ギルドスレッド
旅一座【Leuchten】
そして初演の日、真夏の夜だというのにテントの中は満員御礼。エールなどの飲み物の売り子まで現れるぐらいの盛況ぶりだ。
天井からは練達製と思われる珍しい鏡張りの星型の照明器具がたくさん吊り下がっていた。舞台の中央辺りを見やれば、ドラムセットが何故か横倒しに置いてある。
一体あれはなんだろう、これは何?、と開演前から観客も興味津々だ。
天井からは練達製と思われる珍しい鏡張りの星型の照明器具がたくさん吊り下がっていた。舞台の中央辺りを見やれば、ドラムセットが何故か横倒しに置いてある。
一体あれはなんだろう、これは何?、と開演前から観客も興味津々だ。
「皆さん! 満員ですよ! 満員! 緊張しますですよ!」
公演時間直前、テント裏では、水色の髪の少女、クァレ・シアナミドがワチャワチャした様子で、そっと覗いた客席の様子を報告する。
「うう……緊張するな……。……胃が痛い……」
ヨタカは呻く。ヨタカにとって、大男に迫られるより、公演の方がよっぽど緊張するのだ。
「団長、チューニング忘れるなよォ」
ぶっきらぼうに目つきの悪い獣人、律・月がヨタカに忠告する。まるで興味なさそうにしているが、尻尾が揺れていて親しい人には公演を楽しみにしてるのがよく分かる。だからといって、律のその様子を揶揄う無粋な団員はいない。
「まぁまぁ、皆さん、お茶でも飲んで緊張をほぐしましょう」
お茶を配るのは、ポニーテールの美女、津久見・弥恵だ。彼女は場慣れしてるのか随分と落ち着いているようにみえる。だが、躓いて最後の自分のお茶を頭から被ってしまう。彼女は根っからの不幸体質なのだ。舞台衣装でなかったのは不幸中の幸いだろう。
「おや、津久見様、大丈夫ですか? もしよろしければ、こちらを」
空のシルクハットからタオルを取り出し、弥恵に手渡すのは蝶の羽をつけた男装の麗人、夜乃幻だ。
「夜乃様、ありがとうございます。ちょっと着替えてきますね」
弥恵はタオルで髪を拭きながら、着替え室へ向かった。
「って、そこは危ねぇ!」
ゴム弾と銃を床に座り込んで整備していた狼の毛皮を被った獣人、ジェイク・太刀川が短く叫ぶ。
すってーんという擬音がまさに相応しい勢いで弥恵がすっ転んだ。その床には無数の油で磨いたばかりのゴム弾が置いてあったのだ。
「いっったぁ……」
「悪い……。だが、俺に近づくなといっといた筈だ」
「それは緊張してかと!!!」
「もう、お二人ともそろそろ開演致しますよ」
「……緊張感があるんだか、ねぇんだかなァ……」
弥恵とジェイクのやりとりを幻がとりなし、律は呆れている。
「ここはヨタカ団長から気合の一言を!」
「……みんな輪になろう……」
クァレが声をかけ、ヨタカは動いた。そのヨタカの声に呼応して、皆で肩を寄せ合い円陣を組んだ。
「……今日が俺達の初演……。……みんな、仲良く、元気に、思いっきりやろう……」
「「「「「「オー! 」」」」」」」
旅一座の皆は初演を成功させる為、一致団結することを心に誓った。
公演時間直前、テント裏では、水色の髪の少女、クァレ・シアナミドがワチャワチャした様子で、そっと覗いた客席の様子を報告する。
「うう……緊張するな……。……胃が痛い……」
ヨタカは呻く。ヨタカにとって、大男に迫られるより、公演の方がよっぽど緊張するのだ。
「団長、チューニング忘れるなよォ」
ぶっきらぼうに目つきの悪い獣人、律・月がヨタカに忠告する。まるで興味なさそうにしているが、尻尾が揺れていて親しい人には公演を楽しみにしてるのがよく分かる。だからといって、律のその様子を揶揄う無粋な団員はいない。
「まぁまぁ、皆さん、お茶でも飲んで緊張をほぐしましょう」
お茶を配るのは、ポニーテールの美女、津久見・弥恵だ。彼女は場慣れしてるのか随分と落ち着いているようにみえる。だが、躓いて最後の自分のお茶を頭から被ってしまう。彼女は根っからの不幸体質なのだ。舞台衣装でなかったのは不幸中の幸いだろう。
