シナリオ詳細
<グレート・カタストロフ>いにしえを通り過ぎ
オープニング
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プーレルジールから混沌へ。イレギュラーズへと手渡した種は花開き、座標を固定し渡ることが出来るようになった。
それは稀代の魔術師であるロック (p3n000362)の魔法術式のお陰だ。ただし、混沌とは魔法形態が違う事も在りその力は十全には使用できないらしい。
「まあ、それはそれよね」
軽い調子で言ったマナセ・セレーナ・ムーンキー (p3n000356)は階段を駆け上がる。果ての迷宮の境界図書館を経て、彼女は混沌世界二遣ってきたのだ。
この無辜なる混沌がプーレルジールを救ってくれたイレギュラーズの世界で、危機に瀕している場所なのだそうだ。
「わたしたちを助けてくれたんだからあの人達を助けないと。ね、アイオン」
「ああ、そうだな」
アイオン (p3n000357)は駆け上がる小さな背中を眺めて居た。ロックの術式に適応し、世界を渡るというのは高度な芸当だ。
アイオンやマナセは各々に適応しやすいようにとロックが調整を続けてくれていた。斯うして遣ってきた二人にとっては、イレギュラーズの役に立つことこそが使命であり、そして『彼等の語った自分たちが作った未来』を見て見たいという好奇心もあり――
「ねえ、魔法使いマナセと勇者アイオンが旅をして、沢山の時間が経ったこの世界ってどうなっているかしら?」
「さあ、どうなんだろうな」
「うふふ、楽しみねえ」
頬を緩めたマナセはぴょんと一足飛びで『果ての迷宮』の『穴』から顔を出し。
「な、何か穴開いてる―――――!」
叫んだ。思わず叫んだ彼女にアイオンが「はあ?」と間の抜けた声を上げたのは仕方が無い事だ。
やっとやってきた混沌世界。やっと辿り着いた『英雄達の世界』。これから自分たちが救う為に手を貸したいと願うその場所。
「本当だ。穴だ……」
「えっ、もしかしてこれが混沌の普通だったり、する!?」
「いや、それならプーレルジールに来た時に『こっちの世界は穴が開いてないんだね』って言われるだろうから」
「……ひええ……と、取りあえず、状況確認よ!」
――無辜なる混沌に大きな穴が開いた。
それは唐突なことではあったが、理由は明白だ。特異運命座標は抗えざる滅びに面した世界に『救い』を与えるために大量召喚が行なわれたことがある。
その時から冠位魔種を相手取り、世界を旅して此処までやってきた。残る冠位魔種はルクレツィア一人。ならば、と希望を抱く者も数多い。しかし、そんな希望的観測を嘲笑うように『神託』が観測する『決定づけられた未来』が――滅びが迫り来ていたのだ。
「絶対的破滅(Case-D)?」
マナセは首を捻った。彼女の前に座っているローレットの看板娘、ユリーカ・ユリカは妙に圧のある童女に混乱したような顔で頷いた。
「はいなのです。遁れられない破滅の影響です。
曰く、バグホールというものが世界で観測されたのです。だから、あれは、混沌スタンダードではなくて……」
「成程。滅びのアークだったかな、それが掻き集められて、世界中に次元の狭間みたいなものが産み出されたってことか。
うん、実に分かり易いよ。つまり、終末が近付いて、世界が軋んで穴が開いたんだな」
アイオンは頷いた。滅びのアークを掻き集める魔種達、そして対抗するイレギュラーズは空繰りパンドラ(可能性)を手にしてきた。
それでも、近付いた滅びによる影響が世界に出たというならば、この機を相手は逃さない。
「えっ、分らない」
「マナセ……」
「つまり、その激ヤバ滅びマンが近付いて来て、世界に穴が開いたから、『やっべーこれがチャンスじゃーん!』って悪い人が暴れ出したのね?」
「はいです」
「その悪くてやばい人が大暴れしだしたとしたら、穴に加えて更にやばいことになるから、取りあえず、そいつらをぶん殴って抑えとけって話ね?」
「はいなのです」
「分った!」
マナセは両手をぱんと打ち合わせてから笑った。「じゃあ、皆の世界を護るなら、その悪い奴らを取りあえずぶん殴って、相手が何考えて居るのかを理解するべきってことよね」と。
ユリーカはぱちくりと瞬いた。伝承の勇者王は『気に入らないからぶん殴る』タイプだった。勿論、傍に居る魔法使いだってそうだ。
そんな彼女が『相手の思考を理解しておこう』と言い出すのはユリーカにとっては予想外だった。
「イレギュラーズって奴らは、皆お人好しだから相手を理解することから始めるだろう。
分り合えなくても、相手の考えを承知の上ならば戦いやすい。まあ、その試金石代わりにちょっと言ってこようか」
