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『ぴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』
『そうして私は、長い道を抜けて途方に暮れました。目の前に広がっていたのは大きな川。きれいな川でしたが、端の見えないほどだったのです。飛び込んで対岸を目指すのは、あまり賢明ではないように思えました。その時です。私の前に、老人が小舟に乗ってやってきました。「おや、お困りかね」人好きのする笑顔で笑った老人は、土のような褐色の肌をした人でした。「ああ、ああ、ここを渡りたいのです。戻るべき場所もなく、先に進むしかないのです」私がそう言うと、老人は「それはお困りだろう」と眉尻を下げました。「乗っていきなさい」「ああ、ああ、ありがとうございます。恩に着ます」自分が乗っている側とは反対の側を示して、老人は船を寄せました。私が乗ると小舟はきいきいと音を立てましたが、なんでもないような風でまた水面の上を滑り始めるのです。私が改めてお礼を言いますと、「なあに。困っている人には優しくするものだ」と老人は笑います』
『「それよりも、随分とお疲れのようだ。これでも飲みなさい」と老人は水筒からコップに何かを注いで手渡してくれます。そういえば、ここまで飲まず食わずでした。受け取って覗くと、山間から流れ出してきたあの泥水と同じ色をしています。しかし落ち着いてみてみれば、確かにそれそのもの、チョコレートの甘い香りが漂うココアです。流れる泥水も土砂も、甘い香りがしていました。「おいしい」私はそれを口にして、心からそう言いました。冷えたココアは今まで飲んだどのココアよりもきりりと喉を潤してくれて、心を落ち着かせます。「ふむ。お腹も空いているんじゃないか。これをどうぞ」老人は途中の小島に咲いていた百合のような花を手折って渡してきました。顔を近づけると、どんな職人芸か、その花弁は薄いスポンジともっと薄く滑らかに塗られたバタークリームだったのです。花粉もまるで小さな小さなミモザケーキのようでした。その花も私は食べました』
『「これもどうぞ」老人は釣りをしていたのでしょう。魚籠からまだ跳ねている魚も取り出してくれました。「そのまま食べられるよ」私はもう老人のいうことをこれっぽっちも疑っておりません。焼いた魚を食べる時のように、まだ腕の中でのたうつ魚に歯を立てました。さくり、と果実を噛んだ時の音がします。魚の血が、いいえ、汁が溢れてきて手を濡らしました。皮はまさに果実のそれと似て、鱗は薄い飴の膜のように口の中でほのかに甘く砕けます。私は夢中でその魚を食べました。口の中に広がる汁が、とても美味しかったのです。食べ終わって放心状態の私に、老人は微笑みます。「ここのものは、皆美味しいんだ」そう言われて見てみますと、私には老人も美味しそうに見えてきました。褐色の肌は、クッキーのように堅いのでしょうか、ブラウニーのように柔らかいのでしょうか。そればかりが気になって仕方がありません。もうほとんど、無意識のようなものでした』
『「止めておきなさい」伸ばしそうになった私の手を止めたのも、老人の言葉でした。「自分に近い姿のものを食べてしまえば、帰れなくなるよ」そのしわに半分覆い隠された小さな目に浮かぶのは恐怖や哀れみ、侮蔑ではなく、ただ子供を諭すような叡智の光です。私は自分の行動がすっかり恥ずかしくなってしまい。小さくなってぺこぺこと頭を下げました。「いいんだ。いいんだ。よくあることさ」老人は優しく笑います。そういえば漕いでもいないのに、小舟は今までいた岸から随分と遠ざかったようでした』
『さて、今月と来月と再来月を足して割った運勢を(ザザザっ)シェイクしましょう!』
『今夜 未明   ■■■■市で  乾燥警報 土砂崩れが起き   深夜  888名の死亡が確認され、最後の1人が      行方不明です』
『こちら本日のお買い得品、お値段は328665kmランです! 更になんと! 50mmランも2つお付けいたします!』
(機嫌良さそうにラジオ以外の物がほとんどない机を拭いている)
『ラジオの(ザーーーー)自体は(ザッ)とても良好なんだ』『ああそうだ、そうに違いない』
『テレビ』『屋だって羨むに違いない』『はずです』
彼が羨んだところは特に見たことはないし見られても別に嬉しいわけではないですけど
『思うだけなら自由ってね』『言いますから』

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