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シナリオ詳細

再現性沖縄20XX:夏こそ揚げ物というのなら

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性沖縄とは
 そこはまるで……《沖縄》であった。
 練達の一区画に存在する再現性沖縄。さらにその一区画には翔波と呼ばれる地域が存在する。
 それは異世界『地球』よりこの世界に召喚された人々の言う《沖縄》を何か凄い勘違いして、「大体こんな感じだろう」というイメージで出来上がった魔境である。
 沖縄にはあらゆる夢がある。沖縄は食べ物が美味しい。
 そんなイメージを植え付けられた料理人たちは「沖縄こそは料理人に約束されし聖地である」と思い込み、事実翔波ではあらゆる食材が手に入る。
 そして全ての物事は料理でのみ解決され、あらゆる暴力は此処では排除される。
 料理こそ全て。料理が世界を救う。
 火と油、水と調味料に囲まれた世界こそ我が人生……それに気付かないなど料理人として愚かだし何なら皿洗いからやり直せばいい出直してこいやド素人が……その境地に至らなければ料理人としては未熟に過ぎ、究極の一皿になど永遠に届きはしない。だからこそ、街は今日も料理バトルの音が鳴り響いているのであった。

●揚げ物フェス
「揚げ物フェスみたいなのがしたいなあ」
 再現性沖縄のカフェ・ローレットで『星月を掬うひと』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)はそう呟いた。
 夏の肉フェス。そう呼ばれるイベントが再現性沖縄で行われたのは、ほんの少し前のことだ。
 肉の香り漂う沖縄での肉々しい肉バトル。とってもジューシィなイベントであった。
 フラーゴラとしても、あのバトルは中々忘れられるものではない。
 しかし、しかしだ。
 肉フェスがあるならば揚げ物フェスをやりたいと思うのもまた肉屋のサガ。
 しかしフェスというものは1人では出来ない。
 いや、勿論言い張ることもできるがどうせなら皆でやりたい。ならばどうすればいいのか?
「話は聞かせてもらった!」
 と、カフェローレットの扉が開き入ってきたのは8人のゴブリンたち。
 何やらエプロンをつけて頭に布巾をしっかりとまいたその姿は。
「クッキングモンスター……?」
「如何にも! 俺はリーダーの揚げレッド!」
「味付けブルー!」
「衣つけイエロー!」
「包丁グリーン!」
「目利きブラック!」
「下処理シルバー!」
「雑用ゴールド!」
「盛り付けホワイト!」
「8人合わせて、揚げ物系クッキングゴブリン8人衆! 丁度我等も派手な舞台でバトルをしたいと思っていたところ……そこに揚げ物やりたい奴がいたとは丁度いい! さあ、今からその辺の料理人どもを『揚げ物フェスやらないとパイナップルの唐揚げをあっちこっちに押し売るぞ』と脅してくるから待っているがいい! 具体的には一週間くらい!」
「え、ちょ……」
 高笑いをあげながら町中に散っていくクッキングモンスターたちだが、まあどうせフラーゴラがいなくても同じ結果になっていたと思うので別にフラーゴラは悪くない。あえて言うなら沖縄の日差しの眩しさが悪い。
 それに考えようによっては、フラーゴラがターゲットにされたのは実に丁度いい。
 やがて始まる揚げ物フェス。そこであのゴブリンたちを揚げ物で迎え撃つのだ……!

