事務所の所長の部屋。

事務所内にガラクタ置きっ放しの散らかしっぱなしにしてる癖に
それなりの清潔感を保っている。

家具は病院のように無機質なベッドと作業用デスク、
衣装棚がある程度。

……ホモとか、同性愛とかじゃなくてアンタが良いんだよ…恥ずかしいから言わせないでくれ…
あと、興味じゃねえよ…仕方ねえだろ、気持ちヨかったんだ…銀影以外にはもう嫌だけどな…

ん、ん。宜しく…(喉をゴロゴロと鳴らして)

……お、おう。…有栖が叫んでたし、なんかあっただけだろ…(何かあった「だけ」。この事務所以前に混沌に生まれ育っているので特に気にしない。)

…あ、俺さ。…ハイナのとこに行く理由、魔力に耐性つけたいのと…俺はまだまだ弱いなって思って、教えを乞おうと思って…。

…えっと、依頼の事は手紙で言ってくれたらやるからさ。…偶に、会える時に逢うとかどうだろうか…二人きりで……(真っ赤に頬を染めながら逢瀬をしたい、と)

（もしかすると、鬼の形相でランベールを「掃除」しようとする有栖の姿が目に浮かぶ……かもしれない）
（同時に死にはしないだろうが酷い目には遇うだろう予感がする……かもしれない）

うぅぅ、照れて影まで真っ赤に染まりそうだよ。
事情は分かった。分かったけど……今晩くらい一緒に居させてくれ。
（と相手の手を引き、添い寝して欲しいとせがむだろう。断られたら仕方なく一人で寝たりする）

うぅ、なんだろう……（夢の中で修羅か羅刹の形相のアリスを見た気がして一日寝込んだのだった）

…断る理由がねえな(嬉し気に、控え目にだがにこりと笑みを見せ、手を引かれてベッドに入る)
おやすみ、銀影…(鼓動が速いが久しぶりの銀影の体温と匂いで安心しきってすぅ…すぅ…と寝息を立て始めた)

(此方は特に有栖の夢は見ずに、何時も見てしまう両親の死からの絶望に染まった真っ暗な夢も今日は見ない事かと…)

ん…（すりすりと銀影の身体に子供のように抱きつきながら甘えたような仕草をしならが夢の中）

…、…(「安心しすぎてめっちゃ寝てたな…」)(目をこすりながら上半身を起こし、欠伸をする)

…銀影、おーい…。(何も言わずに出て行くのも悪いだろうなと思い「起きろ」と軽く肩を叩き)
俺、行こうかと思うんだが…依頼も熟さねえとだし…

んー……（ころんと寝返りをうち、顔を相手の方に向ける）
そっか、行くんだね。君のために何か出来るといいんだけれど……。
せめて行ってらっしゃいのキスをしてもいいかな

…ついでに魔力、少し持って行っていいぞ…。

…あ、いや…気持ちイイからとかじゃなくてだな、銀影に他のを貰って欲しくねぇから…ってそうじゃなくて…うああ…！(自分の魔力をやるからその代わり、行ってきますのキスをさせてくれとか言うつもりで居たのでどう答えていいかわからずに混乱している模様)

いらないよ！だって今回のキスは食事じゃなくて、その……こっ、恋人とするための、だから。

（相手も混乱している様子を見れば、腰を引き寄せて唇を奪う）

いや、そっちの方が一石二…、んっ…！？(恥ずかしくて何かしら理由を並べようとしたが唇が塞がれて静かになり)

……、……。（「まずい、キスってこの後どうするんだっけ」「目は閉じた方がいいのか開いた方がいいのか…」）
…………。（改めて魔力を吸わずに居ると、無意識に出来た事さえも意識しはじめてしまう。混乱のあまり途中からガッツリ貪って、終えると唇を離し）

ぷはっ！はぁ、はぁ……息……できないかと思った

…、ーー…、・……、…(目をキュッと瞑って受け入れているが「行ってらっしゃいの挨拶って言った筈じゃ！？」とか考えている。息が出来なくなってくるとトン、トンッと銀影の胸元を軽くたたいて訴え)

…っは、はぁ…、ぎん、え…。あいさつの、はずじゃ…(口の端からつー…と飲み込めなかった唾液が垂れる。酸素が取り込めなかったせいで目は少々蕩け、顔は真っ赤。其の儘の表情で相手をじっと見る)
(誘っているわけではないのだがそう見えてもおかしくない気がする…)

