PandoraPartyProject

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姉ヶ崎-CCC

 舞台は練達、ROO内仮想世界ネクスト。
 翡翠国が『大樹の嘆き』とパラディーゾによって混乱し、正義国がワールドイーターによって未来を喰われ、ヒイズルが神の侵食をうけ、鋼鉄国が闇に落ちたザーバとパラディーゾによる魔の軍勢に進撃されているいまこのとき。
 世界各地でひっそりと、しかしあまりにも決定的な事件が起きていた。
 これは世界の裏側――『アストラルレイヤー』を巡る戦いの物語。
 想いと、願いと、約束の物語。

 そこはアストラルレイヤー。情報の海だった。
 折れた東京タワーや、空を飛ぶ戦艦や、水たまりだらけの野原や、学校や、形容不明なあれこれが沢山入り交じって、そして全てが意味をなさない空間だった。
 広くも狭くもなくて、時間はあってないようなもので、そんな場所に、『彼女』はいた。
 流れてくる情報のドーナツを手に取るも、それがすり抜けていく。
 映像のうつるパネルが流れてきて、またそれもすり抜けた。
 自分と一緒にすごす大好きなお兄ちゃんの映像。平和に過ぎる日々の映像。その全てがすり抜けては消えていく。
「単純な願い事、なんだけどな」
 ピクセルモザイクで隠れきった顔で呟く。それだけで、周囲はバリバリと音を立ててピクセルモザイクに侵食された。
「お兄ちゃんと平和に暮らしたい。それだけなのに」
 手を振ると、それだけで周囲の風景がモザイクに侵食され破壊されていく。
 生きているだけで世界を壊す。
 それが、姉ヶ崎-CCCがこの世界に顕現した時から得た特性だった。
 それゆえアストラルレイヤーを見つけ、入り込むことができた。『お友達』から貰った兵隊は良く働いてくれた。
 アストラルレイヤーの管理権限を奪い取ったり、世界中にその力を求めて狂う集団を作ったりして、世界は順調に壊れていった……はずだった。
「あの子たちさえ、いなかったらなあ……」
 世界の中に作り出した自分のコピーである『姉ヶ崎エイス』。彼女を助け出そうと動くイレギュラーズという存在。彼らさえいなければ、思い通りになったはずだ。
 世界に『絶え間なく壊れ続ける』自分の居場所を手に入れ、空っぽになるまで壊したエイスに自分が入り込み、大好きなお兄ちゃんのデータとずっと一緒にいられたはず。
「まだ邪魔、するんだ……」
 イレギュラーズによるアストラルレイヤーへの侵入が始まっていた。
 エイスは手をかざし、そしてパッと花が咲くように笑った。
 それだけで周囲の風景は滅茶苦茶に破壊された。
「みんな、壊れちゃえばいい!」

 ――特別クエスト<イデア崩壊>の最終段階が発動しました!

これまでの再現性東京 / R.O.O

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