「おや、津久見様、大丈夫ですか? もしよろしければ、こちらを」
空のシルクハットからタオルを取り出し、弥恵に手渡すのは蝶の羽をつけた男装の麗人、夜乃幻だ。
「夜乃様、ありがとうございます。ちょっと着替えてきますね」
弥恵はタオルで髪を拭きながら、着替え室へ向かった。
「って、そこは危ねぇ!」
ゴム弾と銃を床に座り込んで整備していた狼の毛皮を被った獣人、ジェイク・太刀川が短く叫ぶ。
すってーんという擬音がまさに相応しい勢いで弥恵がすっ転んだ。その床には無数の油で磨いたばかりのゴム弾が置いてあったのだ。
「いっったぁ……」
「悪い……。だが、俺に近づくなといっといた筈だ」
「それは緊張してかと!!!」
「もう、お二人ともそろそろ開演致しますよ」
「……緊張感があるんだか、ねぇんだかなァ……」
弥恵とジェイクのやりとりを幻がとりなし、律は呆れている。
「ここはヨタカ団長から気合の一言を!」
「……みんな輪になろう……」
クァレが声をかけ、ヨタカは動いた。そのヨタカの声に呼応して、皆で肩を寄せ合い円陣を組んだ。
「……今日が俺達の初演……。……みんな、仲良く、元気に、思いっきりやろう……」
「「「「「「オー! 」」」」」」」
旅一座の皆は初演を成功させる為、一致団結することを心に誓った。
一方、客席では、開演します、という声と同時に突然、全ての照明が消えた。
観客がざわめく中、客席の後ろ側にスポットライトが当たる。鳥の仮面をした化け物のように見える。ヨタカだ。
ヨタカがヴァイオリンを奏でる。孤独と寂しさを嘆くように。
観客はシンと静まり返り、ヨタカの巧みなヴァイオリンに引き込まれ、感情移入していく。
ヨタカが短い曲を弾き終えると、ヨタカの反対側の客席の後ろにスポットライトが当たる。律だ。律は目つきが悪く、どこか孤高さを感じさせる外見だ。
律もヴァイオリンを手に曲を弾き始める。それはヨタカの弾いた曲のアレンジで、ヨタカのとは違い、孤独さを表現しているが、どこか力強さがある曲だ。
二人は話をするかのように弾きあい、徐々に距離を詰めていく。それは孤独だった二人が少しずつ歩み寄り絆を結ぶように。曲もそれに合わせて、徐々に徐々にリズミカルで喜びに満ちた曲へと変わっていく。二人が近づくにつれ、星の照明が点々と灯っていく。
舞台中央に揃ったときには、二人の曲は完全に重なり合ってハーモニーを奏でる。まるで星空の下、初めてできた友達という絆を喜び、貴ぶような心温まる曲調だ。
観客も開演当初の不安から解放され、微笑ましい気持ちに包まれた。
しかし、それも長くは続かない。突然舞台中央に扉が現れ、中からビクトリアン調の仮面を被った幻が現れ、二人の間を裂くように駆け抜ける。駆け抜けた地面には不穏な黒い薔薇が咲き誇る。ヨタカと律の距離は離れ、奏でる曲も不安を掻き立てるような曲調へと変わる。
幻が指を三つ鳴らすと、ヨタカの上の虚空から突然現れた檻に、ヨタカをは閉じ込められてしまう。
律が駆け寄るものの、ヨタカの檻は開かない。せっかく出来たばかりの友人を互いに想うように哀しい旋律が耳をつく。星空の照明も点々と消えていく。
幻はそれを揶揄するように高笑いを残して消えていった。
観客がざわめく中、客席の後ろ側にスポットライトが当たる。鳥の仮面をした化け物のように見える。ヨタカだ。
ヨタカがヴァイオリンを奏でる。孤独と寂しさを嘆くように。
観客はシンと静まり返り、ヨタカの巧みなヴァイオリンに引き込まれ、感情移入していく。
ヨタカが短い曲を弾き終えると、ヨタカの反対側の客席の後ろにスポットライトが当たる。律だ。律は目つきが悪く、どこか孤高さを感じさせる外見だ。
律もヴァイオリンを手に曲を弾き始める。それはヨタカの弾いた曲のアレンジで、ヨタカのとは違い、孤独さを表現しているが、どこか力強さがある曲だ。
