PandoraPartyProject

ギルドスレッド

噴水前の歌広場

【イーリン・ジョーンズ】世界の中心で青を叫んだけもの

 それが愛であったのなら。
 そんなに単純であれば、どんなにかよかったろう。

「……はぁ」
 クレマァダ=コン=モスカは、深いため息をついた。
 忙しかった。ひたすらに忙しかった。
 絶海竜を封印し、その足でルル・リェの執務室に蜻蛉返り。父への説明を簡潔に済ませ、海洋と幻想の間で書類をやり取りする手配と遠隔地での意思疎通法の確立、引継ぎを行い祭司長としての業務のうちいくらかの実務を分配しつつ各所へ書簡にてその弁明と陳謝。
 返す刀で早速空中神殿を活用し幻想国へ飛んで早速ローレットへの出頭、諸々の説明を受け各種登録、衣食住の手配を受けひとまずの借宿を確保しさあ一息つけるかと思ったところで無駄に敏捷に本日の祭司長業務が手元に届く。
 鬼の仇のようにハンコを叩きまくって送り返し、さあ食事でもしようかと外に出たところで転んだ子供を助け、泣く子の親を探し、感謝されたはいいがすっかり昼飯時を逃したものだからそれはもう、果てしなく疲れていたのだ。
 そしてそこで、「自分はそもそもこのメフ・メフィートのどこで食事をとればいいのか」ということに気付いていなかったことに気付いてしまった貴族の娘(クレマァダ)は、もうどうにでもなれと噴水にしなだれかかってぐったりしていたようである。
「…………この水、飲んだらだめかのう」

 助けるのは今である。
 見なかったことにするのも、今である。

----------------------------------------------

参加者向けハンドアウト:
あなたが彼女と出会うのは、凛々しくも雄々しく戦っていたリヴァイアサン戦以来です。
あなたと彼女は幻想にいます。

まだ、彼女とあなたは、ともだちではありません。

→詳細検索
キーワード
キャラクターID
珍奇?……本名ではないのか?!
おのれっ、奴め適当なことばかり手紙に書きおって……
いやっ、そもそもあれに渾名をつけるなどという習慣があったのか?!

我は!!
我はその程度のことも知らなかったのか……?
ああ、私の真名(マナ)は……イーリンよ。イーリン・ジョーンズ。
イーリンにちゃんをつけてイーリンちゃん。それが短くなってイーちゃんね(くすっと笑って、あの子らしいわね、手紙にまでそんな書き方をしてたのか、とレモネードに視線を落とし)

……私も、そんな習慣があったってこと、知らなかった。
他にもえっちゃんとか呼んでたりもしたっけ、他の子に(懐かしむように、僅かに吐息が震えて
イーリン……
知らぬこと……ばかりじゃな。我は。
は、それも当然か。
……随分楽しそうじゃった。
この2年間、あれは、随分楽しそうじゃった。
我の知らぬ顔ばかり、手紙から漏れ出てきたからのう。
どれもこれも、モスカで見たことのない顔ばかりじゃった。
多分、嫌でも耳に入るわ。あの子はあちこちに、あのヒレの痕を遺していってるから。
……ねぇ、クレマァダ。モスカでは、あの子はどんな顔をしていたの?
どんな? ……いつもぼんやりした笑顔であったよ。
何を考えておるのか、おらぬのか……
人の名前もろくに覚えぬ。食事をして寝るいきものであった。
……だから我は、あれに歌を与えたのじゃ。
……一日中? 歌は、昔から歌ってたんじゃないの?(顔を上げて、眉間にシワを寄せて驚いたように)
あれも言っていたであろう。
あれが知っているのはただ一つの歌のみじゃ。

……それでも歌は知っておるから、我は、歌ならば何か、あれと意志を交わせるのではと。
節の付け方なぞはあれがよく知っていた。語彙は我が持ってきた。
幼いゆえの戯れよ。……あれの居室から気味の悪い歌が聞こえるとまた人を遠ざけたのじゃが。
しかし、そうか……お主の知るあれは、いつも歌っていたのじゃな。
言ってたけど……

