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シナリオ詳細

おいしいリンゴ酒を作りたい

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●覇竜のリンゴ
 小高い丘に、木々が生えている。しかし、それはどうにも普通の木ではない。
 真っ赤な実が鈴なりになっている。なんだろうか……よく見れば、それはリンゴであると分かる。
 しかし、どうにもあるのはリンゴだけではない。何やらリンゴに混ざって、リンゴっぽい何かが混ざっている。
「リンゴッゴー」
「アッポー」
 なんだろう。リンゴに似てはいるけれど、時折パカッと割れて牙が見えている。
 そう、これはリンゴではない。リンゴの木にくっついてリンゴに偽装し、リンゴに近づいてきた者に噛みつくリンゴモドキである。
 攻撃力も耐久力も然程でもないが、とにかく油断したところに噛みついてくるので非常に心臓に悪い。
 1度やられるとリンゴの木に近づきたくなくなるというほどであり、それゆえにリンゴの守護者とも呼ばれるが……リンゴは食べられて繁殖するので一概にそれが良いかどうかは疑問なところではある。
 そもそもリンゴモドキにたぶんそういう意識はないし。
 何より誰かが食べなければ、リンゴは熟して地面に落ちるだけだ。それはあまりにももったいない。
 旬のものは、旬のうちに食べるのが美味しいに決まっている。
 とにかく、旬のリンゴ。リンゴモドキごときに邪魔させるわけにはいかないのだ……!


●リンゴを獲りに行こう
「お酒を作るの、ニルもいつかお手伝いしたいです!」
「ふむ。では簡単に作れるものをやってみるかの?」
「わあ、そんなお酒があるのですか?」
「うむ、リンゴ酒じゃよ」
 『おいしいで満たされて』ニル(p3p009185)に『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)がそう頷く。
 リンゴ酒。それは文字通りにリンゴを漬け込んだ酒だが、ご家庭でも出来る簡単なやり方がある。
 それは綺麗な瓶などにリンゴと酒、そして氷砂糖を淹れて漬けることだ。
 そうしてご自宅などに持って帰り、適当な時期に完成となる。
 なんと簡単だろう。しかしご家庭で出来る果実酒の作り方としては一般的だ。
 勿論、それには質の良いリンゴが必要になってくるが……幸いにも、今はそういうのが手に入りやすい時期だ。
 そう、リンゴ。丁度このくらいの時期に旬を迎える果物だ。
 一口にリンゴといっても色々と種類はあるが、まあ一般的には赤くて丸い果物だ。
 おおよそ成人男性の拳ほどの大きさがあり、食べれば僅かな酸味と甘味が広がる、蜜を蓄える果物でもある。
 さて、そんなリンゴだが食べ方としてはそのままであったりアップルパイなどお菓子に使ったりもする。
 特にアップルパイにする際の砂糖で煮込むやり方は、独特の素晴らしい味を生み出す。
 ……そしてもう1つは、リンゴ酒だ。リンゴの爽やかな甘味と酸味を引き出したようなその酒は、見た目にも可愛らしい。
「そんなものに使えるリンゴが丁度、フリアノンの近くにあるんじゃよ」
 勿論、リンゴを手に入れるには多少の苦労がある。しかし、やる価値のある挑戦ではあるだろう……!
 

GMコメント

フリアノンの近くの小高い丘にリンゴの木がたくさん生えています。
好きなだけ持って帰ってリンゴ酒にしたり、スイーツにしたりしましょう!
なお、味見したい人は相賀が去年仕込んだやつをくれます。
勿論、リンゴ酒に必要な瓶なども相賀がくれます。

●リンゴモドキ×たくさん
リンゴにそっくりリンゴもどき。もごうとした人の手をガブッと噛みます。
ちょっと痛いです。ギャー、何⁉って感じ。倒しても倒さなくてもいいです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • おいしいリンゴ酒を作りたい完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年11月10日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)
無限円舞
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
金熊 両儀(p3p009992)
藍玉の希望
琉・玲樹(p3p010481)

サポートNPC一覧(1人)