「うんうん。ロックも言ってたけど此処じゃあ私達の魔力とはやっぱり違うのね。ざこざこアイオンかもしれないし」
「……ざこざこマナセかもしれないし」
「むう」
マナセは唇を尖らせてから「早速行きましょうか」と魔導書を手に微笑んだ。その著者は『魔女ファルカウ』と書かれていた。
●
バグ・ホールが見えるその場所に透明の肉体を有する人影が見えた。臓腑と思われる者は存在して居ないがそれは二足で地を踏み締めて歩いている。
「あれはなあに?」
ぱちりと瞬くマナセにアイオンは「敵だな」と返した。
「あなた、名前は?」
マナセは魔術書を抱き締める。プーレルジールの『魔女ファルカウ』が記した古語魔術の書には幾つもの呪文が記載されている。
(あんまり、効力はないかしら。わたしも、アイオンもこの世界じゃ所詮は外様だものね)
マナセが問えばそれは頭をこてりと傾いだ。透明な肉体に、人間を思わせるボディであれど貌は無い。のっぺりとしていて気味も悪い。
「なまえ」とその異形が口を動かした。
後方のバグ・ホールに落ちていた果物を放り投げる。それは直ぐさまに消え失せた。
「マナセ、あれは触れちゃいけない」
「あの、大きな穴。触れると跡形も鳴く消えるって事ね。分ったわ、なら、近付かない方が――」
魔術を懐にあった杖に集めた有りっ丈の魔力で撃ち込む、が、『この世界での』マナセの力は簡単に受け止められた。
「ひい、アイオン。どうしましょう」
「暫く情報収集。それから、イレギュラーズとの共闘。ユリーカ、だったかな。あの子が呼んでくれてる」
「分った!」
マナセは一先ずはバグ・ホールから距離をとった。アイオンも続く。その奇妙な気配が身体に重苦しさばかりを与えてくる。
「名前がわからないから、一先ずお前は『おだんごくん』よ。なんかもちもちしてそうだもの!」
マナセは指を差してから、観察を行なった。早く来て、と願うようにイレギュラーズの到着を待つ。
アイオンとマナセの見立てなら、それは『滅びのアーク』そのものだ。プーレルジールで見られた寄生型終焉獣のように何かが張付いているわけではない。
人の感情エネルギー――例えば、憤怒や傲慢など、そうした人間の当たり前の感情はこの世界では引き金となる。それらは霧散し、世界に飲み込まれたが――それらの欠片を集めたように滅びのアークが結びついて産み出された精霊の如き存在と呼ぶべきか。
『変容していく獣』達の最終形態か。人々の記憶や行動を飲み込み、己が物としていたそれらが徒党をなして存在して居るのだ。
「相手が本気って言っていたのはこういうことかな」
「……わーん、イレギュラーズー! 来て欲しいー!」
マナセは叫んだ。目の前の通称『おだんごくん』はバグホールを背に「ひひひ」と笑みを零している――
- <グレート・カタストロフ>いにしえを通り過ぎ完了
- GM名夏あかね
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2024年01月20日 22時20分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
サポートNPC一覧(2人)
リプレイ
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異世界の勇者と魔法使いは混沌で語られるような伝承にはまだ遠く、性格はおろか関係性とて全く別のものであったのだろう。
それでも、イレギュラーズとの冒険で彼等は出会い、そして共に『無辜なる混沌』へと踏み入れた。
「ぎゃああああん、やだ、もう――――!」
長く伸ばした桃色の髪を盛大に揺らして走るのは『魔法使い』マナセ。彼女の背中を護りながら僅かな後退を行なうのは『勇者』アイオン。
握り締めた剣はよく手入れされており、長く使われてきたことのある草臥れようだ。こうした戦いになるのであったら、腕の良い鍛冶士でも見付けておくべきであったかとアイオンは小さく舌を打つ。
「マナセ、迎撃」
「えっ、だって、あのこ気持ち悪いわ!」
「そういう事言ってる場合ではなくてさ」
プーレルジールのマナセはネーミングセンスが壊滅的であった。何せ、自らの使う魔術でさえも『呪文に名前を与えよ』と言われればそのセンスは『元』魔王のイルドゼギア――ロックが頭を抱えるほどであったのだから。
「おだんごくんは何なの!? すっごく恐いわ!」
声を荒げるマナセにアイオンは「分からないよ」と首振った。此程までに苦戦しているのは理由がある。