言ってたけども(自分と違う世界を生きているというのは重々承知していた。けれど、生まれた時から知識の波にうたれ続けた自分と比べて。あまりにも隔絶していて。と思った瞬間、それがあまりに傲慢だとも理解して、言いよどみ、レモネードを口にし)

……そうか。幼いゆえに、か(幼い、その言葉の重みに、時の長さに、結局絶句してしまう)
そう。
幼かった故に、我は器の完成を妨げておった。
……そう思っておったのじゃが。

2年の自由は、きっとあれの『器』として何か良い巡りがあったのじゃろうな。
お主らには、感謝せねば。
……そう、ね。
あの子はいつも、楽しそうだったわ。見るもの触れるもの、何もかも新鮮で。毎日が川登りをするサケのように。
……器、器か。
ああ、そうね……そのおかげで、本来語り合うこともなかった私達が、ここに居るものね(芝居がかった口調になってしまう。それを望んでいるわけでもないのに、と自分の唇を止めるように、火のついてない煙草を咥える
そう、そうじゃ……
楽しく、楽しそうに、あれは多分、初めて生きておったのじゃ。
……幸せであったのか?
我と2人で永劫歌い続けるより?
……きっとそうなのじゃろう。

だから、死んだ。
馬鹿者じゃ。本当に。
……クレマァダ。
私は、人の一生というのは。選択によって価値が生まれると思う。
だからあの子は、貴方と永劫歌い続けることを選んでいても。
こうして死んだとしても。
どちらも価値を生んだでしょう。それに貴賤はないわ、あの子の選んだ価値なのだから。

クレマァダ……貴方に言わなければ行けないことがあるの。聞いてくれるかしら。
(顔を上げる、この場で言うかは迷ったが。退路は断った。言わねばならない。煙草を手の中にしまう)
……私は、貴方の片割れを。無事に連れ帰ることができなかった。
あの子の所属した騎兵隊の隊長として。
そして……あの子の。
……あの子にとって「何か」であった、者として。謝罪するわ。
ごめんなさい。
何故謝った!!

(がばっと、それまでの緩慢な動きからは想像も出来ないくらい機敏に起き上がって、イーリンの襟をぐっと両手で掴んだ。
それはカタラァナにはとてもできない動きで、目測を見誤るくらい素早く、その目はもう戦士の目であった)

貴様の差配に瑕疵があったか?
……違うじゃろう!!
あれの犠牲は無駄死にであったか?
……違うじゃろう!!

ならば、なぜ謝る!!!!
(ぐっと襟首を掴まれて、間近で輝く紅い瞳はまっすぐ見つめ返す)
私の采配に瑕疵はあった。堅実な戦術であの状況を打破できないとわかっていても、それを選ばざるを得なかった。あの時点で私は敗北すると分かっていても、皆を連れて突き進むしかできなかったのよ。
あの子……カタラァナが無駄死にだったか? そんなわけないじゃない。でなければ、ここに今誰も居ない。皆居なくなっていた。

けれどね、けれど。
……けれど、悲しいじゃない。
カタラァナが居なくなった痛みは、クレマァダのほうがよほど感じているでしょう。
カタラァナが最後に選んだのは彼女の意志だとしても、その旅路に長く長く寄り添っていたのは貴方の方なのよ。

そして私は、貴方が知らないあの子を知る機会を、永遠に奪ったのよ。
たった一言あの時「無理はやめてね」と言えば。それは為せたでしょうに。

選ばなかった未来は想像しない、それに意味はないと分かっている。
私達は前に進むしか無い。
分かっているわ。
(襟首を掴まれたまま力なく笑って)
――私は「為せなかった」
だから謝る、それだけよ。
〜〜!!!