黒鉄・相賀(p3n000250)
フリアノンの酒職人

リプレイ

●リンゴを手に入れろ
 立派なリンゴの木々が『優しき水竜を想う』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)の前にある。
 しかしながら、リンゴモドキも混ざっているちょっと危険な場所でもある。
「リンゴ一つとっても覇竜地域では大変ねぇ。ま、代わりに美味しいリンゴが食べられるならよしとしましょ。お酒は飲まないけど……知り合いのために仕込むのはありかしら?」
 そんなオデットは凍狼の子犬であるオディールと一緒である。
「取ったりんごをオディールにあげて、一緒に食べたいけど……りんごはそのまま食べるのが好きだから、カゴでも借りてたくさん持って帰りたいところね。オディールがくわえられるサイズのカゴもあるかしら?」
「ほれ、あるぞい」
「あら、ありがとう」
 オデットは『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)からカゴを受け取るが、これなら一緒にリンゴ狩りを楽しめるだろう。
「できたら苗も手に入ると嬉しいけど、手に入るかどうかもあるしそもそも別の場所だと育ちにくいかしら。いろんなリンゴの木を領地で育てられるといいのだけど」
 それに関してはやってみなければ分からないし、なんならリンゴの種からでも育てることはできるだろう。天然種なのだから、不可能ではないはずだ。さておき、オデットは手近なリンゴへと手を伸ばす。美しくツヤのあるリンゴだ……きっと美味しいだろう。
 パカッと開いて此方を噛もうとしていなければだが。ていうかリンゴモドキである。
 オデットはビックリした表情になると、一瞬で手を引っ込めて界呪・四象と鮮血乙女のコンボで引っ叩く。というか消し飛ばした。
「乙女の手を噛もうなんて酷いんじゃないの!? いやでもこれびっくりするわね……心臓に悪いわ」
「ところで……リンゴモドキって食べれるのかな?」
「え、どうかしら」
 『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)はオデットとそんなことを言い合うが、まああんまり美味しくなさそうではある。
「一応間違えないようにリンゴとは別に分けて収穫(?)するよー! おいしくないなら……どこかに埋めてこようっと……」
「不味いぞい」
「じゃあ埋めなきゃ……」
 相賀に言われてヨゾラは埋める決意を固めるが、とにかくリンゴ狩りの気分を立て直す。
「混沌の秋、食欲の秋……リンゴの秋! よーしリンゴ収穫するぞ食べるぞ呑むぞー!」
 目の前にはリンゴモドキも混ざっているが、色鮮やかなリンゴの数々。なんとも素敵な光景だ。
「リンゴの木が沢山……よーし程よく収穫するよ! ……って痛ーい!?」
 ガブッと噛んでくるリンゴモドキ、痛いが怪我はしない絶妙な噛み具合だ。
「噛みつくなら噛みつき返すぞー! がぶー! いっそ食べちゃうぞー!」
 がぶってリンゴモドキ噛みついてしょりしょり食べちゃうぞおいしいかなー!? とノリで噛みつくヨゾラだが、エグい。ゴーヤーを生のまま齧ったような苦みが伝わってくる。
「うえ……」
「ああ、もう……」
 その場に膝をつくヨゾラの背中を『剣の麗姫』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)が軽く叩くが、ヨゾラはなんとか復活する。
 そんなアンナも今日は明確な目的をもってやってきていた。
「フリアノンのりんご酒……場所が場所だけに、今まで飲んだ人はそう多くないでしょう。これはぜひとも手に入れたいところね。今日のために大きな籠まで買ってしまったわ」
 なるほど、これは相当に酒好きである。しかしそんなアンナの欲望も許容される。
「美味しいものを手に入れるためなら多少の痛みも許容はできる…けれど無駄に齧られるのも癪なのよね。まあ来年以降来るかもしれないし間引いておきましょう。意味あるかわからないけど」
 だからこそアンナはファンタズム・ステップで回避してソニック・インベイジョンをリンゴモドキへと仕掛けるべく体制を整えていた。
「私の収穫をジャマするものはたとえ見た目がりんごでも梨でも許さないわ」
 ……りんごもどき相手にこういう事を言っても締まらないのはそれはそう、とアンナは加えるがそれはそれ。
「まあそれはともかく、折角だから最初に収穫したのはそのまま齧って素材の味を堪能しましょうか」
 シャクッとリンゴをアンナが齧れば、。甘酸っぱい味が口の中に満ちていく。