二人は『召喚を経ていない異世界の人間』だ。召喚を経ていないというイレギュラーな存在である為にレベル1の制約には課されていないのだろうが、如何せん水が合わないのか、それとも肉体が適応していないのか実力が発揮できていない。
「とりあえず、迎撃」
「ううん……えいや――――!」
マナセの周辺に巨大な魔法陣が現れた。一先ずの避難誘導を行なっておいたことが幸いしてマナセの『高出力過ぎる魔力』の制御が不安定でも何とかなる。
「『curre』!」
魔術が発動する。恐怖に戦くマナセを庇うアイオンはこんなにも幼い少女を戦場に引き摺り出した己の不甲斐なさを感じていた。
(どうするか。天才ではあるが……マナセはまだ子供だ。護りきれるか……)
こんな事ならばロックと説得してプーレルジールに置いてくるべきであったか。
アイオンははたと顔を上げて――素早く飛び込んできた銀の光を見た。柔らかな銀髪はふわりと揺らぐ。
地を蹴って飛び込んできたのであろう娘は「アイオンさん! マナセさん!」とその名を呼んだ。
「シフォリィ!」
呼ぶアイオンに『白銀の戦乙女』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)は大きく頷く。
その手に握られたのは柔らかな翡翠の光を宿した細剣であった。その姿にアイオンは安堵した。
何せ、混沌の勇者アイオンが同行し、『双方』の片恋慕の相手であったという『巫女』フィナリィの生まれ変わりそのものなのだからだ。
「お二人とも、来てくれたんですね! ……と、再会を喜ぶ暇はなさそうですね。
話には聞いていましたけど本当にこんな穴が生まれてしまっているなんて……しかも今までとは違う敵、油断はできません!」
シフォリィの眸はバグ・ホールを見据えていた。混沌世界に突如として開かれたその穴は全てを飲み食らう『大食らい』だと聞いている。
眼前の穴の調査をしたいのはやまやまだが、眼前には異様な敵――マナセは『おだんごくん』と呼んでいた――や変容する獣の姿が見える。
「あれがおだんごくんとな?」
「わ、凄い人が居るわ。なんだか白い顔面をして居る」
「殿と呼ぶが良い、魔法使いよ」
「殿? 王様ってこと? 最強じゃない? ローレットやばくない?」
驚いた顔を見せるマナセに『殿』一条 夢心地(p3p008344)は扇で己を仰ぎながらも一歩踏み出した。
「一体しかおらぬようじゃが、おだんごくんと言うからにはあと二体兄弟がいるハズ。
うむ、うむ。そう決まっておるのじゃ。どこから増援として飛び出してくるか分からぬ。各自、十分に気を付けるのじゃぞ」
「分かったわ!」
分かって良いのだろうかとアイオンは夢心地を見た。すらりと引き抜かれた刀はぎらりと光を帯びている。
よく手入れされているとアイオンが一瞥する。何やら言葉は胡乱ではあったが、信頼できる相手であるのは確かなようだ。
「アイくん! マナセ! 会いたかったよー! せっかくきてもらったところ悪いけど、混沌観光は依頼を済ませたらね。もし逃げ遅れた子がいたらお願いするね」
にまりと笑った『優しき咆哮』シキ・ナイトアッシュ(p3p000229)はアイオンとマナセを護るように立ってから、『おだんごくん』を見た。
その様な名が付けられるような愛らしさは何処にもない。シキが自らが走ってきた後方を見た。周辺を警戒し、そして住民達の姿を探すのはシキにとっても頼もしきローレットの仲間達だ。
「アイオン、マナセ、避難誘導サンキューな! てめえらの混沌での初冒険、失敗にも後味悪い結末にもさせねえぜ!」
からりと晴れた笑みを浮かべる『ガイアネモネ』紅花 牡丹(p3p010983)は周辺を眺める。その広い視野を活かし、物音を捉え、何処かに逃げ遅れた者が居ないかと意識を研ぎ澄ませる。
紅色の娘の姿を一瞥し「牡丹になら任せられそう!」とマナセが意気揚々と微笑んだ。その足元には何時の間にやらポメ太郎の姿が見える。
「あら、ポメ太郎!」
『わんわん(マナセさん、アイオンさんどうも! ポメ太郎です! 今日は茶太郎くんと一緒にみんなを応援しますね! ふぁいとー、ふぁいとー!)』
「でかいポメ太郎がいるわ!」
振り返った真瀬の視線の先にはずんぐりと大きなポメラニアンが座っていた。
『騎士の矜持』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)は「茶太郎だ」と説明してから槍を握り、バグ・ホールを一瞥する。
「アイオンもマナセもようこそ、と歓待したい所だがどうやらその様な場合でも無いらしいな。
……バグ・ホールか、不明な点が多いが少なくとも今は良い話は聞かない代物だ。