GMコメント

料理人の皆様、再現性沖縄<アデプト・オキナワ>へようこそ。
え? イレギュラーズ? そんな肩書此処じゃ牛脂1つ分の価値もありゃしないぜ!
そんな感じです。
はい、というわけで揚げ物フェスです。
沖縄で始まる揚げ物フェスで、揚げ物系クッキングゴブリン8人衆を迎え撃ちましょう。
ゴブリンたちはどうやら鶏もも肉の唐揚げ棒を作るようです。
皆さんも素敵な揚げ物を作ってクッキングモンスターを天高く吹っ飛ばしましょう。

●翔波
 再現性沖縄20XXに存在する料理バトルの街。
 何かあれば料理で解決する料理馬鹿の聖域。
 ローレットのイレギュラーズの皆さんは料理人として参入することができます。
 此処では全てのステータスは無意味です。武器は振ってもハリセン程にも通じず、ギフトもスキルも無効化されてしまいます。
 ただし、相手より美味い料理を作れば大ダメージを与えて海老ぞりで大空に吹っ飛ばすことができます。
 相手の料理の方が美味ければ自分がそうなるってことですよ。
 なお、必要な食材や調味料は「基本的」にはその辺に生えています。
 豚肉の木とか砂糖の実とかあります。超怖ぇ。
 幻の食材と言われる類のものは特殊な場所、あるいは状況でしか存在しなかったりします。
(逆転が必要なシーンで偶然見つかったりするかもしれません)

●情報精度
 このシナリオの情報精度はRです。
 料理には常に想定外が付きまといます。
 プライドなんてミキサーにかけて飲んでしまいましょう。
 ハヴァナイスデイ。

  • 再現性沖縄20XX:夏こそ揚げ物というのなら完了
  • 今度は揚げ物だ!
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年08月17日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ツリー・ロド(p3p000319)
ロストプライド
アルム・カンフローレル(p3p007874)
昴星
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
星月を掬うひと
もこねこ みーお(p3p009481)
ひだまり猫
フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)
挫けぬ笑顔
クアトロ・フォルマッジ(p3p009684)
葡萄の沼の探求者
メリーノ・アリテンシア(p3p010217)
狙われた想い
若宮 芽衣子(p3p010879)
定めし運命の守り手

