよ」
「でも風邪だし……」
 咲耶の言葉にクロバや焔珠が顔を見合わせる中、ヒィロが「でもさ、」と口を開く。
「闇市のパンツを通貨代わりにしてるイレギュラーズも、慢性パンツ風邪って言えるかもしれないよね」
 その言葉にほぼ全員が目を逸らしたと思う。仕方がない、闇市に足を踏み入れればどんなぱんつも出てくるのだから。
 図らずも訪れてしまった静寂を破ったのは可愛らしいくしゃみだった。
「九鬼?」
 怪訝そうなクロバの声に「大丈夫です!」と答える 『Life is fragile』鴉羽・九鬼(p3p006158)。何故かズボンの上からパンツを履いているが──。
「人のパンツを奪うだなんて……許されるはずもありません……!」
 よかった正常そうだ。
「罰せられるべき、悪徳です……! 不正義は断罪せねばなりませんね……」
 いや正常か?
 へくちっ、と再びのくしゃみに一同が距離を取る。しかし九鬼は特に気づいた風もなく、町の中へ駆け出した!
「決闘パンツ裁判の元──貴様のパンツを剥奪する!!」
 ──あぁ、手遅れだ。イレギュラーズの中からパンツ風邪の罹患者が出てしまった。
 話し合っていた時はまだ普通だったと思ったのだが、思えばパンツをズボンの上から履いている時点で普通でも正常でもなかった。あの口調、履いていたパンツは不正義を許さないあの人のものだろうか。
 兎も角、彼女だけで行かせるわけにはいかない。残されたイレギュラーズもパンツを奪取すべく、町の入り方へ1歩を踏み出した。