終焉獣にしても放置しておけば被害が出る一方、後手に回る事になるが先ずは対処していかねばな」
「どれだけ危険なの?」
ベネディクトは少し思い悩んだ顔をした。現状に置いて混沌でもその全容は明かされていない。
ならば、と。石ころにピンクのリボンを結んでから『星月を掬うひと』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)は投げ入れた。
バグ・ホールに吸い込まれたそれは跡形もなく消え失せる。リボンがぷつりと切れたかと思いきやその先は二度とは帰って来なかった。
「危ないな」
「そうだね。……近付かない方が止さそう。ああ、アイオンさんこっちの混沌に来たばっかりなのに悪いね、ありがとう! 助かるよ」
にまりと笑ったフラーゴラに「フラーゴラの好きな人だっけか、伝承の俺に似てる人にも会ってみたかったんだ」と彼は笑った。
伝承のアイオンならば『あの人』に似てるのだろうか。けれど、プーレルジールのアイオンはまるで幼い子供の様に屈託なく笑うから、似ているのかは疑問の中。
「そうだね。似てる人……アトさんだって混沌世界に愛着がわいてるみたいだから、世界を守らなきゃ、ね!」
全てが終わったらやりたいことが沢山ある。『永い長い後日譚』の為に、此処が踏ん張り怒気なのだ。
●
するりと滑り込み、物陰に隠れていた男の元へと飛び込んだ『暗殺流儀』チェレンチィ(p3p008318)に「チェレンチィ!」とマナセが手を振った。
フラーゴラと牡丹の指示を聞き、怪我人を優先しその安全確保に走る。彼女の腕に抱きかかえられた経験のあるマナセは「乗り心地最高よ」と微笑みながらも杖を構え、眼前の獣達を見ていた。
「思っていたよりも早く、プーレルジールから此方に来れるようになったんですね。マナセさん、アイオンさん。ロックさんの魔術と合わせて、流石お三方です」
「えっへん」
「折角なので混沌、幻想案内を……といきたかったのですが……バグホールとやらでご覧の有様です。来て貰って早々すみませんが、共に頑張って戦いましょう……!」
折角ならばマナセたちと楽しい思い出を作りたかったというのがチェレンチィの本音であった。だが、それ以上に――
(マナセさんもアイオンさんも、力が完全に発揮出来ていない様子……やはり世界が違うから?
馴染むまで時間が掛かるということでしょうか……?)
あまり彼等を放置できないのも確かなようだ。世界を跨ぐという事はそれなりの負担でも掛かるのか。何にせよ、目は離せやしないか。
「マナセ、アイオン。力を貸してくれ、容易い相手ではないようだ」
「ああ、任せてくれ」
「おだんごくんを倒すのね!」
おだんごくん、とベネディクトは呟いた。マナセが名付ける名前には慣れて来た気もするが突拍子がないのは確かである。
「マナセ、気をつけて頂戴。気になることが色々あるのは此方も同じなのだけど――マナセのネーミングセンスが微妙なのも含めてね――倒さないと何も始まらないわ!」
周辺に広がった結界と精霊達の姿を確認する『優しき水竜を想う』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)は『風の精霊』の姿を探して居た。
少なからず存在した精霊達は皆、一様にバグ・ホールからは距離を取る事を望み、怯えているようにも見えてならない。
足元ではオディールが鼻を引くつかせ逃げ遅れたものを探している。目は大いに越したことは無い。出来うる限りの対処を持って全員生存を目標に掲げるのだ。
「皆こっち! こっちに逃げて!」
叫ぶフラーゴラの声に頷いたは『闇之雲』武器商人(p3p001107)であった。その声音に反応したように走り出そうとした変容する獣に向けてマナセが魔術を放つ。
「ナニヲ――スル」
「ぎゃあ、喋ったアアア」
叫ぶマナセに「何時も通りだねえ」と武器商人が小さく笑った。武器商人を『alabast(銀の雲)』と呼んだマナセは「アイツ喋るわよ!」と獣を指差す。
「おやまァ、それは驚いたけれど……アイオンの旦那にマナセがこちらに来るとは心強いこと。頼りにさせてもらうよ、2人とも。ヒヒ」
「頼らないで! だって、喋ってる!」
「シャベ――ルワヨ」
「真似したァッ!」
大騒ぎをするマナセに相変わらずだと『老いぼれ』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)が肩を竦めた。
「やれやれ、アイオン。こんな時期に来て仕舞うだなんて災難だな。こんなどえらい時期に来ちまったもんだ、今度会うときは放浪で――と思って居たが」
「共闘ってのは嫌いか?」