リプレイ

●料理勝負だ!(前編)
 揚げ物フェス。それに相応しい良い油の香りが漂っている。
 再現性沖縄では今日もクッキング場突が行われており、『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)たちはその真っ最中であった。
「さて、ゴブリンは……まあ、八人で細かく分担してるし見た感じ雑魚だな……なら本当の敵は己自身か……料理レベルが高まるとこうなりがちになるかもな? 唐揚げは普段作らないからな……単純だけど奥深いからしっかり作らないとな」
 そう、沖縄では……というよりも料理において最後に戦うべきは自分自身である。それをサイズは分かっているということだ。
 だからこそサイズは何時もの沖縄の調理道具を取り出していく。
「いくよ、この領域の俺の武器よ!」
 サイズが作るのは、先程サイズ自身が言ったように唐揚げだ。
「唐揚げは下準備と揚げる過程で全て決まると言って良いかもしれない、どう衣をつけるか、しっかりと揚げるかさっくりと揚げるかでかなり変わってくる……作る唐揚げは塩と醤油……後タルタルソースの三種類だな」
 どれも好まれる味付けだ。そもそも唐揚げとはかなり自由であり、たとえば明太子マヨのような味付けも練達では好まれている。文字通り、発想の勝負なのだ。調味料はしっかり厳選しないとな、とサイズが言っているのもその辺りに起因するのかもしれない。
「塩の唐揚げは衣を少しつけるくらいにして、しっかりと揚げて、その上に厳選した塩をかけるという料理をする、醤油はしっかりと衣をつけてさっくりと短い時間で揚げる感じだな、タルタルは衣も揚げ物程々にといった感じだな。塩唐揚げは塩とジューシーさがうまくて、醤油はしっかりと揚げたことで濃厚に、タルタルはシンプルに味勝負だな……」
 手際よく進めていく調理は、まさにサイズの料理レベルの高さだろう。
「唐揚げである以上、結構大味になりそうだが、そこは調味料でカバーだな。おら、喰らえゴブリン! カロリーと健康を度外視した旨味の一撃をな!」
(妖精の為に作るならカロリーとか健康とか考える必要があるからあんまり作らないんだよな……まあ、お酒に合うから酒飲む場面とかで作る時があったりするけど、その際はサラダ多めに作るとか色々と工夫する必要があるんだよな……)
 そんな感じのサイズとは真逆に、『漂流者』アルム・カンフローレル(p3p007874)は愕然としていた。
「なっ……ご飯が食べられる依頼だと思ったのに、作る依頼だったなんて……俺、そんなに器用じゃないんだけど、大丈夫かなぁ……」
 大丈夫かどうかはやってみなければ分からない。しかし料理は情熱である。必ずしも技術だけでは決まらないのだ。
「と、とりあえず! なんか作ろう! お肉やお魚を捌いたり、衣付けたり、下味つけたりするのは失敗しそうだけど……油を温めて、食材入れれば揚げ物になるでしょ、多分……ってわけで、野菜や山菜の素揚げを作るぞ!」
 なるほど、中々良い視点だろう。新鮮な野菜の素揚げは美味しいものだ。
「食材はその辺に生えてるらしいんだけど、あちこち旅してた身だし、食材の見分けはつくはず! にんじん、ナス、れんこんとか……タラの芽、こごみ、ゼンマイ……あたりがあればいいかなあ……切ってあるならありがたいんだけどな! 包丁使うハメになったら怪我しないように慎重に切ろう」
 たぶん何らかの特殊な処理や時間のかかる処理をしたものなら見つかる気もするが、さておいて。
「揚げる時も、生焼けと焦げすぎには気をつけながらお料理しようね。素揚げが上手く出来たら、天ぷらにも挑戦してみようかなぁ。衣つけたら焦がしそうだけど、きつね色を心がけてしっかり見てれば大丈夫……だといいなぁ。何か困ったら皆に助けを求めよう……」
 そんなことを言っていたアルムだが、早速困ったようでサイズや『神をも殺す』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)に助けを求めていた。
「助けてぇ……! 天つゆってどうやって作ったら良い〜!? お塩でもいいかなあ?」
「いいと思うが……そうだな……ん、その足元の花の実とか怪しくないか?」
「天つゆ?! 天つゆはだし汁とお醤油とみりんだよ……! わぁ……だし汁も湧き出て来るんだねえ……みりんのアルコールを飛ばすようにちょっと沸騰させるよ!」
「え? うわ、天つゆ入ってる……で、これがだし汁……?」
