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ラジオ屋

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『其処には何らかの怪異的事象により、底に沈んだ街が有りました。夜にしても黒い色をした水面に、わたくしは何かから逃げて飛び込んだのです。
自らの周囲に結界を張りましたわたくしは、濡れもせず水底に着きました。暗く黒い水。
街の人々は沈む時に犠牲となったのでしょうか、まるで日常を営むかのように半透明の体がいくつも通りを歩いていました。わたくしはこの街を知っておりました。生き残ったお爺さんがよくいたテラスには、何故かお爺さんによく似た人形が置いてありました。
歩いていると、目のない真っ黒な蛇に似たものが顎門を開き襲い掛かって来たり、吸盤の代わりに無数の目のついた軟体動物の足のようなものが体当たりをしてくるのです。
此処の水が黒く見えたのは、彼らがみっしりと詰まっていたからでした』
『(ざわざわ)   (ざわざわ)   (ざわざわ)     (木々の葉が擦れる音が聞こえる)』
『(低い男の声が息継ぎを挟むこともなく同じ音を繰り返している)』
『そうですわたしの斜め向かいに信号がせいてました。
   泣いている電球とビリジアンにがみが走る』
『え、だからそう言ってるじゃないですか。ははははは! やだなあもう』
『  あくせでらだはたな   あくせでらだはたな  』
『あーーーーーーーーーーーーーーーーああーーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーーああーーーーーーーー』
『それは俺の家の近くにあった古い家の話です。そこにはもう誰も住んでいないはずでした。俺らが小さい頃から扉には普通の鍵に加えて鎖と南京錠が幾つもかかっていて、窓には板が嵌め込んでありました。二階の窓は流石にそのままでしたが、色褪せたカーテンがしっかり閉まっていました。
なのに、俺らはよく、その二階のカーテンの隙間からじっとこちらを見ている人を見たのです。幽霊というにはあまりにもはっきりとした目でした。男か女かは分かりません。ただ細い隙間からこっちをじっと見ている目だけがよく見えるのです。
ところであれを一緒に見ていた友人を思い出せないのですが、どうして俺は「俺ら」だとずっと思っているんでしょうか』
そういえば季節というものをあまり意識したことがありませんでした
『ラジオ』『屋にはあまり関係ないってことさ』『そうでしょう?』
音楽が変わるくらいですかね。流れてくるもの『それではここで夏のヒットナンバー!』
微妙に遅い
(このラジオとやら、壊れているのでしょうか……)
『お客様だ』『お客さんだ』『心ゆくまで』『ラジオをご堪能ください!』
『お好みの局を選べ』『たら良かったのにね』
まあ、ラジオを流すのがラジオ屋ですから、内容はさして問題はありませんが。
『済んだことを悔やむのかと言われても済みもしない内に悔いてる暇はない』
『お客様がいらっしゃるのは』『いい(ザザッ)ラジオ』『屋!』
良いも悪いもおれの知る限りおれの世界にはおれしかラジオ屋は居ませんでしたが
『どうぞごユッくりおたのシミください』
ラジオは音を流すものですからね。声もたくさん流れます
『お客様の(プツッ)世界には』『ラジオはなかったの?』でしょうか
『怖いことはなぁんにもない、とっても良いものだよ!』
『 のまいれよりじーへ こごページになさく さみだんよよ
  のまいれよりじーへ こごページになさく さみだんよよ
  のまいれよりじーへ こごページになさく さみだんよよ  以上』
『(ずしゃ) (ずしゃ) (ずしゃ) (ずしゃ) (重い物を入れた砂袋が落ちるような音が繰り返されている)』
『それではここで現地の(ザッ)さんにレポートしてもらいましょう!(ザッ)さーん!』
『はーい、(ザッ)でーす。こちらは凄い賑わいですよー!少しお話を窺ってみたのですが、皆さん今日をとても楽しみにされていたということで大盛り上がりです!』
『こちらにも賑やかな声が届いてますよー。本日の目玉ってなんなんでしょう?』
『そう、今作ってるんですが、とっても大きい鍋で作るスープなんですよ!野菜なんか丸ごといっぱい入ってて、見た目にもすごいインパクトがあるんです!』
この世界の情報も入ればいいんですけれどもね
おれがまだあまりよく知らないせいか、きちんと受信できないんです
『早くつながるといいね!』『ラジオは心をつなぎます』
…………ふむ、ラジオとはそのようなモノ、なのですね……異世界のキカイでしょうか。
私の住んでいた国には……引き篭もっていたので分かりませんが多分、無かったと思います。
『そうだろうそうだろう、恐らくは』『貴女にとっては異なる世界でしょうね』
『この世界も』『ラジオの話はあまり聞きません』『少し寂しいことです』
現状おれがほぼ引きこもっているので、探せばこちらにもあるのかも知れませんが
『静けさを愛好する方々には』『好かれない!悲しいこと!』
…ふ、ふふ。お邪魔しております(ぺこり)
此方から流れる言葉が私の脳を刺激し、心地よく感じられるのです…!ふふ…!