●パンツ奪取!
「そういえば、コレクションって全部で何枚だっけ?」
 ヒィロの問いにパンツ回収担当の咲耶がマスクをつけながら答える。
「100枚でござるな」
「100枚!?」
(コレクターさんの方がたちが悪いんじゃ……いや、これ言っちゃいけないやつだよね)
 たちが悪かろうとなかろうと、今はパンツ風邪患者に集中せねば。
「て、手早く数こなして集めたいね」
「ええ。えっと、確か白いタグがついてるのよね」
 焔珠は『白いタグのついたパンツ』を想像し──思わず遠い目になった。
 これまで様々な依頼を受けて来た。危ないものも当然含まれていた、だが。
(……私、長い事生きてきたけどこんな仕事依頼されたの初めてだわ)
 『武者ガエル』河津 下呂左衛門(p3p001569)もまた、町の惨状と人々の様子に目を眇める。
(……とりあえずどこからどうツッコんだものやら)
 言いたいことは沢山あるが、言っていればキリがない。この状況をなんとかしなければ。
 武者鎧の形成と同時に息を大きく吸い込む下呂左衛門。
「──そこになおれい! パンツよりも褌の方が優れた下着である事を説教してくれるわ!!」
 その言葉で住民たちがぐるん、と一斉に下呂左衛門を見た。幾つもの瞬きを忘れたような視線が下呂左衛門を射抜く。
「パンツじゃない……?」
「でも下着だって……パンツも下着、褌も下着……」
 ゆらぁ、と住民が緩慢に動き出して──。
「──下着よこせええぇぇぇぇ!!!!」
 驚くほど俊敏な動きで下呂左衛門の元に人々が殺到した!
 まさかここまで食いつくとは思ってもいなかった下呂左衛門。1人ずつ組技で気絶させようとするものの、住民達の手が下呂左衛門を攻撃しようと──あるいはその鎧を剥ごうと伸ばされる。
「パンツよこせー!」
「断る!!! そしてパンツではなく褌でござる!!」
 正常な者なら目を逸らしたくなるような状況だが、そこへヒィロは果敢に飛び込み、住民へカウンター技を放った。
「危なそうな人は任せて!」
「む、拙者が荒くれ者共の相手をするでござるよ!」
 屈強な男たちへ立ち向かう2人。その後ろで卵丸が旗──パンツだけど──を掲げて味方を鼓舞する。
「さぁみんな、この旗の下に!」
 何故パンツなのかとか深く追求してはいけない。追及してしまえばイレギュラーズたちは我に返って気落ちしかねず、ひいてはこの現状が改善されないということだ。
(町の人がこれ以上あのコレクターさんのようになる前に、コレクションぱんつから隔離する……それが海の男の勤めだ!)
 尚、まだ海には行ったことがない。
 卵丸の掲げた手元へ住民たちの視線が集中する。下着だパンツだと卵丸の方へ進もうとする住民たちの前へヒィロが立ちはだかった。
「先へ行くならボクを倒してから……いや、ボクのパンツを奪ってからだ!」
 体を張るヒィロに住民の攻撃の手が伸びる。不意に、彼女のスカートに誰かの手がかかった。そのままぺらりと捲られるかと思われたが──。
「スカート捲りなんて許しませんよ!」
 リインのパンチが手の主にクリーンヒット! 男性が地面へ崩れ落ちた。
 その頭に装着されているぱんつを回収すると、そこには白タグが。コレクション1枚目である。
(落ち着いて堅実に目標を進めていけば、不測の事態なんてきっと──)
「きゃー!? 誰ですか今おしり触ったのっ!」
 ──可能性ゼロとは言い難かった。
 思わずお尻を押さえたリイン、その後ろから迫る女性を焔珠の衝撃波が襲った。焔珠は持っていた縄で気絶した住民たちの手足を縛る。これで追ってくることはないだろう。
 2人が気絶した住民たちを縛っている間、クロバはまだ向かってくる住民たちと蹴り技で応戦する。手を使わないのは武器を使わないという意思表示だろうか。
 けれども自警団らしき住民に対しては容赦の2文字が消える。
「悪いな、加減は少し外させてもらう」
 全力ではないが力の籠った1撃に男の体が揺れた。しかし他の住民のように1撃で倒れないのは流石と言うべきなのだろう。……例えパンツ風邪に罹っていたとしても。
 そう思いながらクロバは不意に手元を揺らした。それは──男がかぶっていたはずのパンツ。はっと男が頭に手をやる。
「……くそっ、俺のパンツを! パンツをよこせぇ!」
「断る」
 だってこんなの宝の山状態じゃないか──と言う言葉は胸の中に秘め。
 半身捻って急所を守り、力強い蹴りを入れるクロバ。男は白目を剥いて倒れた。
「この辺りにいた住民は、あらかた倒したでござろうか……?」
 自らの褌を守りつつ、幾枚かのパンツを手にした下呂左衛門は既に疲れ切った表情である。
(拙者は大陸にまで来て何をしているのでござろうか)
 故郷の知り合いに見られたら末代までの恥。それでも仕事を完遂させようとするのは武士としての精神だろうか。
 ヒィロがジェスチャーをすると、音もなく忍が──咲耶が屋根から舞い降りる。そしてパンツを持つ面々を見ると、微妙そうな表情を浮かべた。焔珠が怪訝そうに首を傾げる。
「咲耶、どうしたの?」
「……そのパンツもでござるが、皆もこの依頼が終わったら消毒が必要そうでござるな、と」
 何せ感染した住民ともみくちゃになった後である。咲耶がしているようなマスクを誰1人としてしていないことに加え、彼女が心配していたような予防接種をしている者など皆無だ。
「……手洗いうがいも大切ですね」
 神妙な顔で頷くリイン。他の面々も罹患者と相対したからか、たかがパンツ風邪と侮る様子は見せない。
 仲間の集めた──あるいはスッた──パンツを回収し、風呂敷に包んで「では」と咲耶は高く跳躍して屋根に登る。そして屋根の上で体勢を低くし、住民たちに見つかってもすぐさま動けるよう辺りを警戒した。
 下では仲間たちが手分けしてパンツを集めようと分散し始めている。彼らの状況を事細かく把握すべく咲耶も町中の屋根を伝って移動し始めた。
(……拙者、これは本当にただの不審者でござるな)
 平時であれば確かに不審者であっただろう。今が平時でないのが幸い──いや、平時であればこんなことはしていないか。 
 一方、猪突猛進パンツ風邪ガール九鬼はと言えば。
「パンツ決闘とは! 基本的に1対1で相手のパンツ、もしくは意識を奪ったり降参させた者が勝者であり! 敗者は勝者にパンツを差し出すものである!!」
 おぉぉぉ、とどよめきが走る。なんだこれ。
 九鬼の『パンツ決闘』は住民たちに驚くほど受け入れられていた。風邪を引いているから皆テンションがおかしいのかもしれない。
「さぁ、来なさい。白きタグのパンツを持つもの共よ!」
 霊刀を抜き放てば、九鬼を取り巻いていた住民の中から剣を持った男が現れる。その頭にパンツ。両腕にもパンツ。
「──いざ!」
 剣戟の音が鳴り響いた。