二人は話をするかのように弾きあい、徐々に距離を詰めていく。それは孤独だった二人が少しずつ歩み寄り絆を結ぶように。曲もそれに合わせて、徐々に徐々にリズミカルで喜びに満ちた曲へと変わっていく。二人が近づくにつれ、星の照明が点々と灯っていく。
舞台中央に揃ったときには、二人の曲は完全に重なり合ってハーモニーを奏でる。まるで星空の下、初めてできた友達という絆を喜び、貴ぶような心温まる曲調だ。
観客も開演当初の不安から解放され、微笑ましい気持ちに包まれた。
しかし、それも長くは続かない。突然舞台中央に扉が現れ、中からビクトリアン調の仮面を被った幻が現れ、二人の間を裂くように駆け抜ける。駆け抜けた地面には不穏な黒い薔薇が咲き誇る。ヨタカと律の距離は離れ、奏でる曲も不安を掻き立てるような曲調へと変わる。
幻が指を三つ鳴らすと、ヨタカの上の虚空から突然現れた檻に、ヨタカをは閉じ込められてしまう。
律が駆け寄るものの、ヨタカの檻は開かない。せっかく出来たばかりの友人を互いに想うように哀しい旋律が耳をつく。星空の照明も点々と消えていく。
幻はそれを揶揄するように高笑いを残して消えていった。
再び訪れた孤独を嘆く曲の中、中央支柱にスポットライトが当たる。そこにいたのは弥恵だ。薄絹を何枚を重ね、金の装飾品で留めた天女のような姿で、足に掛けた支柱だけを支えに、曲に合わせてクルクルと回転しながら、舞い降りてくる。
そして、ある一点で止まると、ヨタカの檻に向かって、ふぅと息を吹きかけるような仕草をする。すると、ヨタカの檻が消え失せ、また星空が戻ってくる。
ヨタカと律は手を取り合って喜び、その喜びをそのまま表現するように、明るく再会を喜ぶような曲を奏でる。それに合わせて、弥恵も皆に喜びを伝えるように、指先の一本一本にまで
神経を集中させ、自らの身体の曲線美を支柱を使って表現していく。それは色めかしく艶っぽいが、いやらしさのない情熱的なポールダンスだった。
観客もほぅとため息を漏らし、魅惑のダンスに酔いしれた。
弥恵が降りてきて、観客に礼をして周り、出ていこうとしたとき、銃を構えたジェイクがそれを遮った。ヨタカと律はドキドキ、ハラハラするような曲調へと転調する。
弥恵が足を上げて、舞いの回転力をそのまま生かして、ジェイクを蹴り上げようとすれば、ジェイクはバク転、宙返りを織り交ぜ、逃げ回りつつ、ヨタカと律へと銃口を向ける。
観客の誰もが危ないと思ったが、その弾は横倒しになったドラムセットに当たり、ヨタカと律の曲にテンポのいい打楽器の音が組み合わさる。
その間もジェイクと弥恵の殺陣とジェイクのドラムへの曲撃ちは続いていて、観客は大盛り上がりだ。
ジェイクがシンバルに弾を撃った瞬間、天井から凄い勢いで何かが降りてくる。クァレの空中ブランコだ。クァレは金銀の紙吹雪を舞わせながら去っていく。その煌く紙吹雪を浴びたジェイクは苦しみ悶えながら、舞台を降りていった。
そして、ある一点で止まると、ヨタカの檻に向かって、ふぅと息を吹きかけるような仕草をする。すると、ヨタカの檻が消え失せ、また星空が戻ってくる。
ヨタカと律は手を取り合って喜び、その喜びをそのまま表現するように、明るく再会を喜ぶような曲を奏でる。それに合わせて、弥恵も皆に喜びを伝えるように、指先の一本一本にまで
神経を集中させ、自らの身体の曲線美を支柱を使って表現していく。それは色めかしく艶っぽいが、いやらしさのない情熱的なポールダンスだった。
観客もほぅとため息を漏らし、魅惑のダンスに酔いしれた。
弥恵が降りてきて、観客に礼をして周り、出ていこうとしたとき、銃を構えたジェイクがそれを遮った。ヨタカと律はドキドキ、ハラハラするような曲調へと転調する。
