再現性火星XXXX：謹賀新年。究極のお年玉大作戦！

オープニング

●再現性火星
　謹賀新年。あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
　さて、ところで空をじっくり見上げたことはあるだろうか？
　夜空、宇宙、星。果てしない浪漫がそこにはある。
　混沌世界の空は色々違うけども、再現性東京の語るところによる宇宙には「火星」という星がある。
　再現性東京のＳＦ本では火星をテラフォーミングする類の本もよく見受けられる。
　遥かなる宇宙に飛び出し、地球とは違う星を人間の住める環境にする。
　なんとも傲慢な話だ。しかしながら夢のある話でもある。
　さて、そんな夢のある話は……何処かのライオンフェイスがなんかこうそういうことを言うと実現してしまったりする。まあ、手前に「再現性」という単語はついてしまうのだけれども。
「何が発生したと？」
　再現性火星が誕生したという知らせを練達のオペレーターが受けたのは、元旦のことだった。
「あ、それとあけましておめでとうございます」
「はい、今年もよろしく。それで……薩摩ですか？」
「いえ、今回は違います」
　今回は薩摩ではないらしい。安心だ。しかしそれなら何が？
「現在実験中の再現性草津にどうやら薩妖が紛れ込んでいたようでして……一部機材を薩摩から持ってきたのがやはり……」
「呪いでもかかってんですか再現性薩摩」
　さておき薩妖が再現性草津に紛れ込んでそうなったらしい。
　まだ再現性草津は実験中だ。なんとか原因を取り除かなければならない……！

●新年は宇宙で
「えー、そんなわけで今回は再現性火星です」
　『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック (p3n000201)は集まった面々にそう切り出した。
「そして俺は佐藤・非正規雇用です。あけましておめでとうございます」
「どうぞ今年もよろしくです」
　さておいて。
　『本物』佐藤・非正規雇用（p3p009377）が呼ばれたのはなんかこう、この状況を予測していたからであるらしい。
「私は火星ってのはよく知らないですが、再現性東京だとなじみのあるものらしいです」
「やー、どうかなあ……」
　非正規雇用のツッコミが響くが、新年初ツッコミである。
　再現性火星。それは再現性東京のSFで言うところの「テラフォーミングされた火星」であるらしく、なんかSFチックな建物が並び地上同様に呼吸が出来たりする場所である。
　そんな場所に今、正月ということでお年玉が降り注ごうとしている……！
　そう、隕石だね。しかしこれを放っておくわけにはいかないのだ。
「どうにもこの隕石が今回の原因らしく、地上に落下すると元となった再現性草津にもダメージがくるようなのです」
　再現性草津は本格稼働に向けて実験中だ。開業を遅らせるなどとんでもない……！
「つまり、これをお年玉と思って皆で受け止めてくるですよ」
「マジかー……」
「マジです。まあ、お正月に隕石を受け止めるというのも中々レアな体験ですよね」
　まあ、これを機に宇宙旅行気分というのも面白いものであるかもしれない……！

