PandoraPartyProject

シナリオ詳細

紅葉アルペジオ

完了

参加者 : 18 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 幻想北部に位置する山脈の一部では、毎年不思議な現象が起こる。
 まるで階段のように上から赤く染まっていき、とある時期になるとふもとの緑から山頂の赤まで綺麗なグラデーションを描くのだ。
 なぜ一斉に紅葉しないのかは分かってはいないが、恐らくは生い茂る木々の種類の差ではないかと言われている。
 興味を持った自然探究者もいたが、地元民からは自然の神秘なのだから野暮な事はするなと不評を買い、論文に記すまでには至っていない。
 とにもかくにも、この現象による害は一切ない――どころか、毎年この不可思議な景色を見る為に多くの観光客が訪れる程になっていた。


「――で、まあ、観光客が増える前に、道の整備をしてほしいんだよね」
 ぺらぺらと手帳をめくる『勿忘草』雨(p3n000030)がカレンダーのページで手を止めた。
 イレギュラーズへと見せたカレンダーのページには、中頃の週末に赤丸が付いている。
 どうやらこの日に、道の整備とやらをお願いしたいらしい。
「て言っても、君達がするのは山道を登ってテッペンに行くだけ。
 毎年、喧伝する前に一旦管理者が上り下りするんだけど、足悪くしちゃったみたいでさ」
 今回の依頼はその代わり。
 そして依頼と言っても形だけで、実際はそう大変なものでもない。普段から隔週で点検している山道を、シーズンを迎える前に最終点検してほしいといった内容だ。
 夏場も問題なく登山客が訪れる場所ではあるので、万が一ということもまま起こりえないだろう。何かトラブルが起きた時の対策といったところか。
「これが終わったら、翌日には即シーズン宣言。つまり、今は見頃なんだよね」
 登り始めはまだ青々とした木々に囲まれ夏のにおいを感じられるが、登っていくにつれ木々は色付き、秋の様相に変わっていく。
 こうまで視覚で季節の変化を感じられる場所もなかなかないだろう。
「そうだ、テッペンは展望台になっていてね。どうにも絶景みたいだから、是非そっちも楽しんでよ」
 広がる景色は思わず息を呑むほどだという。
 眼下に見えるグラデーションは登る前とは逆に夏へと逆戻りしていき、その先には海の青に繋がるよう。色彩鮮やかな自然は、都市では味わえない感動をもたらす。
 夜になればまた格別で、灯りの少ない山頂からは数々の星を仰ぎ見ることが出来るのだ。標高もありやや肌寒いが、身を寄せ合って天体観測に励むのもまた一興だろう。
 たまには煩雑な空気を忘れ、自然に身を任せてみるのも良いかもしれない。

GMコメント

祈雨と書きまして、キウと申します。
皆様に秋のお誘いをしに参りました。

●場所・時間帯
 幻想北部のとある場所に位置する山が本日の舞台です。
 緑から赤のグラデーションが綺麗な森を抱く山があり、山頂には展望台が設けられています。
 展望台にはくつろげるベンチがいくつか用意されており、小さな屋根ありの休憩所で冷たい湧き水が提供されています。
 お誘いは山道を登る方はお昼時~夕方までで、展望台で一時を過ごす方はお昼時~夜までとなります。夜の山道は危険ですので。
 オープニングにはありませんが、夜の帰り道は送迎用の大型輸送車がありますのでご心配なく。

●できること
【1】山道を往く
 いわゆるハイキングや登山をメインに楽しみたい方はこちら。
 登り始めは緑の木々に囲まれ、進んでいく毎に赤が鮮やかになっていく登山コースをお楽しみ頂けます。道中、川が流れていたり、リスや狐、狸といった小動物とすれ違う事も。
 山道の途中にはいくつか休憩所があり、森の広場的な開けた場所も存在するので森林浴にも向いています。鳥の餌箱も設置されているので、バードウォッチング目的でも良いかもしれません。