……フン。
残された貴様にそう言わせてしまうとは。

あれはやはり無駄死にだったと言うわけじゃ。
何も残さず、無為に歌を撒き散らすばかりで、朋輩の意気も落とし。
やはりあれは、空っぽだったというわけじゃ。
そうね、空っぽだった。
けれど、あの子はその空の中に、歌をいっぱい詰め込んだわ。
私達には歌えない歌を、ね。
夢とでも言うのかしら。私達が戦場で腹の中に恐怖や怒り、蛮勇や猛りを詰め込んで、幽世に引かれまいとしているあの中で。あの子だけは夢を詰め込んだのだと思うわ。
そしてそのまま、燃える私の気流にのって。行ってしまったわ。
……違う、違うそうではなく、あぁ……
なぜお主は怒らぬ。
もはや戦場でしか滾れぬと申すか。違うであろう。
お主がそんな……
そんな乾いた目で話しては、あれが……我(カタラァナ)が……
お姉ちゃんが、かわいそうじゃろう!
怒れないわ。そして、泣けない。
あの子を喪った大きさは、それ相応よ。少なくとも、今――貴方に縊り殺されても仕方ないと思うくらいにはね。

悪いわね、クレマァダ。好き放題話させてもらって。
本当は避けたかったのだけど、貴方を見れば言葉が止まらないことくらい分かっていて。
けど早いうちに話さないと。私は――
(笑顔のまま、黙る。かわいそうと言ったのか、目の前のクレマァダは。その言葉が今ようやく届いたというように、心臓が一度波打った)
我は許さぬぞ。
そんな。1人であれの全てを背負おうなどと傲慢な真似は許さぬぞ。
……我は手紙を沢山もらっておったから知っておるぞ!
これも!
これも!
これもこれも!
これにも!!
お主の名前が書いてある!!
(懐から、どんどん手紙を取り出してくる。
一枚一枚叩きつけるようにイーリンに押し付け、押し付ける手紙もなくなり、空の拳でどんどんと彼女の胸を叩いた)
それなのに……、お主が泣いてくれんでは、可哀想じゃろう!
……は?(出てきた手紙、そんな枚数を衣装に入れていたのか、と疑問に思う間もなく。溢れた手紙がばらばらと手の中に、足元に散っていくさまを見て)

……な、泣いて。
泣いてあの子の手向けになるわけ無いでしょ。
私が泣いたって、それは私のためよ。私は、自分のために泣いたりしないわよ。
こんな……(右目を押さえる。魔眼を行使する方の目を。夢を見るほうの目を。)

――泣いてどうなるのよ(歯噛みして、そう呟いた)
どうなるじゃと?!
戯けが!! 貴様が泣いて!!
少しでも楽になって!! それで一番喜ぶのが誰か……
本当にわからぬのかっ!!
――?(だって、泣いたってしょうがないじゃない。あの子は最後まで笑ってたんだから。だったら私も笑っている方がいいじゃない。めちゃくちゃに悲しいからって、へらへらしているほうが楽じゃない。忙しいと言って、涙を置き去りにしてしまえば、時間が蓋をしてくれるじゃない。心の臓が打った波濤は、自分の胸を叩いた拳を通じて、片割れにその。嗚呼、以心伝心などと、心中嘯いていたカタラァナへの心、その重さを伝えるだろう。そして、なぜ伝わってしまうのかも。)
……あぁ。
ほら、こんなに、ここに居るではないか。
あれが。我が。カタラァナが。
……心の臓の”波”を、安定させておるのじゃな。無意識に。
馬鹿者め。
本当に馬鹿じゃ。
……許せ!
(そういうと、拳をもう一つ、とーんと胸に叩いた。
まるで今までのような力一杯のものではないそれは、底まで響いて、波の魔術の効果を阻害する。

カタラァナのように自由闊達ではない。
クレマァダの波濤は、波を"消す"ことが得意だった)
は――?(心臓をノックされた感覚。その心臓は夢見る心臓、流星のように駆け抜ける只人の心臓。その胸に抱える無尽蔵の想いは、流星を包む輝きであり、同時に。幽世と現し世を跨ぐ権利書である)

あ……(気づく、自分の心臓に宿っていた波の存在。抱えていた物の中にあった、カタラァナへの感情を。あの時涙を流すものかと死した瞬間悟った、傷口を焼いた自分の熱情を)
あ、あ……?(気づく、気づく。お互いに近く、寄り添って別の夢を見ていたことを)
ああ……(そして今なら、紛い物でもあの歌を真似できると確信できるほどに。自分の中にあの子が息づいていたことを)