参加者 : 8 人

冒険が終了しました！　リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧（8人）

リプレイ

●お年玉作戦！（前編）
「再現性火星……ついに宇宙への第一歩が…！　……って薩摩影響受けてるんかーい！？」
「……薩摩じゃなくて草津？　アッ、やっぱり薩摩が関係あるんじゃないですかやだーーー！　もしかしてこれ夢ですかね？　アッでもこんな悪夢が初夢とか嫌すぎますねえ！？」
　『【星空の友達】／不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン（p3p000916）と『名誉薩摩武士』安藤 優（p3p011313）がそんな声をあげるが、夢とは荒唐無稽なものなのでまあ問題は無さそうだ。ほんとかな？
「再現性薩摩……鏡禍が切腹したり介錯したりで、ロクな場所ではなかったわね。伝染病か何かみたいな感じになっているけれど、これ以上の拡大は認められないわ」
　『高貴な責務』ルチア・アフラニア（p3p006865）もそんな至極真っ当なことを言うが、全部薩妖ってやつが悪いんだ。たぶん。
　さて、そんなわけで今日の仕事は再現性火星に落ちてこようとしている隕石を受け止め火星を守ることだ。意味が分からない？　魂で理解してほしい。
「隕石の数が多いな……。ユーフォニーさんは、突然雑草を食べ出して周囲をザワつかせた事もあるというし、隕石ぐらい食べられるんじゃないのか？」
「隕石ムシャムシャ！？　まさかユーフォニーさんまでボケに回るんですか！？」
「い、隕石ムシャムシャ……？　何言ってるんですか佐藤さん？　私そんなことしませんよ？？」
『宇宙ライオン』佐藤・非正規雇用（p3p009377）と優のボケに『竜域の娘』ユーフォニー（p3p010323）がそうツッコむが、なんかチラホラと変な精霊がその辺を通り過ぎた気がする……！
「そんなことはない？　よかった……って、実はユーフォニーさんも結構ノリノリですよね！？　というか皆さんも真面目なんだかボケなのか分かんない人ばかりなんですが！？　エッ、もしかしてツッコミ役がいないのでは？？？　ぼくにやれと？？？　助けてくださいレ……あ、いない！」
　優の凄い動きをなんとなく見守っていたユーフォニーだが、なんだかスペースでアンテナがかわいい衣装を着ている。
「せっかくなので着てきたんです。ファントムナイトの仮装なんですけど宇宙っぽくないですか？」
「ああ、可愛いよユーフォニーさん……痛っ、何かに齧られた!?」
　非正規雇用がイケメンになろうとして何かに齧られたが……まさか隕石ムシャムシャくん……!?
「お正月気分でふらふらしてたら、とんでもないとこに来てしまいました。火星？　隕石？　新年早々ですが、今年一番ぶっ飛んだ依頼です......お年玉？　落とし玉？　なんだかよく知りませんが阻止しますよ」
「火星はいいんよ。ロボもまあええんよ。ロマンやしな。ロマンは大事。……薩摩は漏れてこんといてくださいます！？　薩摩は薩摩の中だけで他に影響与えんといてくれます！？　……はあ、とっとと事件解決しましょ……草津でしょ、温泉はいられへんかなあ……」
『救済の視座』リスェン・マチダ（p3p010493）と『晶竜封殺』火野・彩陽（p3p010663）もそんなことを言い合うが、まあ実際再現性薩摩の外に薩妖が漏れ出てくるのは中々に事件ではあるだろう。しかしまあ同時にロボ戦も……たまにあるが、中々に珍しいものではある。大和型戦艦 二番艦 武蔵（p3p010829）もやる気は満々だ。
「何という事だ。この所各地で世界崩壊の予兆が出ていると言うが、この光景もその一つなのだろうか。今回は関係なくて再現性薩摩の仕業？　そうか……再現性火星が存在する事も今初めて知った武蔵であるが、隕石を地上に落とされても堪らんな……戦艦武蔵、出撃！！」
　そんなわけで全員、各々のマシンに乗って出撃である……！