「いいや? バグホールがcase-Dに関するものに違いない以上触れてろくなことになるもんじゃねえな。
それに成長する終焉獣は厄介極まりない。アイオン、こっちじゃ色々勝手が違うかもしれんがお前さんの飲み込みの速さなら問題ねぇな?」
「ああ、マナセを護りながら、なんとか」
護られている自覚のない魔法使いを背に背負っていたベネディクトがアイオンの言葉に肩を竦め合図をする。
何はともあれ獣達を、そして『アトロポス』を倒さねばならないのだ。シフォリィが地を踏み締め、一閃を放つ。その隙に被害の減少を求める為に。
眼前に存在する敵影は『謎の存在』でしかない。マナセは「シフォリィ」と静かな声音で呼んだ。
「あの、おだんごくんったら、森の気配がするわ! おばああちゃん(ファルカウ)の香りって感じ!」
「ええ……?」
考え込むかのようなシフォリィに、マナセは「似てる気配!」と付け足した。
プーレルジールで出会った魔女ファルカウ。彼女の領域であった迷宮森林の気配に似ているとはどうした事だろうか。
考えることは山ほど在るが。まずは避難民の対応か。
「助けに来たぜ、つかまれ!」
手を伸ばす牡丹に不安げに首を振った子供は「おかあさんがいないの」と辿々しく紡いだ。
バグ・ホールを前に、何処かの家屋の中で逸れたか。それとも、子供を逃がすためにと先に幼子だけを走らせたが脚を縺れさせたのかは分からない。
「かーさんだな。探す。だから、今は此処から逃げるぜ」
「でも」
涙を浮かべた小さな子供の姿が牡丹は『自らの心象風景』にだぶってならなかった。
天国の『かーさん』ならば如何しただろうか。きっと、その子供を安心させその母親だって探したはずだ。
「オレが探してやる! だから、此処から逃げるぞ! オレの仲間が今はまだ逃げ遅れた奴が居ないか探してる。
命あっての物種だろうが! かーさんと逢うんだろ? ここで、待ってて死なれちゃ目覚めが悪いんだよ!」
もしも、子供を探しに母親が合流したならば屹度悲しむだろう。牡丹を見上げた幼い子供は「おかあさんはどこかにいる?」と問うた。
「ああ、いるさ!」
牡丹が頷きちら、と傍を一瞥した。駆けるチェレンチィはそのアイコンタクトの意味に気付く。
フラーゴラが探す人影はバグホールの近くにあったか。敵の意識を逸らさねばならないか――
(……皆さんが気を引いているうちに)
静かに息を吐いてからチェレンチィの水晶の色の眸は真っ直ぐにアトロポスを見据えていた。
●
「おだんごくんとやら、その行為を良く見れば……不法投棄を行おうとしておるではないか!」
夢心地はビームを発射する姿勢をとった。その姿にマナセが「何!? 凄いんだけど」とアイオンの袖をくいくいと引く。
その弾みに、迫り来る獣の攻撃を避けたのはマナセの幸運によるものだったのだろうか。
(……マナセって『ツイてる方』なのね)
そんな事を思いながらもオデットはやけに夢心地を『この世界の王様』だと認識しているマナセを見た。
「ねえ、オデット! 王がお怒りだわ」
「殿よ、マナセ」
それは兎も角である。夢心地はがっしりと大地を踏みしめておだんごくんを睨めつけた。
「ちょっと人目に付かないバグホールがあったからと言って、使わなくなった家電や産業廃棄物……。
建設残土や車両まで投げ捨てる行為、殿的存在として見逃すワケにはゆかぬ。
ダ~~メでしょ、そういうことしちゃ。5年以下の懲役もしくは1,000万GOLD以下の罰金じゃよ」
指差す夢心地を支えるように牡丹が戦線へと復帰する。フラーゴラやチェレンチィによる避難誘導も猛直ぐ終了だ。
「何がおだんごだ! 脱力する名前付けやがって!」
「えっ、ごめんね!?」
マナセの謝罪を受けて牡丹は小さく笑った。其れは兎も角、だ。眼前のアトロポスが司令官であるのは良く分かる。
それを中心に獣たちは統率がある程度取れているように思えるが――取り巻きを斃しきるのが先決か。
「だんご――っと!」
「っせないよ!」
牡丹の腕を掴もうとするおだんごくんを弾き飛ばすようにフラーゴラは叫んだ。バグ・ホールに投げ入れられぬように距離をとる。
そのために避難誘導をし戦闘域を広げたのだ。先んじて戦闘を対応していたベネディクトやシキたちを支えるフラーゴラは真っ向から敵を睨めつける。
「皆の背はワタシが支える! だから大丈夫!」
誰も失わせやしない。オデットの魔術が光を帯びて、前線へと眩き陽光の気配を落とす。
「あなたの焔と私の陽光とどっちが強いか勝負よ」
おだんごくんをまじまじと見つめていた武器商人は「意志或る獣とは厄介だねぇ」と囁く。
「世界が軋んだせいで開いているということなら、この穴を放っておけば混沌はその内ぐしゃりといく訳だ。