「りんごを食べながら次のりんごを収穫する。行儀は悪いかもしれないけれど、こういうのもたまには良いでしょう。……齧ってくるりんごが若干鬱陶しくはあるけれど」
 そこはもうどうしようもないが……リンゴモドキが混ざることで、『運命砕き』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)はそこに豊作の美しさをも感じていた。
「へぇ……こりゃ壮観だな」
 だからこそ、ルカはそう呟いた。
「ラサじゃあリンゴは貴重品でな。当然育てる事は出来ないから自給は全くねえが、食えば喉が潤う上に美味いから需要は高い……それがこんな群生してるなんてな。交易路も通ったって聞くし、覇竜とラサはいい関係が築けそうだな」
 そう、交易路が全開通したのはついこの間のことだ。そこを通せば、ラサとの交流は今後さらに増えていくことだろう。
「じゃあ早速リンゴの収穫からするか。今回はブランデーに漬け込むリンゴ酒と、リンゴの果汁から作るシードルを作るぜ。ま、どっちもすぐには飲めねえんだが」
 後で相賀がくれるものを飲めば、とりあえずの酒欲は満たされるし味の想像も出来るというわけだ。
「シードル用のリンゴは熟してるものを使うぜ。熟して木から落ちたものを中心に拾って、足りねえなら木になってる分で熟してるものを使う。リンゴ酒用のものは木になってる食べ頃のものを使う……いってえな、この野郎!」
 ガブリとリンゴモドキをかじるルカだが、その苦みも良いつまみに感じられたようだ。
「モドキって名前だがコイツも十分美味ぇな」
「おつよいです……!」
 『おいしいで満たされて』ニル(p3p009185)は驚いたようにそう声をあげるが、まあ、それもルカの強さということだろう。
「いいかニルや。俺が言ってたシードルというのはリンゴの果汁を直接醸して酒にするものだ。リンゴ酒はすでにできている酒にリンゴの実を漬け込んで、酒にリンゴの風味を移すものだな」
「りんご酒! 前に教わって作った梅酒とおんなじように、お酒に漬けるのですね? ニルは、いっぱいいっぱいがんばります!」
「ああ。張り切って採集しような」
 『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)に教わりながらも。そのためにも、まずはりんごの収穫からと、ニルは保護結界とオルド・クロニクルを展開していく。
 2羽のファミリアーと一緒に実の位置を確認すると、ふわふわと星に触れない約束の力で飛行して高いところへの実に手を伸ばす。
「熟したものを、食べるぶんだけ……」
「どれがリンゴモドキか、どうやって見極めrグワーッ!? 生存戦略見直した方がいいと思うぞ成敗!」
 下の方でエーレンがリンゴモドキに噛まれていたが、さておいて。
「ほう、りんご酒! 酢なら聞いた事あるが酒か! どんな味なんじゃろなぁ……俄然、やる気が沸いてきたぜよ!」
 確かにりんご酒はちょっと珍しいタイプの酒だ。手間なども含め、飲もうと思わなければ中々口にしないモノではあるだろう。
「えーと、先ずはリンゴモドキを退治すればえいんじゃろ? なら、刀で斬るんは……ちょいと手間じゃな? 素手で握り潰しちゃる。多少は噛まれても復讐や反があるしの? まっ、力仕事は儂に任せて皆は気楽にゆっくり美味い酒ば作ってくれい!」
 両儀が言いながら噛まれているが、さておいて。琉・玲樹(p3p010481)も遠慮なくリンゴ狩りを楽しんでいた。
「ふふんふん♪ 美味しいリンゴ取り放題〜!」
 練達のサンタクロースが持つような大きな袋を持って歌う玲樹は、実に上機嫌だ。
「えーと。リンゴのコンポートに〜タルトに〜ジャムも作れちゃうよ〜。ふふっふふふ。出来上がりを想像すると今からお腹が空いて来ちゃうなぁ。お酒は父さん達に作ってあげたら喜んでくれそう。あ、黒鉄さん、お酒の味見をお願いしても良いかな?」
「うむ。ええぞ」
「作ったお酒が上手く出来たら、持って来るから一緒に飲んでね!」
 言いながら玲樹はリンゴをもいでいき、油断してカプッと噛まれる。
「あいたーーーー!? 手じゃ無くて尻尾!? なんで尻尾!? 痛たたた……! も〜〜!」
 ついでとばかりにリンゴモドキに噛みついてみるが、やはり美味しくない。
「家の家族はよく食べるからいっぱいとらなくちゃね。特に俺より食いしん坊な妹の幸華は、お土産がないと拗ねてしまうし」
 気を取り直して玲樹はリンゴの収穫に戻って。そうしてリンゴを持ち帰れば、試食の始まりである……!

