PandoraPartyProject

ギルドスレッド

審問室

白い部屋

殺風景な部屋。広さは六畳ほどだろうか。天井も、壁も、床も、全てが白い。そして、表面は滑らかで汚れが付きにくいように加工されている。
出入り口はひとつだけ。扉にはシリンダー錠。更に内側にのみ、六桁の暗証番号式の電子錠が取り付けられている。
壁は分厚く、叩くと鈍い音が返ってくる。外からの雑音を防ぎ、中の話し声も漏らさない。
天井は十分な高さがある。照明はひとつだだが、光量は申し分ない。隅にカメラが設置されているが、今は通電していないようだ。
床には僅かな傾斜がついている。はじめは多少の違和感があるかもしれないが、動作に支障はないだろう。そして、傾斜の先には排水口。
もちろん、電気も水も通っている。隅に蛇口とホースがあるだろう?掃除道具も一緒だ。
ただ、ガスはない。申し訳ないが、温かい物は提供できない。

これだけ知っていれば充分だろう。ここは何処か。何処に繋がっているのか。それは重要な情報ではない。
……あぁ!忘れていた!扉の電子錠は自動ロックになっている。どうか扉は開け放したままで。異端審問官は全く困らないが、客人はそうではないだろう。

(異端審問官が好き勝手する空間です。が、話しかければ反応が返ってくるでしょう。)

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ふふふふふふふ……。
私ッ!私だとも!!
ついに手に入れたぞ。狭いながらも我が城だ。うふふふふ。

……ええと、何をしようかな……。
…………。
そうっ!軽く身体でも動かすか。骰子の出目だけ腹筋を。
22
半端ッ!!!!!!
こんなの準備運動にもならんぞ……。

まあいい!!
(床に寝転がり、22回、腹筋運動をした。
何か床に敷くものと、足を引っ掛けられるような家具が必要だと感じた!!床が硬いぞ!!!!!)
ああ。この部屋にいると故郷を思い出す。秩序を。職務を。愉悦を。これは……望郷か。
いや、いや。違う。違うぞ。ここはあの世界そのものだ。まるで私の思考を切り抜いて、混沌の中に置いたような。私の世界。私の日常。職務を果たす場所。苦痛と愉悦が交わる場所。
天を衝く壁に囲まれた神聖なる都市。全ての者に定められた役割がある。全ての者が職務を果たし、厳しく荒れ果てた世界に存続し続ける為に安寧秩序を保つ。
だが人の心は移ろいやすく安定平定には程遠い。繋ぎ止めるものが必要だ。教えが、戒めが。我らの神。唯一絶対の存在。姿も声も名も要らない。それは唯一つ。比較対立を絶した存在。
我が心に教義あり。我が身は見えざる護りに包まれている。我が前には道がある。定められた道。外れることは許されない。一の脱落は全の崩壊を招く。過ちを悔いるのだ。行いを改めるのだ。しかし悔いる事は容易、改める事は困難。
異端を罰するのだ!二度と過ちが繰り返されぬように!偽りの言葉に傾ける耳は無い。行動のみが正しさを証明する。
言って聞かぬのなら身体に刻むのみ。痛みは身体を縛る。恐怖は心を縛る。肉に、魂に、永劫消える事のない痕を!印を!必要ならば、衆人環視の中で!罪を過ちを、その代償を知らしめるのだ!
生は永く引き伸ばされるべき。死は開放だ。我々は異端審問官。慈悲深き処刑人ではない。恐れ疎まれ忌み嫌われる存在。だが私には誇りがある。
これが私の職務!定められた道!品行方正!清廉潔白!私は神に愛されている!!私は正義を、秩序を護る者!!!
……しかし私は世界から切り離された。秩序から混沌へ。
責め具は傷を付けず、命を奪わず。そこには純粋な苦痛のみ。人の心は移ろいやすく、強いようで脆く、脆いようで強い。目に見える痕が印が無ければ、繋ぎ止めることは困難。
これは試練か。神は私を試しておられるのか。それともこれは…………開放か。
はーーー!
私ったら少し興奮しすぎたな!!
少し歩こう。そう、散歩。散歩にでも行こうか。
そして落ち着いたら祈りを捧げよう。我が心に平安を!
ふむ!
不具合は無事解決したようだ。良かった。良かった。
当たり前のことが当たり前で無くなる恐ろしさ。そして、普段享受している当たり前の有り難さ。改めて実感したというか当たり前がゲシュタルト崩壊!!
さて、折角だし発注文でも認めようか。そろそろ新しい衣服が欲しいし、パンドラに形を与えてやりたいな!
(常に持ち歩いている赤いトランク。中身はありとあらゆる今古東西の責め具たち。無骨だが実用的な品から、華美な装飾が施された観賞用の品まで。
それらは今、白い床の上に整然と並べられている。正しく玩具を前にした幼児のように、機嫌良さげに膝を抱えて座る異端者審問官を中心にして。)