「コレクションは返して貰うよ……いや、海賊らしく頂いていく!!」
 俊敏な動きで住民たちの間をすり抜け、パンツを奪っていく卵丸。その手には何故か正確に白タグのついたパンツだけが握られており、どことなく卵丸も遠い目だ。
(卵丸、この間の経験で何となく生きのいいぱんつがわかる気がするのが……嫌なんだぞ)
 悲しいかな、嫌でも分かってしまうのである。
 路地を利用して追いかけてくる住民を撒いた卵丸、屈強な男の背後から新たにパンツを狙う。しかしパンツは間一髪で卵丸の手を離れた。
 ならば力づくでと蹴り技を仕掛けるが、相手はどうやら自警団の人間。手加減を加えていることもあり、決して無傷とはいかない。
 そこへ遭遇したのは銀髪の死神。
「手伝います!」
 鋭いパンチが男を襲う。僅かながらイレギュラーズへ数の利が生まれたことにより、男は敗北を喫した。
「回収してもらおうか」
 卵丸が咲耶を呼び、リインと2人分のパンツを回収してもらう。
「回収ありがとー!」
 にこにこと渡すリインに対し、卵丸が顔を赤らめてしまうのは──純情なので仕方ないかもしれない。
 深呼吸で体調を整えていたヒィロはパンツを被った子供を見つけ、組技で相手に襲い掛かった。パンツ風邪に侵されていようと子供である。気絶した子供からパンツを取ると、白タグを確認した。
「タグは……あれっ?」
 これはただのパンツらしい。白タグが付いていないのを見てヒィロは懐にしまう。今はただのパンツにも利用価値があるのだ。そう、撒き餌ならぬ撒きパンツに。
 ちなみに別の場所では既にパンツが舞っていた。焔珠である。目立たぬ物陰から勢いよくそれを投げ、それらに食いつく住民は傍から見ればヤバイ奴──なのだが、これが病だと言うのだから驚きだ。
(年が明けてから広がれば良かったのに……病魔にそんな事言っても仕方ないかしら。お仕事しましょう)
 背を向けた住民へすかさず威嚇術を放ち、気絶させる焔珠。パンツを剥ぐ前に開店休業している店から拝借した縄で、手足を確りと縛った。
「あ、」
 ちょうど縄を消費しきったことに気付き、声が上がる。またどこかの店から拝借してこなければ。
(……大泥棒みたいね)
 状況と考えたことにそう思ってしまうのも、今は致し方ない。
 咲耶は九鬼に呼ばれて地へ降り立った。ところどころに傷を負いながらも数枚のパンツを差し出す九鬼。それを受け取って風呂敷に包もうとした咲耶は、やけに刺さる九鬼の視線に顔を上げた。
「……鴉羽殿?」
「はっ。な、なんでもありません……へくちっ!」
 そのクシャミからさっと距離を取る咲耶。薄情かもしれないができるだけパンツ風邪には罹りたくない。それは仲間の倒す住民や倒された住民の姿を見れば仕方のない思いだ。
(拙者、あの様な醜態を晒すのは流石に嫌でござるよ……?)
「咲耶さん、他の住民が来そうです」
「む。ではまた、拙者が必要になれば呼んでほしいでござる」
 頷き合い、咲耶は屋根の上へ。──九鬼はその姿を見上げて内心悔しがっていた。
(パンツは見えなかった……! あとパンツを沢山持てる役目、羨ましいです!)
 忍者装束は残念ながら(?)、咲耶のパンツをしっかり守っていたのである。
 その分沢山パンツを集めねばと九鬼は女王のパンツへ履き替える。
 一方、九鬼の視線には屋根に登った咲耶も何やら悪寒を感じていた。
(今のは一体……まさか、誰かが拙者のパンツを狙って? これは屋根の上で昼寝も考えるべきでござろうか……)
 昼寝をしている間にパンツ風邪罹患者が襲ってこないとも限らない。自分の下着を弄ばれるなど、ぞっとしないものである。
 絶対に死守せねば、と思いつつ咲耶は屋根を蹴って密やかに移動し始めた。
 さて、冒頭で住民たちを引き付けていた下呂左衛門であったが──今は全力で逃げていた。何せ追いかけてくるのが女子供なのである。
(「嫌がる女子供からパンツを引っぺがす」って、完全に犯罪者ではござらんか。最悪の類の!)
 確かに字面も絵面も最悪である。そんな状況を回避すべく逃げ回っていたのだが、中々仲間が見当たらない。さらには背後から聞こえるパンツコールになんだか変な心地になってくる。
 パンツとはそんなに良いものなのだろうか。依頼者も気が狂ったような熱弁であったし、ここまで連呼されると気にもなってくるもの。
(コレクションとは別のパンツを手に入れる機会があったら、試してみても──)
 なんて思った矢先、横から突然何かが空を舞った。罹患者がそちらへ釘付けになる。下呂左衛門は咄嗟に路地へ飛び込んだ。
「大丈夫か? さすがに野郎を思い切りけるなら病院送りで済むんだが他はな……」
「うむ、そうなのでござるよ」
 同志がいたことにほっとしつつ、クロバと共に路地を駆ける下呂左衛門。青年たちの集団を見つけると下呂左衛門が引き付け、クロバが足技で倒していく。
「そろそろ回収してもらうか」
 全員を気絶させたクロバは下呂左衛門に周囲の見張りを頼み、飛翔機で屋根へ上がった。ガンブレードで空砲を放って咲耶を待つ。
 不意に手が伸びたのはズボンのポケットだ。触れる感触でソレがあることを確認する。
(スッても売る気はないぞ。決して……決して)
 売る気はないが返す気ももしかしたらないかもしれない。