それなら放置というのは避けたいところだよね。
この穴が滅びのアークがかき集められた結果なら、空繰りパンドラで対抗して治めることって出来そうかねえ?」
「わたしは空繰パンドラを知らないから、出来るのかも分からない。
どうなのかしら、大本をたたなくてはならないのかしら」
「さぁて、それも――『神のみぞ知る』のだろうかね」
武器商人の銀の髪がふわりと揺らいだ。ただ、おだんごくんを惹きつけていた武器商人ははたと顔を上げる。
「マナガルム卿」
「ああ」
遊撃として駆け回るベネディクトは周辺の獣達をなぎ払う。
「どうして」
「どうしてだ? 喋れるようになってご機嫌なのかは知らんが生憎こっちはお前さんとおしゃべりに興じる気はねえ」
アトロポスをじらりと睨むバクルドは嘆息した。アトロポスという存在は無垢だ。そして、意志を有してそれに従い動いている。
「にげないで」
「お前さんの戦いたいようには戦わねえし、お前さんが戦える範囲も俺は戦える。残念だったな?」
バグ・ホールになど近づいてたまるものか。バクルドの武器は距離だ。どのような状況でも対処が可能である。
降り注ぐ弾丸におだんごくんは「やめて」と囁く。実に『人間らしい』姿なのだ。
「この世界に適応し、情報を集めてより最適な姿にでもなろうとしているのか?」
問うたベネディクトの槍は獣を振り払った。その仕草にポメ太郎が嬉しそうに『わんわん(声援)』を送っている。
「お前達は何だ、何の為にこの世界に現れた? お前達にボスは居るのか」
「すべて おわるために」
その言葉は、まるで呪いのようだった。
そして、それはまるで何かの予言のように深い重みを持っている、
『わん(やれやれご主人! やれやれマナセさん! いけー! そこだー! 負けるなわんわん!)』
尾をぶんぶんと振ってからポメ太郎が合図をする。愛犬の応援はベネディクトの力にもなることだろう。
マナセ独特のネーミングセンスを真正面から受け止めるおだんごくん。チェレンチィは宙より距離を詰める。
「……?」
弾かれた。その戦い方はベネディクトにも良く似ている。模倣か。だが、甘い。
もう一度チェレンチィは距離を詰めた。鋭い剣戟、次はシフォリィか。
「甘い」
チェレンチィの眸が怪しい色を灯した。
「勇者アイオンのほうが模倣は上手なようですよ」
「ええ、そうよ。アイオンずるいんだから!」
マナセが指差せば、アイオンは肩を竦め、チェレンチィは困った顔をする。
彼女を守らねば。マナセの魔術は出力が『控えめ』になっているのだ。それでも、並みの魔法使いを超えるのは元々の魔力が膨大であるからなのだろうが。
「ポイ捨てがダメだと分かってくれれば許そう。
マイネームイズユメゴコチ。ドントスローアウェイトラッシュ。オーケー?」
「……? まいねーむ おだんご」
「ならば、来世はこしあんで生まれることを祈るが良い!」
夢心地が距離を詰めれば、何の話だと言いたげにアイオンはバクルドを見た。何も分からない。
シフォリィの剣戟は鋭く、そして美しい。アイオンがプーレルジールで彼女に紹介された『賢者の娘』とは大きくかけ離れた戦法だ。
アイオンにとって、其れは寧ろ都合よいことに感じていた。世界戦が違えば、存在が異なれば、彼は『彼女』に恋をしていない。
「はは、シフォリィ、ナイスファイトだな!」
その屈託のない笑みを受けてから『己の魂に刻まれた彼女』の記憶が疼いた気がした。
本当にずるい人なのだ。他意なんてなく、真っ直ぐに進んで誰かに手を差し伸べる事のできる彼。
そんな彼の励ましがシフォリィにとっては心地よい響きとなる。異なる世界よりやってきた隣人は『彼ではない』のに――
「ええ、これがアルテロンドの剣ですもの」
銀の一閃が獣をなぎ払う。成長などさせてなるものか。
マナセのいう『森の気配』、それが即ち『大樹より顕現した精霊』(恐れ)と呼ばれる何某かであるとしても――
(……容赦情けなどしない。それが、大樹たちの嘆きや恐れであろうとも。
滅びを宿したのであれば、世界を壊す核たる物になる。霊樹は利用されるだけ。ならば苦しむことはなきように!)
切り伏せる。地を蹴った。おだんごくんがクルクルと奇妙に笑う。
「気味の悪い事」
思わずぼやいたシフォリィの隣をすり抜け走るベネディクトが「マナセ!」と呼んだ。
「ええ、ベネディクト! 右!」
獣が覆いかぶさるように牙を剥く。剣を抜き去りその一撃を受け止めた。
後方に一度下がる。そのまま押しのける様に剣を振るった。身が叩きつけられた獣が呻く。
ベネディクトの一瞥だけでマナセの魔術が飛び交った。
「君はどうしてそんなに怒っているの?