ああぁああ……あ、あ……(右目を開ける、涙が溢れる。夢を、夢が、一緒に夢見たさいわいの星が、海の中にあったことを思い出すように。涙が落ちる。あの夢のように、あの嵐の中で互いに抱きしめ合い、涙を流し再会を喜んだ。つかの間の――)

(どうしようもない、喜びと後悔)
…………
遅いわ、馬鹿者。
(言って、それが疵になると知りながら、正面から抱きしめて背中を叩いた。
嗚咽はさんざん流したのに、まだ自分の目の端から熱いものが零れるのは止められないので、それは彼女の肩で拭っておいた)
私、私――頑張ったのよ。
全部計算通りだったの。イレギュラー要素も含めて。どうあっても自分は死なないと計算して。それは私の予想通りだったのよ。
なのにあの子は、あの子は歌うことも、弾くこともやめて。声を上げたのよ。
私を助けてくれって、そのために備えてくれって。
嗚呼、ああ、だから――私、私……嬉しくて。あの子と、初めて間違いなく。あの時、見つめ合って。
感じたのよ、あの子をしっかり。
ああ、なのに――

なのに(拭っても拭っても、涙が止まらない。こんな涙が何になるというのだ。あの時自分がもっとああしていれば、あの時こうしていれば。後悔をしても無駄だと、意味がないと、何度も何度も。踏みしめて、突き進んで。鉄火場にその身をおろして、旗を掲げ続けたのに)

あぁ、ああぁあ……!(言葉がでてこない。出てくるのはどうしようもなく焼いた傷口が裂け、溢れてくる涙ばかり
書簡を見ただけの我にだってわかる。
あれは、それほどお主らが……お主のことが大好きだったのだと。
なら……ああしたさ。
(嗚咽は漏らさない。それは空中庭園に置いてきた。
 それでも熱い涙は隠せなく、目の前の女の肩に預けた。
 声の震えはない。そこは完璧だ。モスカの祭司長だ。
それでも、今すぐ顔を彼女に見せられないくらいにはなっていた。
やっぱり、誰かが泣いてくれるというのは大事なのだ)
ずっと吐いてきたのに。全員で絶対に生きて帰るって。
ベアトリーチェの時だって、いつだって。
そうしてきたのに。
ごめんなさいクレマァダ、ごめんなさい……私、私……貴方に謝りたかったのよ。どうしても、だって。
だって、こんなにも。ああ、あぁあ……悲しいじゃない。
私だって、躊躇しないとわかっちゃうわよ。あんなの……あぁあああ……(ぎゅっと、クレマァダを抱きしめる、ぽたぽたと落ちる涙は、そこから見える景色はあの海を思い起こさせて。か細い声が、悲鳴にもならない嗚咽が。細く細く、絞り出されて。)

貴方に、英雄譚を歌うカタラァナを、見てみたかった――。
……ん。

ひとりぼっちで うたっても
だれも きいてはくれません
ふたりぼっちで うたっても
うたは せかいに とどきません

きっと そこに とどくのは
いくせん いくまん うたったさきの
たったひとつの ことばだけ

それが あなたの うただって
どうか きづいて くださいな♪

……あれなら、こう歌うじゃろうな。
(その声を聴いて。ぐすっ、ぐすっ、と何度かしゃくりあげ。ようやく落ち着いたように。)

――相変わらず。トンチキな歌だわ(小さく、そう呟いた)
……な、なんじゃっ!
我だって恥ずかしいのじゃぞ、こんな、子供のような……

……子供のようなっ。
あれは、最後まで子供じゃった。
子供のままで、世界を楽しんで、歌って、惜しんで、大事にして、じゃから、世界をっ、世界なんぞと、自分を引き換えにっ……
(目元を拭って、ふふっと、力を抜いて笑って)
ごめんなさい、でも、ありがとう。

そうよね、世界よりも自分と相手の方が大事なんて。
陳腐な歌ならそう歌うでしょうに。
……だからこそ、ね。

あの子の歌が好きだったなんて。陳腐なことは私も言わないの。
今までも、これからもね(もう大丈夫よ、というようにそっと身を離して)
(ふっと何というか、予感がした。
陳腐なことは言わないように、という言葉に予感がした。
この女はいつか、"これ"で自分をダメにする。
陳腐でいられないなら崇高な何かに身をゆだねるしかない。
彼女は、もうそれは沢山だった。