【2】展望台で楽しむ
 登山を終えた人々を出迎えるのは展望台です。一望できる景色を楽しみたい、ゆっくり歓談したい方はこちら。
 登る前とは逆に、赤から緑、そして海へと繋がる青のグラデーションを見ることができます。日が暮れていく毎に鮮やかさは落ちていきますが、同時に空にはたくさんの星を観測できます。

※あれもこれもとすると、結果的に描写が薄くなってしまう可能性があります。どちらかに絞ってプレイングを書くと良いかもしれません。

●注意
 お連れ様がいる、あるいは団体での参加の場合は、相手の名前とID、もしくは団体名の記載をお忘れなくお願いします。
 愛称のみの場合、迷子になりやすいので、きちんと記載して頂けると助かります。
 白紙でのプレイング提出の場合、描写が薄くなる可能性があります。ご了承ください。

  • 紅葉アルペジオ完了
  • GM名祈雨
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2018年10月22日 21時10分
  • 参加人数18/30人
  • 相談5日
  • 参加費50RC

参加者 : 18 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(18人)

サンティール・リアン(p3p000050)
雲雀
十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
鳶島 津々流(p3p000141)
かそけき花霞
シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
蒼銀一閃
グドルフ・ボイデル(p3p000694)
巡理 リイン(p3p000831)
円環の導手
清水 洸汰(p3p000845)
理想のにーちゃん
久遠・U・レイ(p3p001071)
特異運命座標
トゥエル=ナレッジ(p3p001324)
探求者
ポシェティケト・フルートゥフル(p3p001802)
白いわたがし
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
ガドル・ゴル・ガルドルバ(p3p002241)
本能を生きる漢
ヨルムンガンド(p3p002370)
暴食の守護竜
十夜 蜻蛉(p3p002599)
暁月夜
カシエ=カシオル=カシミエ(p3p002718)
薔薇の
リジア(p3p002864)
祈り
ワルド=ワルド(p3p006338)
最後の戦友
ニミッツ・フォレスタル・ミッドウェー(p3p006564)
ウミウシメンタル

リプレイ


 山歩きの経験が豊富なガドルと、暮らしの中で山に入る機会も多いカシエの二人の短い旅路は順調だ。
「ハイキング、それも整備された山道なんていつぶりかしら」
「このような道があるならば楽なものだな」
 加えて、とガドルは隣を見る。
 山菜や花を見つけては、暮らしの知恵に結び付けて考えるカシエは足元に夢中だ。
 きっと良い色になるのだろうと想像を膨らませたところでカシエははっと我に返る。今日は一応、お仕事も兼ねているのだ。
 ごめんなさいねとはにかむカシエを眺めつつ、ガドルはうんうんと頷く。美人の同行者もいるのだから、言うことなしだ。
 カシエの足取りを見たガドルは、気落ちしたような、ほっとしたような。しかし気持ちの切り替えも早く、純粋に山歩きを楽しむ事にして。
「――おっ、ほらカシエさん、狐だ! 狐!」
「あら、まあ」
 たたたっと駆け抜ける金色の狐を目で追いかけて、木陰に隠れられればふたり目を合わせて笑い合う。
「ガハハ! なかなか新鮮で、年甲斐もなくはしゃいでしまうな!」
 豪胆に笑うガドルの横で、カシエは穏やかに微笑んで。
 山の実りが気になる道辺に小動物の姿を見付ければ、ガドルさんと声をかけるのであった。

 洸汰が先導するのはパカダクラにトビンガルー、老ロバだ。一堂に進む様は面子が面子なだけ、まるでブレーメンの音楽隊のように見える。
「お前たち、ちゃんと付いてきてるかー?」
 くるりと洸汰が振り返れば、少し遅れてとぼとぼ歩くエマが見えた。
「よし、ここで一旦お昼休憩だー!」
 行く先に休憩所を見付ければ、声をかけて一同を励ます。
 持ち込んだお弁当を広げ、心地良い疲労感をスパイスにおにぎりを頬張る。贅沢な一時だ。
「ようし、せっかく来たんだから、展望台まで頑張ろうぜー!」
 おーと手をあげればパカおとぴょんぴょんたろーからやれやれと言いたげな声音が返ってくる。
 一方エマは絶望に満ちた顔をしていたのだが、それに洸汰が気付く事はなかった。