声が、言葉が、あるのなら。お話ししようよ。もっと教えて、君のこと!」
シキはただ、相手と対話する事だけを望んでいた。
分かり合えなくとも、後悔を遺したくは無い。人生とは航海だ。大海原に一人ぽっちで立ち竦むだけでは堪らない。
そのあり方を知り、その存在を理解して、アトロポスの恨みや嫉みを知りたかったのだ。
「すべて まっさらに もどしましょう」
覚えたての言葉を並べたようにおだんごくんは言った。
「まっさら……?」
シキは眉根を寄せる。僅かな困惑がその表情には張り付いていた。
「もう なにも うしなわないように まっさらにもどして おわりましょう」
その刹那に、流れこむかの如く――声が響いた。
――これに到るまで、混沌は争いに満ち過ぎた。私はこの怒りを制御出来ない。
誰もがそれを望むなら、全てを滅びの眠りに包むのも止むを得ない事でしょう――
ぴたりとシキは動きを止めた。愕然とした様子でアトロポスを見る。それはベネディクトやシフォリィも同じだった。
少なくとも、プーレルジールという場所で『マナセ』という魔法使いと共に進んだものならばその声音の主を知っている。
「ファルカウ」
シキの掠れた声に『彼女に魔法を学んだ』マナセが唇を噛んだ。
「何!? 一体何者じゃ!?」
ぐるりと振り向いた夢心地にマナセは「大樹ファルカウの名の由来になった伝承の魔女がいるの」と紡ぐ。
彼女は御伽噺のような存在だ。現在魔術の原型を作り上げた祖と言えばマナセといわれているが、彼女が使用する古語魔術の祖はファルカウそのものだ。
魔女ファルカウは卓越した魔術を利用し、そして、いにしえの時代に若木であった現在の大樹ファルカウに悪しき者を封じ込めたのだそうだ。
その代償に彼女はそれを抑える核として存在している。大樹ファルカウは即ちは魔女ファルカウを核として育った『巨樹』なのだという。
平穏と静寂を望んだ魔女は悪しき存在に侵食され、此れまでの戦によって眠りより醒めたのだろう。
「森を傷つけたから……?」
愕然とつぶやいたのはフラーゴラだった。
「成程な。プーレルジールで滅びと共に眠ったファルカウはこの世界での出来事を『なぞって』たのか。
なら、此方のファルカウがその滅びに侵食されて起き上がり、森を害された事に怒り狂うのも道理だ」
バクルドは困りきった様子で呟いた。フラーゴラは「滅びが、侵食した……」と愕然と呟く。
「それは、プーレルジールだったらアイオンさんたちと楽しく冒険した魔女ファルカウがってこと……?
あのひとは、いいひとだったよ。だから、そんな……」
助けなきゃ。その決意を胸にしてフラーゴラは「おだんごくんを斃そう」と静かに言った。
無数の攻撃を受け止めて、おざなりな模倣を行っていたアトロポスは地に伏せる。
その地に残されたバグ・ホールは依然として全てを呑み喰らうように轟々と音を立てていた。
●
「アイくんもマナセも皆お疲れ様!」
シキはバグ・ホールの調査をしておきたいねと傷や武装の具合を確認するアイオンに声をかけた。
「ああ。さっき、フラーゴラが石を投げてたんだけどさ。それが消えてなくなったことを思えば……」
「うん、危険だね。
そもそも、おだんごくんは何で吸い込ませることを目的にしてたんだろう?