だから、ついっと自分から離れた彼女の手を追いかけて握った)

…………あっ。
なっ、わっ、我はっ……
我は、クレマァダじゃ!
クレマァダ=コン=モスカ!!
お主の名は、イーチャンか!!
姉から、ずっと名を、訊いておったのじゃ!!
友達に!!! 我とも!!!!
(白く柔らかい手。あの嵐の中で、血豆ができるほど旗を握りしめていたのが嘘のような手。武道を嗜む者なら、その手の在り方の異様さが。危うさがわかるだろう。只人の手であり続けられるわけがないのだ、あのような在り方をして。
それが伝わったのは、心臓に宿った波濤のせいか、それとも――)

へ?!(友達という言葉にも、手を握られたことにも、どちらにも驚いて)

と、友達ぃ……って、えあ、あ。ああ。
わ、私の名前はって。さっき言ったじゃないの。イーリン。
イーリン・ジョーンズ
司書とか馬の骨とか、偽名はいっぱいあるけど。真名(マナ)はそれよ

友達……う、ん。喜んで(そう言ってキョトンとしながら。はにかむような、小娘のような表情で頷いた
自己紹介じゃ!!!
成り行きではない、自己紹介っ!!!
そこから始まるのじゃ、何もかもっ!!!

……そして我はわかったぞ、イーリン。
お主はなるほど我(カタラァナ)の"友達"じゃ。あぶなっかしくて見ておられぬ。
我もトモダチとして、どうあっても死なさぬから、覚悟せい!!
(そう言って、やわからくて小さい掌が何を代償にあるのかを少しだけ理解して、溜息をついた)

……おっと、もう昼休みも終わりの時間ではないか。
次の書類を片付け……いや、そろそろローレットにでも顔を出してみるか。
今は祝賀会のムードじゃ。なら、それへの出席依頼でも出て居ろう。
そうね、自己紹介になってなかったわ。ええ、確かにその通り。
――(避けていた言葉、友達を使われた以上、どうしようもないか、と諦めて、くすっと笑い。ぎゅっと掴まれた手を握り返し)
ええ、そうよ、私は。カタラァナの友達。まったく、私を死なせまいとする人が多くて、嬉しくなっちゃう。

(ため息を付いたのを見てから)
そうね、ああ、例のモスカの当代も来るらしいと聴いているから、そっちにも挨拶をしておかないと。やれやれ、帰ったらまた書類仕事だわ。
ああそうそう、とりあえず困ったらうちのギルドに来なさいな。食べそこねることはない程度に、色々置いてあるから(楽しげにウィンクして
…………そのじゃな。
我のほかにも、その。
我(カタラァナ)を知って居るものが、来てくれると嬉しい。

……食事は、まあ……うむ。
郷に入ってはと言うしの。
……勉強させてもらう。
ん、そう? わかった、なるべくそうするように取り計らうわ。

ふふ、この辺りは色々食べられるからね。カタラァナもちょいちょい手紙に書いていたと思うわ(つないでいた手を離すと、落とした手紙を拾って、クレマァダに手渡して)

それじゃ、そろそろお互い戻りましょうか。悪いわね、こんな往来で(首を傾げて、最初に声をかけたときよりも随分とリラックスした様子で)
往来? …………あ!!!
(人目をはばかることを忘れて大声で叫んだりしていた自分に気付いて回りを見渡し、あ゛ーーーとうなっている)

…………では、うむ、邪魔をしたの。
また、会おう。

………………また会おう!!!!

(そう言うと、まるで彼女に似ていないくせに、何だか時々似ている気がしてしまう片割れは、急いで雑踏に消えて行った)
(大声に笑って、お互い泣いて抱き合って、往来でまぁまぁと自分もたまらず恥ずかしくて笑ってしまい)

ええ、また――
会いましょ(手をひらひらとして残ったケバブとレモネードをしまいこむと。自分もギルドへと帰っていった。

キャラクターを選択してください。


PAGETOPPAGEBOTTOM