 そう、それが沖縄だ。
「……皆の料理が無事完成したら、俺たちも味見出来る……んだよね? あっちこっちから美味しそうな香りが漂ってくる……お腹すいたぁ……」
 アルムがそう呟く程度には、良い料理を作る者たちが今日この場に集まっている。フラーゴラもそうだ。
「あっつーい時こそジャンクなものを食べて元気いっぱいになろう! ワタシはハムカツとフライドポテトを作りまーす。料理の準備はバッチリ! うん? あれ? えっとメリーノさんこっちがお砂糖で……こっちがお塩だよ。うん、そうそう! 間違えないよーに」
「あっゴラちゃん、お塩ね、ありがとう! たすかったわぁ!」
 フラーゴラはそうやって『狙われた想い』メリーノ・アリテンシア(p3p010217)のサポートもしていく。この辺りは料理に慣れているものらしい余裕のある対応だ。さて、肝心のフラーゴラの料理だが……こちらも危なげのない、しっかりした調理だ。
「ハムカツは贅沢にハムを分厚く切りまあす……」
 分厚いハムカツは浪漫がある。薄いほうが良いという者もいるので好みではあるのだが。
「小麦粉、卵、パン粉と衣を付けて。ハムってそのままでも食べられるから衣が揚がればオーケー! 千切りキャベツをつけて……じゃん! 定食屋さんみたいなハムカツ! そのまま食べてもいいし、ソースをかけてもいいし」
 そう、フラーゴラが言ったようにそのままでも食べられるのでソースをかけずにザクッと食べても美味しいのだ。
「フライドポテトはちょっと手間をかけまあす。まずお芋選びから。料理した時に粘質なやつよりも粉質でホクホクなやつを選ぶよ。えっと名前はバロン芋だっけ……?(※男爵芋)」
 ちなみにバロン芋はバロン芋でどっかにありそうだがさておいて。
「均一に切ったお芋を水で洗うよ。水が透明になるまで洗うの。そしてちょっとだけぶすぶすっと針で穴をあけます……お芋を乾燥させまーす。そのまま乾燥させて、さらにそのあと何と冷凍庫で乾燥させるよ。湿度が一番低い場所なんだあ。そしたら低温の油で2度揚げするよ! そうするとカリッとホクっとするフライドポテトのかんせーい! 形も崩れてないしきつね色! そのままでもお塩でもケチャップでもお好きなので食べてね」
 フライドポテトは作り方によって様々だが、フラーゴラのは実に美味しそうだ。さて、メリーノのほうはどうだろうか?
「食材がなる木、ね、おもしろーい! 持って帰ってもいいかしら? 欲しいわぁ!」
 そんなことを言っているが、まあ苗木とかであれば何処かに売っていそうな気もする。
「わたし、こんなに暑い日の揚げ物は、絶対片手にビールを持ってるべきだと思ってるの」
 真顔で言うメリーノだが、あながち間違っているとも言えない。夏の揚げ物にはビールは確かに合うだろうから。
 だからメリーノは空のジョッキ片手に食材の木よりまず飲み物が出てくる木を探していた。
「この木、やっぱり傷つけたらそれっぽいのがでてくるわぁ!」
 そうしてジョッキに注いでから探すのは豚肉の木だ。迷いなくそういうのを探せる辺り、メリーノには沖縄適正がある。
「わたしはね、串カツよ。いっぱい食べなきゃ!」
 そんなわけで早速豚バラ肉を見つけてきている。
「串カツにするならまずバラよね。玉ねぎはその辺から引っこ抜いたら玉ねぎでしょ? 豚バラと玉ねぎは一緒に刺して。あとは紅ショウガを揚げないといけないって再現性大阪のオバチャンが熱弁してたから紅ショウガの木をさがしてそれも収穫。串に適当に刺して。あとは何かしらねぇ……あっクアトロちゃんのとこからちょっとだけモツァレラチーズを拝借して、ベーコンで巻きましょう。ほかはアスパラベーコンとぉ、なすとぉ、ウズラの卵も。食材はゴラちゃんに教えてもらったお塩と胡椒で下味をつけておけばいいわねぇ」
 そうすれば、いよいよ揚げの工程だ。
「バッター液っていうのを準備するみたい。卵と小麦粉とお水をいい感じで混ぜて具材たちをこれにくぐらせてからパン粉つけて揚げる!」
 このバッター液を作ると工程を多少ではあるが省いて尚且つ衣も良い感じになるので揚げ物のときにはぜひ使いたいアイテムだ。
「ところで「トキシラズ」っていう鮭、あれが食べたいの。鮭の木に低確率で成るらしいんだけどね」
 腕力が此処で通じればゴブリンを投げて取ってきてもらったのだが……此処では料理しか通用しないのは辛いところだ。
 そんなわけで、調理は進んでいく……!