●お年玉作戦！（後編）
　再現性火星の空に隕石が見え始めている。あれを止めなければならない。
　それはかなりの緊張をもたらすものではあるが……大丈夫。頼りになるマシンがある。
　そして、同じくらいに信頼している鍛え上げた肉体も……！
「みんなロボに乗っているのに、飛行用ブースターだけで飛び出すの心細いんだよな……安藤君いくぞっ！！」
「ちょっ、ぼくも佐藤さんと一緒に飛行用ブースターで行く流れなんです！？　ねえ、これ武装ついてないっぽくないですか！？」
　非正規雇用と優が飛行用ブースターで飛びだしていく。自らの肉体を信じたのだろうか？
「素手で受け止める！？　「ファイト一発」！？　最近では「ぼくらはみんな強くない」んですよ！？」
　おっと、優がツッコミを頑張っている。どうやらやる気が満々だ！
「俺達が巨大隕石を1個ずつ片付けるんだ！！　ファイトーーーッ！！　いっぱーー……え？　世代じゃない？」
「げえっ！？　しかも巨大隕石の方にいくんですか！？　ぎいやあああああ！？」
　ファイトいっぱい。元気漲るファイトオンXは再現性東京で発売中です。さておいて。
　２人が向かっていく２つの巨大隕石は……でかい。２人よりもはるかにでかい。
「ファイトーーーーー！」
「い、いっぱああああい！」
「この巨大隕石を片付けた後も、小型や中型が残ってたら丁寧に受け止めよう。何せ"お年玉"……だからな！！　きっと、受け止めた分だけ報酬が増えるんだ。　これが俺の『お年玉大作戦』よ！！　はっはっはぐあーっ！！」
「さ、佐藤さあああん!?」
　そうして銀河に巨大な優と非正規雇用が現れサムズアップする。大丈夫、まだ生きている。
「……い、生きてるうううう！！！　佐藤さんもご無事でなにより……うわあああああ巨大隕石とは関係ないところで死んだーーー！？」
「大丈夫、まだ生きてる！」
　そんな２人に負けじと、武蔵も火星戦闘ロボ「マーズ」で火星の空を飛んでいた。
「まぁ、武蔵自慢の主砲で隕石は砕けたと思うが、壊すと破片で地上被害が出るかもと言われれば遠慮するものである。極太ビームキャノン「バニシングブラスター」で跡形もなく消滅させていけばいいのだな」
　そう、マーズには極太ビームキャノン「バニシングブラスター」が搭載されている。
　近づいてきた小型隕石に撃ち込めば跡形もなく消え去るが……中々の威力であるようだ。
「しかし、小型隕石だけでも100は多すぎないか？　ある程度トラクタービームでまとまった所に撃ち込んでいくという作業になるだろうか」
　当然、隕石も消し飛ばす威力という事で慎重になるが……そこでふと武蔵はそれを思いついてしまう。
「考えもしていなかったが、宇宙空間で、大和型戦艦が、極太ビームを撃つというのは、何というか有名なアレと被りそうでアレだな？　何故かエネルギーゲージが120%まであったりするな！？」
　まあ、その辺は様式美であるのかもしれないが……武蔵の言うトラクタービームを放てるのは彩陽の乗る火星開発ロボ「タイタン」だ。
「……メカとか動かした事ないけど大丈夫かなっと。お、いけるいける」
　出来る限りトラクタービームで隕石集めて、マーズの所に安全に移動するのが今回の彩陽の仕事だ。そしてタイタンは作業用のせいか、操作がかなり簡単であった。
「このまま効率よく動けたらええな」
　厄介な巨大隕石はすでに非正規雇用と優がやってくれたし、非常に上手く作戦は推移している。
「どれくらいぶつかったら危険とか分からんけどまあ、丈夫って言われてるから普通の隕石やったらいけるやろ。隕石がへんな所に移動せんようにその軌道は広域俯瞰と超視力で索敵・監視しとくで」
「はい、お願いします」
　彩陽と通信しながら、リスェンはマーズを操作していた。
「おお、なんだか再現性東京で見たことあるようなデザインですね。わたしも隕石を破壊していきますよ！」
　そうしてマーズを動かすリスェンだが……１つ、弱点があった。
「おお、動きました。でも操縦方法が...... わからないです！　ここ？　こうですか？　あれ、そっちじゃないです。あーれー......」
「リ、リスェンさーん!?」
　驚くユーフォニーのモニターの向こうで、リスェンが戻ってくる。なんとか操作できるようになったらしい。
「はあ、なんとか戻ってこれました。あれ、あまり破壊しない方がいいんでしたっけ。でもマーズだと受け止められない？　ええい、でもよくわからないので破壊します！　バニシングブラスターぁぁ！」
　ヴィイイイン、と。機械的な音をたてて放たれたバニシングブラスターが小型隕石を破壊して。
　そしてユーフォニーもタイタンで火星の空を飛んでいた。