 おにぎり片手に腹を揺らし、山道を往くオークが一体。
「ぶははっ、色の移り変わりが実に良いねおえ。風流だねぇ!」
 森の木々が遮る陽の光は心地良く、ゴリョウは大変満足げに頷いた。
 陽を透かして出来た陰は薄く緑に色付いて、徐々に赤く変わっていく。自然が作り上げる一種のアートだ。
 のっしのっしと歩を進めるゴリョウは広場に辿り着くと、太い木の幹に背中を預けて一息ついた。
「んー、丁度良いしここらで一眠りしとくか?」
 行き交う人々はあるものの、邪魔にはならさそうだ。木漏れ日に揺られながら、ゴリョウは目を閉じる。
 ――その、数分後。
 わらわらと集い始めたリスたちの丁度良い寝床にされているのだが、ゴリョウが目を覚ます事はなかった。

「よいしょ、よいしょっ!」
 てっぺんを目指してリインは山道を進んでいく。
 時折聞こえてくる生物の動く気配に意識は惹かれつつ、中ほどまで登り終えた頃だった。
 ひょこりと草むらから見えたのはふわふわなふたつの耳。
 足を止めてしゃがんでみれば、草を揺らして顔を出した兎の子。
 ひくひく鼻を動かして、丸い目でじいとリインを見つめた。人に慣れているのだろう、逃げる気配はない。
「こんにちは。いいお天気だねっ!」
 リインが声をかければ兎の耳がぴょこんと跳ねた。ぷうと控えめな鳴き声が返ってくる。
 まだまだ行く道は長いけれど、どこからともなく跳ねて寄ってくる兎たちにリインの眼差しは釘付けだ。
 そうっと手を伸ばせば、お近づきの印とばかりにふわもこの手が乗せられた。

 さくさくと枯れ葉を踏み、風が揺らす葉擦れの音を聞きながら、ニミッツは赤く染まった道を進む。
 奏でる歌声に添うように、小鳥の囀りが時々聞こえた。
 姿こそ見えないものの、ニミッツの歌声を聞いた小鳥たちが楽し気にアンサンブルを奏でているのだ。
 進む足がゆっくりなのもあり、声に惹かれた小動物たちが集い始める。人に慣れた彼らはつかず離れずの距離で時折顔を見せた。
「……~♪」
 自然が織りなすハーモニーと、そこに生きる動物たちの気ままな声。
 まだまだ長い先を、彼らと一緒に。

 隣を駆けていく同業の姿を見送り、やれやれとグドルフは肩を竦める。
 観光用に整えられている場所とは言え、山は山だ。少しの油断が大変な事故に繋がる事も考えられる。
 だが、まあ。グドルフは山賊である。山歩きは慣れたもの。
 仕事と聞けば諸々いるだろうと考慮したものの、実際は歩くだけで良いのだという。
「あー、忙しいぜ」
 なんて言いつつ、酒に酔っ払う姿は多忙に駆られた者に見える筈もないのだが。
 ずんずんと山道を進みながら、グドルフは天を仰ぎ酒を煽る。
「まー仕事がねえってんなら仕方ねえな! ゲハハハッ――アッ」
 ズルッと足が泥濘を踏んだかと思えば、景色が傾いた。
 次の瞬間にはドスンという鈍い音を響かせて、怯えた鳥たちが飛び立つのだが自業自得な事である。