●料理勝負だ!(後編)
「ふっふっふ……みーおは今回は自信ありなのですにゃ。揚げ物、そしてパン……ならばみーおは!カレーパンで挑むのですにゃー!」
 『ひだまり猫』もこねこ みーお(p3p009481)が作るのは、みんな大好きカレーパンだ。
(それにしても…揚げ物系クッキングゴブリン8人衆さん達、何気に雑用ゴールドさんが一番仕事量多い気もするような……にゃー)
 確かに追加ゴブリンが欲しいところであるが、それはさておいて。
「再現性沖縄といえば材料採取ですにゃ……といってもみーおは再現性沖縄に来るのは2回目。今回も頑張ってカレーパンの材料を集めますにゃ。レア食材もあったら使ってみたいですにゃ!」
 そんなわけで集めてきた素材の数々。どれも不足のない極上のものばかりだ。
「まずは中に入れるカレーを作りますにゃ。野菜を切って、お肉を切って」
 ここで包丁とまな板は洗う。衛生は重要だ。
「カレーをぐつぐつして作ったら、カレーに蒸してから粗く潰したじゃがいも等を混ぜカレーパンの中に入れる為のカレーに仕上げますにゃ。揚げる為には中身も重要なのですにゃ!」
 そして、みーおは勿論パンもおろそかにはしない。
「カレーパンといえばパンの部分も重要ですにゃ。強力粉等を混ぜ合わせて生地を作り、こねこね……こねこね……その後発酵させますにゃ。パン生地を切り分けて薄く延ばしカレーパン用のカレーを入れて、半分に折り畳み、しっかり端っこを閉じますにゃ……閉じ忘れると悲惨になる気がしますにゃ……溶いた卵にパンをくぐらせて衣をつけて熱しておいた油で揚げますにゃ! きつね色になるまでこんがり揚げてできあがりーですにゃ!」
 そうすれば、みーおの美味しそうなカレーパンも完成だ。
「皆の作る揚げ物も気になりますにゃ。美味しい揚げ物が沢山ですにゃー! ピザを包んで揚げてるのすごいのですにゃ。素揚げに天ぷら……とってもおいしそうなのですにゃ! 串カツも沢山食べれて良いのですにゃ。ハムカツもフライドポテトも……にゃあああ食べたい物が沢山ですにゃー!」
 みーおの言う通り、美味しそうなものが次々と出来上がっていく。『挫けぬ笑顔』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)などは、ちょっと毛色の違うものを作っている。
「揚げ物フェス。楽しそうな催しだね。お祭りは好きだよ!  私は海鮮系で攻めるよ!」
 そう、フォルトゥナリアが作るのは海鮮系の揚げ物だ。そう聞くとちょっと珍しく思えるかもしれないが、実は結構身近な料理でも存在する。
「まずはアジを3枚におろし、身をフライに、中骨を骨せんべいにするよ! ふっくらジューシーなフライと、カリカリサクサクで、それでいて舌に魚の濃厚な旨味をくれる骨せんべいのダブルで攻めていく形だね!  ご飯もお酒もとても合うのでご賞味あれ! 骨せんべいは下拵えで塩を振って2〜3時間干す必要があるけど、なんかこの不思議な調理器で『干したのがこちらです』が出来るよ!」
 例によって練達の謎技術である。さておいて。
「次は甘エビの唐揚げ。片栗粉もしくは小麦粉をまぶして油で上げるだけというシンプルな料理ではあるけど。エビの甘みと殻のパリパリの食感が楽しい、こういう祭りにピッタリな食べ物。シンプルだけど一口大という手頃な大きさなので美味しい美味しいと一口ずつ食べてると結構あったのにいつの間にかなくなってたりするくらいには美味しいよ」
 実は海鮮系の唐揚げは、これが中々に美味しい。だからこそフォルトゥナリアはもう一品追加していく。
「更に、イカの唐揚げも作るよ。胴体を輪っか状に切り、軟骨も使うし、ゲソももちろん揚げる。食べやすい大きさにしてね。イカのコリコリとした食感はアジやエビと違ってまた良いものだよ……というわけで今回は海鮮系で、できるだけ食材を無駄なく使いつつ、それぞれの食感を楽しんでいただくというテーマにしてるよ。目で見て楽しみ、口の中で踊る海鮮揚げ物の世界を楽しんでいただければ幸いです。いや~フェスで料理するの楽しいね!」
 さて、先程みーおがピザと言っていたが。それを作っているのは『葡萄の沼の探求者』クアトロ・フォルマッジ(p3p009684)であった。
