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審問室

白い部屋

殺風景な部屋。広さは六畳ほどだろうか。天井も、壁も、床も、全てが白い。そして、表面は滑らかで汚れが付きにくいように加工されている。
出入り口はひとつだけ。扉にはシリンダー錠。更に内側にのみ、六桁の暗証番号式の電子錠が取り付けられている。
壁は分厚く、叩くと鈍い音が返ってくる。外からの雑音を防ぎ、中の話し声も漏らさない。
天井は十分な高さがある。照明はひとつだだが、光量は申し分ない。隅にカメラが設置されているが、今は通電していないようだ。
床には僅かな傾斜がついている。はじめは多少の違和感があるかもしれないが、動作に支障はないだろう。そして、傾斜の先には排水口。
もちろん、電気も水も通っている。隅に蛇口とホースがあるだろう?掃除道具も一緒だ。
ただ、ガスはない。申し訳ないが、温かい物は提供できない。

これだけ知っていれば充分だろう。ここは何処か。何処に繋がっているのか。それは重要な情報ではない。
……あぁ!忘れていた!扉の電子錠は自動ロックになっている。どうか扉は開け放したままで。異端審問官は全く困らないが、客人はそうではないだろう。

(異端審問官が好き勝手する空間です。が、話しかければ反応が返ってくるでしょう。)

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残酷。残酷だ。
愛は平等である。傾倒はない。何処までも平行。行けども征けども果てには辿り着けず。水平。波風程度なら立てられるだろうか。嗚呼、駄目だ。姑息。印も痕も残らない。全ては平坦に。
誰かが言った。愛は永遠。恋は一瞬と。ああ、つまり。酷い。惨い。あんまりだ。永遠に続く責苦。終わりは無い。解放は無い。いや、物語は終わるのだ。では……延長。延命。醜い。虚無の中で闇雲に悶るしかないのか。
平等を救いとする事もできる。傾倒を裏切りとする事もできる。責め具を棄て、武器を持つ。冒涜的な物語を焚書に!!!

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