しばし楽しませていただければ幸いです、ふふ(体育座り)
『ラジオは君の脳を活性化しアルデバランの加護をも得られる』『ことは科学的には証明されておりません』
『日々の潤いに』『認知症の予防に』『子供の疳の虫に』『生きる支えとして』ラジオ屋をご利用ください
ところでラジオ屋は椅子屋ではないですが椅子があります(不揃いなデザインの椅子を数脚引っ張り出してくる)
『確かにあさりでした、間違いありません。彼女はそう言いましたが彼女があさりと断定する根拠は何一つないのです。あさりではなく砂だったかも分からず、また眼鏡でないことを証明する術はありませんでした。あさりを定義しなければこの議論は始まらなかったのですが、肝心の定義ができるものが誰もいなかったのです』
『終了致しました。本日は終了致しました。昨日は終了致しました。明日は終了致しました。過去は終了致しました。未来は終了致しました。現在は終了致しました』
『(可愛らしい笛の音が激しい風の音の中で響いている)』
……おや、おや。これは素敵な椅子をありがとうございます。
お言葉に甘えさせていただきますね、ふふ。
(一番愛らしい椅子に腰かけ、ラジオに耳を傾ける)
『ラジオは』『快適な状況でリラックスして聞くことがいい(ザー)さ、そうだろう?』
『てんぎてんぎああういああ』
『ラジオがある』世界はこちらだと珍しいのでしょうかね
『視覚も含め色々な情報を得られるテレビとかに』『流れて行くのかしらねえ』
それもここにあるのかはおれには分からないのですが
ふむふむ、興味深いです。
ラジオのようなキカイは鉄帝の方にならあるかも知れませんね。
あちらにはオールドワンの方が多いと聞きますので……
機会があったらあちらの方にも行ってみたいです。
『この世界は多種多様』『俺の』『私の』『僕の』『君の』
『知らないラジオもそこにある!』『かもしれない』
『あちらはいくさごとが多いというのが平和的な考えの者には些か刺激的ですが』
もしくは練達方面にも異世界研究で触れているかたがいるかも知れませんし、
いずれおれも出てみたいところです
『薄暗い路地でした。月のある夜程度の明るさで。
 ゴミ箱や鉄や塩ビのパイプが伸びる狭い路地を抜けていくと、周りが粘着質な何かに変わっていくのです。ねちゃねちゃとした、内臓のような。
 進んだ先には穴があって、深い穴でした。水ではなく空気でもなく、何かに満たされた穴がきらめく銀河のように、ラメで汚された絵具水のように。
 黒い何かが私を見ていました』
『そうそう、それでさー、行ったら休みなんだよもう。びっくりしちゃって』
『あはは、やだ、運なーい』
『その分別のところで発揮されてるからいいんでーす。クーポン当たるとかさ』
『ささやかすぎ!』
『いやいやほらこの放送聞いて(ノイズ)当たった人だってさ、小さな不幸来てるかもよ?扉に肘ぶつけて痺れるとか』
『ふふっ。割に合わなくなーい?』
『うちの(ノイズ)は肘ぶつける以下の価値なの?』
『(笑い声)』
『季節は巡り行く。誰かの思いなど知らぬままに』『知られていたら怖いこともあるよね』
『個人の事情を斟酌するのは程々にしないと、自分の首を絞めるぞ』
季節に絞める首はないと思いますけどね
『川の中からわっと私を驚かせようとする何かがいるのです。あおいろの中にゆらゆらと動く影が見えておりました。水面は近くに滝があるせいで凪いではくれません。その奥にいるものをじいっと見つめてみても、一体何なのか、私にはさっぱりと分からないのです。ただ、それは四本の手を水草のように動かしながら、私が近寄るのを待っているようでした。私も眺めていると、その姿がいじらしく思えてきました。あきれることもなく、健気に誰かを待ち続けているのです。水という境の向こう、きらきらとした目が見えるようでもありました。それは実際、私の夢想に過ぎなかったのかも知れません。それでも私は、あおいろの向こうの影になんとも言えない親しみを感じておりました』
『ご来場の皆様は、どうか傘を(ザザザ)してください』
『わたし、夢を見ていたの。遠くにいく夢を。けれどカラスが鳴くのよ。きいきいって』
『ゆあ  ゆあ  ゆあ ゆあ きざるすぎの とおいこと』
『動かなくなったバイクを押しながら俺は道を歩いていた。修理が出来るところ、なんて高望みはしないけれども、せめて置いて泊まれるようなところがあればいいんだが。山奥の舗装もされていない道ではそれもまた高望みだったのだろう。せめて夜が明ける前に麓に辿り着ければいい』
『ツーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』

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