弥恵が足を上げて、舞いの回転力をそのまま生かして、ジェイクを蹴り上げようとすれば、ジェイクはバク転、宙返りを織り交ぜ、逃げ回りつつ、ヨタカと律へと銃口を向ける。
観客の誰もが危ないと思ったが、その弾は横倒しになったドラムセットに当たり、ヨタカと律の曲にテンポのいい打楽器の音が組み合わさる。
その間もジェイクと弥恵の殺陣とジェイクのドラムへの曲撃ちは続いていて、観客は大盛り上がりだ。
ジェイクがシンバルに弾を撃った瞬間、天井から凄い勢いで何かが降りてくる。クァレの空中ブランコだ。クァレは金銀の紙吹雪を舞わせながら去っていく。その煌く紙吹雪を浴びたジェイクは苦しみ悶えながら、舞台を降りていった。
やっと訪れた平和にヨタカと律は幻想ではよく聴かれてる曲を奏でる。それは絆を願う歌。
ヨタカ、律、弥恵がラララ、と曲に合わせて歌う。弥恵は腕を振って、観客にも歌うよう、ボディランゲージで訴える。
最初は恥ずかしさか、ぽつりぽつりとしか聞こえなかった観客の声は次第次第に大きくなった。その音に合わせて、クァレがオーロラを生み出す。満点の星空とオーロラの下、テント全体での一体感を観客も演者も感じていた。
曲の終わりには退場した演者も戻ってきて、演者全員で舞台に立って、左へ右へと観客全員へと礼をする。初演は万雷の拍手で終わりを告げたのだった。
ヨタカ、律、弥恵がラララ、と曲に合わせて歌う。弥恵は腕を振って、観客にも歌うよう、ボディランゲージで訴える。
最初は恥ずかしさか、ぽつりぽつりとしか聞こえなかった観客の声は次第次第に大きくなった。その音に合わせて、クァレがオーロラを生み出す。満点の星空とオーロラの下、テント全体での一体感を観客も演者も感じていた。
曲の終わりには退場した演者も戻ってきて、演者全員で舞台に立って、左へ右へと観客全員へと礼をする。初演は万雷の拍手で終わりを告げたのだった。
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ご意見、ご感想はこれ以降のスレッドにどうぞ。書いてもらえると筆者が大変喜び転げまわります。
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ご意見、ご感想はこれ以降のスレッドにどうぞ。書いてもらえると筆者が大変喜び転げまわります。
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うっかり、忘れておりました。
今回の出演者は、ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)、夜乃幻(p3p000824)、ジェイク・太刀川(p3p001103)、クァレ・シアナミド(p3p002601)、律・月(p3p004859)、津久見・弥恵(p3p005208)の提供でお送り致しました。尚、月様以外からは直接許諾を、月様はTwitterでの二次創作許諾に基づいております。
今回の出演者は、ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)、夜乃幻(p3p000824)、ジェイク・太刀川(p3p001103)、クァレ・シアナミド(p3p002601)、律・月(p3p004859)、津久見・弥恵(p3p005208)の提供でお送り致しました。尚、月様以外からは直接許諾を、月様はTwitterでの二次創作許諾に基づいております。
改めて…幻は執筆お疲れ様…そして書いてくれて…感謝だ…。
(以下メタ・背後成分多くなります失礼)
こんなに興奮するSS初めてだ…皆本当生き生きと演奏や踊り、芸をしていて……目の前でリアルに公演しているようで目頭が熱くなるようだった……。本当に、素敵なSSありがとうだ…。
(以下メタ・背後成分多くなります失礼)