触れたら消滅するんだろ? 消したいものがあるならともかく、手当たり次第飲み込ませるのは、単なる破壊目的なのか……?」
悩ましげに呟いたシキは「ま、わからないことだらけだ」と顔を上げた。
アイオンやマナセの意見も聞きながらその全容を解き明かしたい――が、魔術師ロックの知恵を借りて混沌にやって来た二人にはいまいちその結論は出ないようだ。
「ロックがバグ・ホールにどうこうというのは難しそうだな。何せ、俺の今のこの状況を見たら……」
「弱体化、か」
バクルドは「肉体が適応していないみたいだな?」と呟いた。オデットとて本調子ではないマナセの事が気になっている。
実力を発揮できない所か、イレギュラーズの手を借りなければいけないという状況に勇者パーティーの登場人物であるマナセは非常に不服そうな顔を見せるのだ。唇をつんと尖らせたマナセは「多分、私たちが実力を発揮できないのはその理由なのだけど、バグ・ホールは不快だわ」と呟く。
「そうね。これがあると、中々鍛錬をしましょうともいかないわ。
マナセの不調は魔術的な観点では魔素を肉体に得られていないと言う事だから……暫くこっちに滞在するべきなのかも」
「誰かを喰らって魔素を得る?」
マナセの手にはポメ太郎が抱かれている。怯えた顔をしたポメ太郎を見てから武器商人が「犬を食べるのかね」と問う。
「いいえ、銀の雲。ポメ太郎は友達で食用じゃないわ。ええ、ええ、そうなの。食用じゃ」
「マナセ、涎が垂れているよ」
「……想像しちゃっただけ」
首を振ったマナセに「マナセほど若ければ肉体の適応も早いだろうけれどねえ」と武器商人は呟いた。
「うーん、でも、迷惑を掛けるのはつらいわ……」
「迷惑じゃないわ。もう、マナセったら。
調子取り戻したら恋バナの続きしましょって言ったら元気――」
「する!」
オデットは元気を取戻したマナセにたじろいだ。なられたらなられたで困るのだけれど『恋バナ』を求め続ける魔法使いの眸がきらりと輝いたのだ。
『所であの穴、最初の時より大きくなってないですか? そのうちもっと大きいのが出て来そうな雰囲気がしますね……』
「このまま世界を飲み込むのかしら」
ポメ太郎と意思疎通を可能としていたマナセはじいと穴を覗き込んでいる夢心地の背に近づいた。
「そなたら押すでないぞ……ぜったい押すでないぞ……これガチのヤツじゃから!」
「え?」
「フリとかじゃないからの! ぜったい押すでないぞ!! リアルガチのやつじゃから!!!」
そっと夢心地の背中にマナセの手が添えられる。
「押すでないぞ!!!!!」
にっこりと笑うマナセに夢心地の声が響き――寸でのところで牡丹が首を振って止めた。
「ガチだぜ」
「えへへ、だって、面白くって」
天真爛漫な『魔法使い』に牡丹は「危険人物だな」と面白半分に笑みを浮かべる。
「改めてアイオン、マナセ。ようこそ滅ぶかどうかの瀬戸際、ここが無垢なる混沌だ」
そういって手を差し伸べたバクルドにアイオンは「迎え入れてくれてありがとう」と朗らかな笑みを浮かべて見せた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
お疲れ様でした。
マナセ&アイオンの冒険第二章のはじまり! です。
GMコメント
宜しくお願いします。
●成功条件
・『アポロトス』おだんごくんの撃破
・『変容する獣』10体の撃破
●フィールド情報
幻想近く、ラサよりの交易路です。バグ・ホールが存在して居ます。
一先ずアイオンとマナセが周辺住民などの避難誘導を行ないました、が、ちらほらと残っているかもしれませんね。
皆を救いきるなら何らかの対処を行った方が良さそうです。
バグ・ホールはやや成長段階にあるのか徐々に広がっていきます。一定の大きさで拡大は留まりそうですが……。
●敵
・『おだんごくん』
『アポロトス』と呼ばれる分類種であることを名乗った終焉獣です。憤怒を宿しています。
非常に怒りを胸にしており焔を撒き散らしています。呪いの気配を宿している他、バグホールに様々な『モノ』を飲み込むことを狙ってきているようです。
近接タイプです。武術を得意としているようにも見受けられます。つまり、近付くとバグ・ホールに投げ入れる事を狙ってくる可能性があるのです。注意して下さい。
変容する獣の最終形態のようなものなのか、対話能力などを徐々に身に付けていくようです。
・『変容する獣』 10体
急成長を行なう体が透き通った終焉獣です。二足歩行をして居ます。徐々に対話能力を身に付けていきます。
戦闘能力はそれぞれ変化しています。回復が行える個体が存在して居るようですが……。
・バグホール
触れると危険な次元の歪み。混沌世界各地に出現している『謎の穴』です。
混沌の終焉(絶対的終焉(Case-D))の接近に伴って出現したとされています。
次元の歪みのようなもので『触ったら消滅する』とも言われており、非常に危険な代物です。
●味方
・アイオン
混沌史では勇者である青年。プーレルジールでは只の冒険者です。混沌にやってきました。
それ程戦いには慣れていませんが、剣を手に皆さんの戦い方を模倣し、そしてアレンジしながら戦います。
魔法をも駆使して戦う事が出来ていましたが、混沌では剣一つで戦う方向にシフトしています。
それ程実力を発揮できません。やはり、世界が違うからなのでしょうか。
・マナセ
魔法使いかお姫様になりたい女児です。
古語魔法を理解し使用することが出来ます。攻撃魔法>回復魔法>>>>封印術です。
制御が下手くそでしたが、そのバッドステータス(笑)が関係ないほどに、混沌世界では実力を発揮できていません。
魔力が体に適応しきっていないのか、ちぐはぐな戦い方になって居ます。
アイオンとマナセは皆さんの到着を待っています。
何処かに逃げ遅れた一般人がいないかと確認しているようですが……。
●情報精度
このシナリオの情報精度はC-です。
信用していい情報とそうでない情報を切り分けて下さい。
不測の事態を警戒して下さい。
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