PandoraPartyProject

ギルドスレッド

Aguila

船上のお茶会

 幻想のとある港町。
 桟橋に停泊するコンコルディア号の甲板では、客人を迎える準備が整っていた。
 木箱を積み上げ作った机に帆布のクロスが敷かれ、そこには様々な菓子が皿に盛られている。カップには、暖かいココアが湯気をあげていた。
 潮騒の音とともに、楽しい一時を過ごそう。

〈書込制限〉
オデット・ソレーユ・クリスタリア
ルチア・アフラニア

以上二名。

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そう言われても、困るわ……。(心底困ったような顔を見せて)まあ、ほら。恋に落ちるような事があれば、その時はね。(この話は終わりとばかりにカップを手に取った)(それから注がれた液体を飲み干そうとしたとき、続く言葉にその手が止まって)
そりゃ、人それぞれだと思うわ。
でも、受けたことへの理不尽さに言いたくないというわけでもなくて、良かったと懐かしむ割に、まるで他人事みたい……(言ってから慌てたように口を噤んで)
あのね、オデット。好奇心は猫を殺す、って言葉を知っているかしら?(カップに口を付けて、少し温くなったココアを一口含んだ)ま、いいわ。
別に、哀しみも恨みもないわけじゃないのよ。でも、それを言ったってどうしようもないじゃない? そりゃ、言いたいことは幾らでもあるわよ。でも、この程度の不幸、今の帝国じゃありきたりすぎて、同情の一つも買えやしない。それに、過去に囚われるより、未来を見据えた方が、ずっと健康的じゃない?(さらっとした言い方は、自分に言い聞かせるようでもあった)
知ってるわよ。さすがに失言が過ぎたと思うし……(言いかけた謝罪の言葉は続くように紡がれた相手の声に飲み込まれて消えた)
……どうしようもないって、あきらめるの?感情を押し殺すの?未来を見据えるのは大切かもしれないけど、過去を背負って生きるのもずっと続いて来た人間の特権じゃないかしら。
それと、ここはその帝国ってものじゃなくて混沌世界だもの。ありきたりかどうかはまたわからないでしょ?
いいわよ。私は大して気にしてないもの。ただ、他の人には気を付けた方がいいわよ。(何でもない、と手を振って)
だって……こんな離れた所で、それを言ったところで。何になるというのよ。
はーい、了解よ。
(覚えておく、と頷き一つ)
バカねぇ……何かになるかもしれないし、何にもならないかもしれないでしょ?
ただ間違いなく言えるのは、ずっと心に抱えておくより楽になると思うわ。
そうは言ってもねえ。こういう事を、どういう風に言ったものかわからないものだし。
もぅ、どうしてそんなに深く考えるのかしら?
(ずいっと顔を相手に寄せながら)
心の中にあるものをそのまま言葉にすればいいじゃない。支離滅裂でも、ちゃんとした言葉にならなくても、声に出してみればいいのよ。
な、なによ……。(間近に寄った顔に身体をのけ反らせて)
心の中にあるもの、ね。そんなもの、どう表現したらいいかなんて分からなくなってしまったわ、なんて言っても、あなたは引いてはくれないのでしょうね。
引くつもりだったらこんなこと言ってないわよ。私に心を読む力があったら無理やりにでも読み取りたいぐらい、気になってるの。
(離れた分の距離を詰めるようにさらに身を乗り出した)
心の中に秘めて諦めようとするものはね、いつか絶対後悔するわ。
そうでなくてもいつか必ず吹き出すか、傷のようになるの。だったらそうなる前に吐き出した方がいいわ。
それは私が……いいえ、なんでもない。でも、保証する。
本当に、あなたという人は……。(ほろ苦い笑みを零した)
 本当に、難しいことを気軽に求めてくるんだから。(溜息をひとつ)
 そりゃあ、私だって憎いわよ。当然に、いつかは帰ると思っていた所を根こそぎ奪われたのだから、憎くないわけないじゃない。私たちローマの人間は文化に耽溺して弱く、彼らフランク人は文明を知らないが故に強かったのでしょうね。でも、それが何だっていうのよ。
 弱さが罪で、強さが正義だというのなら、この世界で手に入れた力で彼らをことごとく打ち倒したいわ。そんなことをしても、誰も還ってはこないし、誰も喜びはしないと分かっていたとしてもね。
……うん、そうよね。憎くないわけがないわよね。安心したわ、やっぱりルチアは人間だもの。私の知る人間そのもの。
憎んだっていいじゃない、私はそれを肯定するわ。私もちょっと悔しいぐらい。それぐらいルチアに言わせる町を見てみたかったもの。
(満足したようにすいっと体勢を戻して)
──でも、そうね、難しいことを求めすぎたかもね。自分でできないくせに……──
(体勢を戻す最中に紡がれた独り言は果たして届いたのか届かなかったのか)
あんまり憎みたくはないから、考えないようにもしてるのだけどね。『汝、隣人を愛せ』って教わってきたし。それに、もう終わったことだから、って思ってるのも本当なのよ。そりゃあ、私にすべてを滅ぼす力があるなら話は別だけど、そうじゃあないもの。
それで? 自分でできない、ってどういうことかしら? 私に話させたんだから、あなたも話しなさいよ。(独り言を耳ざとく聞きつけて、今度はこちらから乗り出すように)
人間の語る愛なんてろくなもんじゃないわよ。好むものを容易に壊すし、永遠に続くものなんて見たことないわ。
だから自分に素直であればそれでいいのよ。一番人間らしいじゃない?
(しかしながら『終わったこと』だと思っているのもどうやら本当のようなのでここいらでやめておこうかな、と思った。思ったのにだ)
え?あ、えーっと……は、話すことなんかないわよ?
(聞かれたのに焦ったのか、しどろもどろに視線はうろうろ)
主のまします天上にしか永遠なんてものはないのよね。わかるわ。(微妙にずれた解釈をしつつ)
あら、私にだけ話させておいて、自分だけ逃げきろうなんて、いい度胸じゃない。(顔を付けんばかりに近づけて、にこやかな笑顔を浮かべた)
る、ルチア?お、怒って……る???
(近づく顔に引きつつ、笑顔を見ては諦めたようなため息ひとつ)
……元の世界に思い残しがあるのよ。ちょっとだけ。
妖精の一生じゃ一瞬のような時しか続かないってわかってるレベルのね。
でも、そんなのウジウジしたってしょうがないじゃない?
帰ったらあるかどうかもわからないものなんだもの。
(それは自分に言い聞かせるようで、へらっと浮かべた笑顔はどこか泣き出しそうなものだった)
まさか、怒ってるわけないじゃない。ね?
ふうん……確かにしょうがないわね。うんうん、しょうがない。わかるわよ。
でもねえ。『心の中に秘めて諦めようとするものはね、いつか絶対後悔するわ』なんて私に言ったその口で、何を躊躇っているのかしら。ほら、吐きなさいったら。
う、うぅ……ルチアのばかぁ……
(観念した様子で両手をあげると、いくらか口籠ってから続ける)
元の世界に好きな人がいるのよ。
……もしかしたら「いた」かもしれないけど。
そんなに命、長くないの。人間じゃないから。
やっと素直になったわね。よろしい。
ふうん、好きな人ね。意外にやるじゃない。
それで、貴女は諦めるの? 終わってしまった私の話とは違って、また終わったかどうかもわからない話で。可能性が僅かでもあるなら、頑張ってみなさいよ。
……頑張ろうとはしたわよ。実行する前にここに来ちゃったけど。
今となってはそれが正しいかすらわからないわ。

