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ラジオ屋
『そうして私は、長い道を抜けて途方に暮れました。目の前に広がっていたのは大きな川。きれいな川でしたが、端の見えないほどだったのです。飛び込んで対岸を目指すのは、あまり賢明ではないように思えました。その時です。私の前に、老人が小舟に乗ってやってきました。「おや、お困りかね」人好きのする笑顔で笑った老人は、土のような褐色の肌をした人でした。「ああ、ああ、ここを渡りたいのです。戻るべき場所もなく、先に進むしかないのです」私がそう言うと、老人は「それはお困りだろう」と眉尻を下げました。「乗っていきなさい」「ああ、ああ、ありがとうございます。恩に着ます」自分が乗っている側とは反対の側を示して、老人は船を寄せました。私が乗ると小舟はきいきいと音を立てましたが、なんでもないような風でまた水面の上を滑り始めるのです。私が改めてお礼を言いますと、「なあに。困っている人には優しくするものだ」と老人は笑います』
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いえ 受信機ではなく