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【新田ゼミ】私論:依頼の相談とプレイングの考え方

イベントシナリオ『再現性東京2010:夏休み・補習授業のお知らせ』の相談掲示板に書き込んだ内容をアーカイブする目的のスレッドです。
若干の加筆訂正を行っております。
色々抜け漏れもあるので、そのあたりを整えた上で、いずれは発表資料の形にしたいですね。

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今回は『相談とプレイングをどうすれば、依頼の成功に近づけるか』を論じていきたいと思います。

依頼での相談は義務ではありません。
しかし、依頼の参加者は相談する「権利」を持ちます。
依頼を成功に導くには、この権利を正しく行使して、皆で作戦を決めて、各自のプレイングに落とし込むことが必要です。

(おそらく多くの人が実行している事ですが、敢えて言語化すると)
依頼における『作戦』は、次のような流れで組み立てます。

①依頼目的の確認
 ↓
②達成方針(目的をどういう方向性で達成するか)
 ↓
③方針の具体化(方針を実現するのに必要な行動は何か)
 ↓
④役割分担(具体化した行動のうち、誰が何を受け持つのか)
 ↓
⑤各自の行動の具体化(=プレイング)

この矢印が繋がらなくなる要因があれば、それがこの依頼の『障害』です。
高難易度になるほど、この『障害』は複雑であったり、解決が困難であったりします。
『障害』を乗り越えるための解決策を、皆で考えるのが『相談』です。
相談で重要なのは、主に②と③を決めていく所ですね。
①依頼目的の確認

依頼の目的は通常、依頼のオープニングで明確にされています。
しかし、成功条件が複数存在したり、オプション条件(必須ではないが、そこまで達成するとモアベターな条件)が存在する場合があります。

・どの目的を達成することで依頼を成功させるのか
・(オプション条件がある場合)どこまでの成功を狙うのか

は、参加者の間で『最初に』意識合わせが必要です。
目的が異なれば、達成する手段は異なることが多い。そのため『手段』を論じるより先に『目的』を決めるべきなのです。
②達成方針
依頼目的を「どうやって」達成するのか、を相談するのがこのフェーズですね。
依頼の目的やその時のメンバー編成によって、依頼を成功に導くアプローチには様々な方法があります。
例えば、純粋な戦闘依頼一つとっても
・速攻で短期決戦を仕掛ける
・タンク役が敵を抑えつつ、回復支援を行いながら、長期戦を想定して倒す
など、敵の能力やメンバーの能力に応じた様々な「達成方針」が考えられます。
より状況が複雑なケースでは、アプローチも複雑になるでしょう。
例えば、「戦闘依頼、戦場には一般人がいる」という場合、
・無視して全員で戦闘を行う
・先に一般人を避難させてから戦闘する
・戦闘しながら一般人を避難させる
などの「達成方針」が考えられます。

重要なのは「なぜ、その方針を選ぶのか」という"Why"です。

「達成方針」は、その方針が適切かどうかを議論し、方針を決めていくことが重要です。
・そもそも実現可能な達成方針なのか(自分たちに都合の良すぎる想定は無いか、必要な能力・スキルをメンバーが有しているか)
・その方針は、依頼における『障害』を解決できているか(例えば「敵を倒し、一般人を避難させる」が目的の依頼で、『一般人は無視して戦闘に専念する』という方針はNGでしょう)
・他の方針と比較したときのメリット、デメリット、リスクの有無
こういった点が、相談するポイントになる事が多いかと思います。
③方針の具体化(方針を実現するのに必要な行動は何か)