…………ねぇ、ルチア?可能性があるなら頑張るべきだと思う?
例え、それがどんなことだとしても。
なるほど……。
正しいかどうかより、そうしたいかどうか、のほうが大事なんじゃない?
たとえどんなことだったとしても、オデットがそれを善しとして行うなら、私は応援するわよ。
それ、「隣人を愛せ」って習った人の言うこと?
私がしようとしてたことも知らないのに。
そりゃ、まぁ、ね?
軽蔑されたって仕方ないと思ってるし……って、うだうだ言ってもダメ、よね。
(これは勝てる気がしない)
人をね、殺そうとしたの。
正確に言えば私がよく立ち寄ってた村の人間、ほぼ全員かな。
その命を彼に渡しちゃおうかなって、さ。
(俯く。相手の顔が、見れない)
ふーん。それ、本当に彼の命伸びるの? 変な魔術師とかに騙されてない?
まあいいわ、問題はそこじゃないもの。
別にいいんじゃないの。貴女が、その結果としてついてくる事象を受け入れることができるなら。オデットが私と同じ神を信じているっていうなら力づくでも止めるけれど、そうじゃないしね。我が隣人を愛すのは私の価値観であって、貴女のものじゃないわ。
誰が騙されるものですか。
これでも元の世界では神秘と魔法の一端、体現の形よ。
魔力……とか言ってもわかりにくいか、まぁ生贄みたいなもんよ。
そこが分からないのよね。
普通こんなこと聞いてそんな冷静に判じれるものなのかしら?
押し付けられないのはありがたいけど。
愛する隣人が殺されるかもしれないなら止めるんじゃない?
それとも知らない相手だからって無関係って?

……でも、結果としての事情を受け止められるかは、今となっては自信がないわね。
だって、バレたら彼に嫌われるの、間違いないもの。
神秘と魔法の一端とか言われても私わからないもの☆
コホン(咳払いをひとつ)
ともかく、あれよ。見ず知らずの他人の不幸と、知った人の幸福を天秤に掛けて、後者を選んでしまうくらいには、私も未熟者ってことよね。
いともたやすく思考放棄してくれるわね。
説明するのも面倒だから別にいいんだけど。
なるほどね。そう言われるとわかる気がするわ。
ともあれ、幻滅されなかったみたいでほっとしたわ。
まああれよ。そんな気にすることじゃないってことよ。
そうねぇ……と思ったけど、やーめた!
めんどくさいんだもの。

まー、人の命を犠牲にして大量の魔力を得る方法、って思ってくれたらいいかしら。
当たり前のように禁術よ。
気にされないなら何より、かしらね。

しっかし話してみればなんか馬鹿なことをしようとしてたみたいって客観的になっちゃうわ。
めんどくさいならしょうがないわね?(軽く息を吐いて)
命を犠牲に、ね。なるほど、オデットが言いよどんだ理由がわかったわ。
でも、本当に気にしないわよ。それに……実際にはやってないんでしょう?
まぁそりゃね。
実行する前に気づいたらここに召喚されてたわけだもの。
もしかしたらこれも神様の思し召しってやつかもだけど。
それでいいじゃないの。(この話は終わり、とばかりにお茶を飲んで)
あっさりしてるわね。
ま、ルチアのそういうところ私は好きよ。
(つられるようにカップに口を付けて)

(そうしてとりとめのない話はまだまだ続くのだろう)

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