●リンゴ酒を作ろう。そして試食と試飲もしよう
「リンゴタルトを作って帰ろうかな。ニルさん達と作ったものを分け合えば色んなものが食べられそう」
 玲樹はそう言いながらぐぅ、とお腹を鳴らす。
「……ところでリンゴモドキって食べられるのかな? 見た目リンゴだし、いけると思うんだ。もしかしたらリンゴみたいに甘いのかな?」
「苦いよ」
「苦いのかあ……ま、仕方ないか。何が良いかなぁ。あ、焼きリンゴとかどう?」
 玲樹はヨゾラとそんなことを言い合っているが、そのヨゾラもリンゴ酒を一口飲みながら頷いていた。
 なんともフルーティなお酒だ……ただお酒を飲むのとは違う、そんな素敵な風味が感じられた。
 そんなヨゾラも早速準備に入っていた。
「収穫終えたらリンゴタイム! 焼きリンゴにアップルパイ、リンゴのケーキ……うーん作りたい食べたい物が沢山! シンプルに切って食べるのも良いね、うさちゃんリンゴー!」
 作りたいものが、ヨゾラはたくさんだ。
「アップルパイ作るよ作るよ! 焼きリンゴも色んなリンゴも作るよ作るよー! リンゴ切ったりすりおろしてヨーグルトと混ぜるのも良いかも。なんか練達にそういうヨーグルトもあった気がする?」
 甘い蜜漬けのリンゴを混ぜたりしたヨーグルトも存在するので、それかもしれない。
「リンゴモドキも焼いてみよう、焼きリンゴモドキだよ! 食べれるかな? まずかったら後でどこかに埋めてくるねー!」
 ちなみに干して粉にして薬にするのが正解らしい。さておいて。
「私はお酒はいらないわ、飲めなくはないのだけどジュースのが好きだもの」
 オデットはそう言うが、それでもやってみたいことはある。
「でもせっかくだから採れたてのリンゴをいくらか使ってジュースにするのはいいかもね。あ、ついでにお酒にする時にコツがあるなら教えてくれると嬉しいわ。私が飲むんじゃなくて知り合いに振る舞えたらいいなって思うもの」
「うむうむ。ええんじゃないかのう」
 相賀は頷きながらオデットとアンナに簡単なコツを伝えていく。
「お酒を作るのに必要な道具はありがたくもらいましょう。今から作ったら……春くらいが飲み頃なのかしらね? きっとこれを飲める頃には戦いも一段落しているかもしれない。……これを祝杯として飲める日が来るのが待ち遠しいわね」
「はい!」
 アンナの言葉にニルも頷く。確かに、そのときはこの味に相応しい瞬間としたいものだ。
 そしてニルも教わりながら……梅酒のときのことを思い出して、丁寧に仕込んでいく。
「りんごのお酒には、しーどる……というのもあるのですね? そういえば、シャイネンナハトのときにのんだグリューワインにも、りんごが入っていたのでした。りんごはお酒も「おいしい」のですね」
 そう、ニルの言うとおりにリンゴはどうやっても美味しい。それが真実なのだ。
「このお酒が飲み頃になったらみなさまと一緒にのみたいです! ……お酒に漬けているりんごは、あとでどうやって食べるのがいいのでしょう?」
 言いながらニルは色々と思い浮かべる。
「りんごを使った「おいしい」もの。アップルパイ、タルトタタン。ツヤツヤしんなりしたりんごにシナモンのにおい。絞ってりんごジュース、ゼリー、ムース……いろんなものを思い浮かべて、ニルはとってもとってもわくわくします。ジャムにしたら、持って帰ってからも長く楽しめるでしょうか?」
「さて、どれも旨いだろうが……」
「エーレン様のごはんは「おいしい」です。ニルはこの間かぼちゃを採ったのです。かぼちゃとりんごで「おいしい」は作れますか? アップルパイに一緒に混ぜてみたり? 知りたいことたくさん、わくわくします」
 エーレンは言われて、軽く微笑む。
「そうだな。なら順番にだ」
 エーレンは今日は色々と仕込んでいくつもりだった。