「このまま最大加速で飛び回って隕石集めますね！　たくさん集めたらマーズに乗っている仲間が撃ちやすいように近くまで引っ張って……粉砕役にバトンタッチです！」
　武蔵のバニシングブラスターが隕石を破壊して。次の小型隕石をルチアのタイタンがトラクタービームで引き寄せていく。
「このまま隕石を牽引するわね。集めたところを纏めて薙ぎ払って貰えれば効率もいいし」
「はい、そうですねルチアさん！」
　ユーフォニーとも通信で連携しながら、ルチアはオルド・クロニクルで強化された保護結界で、自分や仲間の機体がデブリやら不測の衝突で破壊されないように気をつけてもいた。
「そういえばマーズは繊細なんだっけ。声をかけたり、ファミリアーの猫乗っけたりして機嫌とろう……え？　繊細ってそういう意味じゃない？」
　ヨゾラもそんなボケをかましながらも仕事自体はやる気満々だ。
「バニシング……ブラスタァァァァァァァァ！！」
　掛け声も熱血に小型隕石を破壊し、ふうと一息つく。
「こういう時、カットインがあると嬉しいけど僕はパイロットスーツ持ってません……作っておけば良かった……なのでいつもの姿で！　決戦衣装（星空の魔術師）でカットインあるイメージして戦う！」
　ちなみに星空にはまだでっかい優と非正規雇用が浮かんでいるが、あれはカットインではない。
「って、あれが超巨大隕石……？」
　ヨゾラが確認した先。そこには火星の半分ほどはあろうかという隕石が迫ってきている。
「超巨大隕石……待って、あれブラスターだけじゃ壊せないかも！」
　なるほど、あれはバニシングブラスターを一発当てたくらいではどうにも出来そうにない……！
「誰も倒れさせないよ！　皆で隕石じゃないお年玉持って帰ろう！」
「巨大隕石といえばあれ、アルマくしゅん！　でしょ。お前が知ってるのはヨハネの黙示録に語られる終末じゃないのかって？　細かいところは横において……どうにもこうにも破壊できないようなら、飛行用ブースターで直接乗り込んで破壊してやるわ。いくら大きくても、零距離で鮮血乙女を乱打してたら、そのうち壊れ……壊れてくれない？」
「そうだよなルチアさん！　皆の力であれを壊せるはず……！」
　ルチアに非正規雇用もそう相槌を打つ。
「皆で協力して、超巨大隕石を受け止めよう。タイタンはトラクタービームで軽減できるかも。マーズは……アームで押し返すか、乗り換えもアリかな？　壊れたら修理するぜ！　そして俺は、飛行用ブースターでガチンコよ！！　うおおーっ！！　こいつはでけぇぜ、億万長者だーっ！！」
「そうだね。こうなったら……全員で攻撃か受け止めるしかない！　再現性火星は……再現性草津はやらせない！　何とかなるんだよーーーー！！」
「PPP発動！　大きくなあれ、私の身体！　超巨大隕石をしっかり受け止めて、そのまま押し上げて、えーーーいって宇宙の果てを超えて、こんな状況作った神さままで跳ね返すんです！　え？　無理そうですかね？そんなあ……」
　なんかユーフォニーがこんなところで何かやろうとしていたが、どうやら今はそのときではない！
「じゃあもう生身で受け止めますね。飛行ブースター臨界稼働！　よーく見ていてくださいね！　これが、ひとの……！　イレギュラーズの！　私たちの！　『可能性』、ですっ！！」
「え、ユーフォニーさん本気ですか？じゃあわたしもお供しますよ。PPPを発動します！　それーーーっ！　ハッピーニューイヤー！」
　そうしてユーフォニーに続くようにリスェンも飛びだして。
「ああ、もうみんな無茶を……トラクタービーム最大出力で動きを止める！　後は……えーと……よし、最大火力で粉々に砕いてまえ！」
　彩陽のトラクタービームも放たれて。
「これを以てしても破壊が不可能な巨大さの隕石が出るとは……スケール感がどんどんおかしくなっていないか！？　ええい、ここで隕石を地上へ落とせば武蔵の名折れ！！　隕石を受け止めて落下を阻止すればいいのだな！？　いいだろう、機関最大出力！！　全員の力を合わせて、いざ！！」
「いや、でっっっっっか！？　エッこれも受け止めるんですか！？　嘘でしょ！？　ユーフォニーさんにヨゾラさんまでやる気なんですか！？　……ええい、やってやりますよ！　隕石なぞチェストすればよか！　雲耀一閃！　キィエエエエエイ！！！」
　そうして優も超巨大隕石へと向かっていく……！　そう、これが最後の超巨大隕石。まさに絶望的な大きさだ……けれど、新年早々の絆の力は脆くはない！
　優たちの勇気が再現性火星を救うと信じて！
　あ、ちなみに再現性火星は無事に再現性草津に戻ったし練達からお年玉貰えたみたいである。

成否

成功

ＭＶＰ

状態異常

なし

あとがき

あけましておめでとうございます。
今回のシナリオは練達からのお年玉がちょっとだけ出たので報酬に追加されます。