くふ、くふふふふ……くひっ。
ああ!素晴らしいな。素敵だな。戯れの時間だ。親しき、愛しき友との至高の一時!!苦痛!愉悦!
うふふふふ、どの道具を使おうか。大型の責め具にしようか。トランクには収まらないが、合理不合理はこの際捨て置こう!!
ああ、素敵。本当に素敵だ。素晴らしき時間の為に、頭を回せ。思考を回せ。より良い戯れの為に。より良い関係の為に!
・-・・・ ・-・ ・-・・ ---・- ・- -・ 
残酷。残酷だ。
愛は平等である。傾倒はない。何処までも平行。行けども征けども果てには辿り着けず。水平。波風程度なら立てられるだろうか。嗚呼、駄目だ。姑息。印も痕も残らない。全ては平坦に。
誰かが言った。愛は永遠。恋は一瞬と。ああ、つまり。酷い。惨い。あんまりだ。永遠に続く責苦。終わりは無い。解放は無い。いや、物語は終わるのだ。では……延長。延命。醜い。虚無の中で闇雲に悶るしかないのか。
平等を救いとする事もできる。傾倒を裏切りとする事もできる。責め具を棄て、武器を持つ。冒涜的な物語を焚書に!!!
可能なのか。僕に。
可能と言えば可能だろう。
だが、その後が問題だ。
取り繕うのは簡単だ。仮面を被ろう。念入りに。何重にも。
平等は救いなのだ!!!
・- ・・・ ---・- ・・-・・ -・ ・・-- ・・-・- -・ ・- 
 鈍い音が鳴いた――誰かが扉を叩いたのだろう。開け放しの『其処』には見慣れた三日月が浮かび、常々の如く赤色に染まって在った。久方振りに無貌を、宇宙を、闇黒を晒したオラボナ=ヒールド=テゴスが『親愛なる』存在に声を掛ける。存在の有無を確認せずに。焦るように。早く『仮貌』を覗き込む為に。
「親愛なる友よ。我等『物語』だ。暗黒の海を乗り越え、夏の波に攫われた結果。漸く貌を晒せる【時】を得た。充分に間は『空いた』筈だ。素敵で愉快な遊戯と共に改めて会話すべき。必要ならば再生した心臓も用意しよう。此度は生に在らず、煮るも焼くも好み次第だ。調理されても脈動は残る。何せ火炎に耐性を得たのだ。内部から粘り付く心地を体験するが好い。如何だ。他に希望が有るならば教え給え」
 其処に平等は見当たらない。大波小波が四方から迫るだけだ。
(仮面が振り返り、三日月を見遣る。その右手には艷やかな心臓が握られていた。無骨な指が喰い込んで、柔軟に形を変える心臓が。)

……ああ!我が友よ!
久しく顔を見せていなかったな。いや……すまなかった。しかし驚いたな。丁度その……君の事を考えていた所だ。

(第一声には驚愕と歓喜が入り混じっていた。その直前、一拍の間が空いたのは心臓を玩びながら物思いにも耽っていたせいだ。
仮面越しにも隠しきれない興奮。今すぐにでも飛びついて切り刻み、或いは喰らいつきたいのを何とか堪えつつ、ジョセフは大股で戸口へ向かう。
そして、傷だらけの手が差し出される。)