こんなに興奮するSS初めてだ…皆本当生き生きと演奏や踊り、芸をしていて……目の前でリアルに公演しているようで目頭が熱くなるようだった……。本当に、素敵なSSありがとうだ…。
いたた…打った所が変な所でなくて良かったです…
でも、今日の演技、皆様の演技とても面白かったです。照明の演出が綺麗で素敵です♪
良い舞台でこそ演技も光ります、皆様本当にお疲れ様でした。
※丁寧に書いて頂きありがとうございます、躍動感のあるダンスがとても良かったです。そして書き上げお疲れ様です。
でも、今日の演技、皆様の演技とても面白かったです。照明の演出が綺麗で素敵です♪
良い舞台でこそ演技も光ります、皆様本当にお疲れ様でした。
※丁寧に書いて頂きありがとうございます、躍動感のあるダンスがとても良かったです。そして書き上げお疲れ様です。
皆の演技がうまくいった感じでとても良かったぜ。俺たちが本物のサーカスを見せる事により、民衆には魔種の事を一日でも早く忘れさせたいよな。
サーカスといえば【旅一座】と言われる程にしたいぜ
サーカスといえば【旅一座】と言われる程にしたいぜ
(同じくメタ・背後成分多めで失礼します)
幻さん、執筆お疲れ様とありがとーなのです!いよっ、幻MS様!
フフ…わたしの出番も演出もスゴい美味しいトコ頂いてるのです♪
皆さんのどとーの演奏、演技、ダンス、曲撃ち!素晴らしくてやばいです!
ろまんてぃっくなストーリーに皆さんの超いきいきした迫真の演技の数々、
これは、この一座の存在を幻想に轟かせたですよね!
そして幻さんの圧倒的な執筆力がわたしたちに轟いたのです!
きっとよい意味で魔種なんかよりずっと大きなインパクトを民衆の皆様へ届けたのです。
心より幻MS様にお礼を申し上げるのです♪
幻さん、執筆お疲れ様とありがとーなのです!いよっ、幻MS様!
フフ…わたしの出番も演出もスゴい美味しいトコ頂いてるのです♪
皆さんのどとーの演奏、演技、ダンス、曲撃ち!素晴らしくてやばいです!
ろまんてぃっくなストーリーに皆さんの超いきいきした迫真の演技の数々、
これは、この一座の存在を幻想に轟かせたですよね!
そして幻さんの圧倒的な執筆力がわたしたちに轟いたのです!
きっとよい意味で魔種なんかよりずっと大きなインパクトを民衆の皆様へ届けたのです。
心より幻MS様にお礼を申し上げるのです♪
キャラクターを選択してください。
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テントといえば、サーカス『シルク・ド・マントゥール』。それは幻想を混乱に陥れた魔種の象徴。
付近の住民は警戒し、訝しがった。
テントから出てきたのは、ひ弱な感じのするやせ細った背の高い男に、目つきの悪い獣種、蝶の羽根をつけた麗人、ポニーテールの美女、狼の毛皮を被った獣種、水色の髪の少女だ。統一感はなく、個性豊かな面々だ。
街の力自慢だろうか、強面の男がひ弱そうな男に目をつけて、怒鳴りつける。
「オレ達はサーカスなんてウンザリなんだよ!魔種なんて、よそ行けよ!」
「……俺達、魔種じゃない……。……特異運命座標……。……みんなにサーカスは本当は楽しいし、安全だって伝えたくて、……サーカスをするんだ……。……無料だから、遊びに来て欲しい……」
ひ弱なそうな男、旅一座の団長、ヨタカ・アストラルノヴァは臆することなく、チラシを一枚、その男に渡した。大の男が気迫に押されて、チラシを受け取った。
「……ひ、暇だったら、見に行ってやるよ……」
男が態度を急変させたのは気迫に負けただけじゃない。特異運命座標だと分かったからだ。シルク・ド・マントゥールの狂気の呼び声を止め、魔種を駆逐した、あの特異運命座標。 王や貴族の覚えもめでたい、あの特異運命座標だからだ。
特異運命座標がサーカスをするという噂は噂に噂を呼び、旅一座のテントには行列が並んだ。