「なんてこと…ギフトが使えない……!? ……なんちゃって。ピザ屋が自分の手でピザを料理して作ることができないなんてお話にならないもの。作るわよ…! 揚げピザ……!」
 そう、沖縄ではクアトロのギフト「無限のピザ窯」は意味がない。
 しかし、だからといってピザが作れないわけではないのだ。
「ピザを揚げるという行為、冒涜的に見えまして? 練達でよく話題になる『地球』の話ではあるけれど、実は意外に歴史の古い食べ物だそうよ? ドライイーストの花とかオリーブオイルの泉とかあるのかしらこの街。生態系がこの街だけぶっ飛んでいらっしゃらない?」
 ちなみに存在している。沖縄は食方向でぶっ飛んでいるが、まあ今更である。
「ピザの生地って意外と早く発酵が済むのよね。だからある程度の数を最初に作れば他の作業を並行して行なっている間にちょうどいい具合の生地になるわ。ピザ生地を小さな円形に広げたら、片側に具を乗せるわ。そうね、定番のマルゲリータと……季節だし揚げ茄子のボロネーゼにしましょう。マルゲリータはほんのりガーリックを効かせたトマトソースに香りのいい生バジル、それからぎゅっと旨味の詰まったミディトマトとたっぷりのモッツァレラチーズ……ボロネーゼは中濃ソースと赤ワインでしっかり煮込んで濃厚な味わいにして、素揚げした茄子とマッシュルーム……チーズはクリームチーズとペコリーノ・ロマーノで……」
 テキパキと進めていくことで出来上がるピザはこの時点で美味しそうだが、揚げ物フェスということでクアトロの調理は此処からがキモだ。
「材料を乗せたら餃子みたいに畳んで、油で揚げれば完成! 高温の油で揚げるのが外はカリッと、中はもちもち、チーズはとろーりの秘密よ。片手で食べられるサイズで、フェスにもふさわしい品物じゃなくて? コーラも一緒にいかが?」
 そしてトドメの料理を作るのは『定めし運命の守り手』若宮 芽衣子(p3p010879)としろみそだ。
「はい。今日のクッキングやってくよ。料理長は私。そしてこれは助手のしろみそ」
「……こほん、やってきましょーっ♪」
 なんとなくトンチキな香りをしろみそは察していたが、さておいた。
「今めんどくさいって思った?」
「そ、そんなことないですよ〜っ♪」
「まいいや。時間も押してるし、やってこ」
 というわけで、芽衣子は何を作るのか?
「それで芽衣子さんは何を作るんです?」
「ドのつく大定番。鳥の唐揚げ。シンプルな方がやりやすいから」
「へ〜っ、美味しそうですね〜っ……?」
「うん。だからまずは……」
 言いながら芽衣子が取り出すのは先程集めてきた鶏肉に醤油・酒等の調味料とポリ袋だ。
「下味からね」
「えっ」
「えっ、やり方わかるでしょ。鶏肉と一緒に入れて揉んでね」
 そんな感じにしろみそにやらせている芽衣子だが、軽くもんで冷蔵庫に入れておく感じでもOKである。
「じゃ、私はその裏で油と衣の準備をしよっか。油は温度の違う二口を準備。二度揚げってやつ。先に低いので揚げてから高いので二回目ね。衣は小麦粉ベースにパン粉を少しブレンド。これでサクッと食感が生まれる」
「は、ぁ……はぁ……で、できました……よ……」
「ん、ありがと。じゃあ次のセットお願いね。この肉を3分くらい寝かせて油にポーン。色が変わったら一度上げて油を落として、次もポーン。それじゃ、出来たらちゃーんと油を落とすよ。お皿に乗ったシャキシャキレタスと千切り大根の山の上に並べて…完成。
唐揚げマウンテン。白米と一緒に、召し上がれ」
 そうして出来た料理の数々は、見事にゴブリンたちを吹っ飛ばす。その美味しさがどうであったかは……。
「ビールどこぉ?」
 そんなアルムの声に集約されていただろうことは、間違いなかった。

成否

成功

MVP

フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
星月を掬うひと

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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