……へっ？
だって恋人の挨拶は行ってらっしゃいのチューだって……（作業机から一冊の本を取り出して読み返す。『飽きられない！カップルの付き合い方』という本だった）

……っ。（相手の表情をみるとこそばゆくなって、何かしでかしたくなる前にガラクタから橙色の猫の着ぐるみの頭をひっぱりだして被った）
い、いってらっしゃい……！

ふ、普通挨拶なら触れるくらいのだろ…！(はー、はー…と荒く呼吸を繰り返しながら涙目で)

……～！んの、ヘタレがァ！！(自分はかなり頑張って目を見ていたのに猫の着ぐるみをかぶった相手に一言叫ぶ)
テメェふざけんなよ、こっちは普段人の目を見るのが上手くできねえのに、…、も、知らん！(一発猫の着ぐるみの頭ごと叩いてから扉へと向かい)

……(出てく寸前で振り返り)身を置く場所、分かったら知らせる…。…放ったらかしとか、するなよ……行ってきます…
(静かに扉を閉めて部屋を出た)

そういうものだったのニャ……。（ヘタレ、と言われれば頭をうつむかせてしょんぼりする）ごめんグレシアス、じゃあもう一か……ニャッ！？
（ぽこん、と叩かれてクラクラした）

……ん。行ってらっしゃい。
（アルクがいなくなると、ぼすっとベッド端に座る）
…………アルクがいない間、僕がここを守らないとな。

ランベール君おきてるー？
（扉を叩いている。人間だったらそろそろどす黒いクマが浮いていてもおかしくはないが、そこまで高性能でもないので、疲労が滲んだ動作と虹彩の赤っぽさ以外は特段の代わりもない。）

（暫くして戻ってったとか）

（休んでる間に、誰か来たような気がした。一方本人はというと……）
ぬかった。諸々体から抜けたからって気を緩ませすぎた。
（風邪っぴきでベッドの上で寝込んでいたのだった）
アルが手紙いっぱいくれてる……返さないと（へろへろ）

ーーおや、風邪？(部屋の隅で小さな声)

そう、風邪……って、誰！？（がばっ！と身を起こし）

死体や龍が風邪を引くというのも面白い話だね？(ふわっと暗がりから浮き出す。コートを羽織っておらず道着のようなラフな姿)

（そういや鍵は開けっぱなしだったなぁ、とぼんやり思う。熱っぽい頰のまま、へらりと緩く笑って）人並みになった証拠かな。ようこそいらっしゃい。
何かおもてなししないと……。
（ベッドから身を起こそうとして、まっふりベッドに倒れ直す）あれっ……？

ああ、もてなしなど良いよ。“乱れ”を感じて様子を見に来ただけだしね。あまり無理をさせたらキミの番に殺されるかもしれない。(くす、くすとベッドに近寄って覗き込もうと)分割だの混ぜ物だのしたから、中のモノが乱れたかナ？

アフターケアも万全って訳だね。（動けない今となっては、ありがたい。ふにゃりと微笑み）ははは。グレシアスはツンデレだけど、優しいからそんな事はしないさ。

治癒魔法が使えるくせに、自分のとなると治せないんだから厄介だなぁ。

円滑なモノガタリの為の調整ともいう。(ニンマリとチェシャ猫じみた笑み)さァ、どうだろう。世界にただ１人しか必要としないニンゲンの所業は、怖いからね。ヒヒヒ……。

何でも助けて貰えるのは、ありがたいもんだよ。
僕は怠惰な性格だから、まわりに世話をやいてくれる人がいないと生きていけないからね。
（自分の怠惰を改める様子もなく、真顔でのたまう）
世界にただ1人仕掛け人が必要としない？……それってなんだか、寂しげだね。

どうだろう、本人は幸せだと言うかもしれない。そんなものは要らないと、余計なお世話と言うかもしれない。それでもね、わだつみのコ。それが寂しいコトだとキミが思ったのなら迷う事は無い。キミの言葉を聴かせておやり。

まぁ、グレシアスは弟子のアリスもいるし、最近になってお師匠さんもちょっかい出して来るようになったから大丈夫だよ。

ラナティアとも楽しくお話ししていたし、どっちかっていうと……イザークが獲って食われないか心配だなぁ。（あのぬいぐるみサイズならいとも簡単に咥えてしまえそうだ。シュールな絵面を思い描いて半眼になった）

あれは根が深いから、注意おしよ。(額に手を伸ばして熱を計ろうと)

分かったよ。商人さんの助言なら、きっと意味がある筈だよね。グレシアスのためにもなるだろうし。
（人間の体温で微熱がある程度。本当に風邪っぴきのようだった。
手のひんやり感が気持ちよくて目を細める）