 その後クロバたちから回収した咲耶の「100枚になった気がするでござる」という言葉に、イレギュラーズたちは一旦町から離脱したのだった。


●町の外、枚数を数えて
「……99……──100!」
 イレギュラーズたちがわぁっと声を上げ、その場の空気が緩む。
「これで無事、依頼成功にござるな」
 ほっとした表情を浮かべ、風呂敷で包み直そうとする咲耶。
 ──だが、まだ完全なる安穏は得られていない。
「パンツが沢山……」
 ゆらりと立ち上がる九鬼。彼女がパンツへ手を伸ばし全員が臨戦態勢を取ろうとする中、九鬼の背後に黒の影が立ちはだかった。
「アホかーッ!!!!!!!!!!?」
 ぺしーん、と気の抜ける音と共に九鬼が崩れ落ちる。クロバが九鬼をはたいたそれは──何枚かのパンツを重ねて持った、言うなればパンツハリセン。
 リインがはっとした表情を浮かべる。
「ホロウメアさん、それはまさか……白いタグのついた、」
「流石に使わないさ。九鬼が持っていたやつを抜き取った」
 見れば、九鬼のポケットから見えていたはずのパンツが見当たらない。
 世話の焼ける少女を担ぎ上げ、クロバは「そろそろ戻るぞ」と皆を促した。
 焔珠はローレットの方角へ歩いていく仲間たちを追いかけながら、1度だけ町の方を振り返った。
(風邪、早く治ると良いわね。今度はちゃんと賑やかな町の姿が見てみたいわ)
 住民たちに心の中で声をかけ、今度こそ焔珠は仲間を追いかけていく。その後ろ──最後尾を歩きながらヒィロは「うーん?」と首を傾げた。
 無事にパンツは集めたし、届ければ依頼成功。でも、分からなかったことが1つ。

 ──生きの良さ……って、なに?

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れ様でした。生きの良さは生きの良さです。コレクターもそう言っています。
 イレギュラーズが慢性パンツ風邪に罹っているなら、今回流行ったこれは急性パンツ風邪? などと思いながら執筆致しました。お楽しみいただければ幸いです。

 武者ガエルの貴方へ。まさか褌派が混じっていたとは思いませんでした。称号をお贈りします。
 赤マフラーの貴女へ。……まさかイレギュラーズも罹ってしまったとは。称号お贈りしておきますね、お大事に。

 今後もご縁がございましたら、どうぞよろしくお願い致します。

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