②で定めた達成方針を実現するために何をすべきか。
相談で決めるべき重要な点は、この部分です。

方針を実現するために、通常は何らかの『障害』が存在します。
例を挙げると、以下のようなものです。

(例1)
「敵を全滅させる目的」の依頼で、「速攻で短期決戦を仕掛ける」という方針を決めた
→敵にタンクや回復役がいて、こちらの攻撃をダメージコントロールしてくる
→敵の攻撃力が強力で、正面からの殴り合いでは分が悪い
(例2)
「敵を倒し、一般時を避難させる」目的の依頼で、「敵との戦闘を請け負うメンバーと、避難誘導するメンバーに分かれて対応する」という方針を決めた
→敵は強敵で、半数のメンバーでは勝てない
→一般人は恐慌しており、こちらの指示を聞いてくれない

このような『障害』に対して、どのような対策を打っていくのか、その対策はどんな手段で実現するのか。
『手段』の部分を考えるのが、この段階ですね。


「達成方針」が "Why" 『なぜ』その方針を最善として取るのか、を相談する段階であり、
「方針の具体化」は "How" つまり『どのようにして』その方針を実現させるのか、を相談する段階ですね。

注意をしたいのは、しばしば「目的や方針のすり合わせ無しに、いきなり『手段』の話に飛んでしまうケースです。
例えば「命中の高い人が怒り付与で敵を引きつける」という手段は、例2では避難誘導の時間を稼ぐのに有効でしょうが、例1では速攻に必要なアタッカーがダメージを与えていない、という状況となります。
手段が有効かどうかは、方針によって異なります。
『方針』と『手段』が正しく結びついているかは、意識しておきたい点ですね。
④役割分担(具体化した行動のうち、誰が何を受け持つのか)

役割分担は文字通り、具体化した手段のうち、誰が何を受け持つか、を決める所ですね。
依頼はチームプレイです。一人で全ての役割を背負う事はできません。
能力、適性、モチベーション。それらを鑑みて分担を決め、必要な役割が全て割り振られているか確認しましょう。
⑤各自の行動の具体化(=プレイング)

ここまでくれば、後はプレイングを書くだけです。
PPPに限らず自由文のゲームですから、ここに様々な創意工夫を込めたり、気持ちを乗せたり、と皆様いろいろな工夫があると思います。

シナリオルールでも、プレイングのコツとして『具体的に行動してみよう』と示されています。以下、引用します。
『プレイングでは具体的な行動が鍵となります。
 何所で、何を、どのように対応するのか。このとき何を思っていたか。
 キャラクターが具体性を持って行動することで魅力的に活躍することが出来ます。『臨機応変に動きます』でも駄目では無いのですが、的確に動きを指定する事でその精度が上がる事でしょう。』

では、「具体化」はどのように実現するのか?
ここに、皆様が各自で持つ、プレイングのノウハウが集約されると思います。

私の場合は、「Why」と「How」を意識した書き方をしています。
・その行動は何を狙って行うのか、どのような意図があるのか
・その行動は、どんな工夫で行うのか(例:非戦を活かす、高いステータスを活かす、敵との距離や立ち位置を意識する、等)

「プレイングには5W1Hを書け」と言われます。
私はこれをもう少し掘り下げて「特にWhyとHowを書け」と言うべきだと考えます。

「目的:敵の全滅」という大きな"Why"も必要ですが、そのような自明の"Why"だけでなく、個々の行動に込められた意図や工夫をきちんと示す事が重要です。

注意している点としては、『自分に都合の良すぎる想定になっていないか』でしょうか。
・非戦やアイテムの効果を拡大解釈していないか(幾つかのNG例は、ルールに明記されていますが)
・敵の動きの想定が、こちらに都合の良い想定になっていないか
チェックのやり方としては、「やられる側」の視点に立って判断しています。
敵(GM)の側から見て「そのスキルにそんな効果は無い」「そんな戦法が通るか」と思えるなら、その部分は再考しています。
色々と抜け漏れはあるかと思いますが、ひとまずここまで。

ご清聴、ありがとうございました。
プレイングに関してはセララさんの書かれたガイドがあるので、お勧めしておきます。

https://rev1.reversion.jp/guild/105/thread/7935

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