…あんまり、我（アタシ）を信じすぎない方がいいよ？悪い魔法使いらしいからね？（クスクスと笑いながら熱を奪おうと）

信じてますよ（いつも通りの緩い笑みで言い切る）他人がなんと言おうと、ちゃんとこうして向かい合って話が出来るなら……
その人の人となりは、僕自身が判断します。

そう。
(前髪の奥の鋭利な紫の目が、少し嬉しそうに緩んだのが見えるかもしれない。いつもより緩い雰囲気で笑った)

いいこだねぇ。
(だから、風邪はソレが連れて行ってしまうことにした)

信用できる上に、めちゃくちゃイケメンなのも知ってる！
何で隠しちゃってるんです？見せてたらモテると思うんだけどなぁ。

……あれ？（話しているうちに、なんだか身体かま軽くなった気がした。あっさり上半身を起こす）
治ってる……？

ーーあんまり視えても、よくないからね。(額に乗せていた手を下げつつ)

そうかなぁ？髪の毛あげて店頭に立つだけでも、結構なファンが来そうだけど。
（今のミステリアスさも素敵ではあるので、今のままでもいいか、なんて肩の力を緩めた）
僕はすっかり店主さんのファンだけどね。

なにぶん、我(アタシ)に視られて問題無いのは意思の宿らぬ器物くらいだから。(肩を竦めてから、ふぁん、と鸚鵡返しに繰り返す)

僕何度か見ちゃってますけど…？（そこはいいのか、と思わずツッコミを入れた）お店にはファンがつくものでしょ。その理由は品揃えであったり、接客してくれる店員さんであったり、様々だ。
って、まだ本一冊買ったっきりの僕が言うのも変な話か。

キミは関わる内に幾らか視えちゃってるし、ね？(くすくす笑って前髪を上げると、中性的な顔立ちのソレが愉快そうに両目を細めている)短い間なら眼を逸らすことも出来るし。

ふぅん、そういうものかぃ。行商がメインだったからあまり実感は無いけれど。客(キミ)がそう言うならそうなんだろうね。

店主さんに少し魔力を貰ったから、なんともないのかな。
目が合うとドキドキするのは変な力とかじゃなくて、店主さん本来の魅力だと思うんだよね。

（自分で言ってて盛大に照れ、がしがし頭を掻いた）

お客の意見のうちのひとつだと思ってくれればいいと思うよ。

そんなに褒めても、魔力(おやつ)くらいしかあげられる物が無いよ？(肩を竦めて、再び髪で目を隠してしまい)

おやつ……（思い当たると頰まで真っ赤になり、シーツで顔を覆う）お、美味しかったけどそこは我慢するよ……代わりに、普通のお菓子が欲しいな。
Trick or treat？

なんだぃ、珍妙な顔をして。睦事でもあるまいに。(雛に餌をあげる程度にしか思っていない様子で。注意して見るなら髪や背にかなりの量を蓄えているのがわかるかもしれない)

ン、ああ、そうだね、子供には菓子をあげないと。どんな悪戯をしでかすかにも興味あるけどね。ヒヒヒ……。(懐からキャンディーをコロリと取り出す)

お腹が空くと一線を超えがちな僕だけどっ……キスとかは、まずお付き合いから段階を踏んでってアルにアドバイスしたし、僕が率先して破るわけにはいかないさ。
（シーツの隙間からじーっと相手を見て、魔力の蓄えを感じると、思わず）
なんか店主さんって、頬袋ぱんぱんにしたハムスターみたいだね。
（などと判りにくい例えを出す。キャンディーが見えれば目を輝かせ、両手を差し出し）
悪戯したら倍返しされるのは、こないだ見に染みたよ。

……空腹で錯乱すると思わぬ事案を招くから、早めに色事と食事は切り分けておきなね？(珍しく、心配をにじませた声色で)

ハムスター？ああ、間違ってはいないね。ヒヒヒ……この世界では“電池”はかなり有用なのさ。(両手にキャンディーを載せてやりながら)

体液摂取が基本だから、ちょっと指に傷つけて貰って吸うとかかな。
もっと切り分けられる方法があるといいんだけれど。

（前髪で目元の隠れたハムスターを想像して、和んだ笑み）なるほど、電池か。僕も電池を用意すればいいんだ！
……わぁ、ありがとう。こっちからも何かお返しできればいいんだけれど（とくたびれた服のポケットを漁りはじめる）

あー、それ、我(アタシ)がやるとロクな事にならないからねぇ。試した全部、カタチが無くなっちゃった。(けらけら)

おや、電池にアテはあるの？