「まずリンゴ酒はオーソドックスに作っていこう。相賀翁の用意してくれたビンに芯を取ったリンゴと氷砂糖、それに丁寧に皮をむいたレモンを層状に入れて、そこにホワイトリカーを注ぐ。しっかりアルコールが行き渡るように蓋をして一度ひっくり返したら、あとは1か月から半年ほど待つだけだ。簡単だろう?」
「はい!」
「ではお菓子も作っていこう。ニルや他に手伝ってくれる人がいればリンゴを賽の目に切ってもらうのを手伝ってもらおうかな。それを砂糖とバターで煮込んでコンポートを作る。冷めたら伸ばしたパイ生地で挟んで包んで、卵黄を塗って焼き上げればできあがりだ」
 オーソドックスなりんごパイだ。ちなみに賽の目でなくても美味しいので素晴らしい料理だ。
「次はタルトタタンか。まずバターと砂糖と少しの塩を加えて練る。ここに小麦粉とアーモンド粉を練り込んで焼き上げ、土台を作るぞ。カラメルとバターでじっくりソテーしたりんごを型に敷き詰め、上から土台を乗せて固めれば美味しいタルトタタンの出来上がりだ」
 そうしたら、エーレンが次に取り出すのはかぼちゃだ。
「ニルの持ってきてくれたかぼちゃでもケーキを作ろうな。かぼちゃは蒸し上げて潰して、砂糖とクリームを混ぜた上で小麦粉を練り込んで生地を作る。そこにスライスリンゴを敷いて、焼き上げたら別にしたかぼちゃクリームをトッピング。角切りリンゴでフレッシュ風味を追加して、おいしいかぼちゃリンゴケーキのできあがりだ」
「エーレンさん料理得意なんだ、すごいなぁ……」
 ヨゾラもそう声をあげながら、近くにいたドラネコに気付く。
「ドラネコもリンゴ食べる? しゃりしゃりリンゴを食べる姿も可愛いなぁ。春のドラネコ、夏のドラネコ、秋のドラネコ、冬のドラネコ……!」
 しかし、そんなエーレンにも負けていないのがルカだ。
「さて、まずはシードルの仕込みをするぜ。基本的にはワインと同じだ。熟したリンゴを潰して果汁を絞り出す。ソイツを持ってきた樽に入れてあとはリンゴの外果皮についている天然酵母が発酵させてくれる。コイツを3ヶ月以上発行させる事でシードルの完成だ。ま、今からなら飲めるのは春頃だな」
 手際が非常に良く慣れている……動きにも一切無駄がない。
「次はリンゴ酒だな。こいつもブランデーに漬け込むだけでも美味いリンゴ酒になるけど、ひと手間加える事で違う味わいも味わえる。今回はシナモンリンゴ酒を試してみるぜ。まずリンゴは皮をむいて、出来るだけ薄くくし切りにする。次に瓶にレモンの身を入れておく。その上にさっき切っておいたリンゴを入れるぜ。更にシナモンとリンゴの皮をその上において、氷砂糖を入れる。最後に瓶をブランデーで満たして密閉すれば仕込みは完成だ。ここから1週間すりゃあひとまず完成だただこの時は辛口なんで、甘口が良い場合は1ヶ月後に果実を取り出して更に2ヶ月後熟成すると良い」
 そう、これでひとまずの作業は完了だ。
「今日のところは相賀のじーさんが去年仕込んだもんと仲間が作ったりんごの食い物を食うとするか……こんだけ色々ありゃあ住むにも良いところだな。ちっとばかし危険なのが玉に瑕だが」
「ふむ……まあ、そがいな難しい話はともかく。好きなだけ持って帰れるみたいじゃき、プーレルジールへの土産に出来んかのぉ」
 両儀のそんな言葉にルカもいいんじゃないか、と笑うが……まあ、そんな感じのなんとも平和な1日であった。

成否

成功

MVP

エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標

状態異常

なし

あとがき

リンゴを使ったハードサイダーというタイプのお酒を飲みました。
これが中々に上質なお酒でして。20歳以上の皆様は飲む機会があれば是非。

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