 せせらぎに指先を触れさせればその冷たさが肌を刺す。掌の上に小さな湖を作り上げ、咽喉へ流せば乾かして。
 暑かった日々も過ぎ、秋が訪れる。
 川の畔で一息つく津々流は、視界の端を駆けていくリスを見付けて目で追った。
 先に自分がそうしたように、かの小動物もまた川の水に口を付ける。
 見上げれば、来た道に緑が茂り、往く道に赤が揺れる山道があった。
「ここは素敵な場所だねえ」
 耳を澄ませば、小川の音に交えて囀りが聞こえてくる。
 どこか幻想的な空間は混沌ならではのものだ。
 久方ぶりの安らぎを得て、津々流は好奇心からか寄ってくるリスを手招いた。

 はらり、空から舞うは紅の。
「――ちっと失礼するぜ、嬢ちゃん」
「……どないしたん?」
 蜻蛉の黒髪にふわりと落ちたひとひらを、縁がそうっと指で掬った。
 炎のように鮮やかな赤が何だか妙に熱く感じて、縁は器用に指先で手繰れば蜻蛉の手へ。
「ほら、連れて帰ってやったらどうだい? お前さんを気に入って降りてきたのかもしれないぜ?」
 言葉よりも、まずはその行動に意識が向いて、蜻蛉はじいと縁を見上げる。
 縁が自分から取るだなんて珍しい。眼差しは、まるでそれを問うかのよう。
「ほな、今日の想い出にありがたく」
 さて蜻蛉の眸に灯る光には気付かぬふりで、縁はさっさと道を往く。
「……旦那は、いつになったら、うちを持ち帰ってくれはるの?」
 そんな台詞の後に付くのは冗談やの一言で。
 足を止めた縁は、蜻蛉の"冗談"に肩を竦めた。
 背に隠れた蜻蛉を振り返る事はせず、はらりとまた落ちる紅葉を見送り縁は零す。
 ――生憎と、綺麗な花をわざわざ手折るような度胸はねぇのさ。
 背中合わせの本心は、果たして。
 ……意気地なし。
 呟きながら、そんな所も縁らしいと蜻蛉は思うのだ。
 縁が掬った紅は、未だ蜻蛉の手の中に。

「あ、あそこに今いましたよ!」
「モズかな」
 ぱたたと羽を広げて枝から枝へと飛び移る小さな鳥を見付ければ、トゥエルはわあと声をあげた。
 それに応えるレイは、見た事のある姿に予想を立てる。チチチと囀る声を聞けば、当たりとばかりに頷いた。
「もう秋なんだね」
 深まる赤色を遠くに映し、レイは感慨深そうに零す。一方のトゥエルは木々の移り変わりよりも、出会える小動物に気を取られているようだった。
 実際、紅葉の他にも穏やかな気象故にちらほらと動物の姿が見える。足元を野兎が跳ねていくことすらあった。
「コギツネコンコン……あ! 狐がいますよ!」
 たたたっと駆け抜けていくこがね色の姿も見付けて、トゥエルはすっかりハイキングを楽しんで。
 トゥエルの歩幅に合わせて、レイもまたのんびりと山道の景色を満喫する。
「展望台まであと少しですよ。ラストスパートです!」
 案内板を見つけたトゥエルが楽し気な声をあげ駆け出した。レイもまた、少し遅れて後に続いて。
 ふたり辿り着いた展望台で見る景色は、きっと――。


 そよぐ風に乗ってサンティールのご機嫌な鼻歌が耳に届く。トコラトコラ、リズムに乗ってポシェティケトの蹄も鳴った。
「ごらんよポシェ、てっぺんだ!」
 ふわりと新緑の髪が揺れ、サンティールが声をあげればポシェティケトの視線はそちらへと。そうして、釘付けになるのだ。
 開けた視界に飛び込むのは、色の波。色彩豊かな木々の葉が一面に広がり鮮やかなグラデーションを描いている。
 そこに加えて、空の澄み渡る青に深き海の色も視界を楽しませてくれる。
 綺麗、と思っても。それがすぐに声にならない。
 一瞬の空白。それから二人でハッとなる。
「ね、街があんなにちいさい」
「ふふ、ほんとう。みんな、小さいわねえ」
 来た道に出会ったたくさんを思い出しながら、ふたり景色を楽しんで。
 くう、と小さな腹の虫が鳴れば、サンティールが照れくさそうにはにかんだ。
「……サンドイッチ! たべよ!」
 くすくす笑ってワタシもとポシェティケトが応えれば、ふたり一緒に作ったとっておきが詰まったバスケットを広げて。
 空に一番近い場所で、せえので頬張るサンドイッチは格別のおいしさだ。
「ワタシの秋、とっても幸せだわ」
 ポシェティケトがありがとうを伝えれば、ふわりサンティールの頬も色付いて。
「僕の秋も、とっても!」

