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ギルドスレッド

Aguila

船上のお茶会

 幻想のとある港町。
 桟橋に停泊するコンコルディア号の甲板では、客人を迎える準備が整っていた。
 木箱を積み上げ作った机に帆布のクロスが敷かれ、そこには様々な菓子が皿に盛られている。カップには、暖かいココアが湯気をあげていた。
 潮騒の音とともに、楽しい一時を過ごそう。

〈書込制限〉
オデット・ソレーユ・クリスタリア
ルチア・アフラニア

以上二名。

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(木箱のひとつに腰かけて、空を見上げた)さて、こんなところまで本当に来てくれるものかしら。
(背中の翼を羽ばたかせて身軽に飛びながらその姿を探す。やがて、見慣れた赤の髪が見えて、すいっと彼女の待つ甲板へと舞い降りた)
はぁい、ルチア。来たわよ!
(人の気配に空を見上げた。よく知った光の羽根が目に入った)
いらっしゃい、オデット。よく来てくれたわね。
当然でしょ、せっかくのお呼ばれだもの。
(くるり、と甲板を見渡して)
それにしても大きな船ね。私船ってこうやって乗るの2回目なのよ。
飛べない分、こうやって移動するしかないのかもしれないけど、人間の知恵ってすごいのね。
嬉しい、歓迎するわ。(笑みを浮かべて)
まあ用事がなければ海なんて普段は行かないものね。これはこれで慣れれば便利なものなのよ。今日の所は出航するつもりはないのだけれどね。
まぁ私は森に住んでたし余計にね。海を見たのもこっちに来てからだもの。
(くるんと身体をもう一回転させてから空いてる木箱に座って)
ふふふ、今日は船旅じゃなくてお茶会だものね。
これみんなルチアが用意したの?
それもそうね。内陸だと見る機会もないわよねえ。私も生まれた所じゃ川しか見たことなかったもの。
(向かい側の木箱に腰をおろした)
用意した、といってもだいたい出来合いのものなのだけれどね。私は焼き菓子作ったくらいよ。(他の菓子よりも不揃いな、動物の形をしたクッキーを指差した)
あら?口ぶりから海には慣れたものな感じだと思ったけど、海が近いわけではなかったのね。
(ついっと視線は示されたクッキーへ。ためらいもなく1枚つまむと口へ放り込んだ)
うん、美味しい。クッキーが作れるなんて知らなかったわ、やるじゃない。私なんててんで無理なんだもの。
(首をすくめて困ったように)
ああ、そうねえ。海に慣れたのはここ何年かよね。その前は、もっと遠い所で暮らしていたから。(一瞬、懐かしむように虚空を見つめて言った)
花嫁修業、それなりにはさせられたもの。料理と菓子は簡単なものは作れるわよ。自慢じゃあないけれど。あら、やりたいなら教えてあげましょうか?
花嫁修業……かぁ……(思わずといった風に口から出たその声はため息とも羨望とも取れる音を含んでいた)
いいわよ、熱いのは苦手だしパーセルにちょっと習ったけど包丁だってなかなかうまく扱えないんだもの。
(言いながら若干膨れたように唇を尖らせるものの、すぐに表情が戻り)
それよりもルチアの世界の話が聞きたいかも。どんなところで暮らしてたのかしら?
家族は?友達は?彼氏とかいたの?(無駄に身を乗り出してがっつく姿勢)
あまり楽しいものでもないわよ? 自由もないし。(深いため息を吐いた)興味はあるけど、ってとこかしら。なら別にいいのだけれど。気が変わったらいつでも言って頂戴ね。
私の世界の話? 大したことはないわよ。結構色々な人が来てる世界だし。まあ、私の時代から来てる人は少ないのだけどね。
随分食い気味に来てるけれど……いったい何から聞きたいのよ。(ちょっとのけぞりつつ)
あら?どうして?花嫁修業って好きな相手と結婚するためにするんでしょ?
(あっているんだか間違っているんだかよくわからない認識の発言であった)
何から聞きたいって……全部?せっかくだから聞いてみたいし。
魔法があったのかとか精霊はいたのかとか何してたのかとか気になることたくさんあるもの。
とりあえず選べっていうならどんなところで暮らしてたの?だけども。
うーん。そういう所もあるのかも知れないけれど。私のは、いつか結婚「させられる」時のために、必要なものを身に付ける、みたいなものだったからね。好きな相手との結婚なんて、御伽噺みたいなものよ。(こっちはどうか知らないけれど、とお茶を飲みつつ)
まあいいわ、知りたいなら順番に話してあげる。私が生まれたのは、森に囲まれた川辺の田舎町。父が軍人してたのもあって、町の人は結構よくしてくれたわ。冬に川が凍るくらい寒くなるのは困りものだったけれどね。そういえば、妹は喜んで凍った川に滑りに行ってたっけ。……もう、ないのだけれど。(一瞬目が伏せされるも、首を振って)
色々あって、私は町がなくなる前に引っ越ししててね。召喚されるまで住んでいたのは、たぶん私の世界で一番大きな町よ。見上げるほど高い城壁に囲まれててね、それはもうすごかったわ。人も何十万って暮らしてたらしいし。港町だったのはこっちなのよ。ちょうど、居候してた叔父の家が海辺にあってね、よく家の窓から行きかう船を眺めたりしていたわ。
結婚"させられる"?
(繰り返した言葉にはありったけの疑問が乗った)(結婚というのは好きな相手と一緒になるためにするもののはずだ。少なくとも自身の知っている認識ではそうだったから)
人間が何十万もいる町かぁ……なんだか眩暈がしそうなところにいたのね。想像するだけで暮らしにくそう。
でも素敵な町に生まれたのね。森に囲まれてる町なんて私が元々暮らしてた場所を思い出すわ。(そっちは寒くはなかったけどね。とクッキーをまた一枚口へ運びながら)
それにしても……(「もうないとは?」口にしないまでも上げた視線がそう問うだろう)
そ。これでも、それなりに恵まれた生まれだったのよ。そのかわり、その辺の自由は一切ないといえばいいかしらね。(自由恋愛など考えもしなかったなあ、と思いつつ)
大丈夫よ、それなりには暮らしていけるわ。町も広かったから。
生まれた町は良かったわよ。今もあれば紹介したかったくらい。さっきも言った通り、もうないのだけれどね。私が留学に出てから暫くして、隣の国に滅ぼされたのよ。(さらりと)
ふぅん。お嬢様みたいな感じだったのかしら。だからといって自由に恋もできないなんてね。(損だわ、と首をすくめながら置かれていたカップに口をつける)
……って待って、滅ぼされた?隣の国ってことは魔物とかではなく人間に?
なんでそんなことを……(理解できないと首を振る)
お嬢様、か。確かにそう言ってもいい身分だったかも知れないわね。損といっても、恋なんて知らないし、分からないわ。アポッローの持つ黄金の矢に射抜かれでもしない限りね。(それでいいのよ、と言わんばかりの微笑を浮かべた)
そ、人間。まあ国というより山賊の群れみたいなものだから。彼らは貧しく力があって、私たちは豊かで弱かった。だから、ね?
いいわけないわよ。命短し、恋せよ乙女、よ?恋を知らないだけでその命の大半を損してるんだから。……といってもこれは友達の精霊の受け売りだけど。
(ダメダメと再び首を振って、手に持ったカップを置いて一息)
人間同士で争うなんて馬鹿みたいだわ。足りないものがあれば分け合えばいいのに。
それにしたって──
どうして?大事な町を失ったはずなのに、なんてことないなんて顔してるのよ。

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