さあ、どうぞ愛しい人よ。よく来てくれた。
ああ!素晴らしい再開だ。どう戯れようか。どう愛し合おうか。それとも先ずは語らうべきか。君の肉壁は永久不滅、絶対不落。急かずとも無くなることはない。
 三日月の下、輪郭すらも曖昧な塊が『自ら』渡した宝物だと認識する。されど箱は開かれない。開かれたとしても己自身では認識不可能だ――興奮が肉を伝う。感染するウイルスの如く。破裂する球体の如く。手を取った。
 語らいも愛情も貪欲に掻き集めるべきだと『首』を振る。笑いは。嗤いは。静かに成された。確かめるように腰を。貌を這い寄らせ――永久ではない。絶対でもない。急かすのは『当たり前』だ。再生力や肉壁は何れ崩れ果てるものだ。冗長な物語は時に殺戮される。蹂躙される。甘美なほどに。

 それは理解出来るだろう、と、三日月が歪む。
(歪んだ三日月に仮面が曇る。それは理解出来ない。したくない。しかし駄々をこねているような場合では無いと心得ていた。愛を齎せ。肉を貪れ。空白を超え、空虚を満たす刻が来た。
這い寄る腰を抱き、貌を覗き込む。手指は絡み合い一塊となった触手の一本一本をなぞりその形を確かめる。そして、唯一無二の宝物を力強く暗黒の胸に押し当てた。)

分かった……。だが、再生する必要はない。君の心臓はひとつだけ。君が与えてくれた『これ』だけだ。

(一時だが、在るべき場所に還そう。甘い甘い蜜月を過ごす為の肉の誓いのようなものだ。)
 どぷん――心臓が。渡した物が。証が。在るべき『肉』に融けて往く。確かめられ。確かに『嵌った』物質が再度脈動を開始した。絡みつく輪郭は『餌』を貪る怪物のように。食事を与えられた子供のように。食べたくないと、癇癪を――不可能だ。もはや。自らの肉体は『これ』を拒めない。誓いは絶対なのだ。覚悟の上で成された返却を、嘲る事など有り得ない。どくん……収まった。

「噛み砕くような。貴様の精神は何処に棄てられた。随分と『本気』だ。最初から。縋るほどに真実だったが。今の貴様は何だ」
そう……そうだな。少し焦っているのかもしれない。空白期間が長すぎた。飢えもある。堪らないほど飢えている。これは……強欲との戦いで君の身が潰える不安と恐怖の反動だろうか。或いは、経験により肉を収める器が拡がったせいか。
兎に角、私……いいや、僕は君を強く求めている。君もそうだろう。

(急かし、強請るように腕を引く。仮面の下の瞳は三日月を仰ぎ、瞳のない貌を真っ直ぐに見据える。仮面の内側は飢えと焦りに満ちている。)

さて、どうしようか。場所を変えるか?
 本物の『心臓』が血液(文字)を流し込む。地の文が垂れて、零れるように。溢れるように塗料が沸騰する。焦りと餓えが伝染したのか。違う。世界が鮮明に。仮面の『色』だけが満ちて往く――抗う必要も拒絶する必要も、冗長だと哄笑する事も。【今】に中てられて、どうしようもない――真直ぐに射貫かれ、不安定な蠢動。
「求めて。求められて。繰り返すだけの単調は。要らないのだ。半永久的に囁くなど、闇に潜んだ菌類どもの戯れだ。羽音の煩わしさは貴様でも解せるだろうよ。Nyahaha……親愛なる友よ。海は如何だ。海月は如何だ。箱庭ならば建築物も想い通りだ」
海……海か。成程。夏らしくて良い。
ようし、少し待て。

https://rev1.reversion.jp/guild/623/thread/8668

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