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ベネディクト=レベンディス=マナガルムのたけのこたろーによる5人ピンナップクリスマス2020(横)

イラストSS


 部屋の中は暖かくいい香りに満ちていた。暖炉の火はあかあかと熱を放射し、正面には着飾ったクリスマスツリーが輝いている。
 外は雪だが、室内はセーターや軽い羽織りものだけでもじゅうぶん暖かい。ホストの気遣いが隅々までいき届いていた。
 リュティス・ベルンシュタインは最後に、ベネディクト=レベンディス=マナガルムが持つ細長いグラスに薄透明色のシャンパンを注いだ。
「それでは、聖夜に」
 改まった様子でベネディクト=レベンディス=マナガルムがグラスを掲げると、他の三人もグラスを掲げた。
 ちょっと遠いな、とマルク・シリングがソファから腰を浮かせる。新道 風牙もソファに浅く腰掛け直した。小柄なリンディス=クァドラータも身を乗り出す。
「「乾杯!」」
「「おめでとう」」
 シャイネンナハトを祝う言葉を交換しあい、かるくシャンパングラスを合わせた。カチンと澄んだ音色の四重奏が室内に響く。
 泡立つ液体を喉に流し込むと、幸福の味がした。
「たくさんお召し上がりください。いっぱい作りましたから」
 リュティスがこんがりと焼けた七面鳥にテキパキとナイフを入れて、肉を切り分けながらいう。
 ホストのベネディクトは、肉を取り分けた小皿を隣に手渡した。
「リンディス、すまないが回してくれないか」
「はい。ところで、この他にはどんな料理を用意しているのですか?」
 リンディスは手渡された小皿をそのまま隣へ流し、テーブルの上を見まわした。
 テーブルの上には七面鳥の丸焼きのほか、クリスマスケーキが乗っている。これだけでも結構な量だ。
「ほうれん草のニョッキ、プチトマト添え。それと、プラムプディングもご用意いたしました。あ、ピザもございます」
 そんなに作ったの、と風牙から小皿を受け取ったマルクが笑う。
 リュティスが作ったシャイネンナハトのごちそうは、数週間かかっても食べきれないほどだ。
「まあ、無理に食べる必要もないか。残した分は持って帰るよ」
「食べ残る? まさか!」
 風牙は早くも空にした小皿を差し出して、おかわりを頼んだ。
「五人もいれば朝までになくなってるよ。なんならオレひとりで全部食べてやるぜ」
「おいおい、朝まで起きているつもりか」
「ベネディクトさん、そこより『ひとりで全部食べちゃうぞ』宣言を突っ込まないと……いくら育ち盛りの食いしん坊さんでも、お腹壊しちゃいます」
 冗談だよ、とおかわりを受け取りながら風牙。ホークで肉を刺し、口に運ぶ。
「うーん、美味しい」
「……いや、冗談とは思えないな、その食べっぷりを見ていると」
 太るぞ、とぽそりと零したマルクの二の腕に、斜め前から拳骨が見舞われた。痛い、と大げさに腕をさする姿に、明るい笑い声が弾けた。


 *SS担当者:そうすけGM

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