 さあと駆け抜けた風はシャルレィスに感動を運ぶ。
「うわぁ……!」
 目の前いっぱいに広がる鮮やかな絨毯は気分を夏へ逆戻りさせ海へと連なる。
 ぱちぱちと弾けるように輝いて見えるのは、壮大な景色故か。
 暫しその色彩へ身を奪われた後、はっと我に帰ればゆっくりと自然を楽しむ。
 休憩所で掬った湧水はひんやりしていて身体をリフレッシュさせてくれた。傍らには夜空の写真が貼られている。
「星も見たいけど、まだお昼だし……そうだ!」
 良い事思い付いた、とばかりにシャルレィスは来た道を取って返す。
 二度目はきっと、また違う出会いがあるはずだから。

 数奇な縁を感じるヨルムンガンドとリジアの二人は、展望台から色付く尾根を眺めていた。
 ここに来るまで随分と遠くから登ってきた。本当に、長い間歩いていたような気さえする。
「不思議で、謎だ。ヨルムンガンド……お前は、どう思う」
 美しい景色を見る為だけに苦労を重ねて訪れた。
 こうした行いの価値を見出せないとリジアは言う。それは無知から起こるものだろう。
「私もこの世界に来るまでは、空ばかり眺めて景色なんて気にも留めた事なかったんだけどな……」
 それでも、ヨルムンガンドは言葉を重ねる。
 誰かに繋がる思い出を呼び起こすとき、その誰かの姿と共に浮かぶ風景がより綺麗なものであったなら。
 無機質な世界なんかよりも、鮮やかな色彩に染まった美しい世界だったなら。
 それはきっと、より素晴らしい思い出になる。
「それに……この綺麗な景色もこの日限りで、同じものはない景色なんだ……!」
 そして、そんな景色をリジアと見られて嬉しいのだとヨルムンガンドが言葉にすると、リジアはふむと考え込む。
「……思い出で、嬉しいか」
 いつか、リジアも今日この日を思い出す時が来るだろうか。
 それはまだ分からぬ先の事ではあるが、――これが綺麗なのだという感情だけは心に留めておくことにしよう。

 かさりと落ち葉を踏締め最後の階段を登れば、開けた展望台へと招待される。
 黄昏時の空はまるで紅葉の赤が空に溶けだしたかのように紅に染まり、秋を世界に落としていた。
 傾く太陽を目で追いながら、ワルドは褪せてもなお美しいグラデーションに心弾ませる。
 山稜の奥では海から藍色が染みだして、夜の気配を広げていた。刻一刻と移り変わっていく色彩は一言で表せない感慨深さを覚える。
 夜になれば、また違った顔を見せるのだろう。
 ワルドは空いているベンチに腰掛け、輝き始めた星の瞬きを探す。
 この時期に見える星座は果たしてなんだったろうか。
 空の向こうに思い馳せながら、暮れていく日を見送った。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

プレイングお疲れさまでした。ありがとうございます!
秋の一時をお楽しみいただけましたら幸いです。
かくいう祈雨の地域ではそろそろ雪が降りそうな気配がしております……。
一瞬で過ぎ去ってしまう所でも、まだしばらく紅葉が続く所でも、
この時期だけの美しい色付きは中々見ものですね。
ご参加ありがとうございました!

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